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女性登用推進で男性の権利を侵害することは許されるのか?採用されない男性合格者たち(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/531.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 16 日 01:46:05: igsppGRN/E9PQ
 

                      「首相官邸HP」より


女性登用推進で男性の権利を侵害することは許されるのか?採用されない男性合格者たち
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150515-00010007-bjournal-bus_all
Business Journal 5月15日(金)22時30分配信


「多様性」は「イノベーション」(資源に対し富を創造する新たな能力を付与するもの)の源泉だ。少子化対策や財政・社会保障改革が喫緊の課題となる中、行政にもイノベーションが必要であることはいうまでもないが、安倍晋三政権は成長戦略の柱として女性活躍推進を目指し、あらゆる分野の指導的地位にある管理職レベルにおいて、「2020年までに女性管理職の割合を30%以上」を目標に掲げている。

 このような状況の中、「女性キャリア官僚、初の3割採用」という以下の記事があった。

「政府は28日、2015年度に採用した国家公務員のうち『キャリア』と呼ばれる幹部候補の総合職に占める女性の割合が34.3%になったと発表した。前年度から10.4ポイント上昇した。内閣府によると3割を超えたのは戦後初。女性の登用推進を掲げる安倍内閣の方針を受け、各省庁が女性の採用に重点を置いた。一般職と専門職を合わせた全体では女性が31.5%を占めた。政府は10年に定めた男女共同参画基本計画で15年度までに女性の採用比率を3割に高める目標を掲げ、これを達成した形だ。15年度は総合職の新人662人のうち227人が女性。女性比率は最も高い法務省で60.0%、環境省(45.7%)や文部科学省(41.5%)でも4割を超えた。各省庁が採用に際して課す総合職試験の合格者の女性比率は21.2%で、採用者の比率よりも10ポイント以上低い。各省庁が合格者から新人を選ぶ際に、男性よりも女性を採る傾向が強かったことがわかる。政府は16年度も女性の採用比率3割以上を目標として掲げる。28日の閣議後の閣僚懇談会で有村治子女性活躍相は、20年までに女性の管理職を3割以上に高める目標の達成に向け新人教育に力を入れるよう各閣僚に要請した」(4月28日付日本経済新聞記事『女性キャリア、初の3割 15年度採用の国家公務員』より)

 記事を注意深く読まないと気づかない可能性もあるが、個人の権利や公正(Fairness)との観点から、記事中で触れられている以下の点が重要である。

 キャリア官僚とは、国家公務員のうち幹部候補をいうが、その採用にあたっては「国家公務員総合職試験」に合格していることが条件となっている。この試験に合格しない場合、採用はされない。11年度までは「1種試験」【編注:「1」の正式名称はローマ数字】といったが、12年度から「総合職試験」に変更された。そこで同記事から読み取れることは、「15年度の『総合職試験』の合格者のうち女性が占める割合は約2割であったが、キャリア官僚として採用された女性の割合は約3割であった」ということである。もし総合職試験に合格した男女の能力に差がない場合、キャリア官僚として採用された女性と同じ能力を持つ男性がいたにもかかわらず、成長戦略の柱である女性活躍推進の目標が原因で採用されなかった男性の合格者が少なからずいたということを意味する。

 なお、人事院の資料を見るとわかるが、ここ数年、総合試験や1種試験の合格者に占める女性の割合は約2割、キャリア官僚として採用された女性の割合も約2割であった。例えば14年度では、総合職試験(大卒程度試験、教養区分を除く)の申込者数1万8949人(うち女性6022人、31.8%)のうち、合格者数は1282人(うち女性255人、19.9%)で、採用者数は396人(うち女性101人、25.5%)であった。

●個人の権利vs.多様性

 これは、欧米等の人種問題で時々論争となる、いわゆる「逆差別」という議論に類似するもので、キャリア官僚の採用判定や基準の要素に性別を考慮することが許されるかという議論に発展する。

 この議論を突き詰めれば、「個人の権利vs.多様性」という論点が浮かび上がってくる。個人の権利とは何か。それは、キャリア官僚の採用判定や基準の要素に、法律や経済といった知識に関する理解力やそれを操る潜在的能力のほかに、「性別」を考慮することで、採用された女性と同じ知識や能力を持つ男性合格者の権利を侵害することが許されるのか、という問題である。これは、公正(Fairness)や差別に関する議論にもつながるはずだ。

 他方、多様性とは何か。多様性の議論は、個人の権利に関する議論とは異なり、少子化や財政・社会保障の問題をはじめ、多くの難題を抱える日本がイノベーションを必要としている中で、行政機構の目的や使命に訴えかけるものである。

 つまり、「個人の権利」と「公共の利益」(新たな社会的使命)との衝突の問題といっても過言ではない。多様性の議論が説得力を持つためには、反論に答える必要があるが、問題の本質は本当に個人の権利は侵害されるのか否かという点である。

 この問題に対する明確な答えはないが、一つ明らかな事実は、採用を決めるのは各官庁であり、各官庁の採用判定や基準は不透明であるという問題はあるが、キャリア官僚の採用判定や基準に「女性採用に重点」という「多様性」の項目が加わったことである。

 なお、この事実は行政もイノベーションを必要としており、そのために「多様性」を重視するようになったことを意味する。であるならば、多様性の項目リストは広い。キャリア官僚の中途採用や、局長・課長級ポストを含む産官学の「回転ドア(リボルビング・ドア)」の仕組みを含め、行政機能のイノベーションを強化するため、多様性の拡充を進めていくことが望まれる。そして、それは企業統治改革で社外取締役などの拡充を進めている産業界も同様である。

(文=小黒一正/法政大学経済学部教授)


 

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