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ドル高で悲鳴を上げ始めた米国経済 いつまでも続けられないアベノミクスの金融緩和(JBpress)
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/704.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 21 日 00:31:10: igsppGRN/E9PQ
 

米ワシントンD.C.の米連邦準備制度理事会(FRB)本部(2011年8月9日撮影、資料写真)。2014年10月に量的緩和(QE3)を終了させた。(c)AFP/KAREN BLEIER〔AFPBB News〕


ドル高で悲鳴を上げ始めた米国経済 いつまでも続けられないアベノミクスの金融緩和
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43798
2015.5.21 鷲尾 香一 JBpress


 米国が円安・ドル高で悲鳴を上げ始めている。

 アベノミクスの3本の矢の1つ「大胆な金融政策」の具体策として実施されている日銀の「量的・質的金融緩和(異次元緩和)」によって、外国為替レート(以下、為替レート)は1ドル=120円程度の円安・ドル高となっている。

 円安・ドル高は、日本の輸出企業にとっては一陽来復となり、企業業績の回復をもたらしているが、円高で日本経済、特に輸出企業が苦しんだように、今や、米国経済はドル高による悪影響が顕在化し始め、特に輸出企業はドル高で苦しみ始めている。

■ドル高と原油安が製造業を直撃

 ドルに対する様々な為替レートを米国との貿易額で加重平均して指数化した「ドル実効レート」に米国との物価格差を考慮した「ドルの実質実効レート」は、世界の主要7通貨(ユーロ、円、英ポンド、カナダドル、スイスフラン、豪ドル、スウェーデンクローナ)に対して、過去20年間でもっとも急激にドルが上昇している。

 こうした状況は明確に経済統計などにも表れてきている。米国経済は、ドル高と原油安という津波に見舞われており、全米供給管理協会が発表する企業の景況感を示すISM製造業景況感指数(「50」を景気の拡大・後退の分岐点とし、50を上回れば景気が拡大していると判断する)では低下傾向が続いており、特に新規輸出受注指数は3月まで3カ月連続で50を下回った(4月は51.5)。

 また、米デューク大学が全米500社以上の最高財務責任者(CFO)を対象に3月に行った調査では、海外売上が売上全体の25%を超える企業では、その約3分の2の企業が「ドル高はビジネスにネガティブに影響した」と回答しており、さらに2割の企業はドル高を理由に「今後の設備投資を削減する」と回答している。このように、ドル高と原油安の影響は、製造業を中心に強い下押し圧力となっている。

 一方、ドル高と原油安が輸入物価の低下を通じて物価を押し下げており、輸入物価指数は前年比でマイナスが続いており、3月には前年比10.5%減と2ケタの減少まで拡大している。

 物価はFRB(米連邦準備制度理事会)の政策目標である2%を大幅に下回る状態が継続しており、さらに、ドル高による輸出の減少と価格下落による輸入の増加は、貿易収支の赤字拡大につながり、米成長率の低下圧力となることから、3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では2015年度の成長率見通しが下方修正されている。

■ドル高の進行を牽制する米国政府、実力行使も

 こうした状況に、米国政府も重い腰を上げて動き出した。財務省が半期に一度公表する「為替報告書」の最新版(4月9日公表)では、冒頭の「重要な所見」で「ドルの広義名目実効レートは14年下期に7.9%上昇し、15年第1四半期にさらに4%上昇した」とドル高の進行に言及した。

 その上で、「世界経済は米国を唯一の成長エンジンとして頼るべきではない。多くの国がバランスのとれた政策ミックスを実施する必要がある。いかなる政策であっても、1つの政策に過度に依存するのは十分ではない。むしろ政策当局は、余地のある国では財政出動を含むすべての政策手段を用いる必要があり、金融緩和を補完するべきである」と金融緩和政策に偏った各国の政策を強く批判し、ドル高の進行を牽制している。

 さらに、4月17日に発表されたG20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議の声明では、あたかもドル高抑制が国際協調となったかのような「金融市場の変動を監視し、必要な行動をとっていく」という文言が新たに加わった。

 こうした言葉でのドル高牽制だけではなく、米政府は実力行使にも踏み込もうとしている。

 TPP(環太平洋経済連携協定)を進める上で重要な役割を果たす、大統領に強い通商交渉の権限を委任するTPA(貿易促進権限)法案では、為替操作の回避を通商交渉の主要な目的とすることが盛り込まれ、4月22日に上院財政委員会、23日に下院歳入委員会で可決された。米国がTPPという通商条約上でも為替問題を重要視していることが読み取れる。

■日本は「大胆な金融緩和」を脱却する時期

 世界経済の回復は米国も他国も同じ目標でありながら、ドル高進行よって同床異夢であることが明らになっている。

 4月13日夜、安倍晋三首相の政策ブレーンと言われる浜田宏一・内閣官房参与がBSフジの「プライムニュース」で、「現在の購買力平価からすると1ドル=120円はかなりの円安。105円ぐらいが妥当」と発言、為替相場は一時的に大きく円高に傾いた。当局者が具体的な為替レートに言及することは非常に稀だ。

 浜田参与は米エール大学の名誉教授であり、米国財務省ともパイプを持っている。その発言があった13日は、米国の為替報告書が公表された後で、G20財務相・中央銀行総裁会議の声明発表前であったことに、米国の意図を感じたのは筆者だけだろうか。

 ドル高の悪影響が顕在化し始めている中でも、景気が回復傾向にあり、金融緩和から政策金利の利上げへと舵を切ろうとしている米国と、金融緩和に頼らざるを得ず、金融緩和の強化を続けている他国とでは、為替政策に対する思惑が大きくズレ始めているのが実体だ。

 金融緩和による自国通貨安を誘導した景気回復には限界が来ているのかもしれない。これ以上の追加緩和は確実にドル高を誘発する。米国がドル高を牽制し始めた以上、ドル高誘導による景気回復は難しいだろう。為替政策は独立不羈(ふき)で行うことは難しい。アベノミクスも「大胆な金融緩和」を脱却し、政策ミックスに本格的に踏み出す必要がある。


 

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コメント
 
01. 2015年5月22日 23:15:30 : rnVGkFDntS
国債を買わせるドル高
もっと買わないと円高になるぞーーーとの脅かし。

円安メリットを説いた浜田が、今度はあちら意向の
円高メリットの口先介入である。
あちら策金融緩和に擦り寄る愚か者は、
あちらの使い走りをやらされる羽目になる。


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