労働問題で批判を浴びた外食２社の業績悪化が止まらない。牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングスの２０１５年３月期連結決算で、最終損益が１１１億円の赤字（前期は１１億円の黒字）となった。最終赤字は１９９７年の上場以来初めて。

　ゼンショーは、深夜の１人勤務体制「ワンオペ」を廃止し、複数人員での店舗運営に切り替えたことで人件費が増加した。牛丼を値上げして対応したが、費用の増加分を吸収しきれなかった。

　売上高は、すき家を含む牛丼部門は減収だったが、傘下の回転ずしやファミリーレストランは好調で、前期比９・３％増の５１１８億円だった。

　一方、居酒屋大手のワタミは、１５年３月期の連結最終損益の見通しを１２６億円の赤字と、当初予想の７０億円の赤字から大幅に下方修正した。不採算店舗の減損処理などで損失がふくらんだ。

　ワタミは居酒屋の「和民」「わたみん家」で４月から値下げを決めたが、同月の既存店売上高は前年比８９・３％、客数は同９０・７％減と回復していない。デフレ時代に業績を伸ばした両社の苦戦はどこまで続くか。

http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20150513/ecn1505131203008-n1.htm

ブラック企業は淘汰されて問題なし

　居酒屋大手のワタミは13日、６月〜2016年３月の10カ月間、役員と執行役員の報酬を最大50％減額すると発表した。主力の居酒屋事業が低迷し、15年３月期の連結最終損益が126億円の赤字と、赤字幅が前の期の49億円から拡大する責任を取る。

　13日付で前社長の桑原豊氏が取締役を退任したことも発表した。同氏は２月末まで社長を務めており、経営責任を明確にするため自ら辞任を申し出たという。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ13HP0_T10C15A5TJ1000/

大手居酒屋チェーン店のワタミが、2016年3月期に85店ほどを閉鎖すると発表した。

■前年期と合わせて3割の店舗を閉鎖

5月13日現在では、ワタミフードシステム株式会社のホームページで国内の系列店を検索すると539店が表示されている。

同社では、2015年3月期に102店舗を閉鎖しており、今回と合わせて3割の店舗が閉鎖される見通しだ。

■2年連続の赤字

2014年3月期に上場後初めての赤字（49億円）となったワタミ。2015年3月期も赤字が予想されていたが、126億円もの赤字は予想されていなかった。

■消費増税の影響？値下げをしても顧客戻らず

ワタミでは消費増税に合わせて値上げをしていたことから、「和民」などのチェーン店の売り上げが低下。

そこでハイボールを490円から290円に引き下げ、300円未満の商品を増やすなど、4月から大規模な値下げを行っていた。しかし顧客は戻らず、4月の既存店売上高は、10.7％減だという。新歓シーズンでこれはなかなか手痛い数字だと言えるだろう。

また、値下げの発表と合わせて同社の清水社長は、料理の質やサービスのレベルの低さにも触れ、「顧客満足度の向上を図りたい」とコメントしていた。

■企業イメージも業績低迷のきっかけに？

人手不足にあえぐ外食産業だが、ワタミは2012年と2013年に「ブラック企業大賞」にノミネート。ブラック企業のイメージが定着してしまった。

清水社長は1月、日本経済新聞の取材に対して「世間の『ブラック企業』との批判を真正面から受け止める必要がある」とコメント。労働環境改善を最優先すると語っていた。

http://irorio.jp/jpn_manatee/20150513/228672/