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TPP締結に躍起になるオバマ大統領 たとえ実現できたとしても、中国を抑制することはできない(JBpress)
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/665.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 20 日 00:50:05: igsppGRN/E9PQ
 

バラク・オバマ大統領はTPP締結に必要なファストトラック権限を求め、米議会と戦っている〔AFPBB News〕


TPP締結に躍起になるオバマ大統領 たとえ実現できたとしても、中国を抑制することはできない
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43835
2015.5.20 Financial Times JBpress


(2015年5月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


 バラク・オバマ米大統領はなぜ、環太平洋経済連携協定(TPP)締結にこれほど必死になっているのだろうか。長ったらしい公式見解の答えは、大統領はTPPが太平洋の主要経済国12カ国間の障壁を取り壊し、ひいては一層の繁栄をもたらすと考えている、というものだ。短い本当の答えは、中国である。


 TPPに関する極めて重要な事実は、これが米国、日本、その他10カ国の環太平洋諸国を含むが、中国は除外する貿易協定だということだ。


 TPPを取り巻くワシントンの議論の大半は、貿易交渉が投げかけるありきたりな議論――つまり、農家、通貨、知的財産に関する議論だ。だが、オバマ氏と日本の安倍晋三首相の根本的な動機は、戦略的なものだ。


 しかし、日米両政府にとっては残念なことに、TPPは、たとえ実現したとしても、TPPに託されたすべての地政学的な期待を正当化するほど大きな意義のあるステップではない。


■日米両国の戦略的な動機


 TPPの背後にある戦略的ロジックについて議論するのは難しかった。なぜなら、最近まで、米国は中国を除外する理由について率直ではなかったからだ。公式見解は、中国経済はとにかく、参加に値するほど開放的ではない、というものだ。


 だが、数週間前、オバマ氏はもう少しでTPPが貿易よりはるかに大きな意味を持つことを認めるところだった。


 米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙に対し、TPP締結が重要な理由として「もし我々がルールを作成しなければ、中国がルールを作成する・・・米国は締め出されることになる・・・中国が自国の規模を利用して地域の国々を力で従わせることを米国は望んでいない」と語ったのだ。


 オバマ氏はそれでもまだ経済的観点で議論を展開した。だが、米国の外交政策のエスタブリッシュメントには、より大きなパワーポリティクスの問題をはっきり語る意思がある人もいる。


 かなり話題になった外交問題評議会(CFR)の最近の報告書は、中国の力が米国の「アジアにおける優位性」を脅かすようになったため、「中国を自由な国際秩序に組み込もうとする」数十年間の米国の努力は事実上、裏目に出たと論じている。


 報告書の著者で、米国で最も有名なアジアウオッチャーであるロバート・ブラックウィル、アシュリー・テリス両氏は、「意識的に中国を除外する機関を通じた・・・米国の友好国、同盟国間の新たな優遇的貿易協定」を含め、中国に対抗するさまざまな措置を講じるよう訴えている。これはTPPの描写だ。


 領有権や外交を巡り中国と激しい論争を繰り広げている日本にとっては、この戦略的な動機は一層強いものだ。日本政府は当初、強力な国内有権者を怒らせるのを避けるためにTPP交渉にかかわらなかった。だが、中国の台頭に対する安倍氏の恐れが、日本の農家に対する恐れに勝った。



4月29日、米上下両院合同会議で演説する安倍晋三首相〔AFPBB News〕


 安倍氏はTPPを、日米同盟およびアジアにおける日本の役割を強化するうえで欠かせないものと見なすようになった。


 米議会での最近の演説では、TPPは突き詰めると「民主主義と自由」が目的であり、「その戦略的価値はすごい」と語った。


 米国と日本の首脳のこうした訴えににじむ不安感は、日米両国が中国がアジアで勢力を伸ばしていることを恐れているという事実を反映している。


■AIIBの屈辱の後、TPPにかける期待


 領有権を巡る日中の直接的な論争は多少落ち着いたものの、南シナ海における中国の領有権の主張は、明らかな軍事的意義を持つ、物議を醸す「埋め立て」プロジェクトを通じて、精力新たに推し進められている。


 経済的な面では、米国が最近、重要な同盟国が中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加するのを阻止することに失敗したことは、米国にとって屈辱となった。


 米国は今、AIIBが中国の「一帯一路」政策――中国を中心とするアジア太平洋地域全体で新たなインフラ網を構築する取り組み――を推進する手段となることを懸念している。


 こうした挫折に直面し、オバマ政権は今、アジア太平洋地域における米国の影響力の明白なサインとしてTPP交渉をまとめる決意を固めている。大統領はアジアへの「リバランス」を外交政策における自身の目玉構想に据えた。オバマ政権の高官は今、リバランスが健在であることを知らしめるためにTPPが欠かせなくなったことを受け入れている。


 だが、TPPは本当の意味で、今託されている戦略的期待を満たすことができない。


 まず、交渉に参加している12カ国が合意をまとめられるかどうか、また各国が国内で承認を得られるかどうかは、まだ全く定かでない。米議会でのオバマ氏の苦労は、然るべき警告を発している。


 さらに重要なのは、中国がアジア経済の中核になり、それが意味する政治的、戦略的利益を得るのを防ぐには、もう手遅れだということだ。中国はすでに、日本、シンガポール、オーストラリアを含め、TPP交渉に参加する重要国の大半にとって最大の貿易相手国であり、米国自身にとっても第2位の貿易相手だ。


■中国の圧倒的経済力はもう変えられない


 中国は、TPP交渉にさえ参加していないアジア主要経済国の韓国、インドにとっても最大の貿易相手国だ。実際、オバマ氏が先週、米議会でTPPを存続させるのに奮闘していた時、インドのナレンドラ・モディ首相は中国を訪れ、総額220億ドルの商業契約に調印していた。


 中国とビジネスをしようとするモディ氏の意欲は、中国の台頭にインドが完全に安穏としていることを意味するわけではない。アジア地域の米国の友好国、同盟国の大半と同様、インドは米国にアジアにおける軍事的プレゼンスを高めるよう促している。


 だが、米国が依然としてアジア太平洋地域における支配的な軍事大国である一方、中国は今や突出した経済大国だ。これを変えるには、TPPはその効果が小さすぎ、タイミングが遅すぎる。



 

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