経営再建中のシャープは１４日、２０１５年３月期連結決算の純損益が２２２３億円の大幅赤字に転落したと発表した。これを受け、国内従業員３５００人程度の削減や、大阪市の本社売却を柱にした経営再建計画を公表した。事業の立て直しを急ぐ。

　財務体質強化のため、主要取引銀行のみずほ銀行と三菱東京ＵＦＪ銀行から計２千億円の金融支援を受ける。企業再生ファンドからも出資を受ける。

　高橋興三社長は１４日、東京都内で記者会見し「業績は厳しさを増している。ご心配をおかけして大変申し訳ない」と陳謝した。

http://www.kahoku.co.jp/naigainews/201505/2015051401001244.html

［東京　１４日　ロイター］ - シャープ は１４日、２０１６年３月期から１８年３月期までの３カ年の中期経営計画を発表した。１５年３月期に２２２３億円の最終赤字を計上したことを受け、主力２行などが２２５０億円の資本支援を実施する。さらに、１２１８億円の資本金を５億円に減資して累積損失を一掃する。

１５年３月期は、液晶パネルの在庫評価減や太陽電池事業の材料費の引き当てで４８０億円の営業赤字（前年同期は１０８５億円の営業黒字）に転落。

当期赤字は２２２３億円（前年同期は１１５億円の当期黒字）。太陽電池、電子部品の生産設備の減損や構造改革費用を積んだため、１２５２億円の特別損失を計上したことが響いた。

優先株による増資、さらに累損解消のための減資は６月２３日の株主総会で決議する。

今期のリストラとして、グローバル人員の１０％（このうち国内の希望退職で３５００人）を削減。さらに、本社ビルの売却や、２０１５年度の給与や賞与の削減で２０１５年度に２８５億円の固定費削減効果を目指す。

６月１日から、家電、太陽電池、複写機、電子部品、液晶の５部門を社内分社するカンパニー制を導入する。

経営責任の明確化として、代表取締役の５人は高橋興三社長を除く４人が外れる。代表取締役は２人体制とし、高橋社長は続投する。

(村井令二)

http://jp.reuters.com/article/companyNews/idJPL3N0Y53SG20150514

　シャープ（6753）が14日発表した2015年３月期の連結決算は、最終損益が2223億円の赤字（前の期は115億円の黒字）だった。液晶の主力生産拠点である亀山工場（三重県亀山市）などの設備の減損処理が響き、２期ぶりの赤字となった。16年３月期の最終損益の予想は開示していないが、赤字の可能性が高い。会見した高橋興三社長は冒頭に「ご心配をおかけすることになり、大変申し訳ない」と陳謝。「構造改革を断行して、今後100年でも続く企業にしたい」と語った。会見の主なやりとりは以下の通り。

　――社長としての経営責任をどう考えていますか。

　「新しい中期経営計画は私が中心になって策定した。それを遂行することが経営責任だと思う。途中で失敗したらどうするのかとよく言われるが、そんなことを考えていたらスタートラインには立てない。絶対にやりきるという意思でやらなければならない。社員とどう向き合って心を合わせていけるかが大きな課題だ」

　――前回の中期計画が失敗した理由をどうとらえていますか。

　「（14年度下半期に）外部環境が変わると弱かった。ガバナンス（企業統治）や経営管理体制が（液晶の価格下落や、太陽電池の原料であるシリコン市況の悪化など）市場の大きな変化に対応できなかった。その反省を生かして、（迅速な経営判断ができる）社内カンパニー制導入などの構造改革を断行する。今回の体験を生かして外部環境の変化に強い会社にしていくことが自分の責任だと認識している」

　――液晶事業の分社化の可能性は。

　「現時点で完全な分社化は我々のロードマップにない。液晶を含め各カンパニーについては10月までの助走期間中に経営体制のあり方を模索する。液晶事業は航空や医療分野などの分野での事業比率を高める。（他メーカーとの競合は激しいが）前期に工場などの設備の減損もしており、競争力のある体制に変わっていると認識している」

　――固定費削減の中には本社の売却も含まれています。

　「今回がシャープ全体として不退転の挑戦のときということだ。もはや聖域はない。本社の売却は当然考えられることで、キャッシュが入り経営にも貢献する。現時点で移転先やいつごろの売却になるのかは何も決まっていない。気持ちとしては売却してでも構造改革を遂行したいということの表れだ」

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL14HKI_U5A510C1000000/

　経営再建中のシャープは１４日、２０１５年３月期連結決算の最終（当期）損益が２２２３億円の巨額赤字（前期は１１５億円の黒字）に陥ったと発表した。赤字は２年ぶり。経営の立て直しを図るための今後３年間の経営再建計画（中期経営計画）も発表。国内で約３５００人の希望退職を募集するなど人員削減を図るほか、主力取引銀行などから２２５０億円の資本支援を受け、１８年３月期に１２００億円の営業利益の確保を目指す。今回の赤字の責任を取り、高橋興三社長を除く代表取締役４人の代表権を返上する。

　東京都内で記者会見した高橋社長は、「（前回経営危機に見舞われた）２年前に決断できなかった抜本的な構造改革で安定した収益基盤を構築し、復活に向け再スタートを切りたい」と述べた。

　再建策では、国内３５００人の希望退職を含め、世界で約５０００人の人員を削減し、社員の賃金を２〜５％減らす。また、液晶や家電など五つの主要事業を社内で分社化。それぞれの事業の独立性を高めることで、より迅速な経営判断や、事業ごとに徹底した収益管理ができるようにする。各事業の見直しについては、北米、中米のテレビ事業を縮小することを盛り込んだが、これまで検討してきた中小型液晶パネル事業の社外への分社化や、太陽電池事業の大幅縮小などは見送った。

　資本面では、現在１２１８億円ある資本金を５億円に減資。過去に累積した損失を一掃して財務基盤を強化する。また、主力取引銀行のみずほ銀行と三菱東京ＵＦＪ銀行から２０００億円、投資ファンドからも２５０億円の出資をそれぞれ優先株で引き受ける。

　１５年３月期連結決算は、売上高が前期比４．８％減の２兆７８６２億円、本業のもうけを示す営業損益は４８０億円の赤字（前期は１０８５億円の黒字）だった。液晶、太陽電池、テレビの各事業の不振が響き、２月時点の予想（５００億円の黒字）から一転して赤字に転じた。１６年３月期は、売上高が前期比０．５％増の２兆８０００億円、営業利益は８００億円と黒字転換を予想している。【宇都宮裕一】

http://mainichi.jp/select/news/20150515k0000m020087000c.html