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日本の財政健全化計画を検証(大前研一)
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投稿者 rei 日時 2015 年 5 月 20 日 20:34:36: tW6yLih8JvEfw
 

日本の財政健全化計画を検証(大前研一)

【日本】財政健全化計画の基本方針固め 〜政府〜

 政府は夏にまとめる財政健全化計画の基本方針を固めました。2020年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する道筋として、経済成長による税収増で7兆円、歳出の削減等で9.4兆円を賄う計画です。消費税の10%超への引き上げは当面検討しない予定です。

 安倍総理や黒田総裁の言動、そして政府の基本計画を見ると、おかしいと思うことがたくさんあります。今回発表した計画の、実質GDP成長率と基礎的財政収支の推移をグラフで見ると、経済がベースラインを前提とした試算では基礎的財政収支は一向に改善せず、経済が再生する前提で、2%のGDP成長率を想定して試算すると、基礎的財政収支が徐々に改善することが示されています。

 しかし、現在は2%などとても達成できない状況なので、このままいけば2020年までにプライマリーバランスを黒字化することは不可能で、経済成長が4%にでもならない限り難しいのです。なぜこれで安心してしまい、財政の立て直しにもっと真面目に取り組まないのでしょうか。

 その理由は安倍総理によれば、経済成長すれば良いと言うのでしょうが、たとえ2%の経済成長をしてもグラフを見れば明らかなように、少なくとも2023年までには基礎的財政収支の赤字脱却0にはならないのです。このように数字はすべて安倍総理の言うようにはならないのです。なぜこのようなものを政府が平気で発表できるのか不思議です。

 債務残高の国際比較をグラフで見ると、債務残高は各国増えてはいますが、日本だけがどんどん悪くなっています。かつてはイタリアと競っていましたが、今では日本が200%を超えてダントツで世界1位です。何かの加減で市場の状況がおかしくなったときにはここにブーメランが飛んでくるわけで、そうした状況に備えなければならない時期にきているにも関わらず、今の安倍総理の能天気さは糾弾すべきところだと思います。

【日本】日本株を買い支え、引き上げる7頭のクジラ 〜THE PAGE〜

 ニュースメディア、THE PAGEは「日本株を買い支えて引き上げる7頭のクジラ」と題する記事の中で、日銀、郵貯銀行、かんぽ生命など7つの巨額公的マネーが日本株を買いまくっていると伝えました。

 今、株がなぜ上がっているのかを説明する唯一の理由は、この資金によるものです。企業業績が良くなっているのは事実ですが、それにより説明できる範囲はすでに超えています。まだまだアロケーションから見て株を買わねばならない機関が多くあり、これらが投資家の間ではクジラと言われ暴れているわけです。最大のものはいわゆる国民年金GPIFです。そして日銀、郵貯銀、かんぽ生命、また、国家公務員共済、地方公務員共済、私学共済、これらの機関がアロケーションを変更したので、7つのクジラとなっています。

 公的年金のポートフォリオを見ると、去年の6月には大半が国内債券で持っていましたが、次第に国債を減らし、国内株式にシフトしています。これが株が上がっている理由です。今後の計画では、国債を35%まで落とし、株式を25%に、外国債券を15%、外国株を25%としていて、リスクの高い株式を国内海外合わせて50%の運用比率とするわけです。日本の7頭のクジラが国内外とも株に向かっており、株式市場にとっては非常にありがたいことと言えます。運用会社は国内ではあまり信頼できるところがなく、外国の機関投資家にかなり依存しています。

 役目として株を買い進まなくてはならないので、かなり短期間のうちに無謀とも思える資金が株式市場に流れているのが現状です。企業業績に見合うほどに上昇したと思ってもまだまだ買う人が居るということなのです。ただ誰かが売り浴びせても買う圧力が強いので空売りをする人たちは全部失敗していますが、どこかのタイミングで大きく落ちてくる可能性があるので注意が必要です。アメリカも日本の買いに期待していますが、この状況がいつまで続くのか、山高ければ谷深しという状況にいつ陥るか、秒読みの状態に入っていると思います。

【米国】米相場「かなり高い水準」 〜FRBイエレン議長〜

 FRBのイエレン議長は6日、現在のアメリカ株式市場について「かなり高い水準」と指摘しました。巨額の緩和マネーが一部企業の株価を実態以上に押し上げていると見ているもので、アメリカ景気の減速で9月以降への利上げ先送り観測が強まるなか、金融緩和長期化による負の側面に警鐘を鳴らしました。

 かつてFRB議長は、「いわれなき熱狂」という表現で市場の熱を覚ましたこともありましたが、彼らはそのように言いたいものなのです。今の株価はやはりいわれなき熱狂であり、同じ表現は使いたくないと言うことで、かなり高い水準と言ったのでしょう。そしてこの発言がアメリカの市場の足を引っ張る要因になっています。

 また、ピムコの創業者で債券王と言われるビル・グロス氏が、ドイツ国債について、「一生に一度の売りチャンス」と発言したことも注目です。今ドイツの経済状況は非常に良いものの、ユーロがこのあと崩れた場合はドイツも完全な安全圏にはいられないと言うことで、ドイツ国債の金利は今後高くなると見ているのです。ビル・グロス氏は債券でかなり長期に渡り8%のリターンを稼いできたファンドマネージャーです。今は追放されてしまいましたが彼のコメントには今も大きなウェイトがあります。

