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実質破綻シャープ、不可解な救済の怪 銀行と政府の犯した罪、具体的再建策ないまま支援(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/672.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 20 日 07:41:15: igsppGRN/E9PQ
 

実質破綻シャープ、不可解な救済の怪 銀行と政府の犯した罪、具体的再建策ないまま支援
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150520-00010002-bjournal-bus_all
Business Journal 5月20日(水)6時1分配信


 3カ月前に経営危機が再燃したシャープの株価が先週末(5月15日)になって再び急落し、一時、177円と4日前に付けたばかりの年初来安値(178円)を更新する騒ぎがあった。原因は、前日に発表された2015年3月期決算で2223億円という巨額の最終赤字に転落したにもかかわらず、これといった打開策を打ち出せなかったことにある。格付け会社の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)と日本格付研究所(JCR)が同日中に、シャープの格付けの大幅引き下げに踏み切って市場の混乱は増幅した。

 こうした中で違和感を抱かざるを得なかったのが、メインバンク2行と官民ファンドの動きだ。本来ならば資金の引き上げに動いても不思議はない状況にもかかわらず、そろって大胆な金融支援に応じたのだ。

 国民経済的にみて、雇用確保は最重要課題のひとつ。とはいえ、事実上の破綻に瀕した企業への今回の救済劇は、市場の需給調整機能を損なう行為にほかならず、両行やファンドの見識が問われている。

●赤字常態化のシャープ

 シャープの最終赤字決算は常態化しており、過去4年間で3回目となる。今回は12年3月期(最終赤字3761億円)、13年3月期(同5453億円)に続くケースだ。14年3月期(最終黒字116億円)に一息ついたものの、今回再び巨額赤字に沈んだ格好となっている。

 15年3月期の売上高は前期比で4.8%減の2兆7863億円にとどまった。主力製品の中で販売不振が目立ったのは、金額で前期比10.6%減、台数で同10.0%減になった液晶テレビだ。また、分野別では売り上げ全体の3分の1を占める液晶部門が、単価下落の影響を受けて前期比8.5%減の9071億円に減った。中国勢などとの競争にさらされている太陽光パネルも不調で、エネルギーソリューション部門が同38.3%減の2708億円に落ち込んだ。

 営業損益、経常損益、最終損益はそろって481億円、965億円、2223億円の赤字に転落。営業損益赤字転落の原因になったのは、587億円に達した「買付契約評価引当金」の計上だ。太陽光パネルの製品市場では競争の激化によって販売価格が下がっているにもかかわらず、シャープは長期契約に基づいて材料(ポリシリコン)を高値で購入し続けざるを得ないため、将来の損失の発生が確実という。そこで、監査法人の助言もあり、想定される損失を計上したというものだ。同様に、液晶部門の在庫の評価減(295億円)を計上したため、営業赤字が一段と膨らんだという。
 
 さらに、海外液晶テレビ構造改革(99億円)、太陽光パネル堺工場減損(92億円)、液晶亀山・三重工場減損(777億円)、電子デバイス三原・福山工場減損(66億円)などの決算処理を行っており、これが最終赤字を大きく膨らませる原因になったとしている。

 巨額最終赤字の発生に伴う経営破綻を回避するため、シャープが必要に迫られたのが、減資による利益剰余金の欠損の解消と、増資による資本増強である。1218億円まで減った資本金を5億円まで減資した後、6月23日の株主総会で優先株の発行を決議し、合計で2250億円の資本を調達する方針を掲げた。

 一方、その優先株を引き受ける金融支援に応じたのは、みずほ銀行、東京三菱UFJ銀行のメガバンク2行と官民ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)だ。引受額はメガバンク2行がそれぞれ1000億円、JISが250億円となっている。

 ただ、これだけの増減資や金融支援を断行するという割には、シャープが新しい中期経営計画に盛り込んだ事業の立て直し策は、抜本策を欠いている。
 
 シャープは、(1)事業ポートフォリオの再構築、(2)固定費削減の断行、(3)組織・ガバナンスの再編・強化の3本柱を掲げている。しかし、3本柱の中で比較的実現可能性がありそうなのは、3500人の人員削減により150億円のカットが見込めるとした固定費の削減ぐらいだ。太陽光パネルがお荷物であるエネルギーソリューション部門の体質改善と構造改革で687億円の経費削減、さらに液晶部門の体質改善と構造改革で370億円の経費削減が可能としているが、そのための具体策はなにひとつ示されていない。

●不透明な支援決定までの過程

 そこで、会社の怠慢だけでなく、もうひとつ目を向けなければならないのが、金融支援に応じたメインバンクと官民ファンドの対応振りだ。

 もちろん、あまりにも時間的な余裕がなかったという問題はあるだろう。今回、シャープが最初に業績下方修正の可能性に言及したのは今年2月のこと。3月になって、再度の下方修正の可能性が浮上し、その実態が深刻であるとしてシャープが金融支援を打診したのは3月のこととされている。

 筆者が関係者を取材した限りでは、メインバンクと官民ファンドは支援の可否を検討するため、早急に事業再建策を策定するようシャープに迫ったが、決算発表までの間が十分でなく時間切れとなり、今後の速やかな再建策の具体化と実施を条件に、とりあえず時間的な猶予を与えるための支援に応じざるを得なかったというのが実態のようである。メインバンク2行にとっては、自らが空前の利益を上げる中で、いきなり失業を助長するような資金回収に着手するのは道義的に拙いとの配慮が働いても不思議はない。

 しかし、その過程が不透明感に満ちているのも事実だ。「アベノミクスの失敗」というイメージが出るのを防ぐため、政府が救済を指示しているとか、大企業のシャープが中小企業支援策の利用を検討していると報じられ、複数の閣僚が再考を促すコメントをする騒ぎがあったことも紛れのない事実だからである。自由放任されるべき民間の経済活動が、政府の意向で歪められた印象が拭えない。

 振り返れば、日本では過去数年、日本航空(JAL)や東京電力など実質的に経営が破綻し、市場から退出を命じられたはずの企業に対する国策救済が横行してきた。しかし、そうした行為は、自由主義市場の持つ需給調整機能を損ない、新たな破たんや市場の歪みを誘発する行為にほかならない。

 政府の圧力は論外だ。また、メインバンクや官民ファンドが、杜撰な再建計画しか持ち合わせない実質破綻企業を安易に救済するのも、ご法度である。

(文=町田徹/経済ジャーナリスト)

 

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コメント
 
01. 2015年5月20日 23:58:29 : OrUmIOsggI
シャープに融資した銀行が、融資先のシャープが経営破たんすれば、不良債権化する。1990年代の住専みたいに、また国の税金投入ですか。「これから日本はどうなるのか。」と危惧されていた頃に日本を離れたが、何だかそれからずっと超低金利継続状態。

シャープは白物家電や事務機に限って存続させ、それらの分野も希望する企業に買い取らせるしか方法は残されていないと思う。


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