 これまでは債券ではほとんど利回りがないので面白くなく、株のほうに流れていたわけですが、今度は株が高すぎると言われ、株も債券もどちらも良くないという事態になっています。世界的に超金余りで、どこへ持っていってもあまり高い利幅が得られないので、金の持って行き場がないわけです。

 そうなってくると、日本の7頭のクジラががんばっている間は一緒に乗っかってしまえという提灯持ちのメンタリティーもわからなくはありません。アメリカは株価の頭が抑えられてきていますが、クジラの存在により日本はまだ抑えられない可能性があるということです。ただしこれはファンダメンタルなどによるものではなく、余剰のお金の持って行き場の問題だと言えます。

講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 学長
大前 研一
5月10日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
詳しくはこちら

その他の記事を読む

ギリシャはデフォルトへと向かうのか?(大前研一) http://www.ohmae.ac.jp/ex/asset/column/backnumber/20150520-2/  

コメント
 
01. 2015年5月20日 23:37:30 : jXbiWWJBCA
新財政中長期試算、国債平均金利は成長率以下に抑制必要=政府筋
2015年 05月 20日 20:45 JST
[東京 20日 ロイター] - 安倍晋三政権が7月末に公表予定の中長期経済財政試算では、国債の加重平均金利を将来にわたり名目成長率以下に抑制する方針を織り込む。

また、日銀が量的・質的金融緩和政策(QQE)の出口政策を検討している可能性がある16年度以降は、物価・金利の上昇傾向がある程度強まることを織り込むものの、国債金利の一定の制御に日銀の協力も必要とのスタンスで臨む。複数の政府筋が明らかにした。

こうした方針は、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の2020年度黒字化と同時に、債務残高の対国内総生産(GDP)比率を安定的に低下させるという2つの目標を達成するため、不可欠の要素であると位置づけられている。

政府が今夏に公表する中長期試算では、基礎的財政収支の20年度黒字化に加えて、財政再建の最終的な目標である債務残高GDP比率の持続的な低下も、並行して掲げる見通し。

政府筋の1人は「すでに2月の試算でこの指標は23年度まで低下傾向となっている。これを目標として取り入れても不自然ではない」と指摘。財政再建が進行中との意味を強調すると同時に、GDPを意識した財政目標との意味合いをにじませる。

しかし、この指標が低下しているのは、日銀による国債の大規模買入により、長期金利が非常に低い水準に維持されているからにほかならない。

日銀自ら16年度前半には2%の物価目標を達成するとしており、政府の試算でもそれ以降は、物価・金利水準ともにそれに沿った上昇を織り込んでいる。

このため、国債加重平均金利も次第に上昇していき、試算を担当する内閣府内部からは、25年度ごろには国債加重平均金利が名目成長率とほぼ同程度に上がることになりそうだとの声も漏れる。

諮問会議の民間議員は、24年度以降の試算も新たに公表したい考え。ただ、これまで通りの試算条件では、債務残高GDP比率の上昇は避けられない見通しだ。

経済学者や財政に詳しい専門家からは「経済が正常化していけば、国債金利が名目成長率を上回るのが普通の姿。基礎的財政収支が黒字化していても巨額の公債残高を抱える日本では、少しでも金利が成長率を上回れば、債務残高GDP比率は悪化していく」(慶応大学・大学院・池尾和人教授)として、高い成長率を前提にした楽観的な財政再建のプランに疑問の声が相次いでいる。

この点について、政府では新たに試算を作成するにあたり「将来的に名目成長率を超えるような長期金利にはならない前提が必要」(複数の政府筋)だとしている。

経済財政諮問会議の関係者によると、すでに会議参加者の間では「国債加重平均金利が上昇しても、名目成長率は超えることはない」とのコンセンサスがあるという。

「名目成長率と金利の関係は、これまで相当議論してきた。財政再建計画を策定するにあたり、債務残高GDP比率の低下は、金利が成長より高くなれば、財政への信認が低下して難しくなってしまう。金利は上昇してもせいぜい成長率程度という結論に至った」という。

また、新試算で債務残高GDP比率の低下を実現させる要因として、1)現在は金利に上乗せされている国債のリスクプレミアムを「骨太方針」で示される財政再建計画を踏まえ抑制できる余地がある、2)日銀の国債買入れ効果で足元の金利が想定より低めに抑えらる──との見方も、政府部内の一部に浮上している。

こうした長期金利の動向は、日銀の2%物価目標に向けた国債の買入動向とも密接に関わる。

政府内には「日銀が物価目標達成後に、現行政策からの出口に向かうな、とまでは言わない」としながらも「日銀としても、長期金利を無視することはできまい」「長期金利を制御することは必要」などとの指摘も出ている。財政再建シナリオを政府が進める上で、日銀が政府と一体となった行動を求められる展開も否定できない。

このほかにも、17年度の消費税率10%への引上げ時期と日銀の「出口政策」が重なることへの配慮を日銀に求める声も一部に浮上している。

ある政府筋は「増税と日銀の出口戦略が重なれば、経済にどういう下押しがあるのかを考えて、経済運営していかないといけない」と指摘。「日銀が急いで追加的にこれ以上(の緩和強化に)動く必要はないと思うが、今の路線を修正する必要あるかどうかは別問題」だとも語る。

だが、こうした意見には「消費税対応として日銀の出口政策を封印するつもりはない」「物価目標達成後も国債を買い続けるような事態となれば、それこそ財政ファイナンスと見なされかねない」などの反対意見もある。

(中川泉 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0O51CJ20150520


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