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コラム:米経済に悲観無用、金利正常化でドル高へ=村上尚己氏 
http://www.asyura2.com/15/hasan96/msg/849.html
投稿者 rei 日時 2015 年 5 月 25 日 21:12:10: tW6yLih8JvEfw
 


コラム:米経済に悲観無用、金利正常化でドル高へ=村上尚己氏
2015年 05月 25日 18:38 JST
村上尚己 アライアンス・バーンスタイン(AB) マーケット・ストラテジスト

[東京 25日] - 欧州債券市場で4月半ばに0.1%を下回ったドイツ10年国債金利は同月末から大幅な上昇に転じ、一時0.8%前後まで急騰。これをきっかけに、債券市場は世界的に不安定な状況が続いている。

いわゆる「ECB(欧州中央銀行)トレード」が活発化してドイツなどの金利が極限まで低下した4月半ばまでの時期は、一種のユーフォリア(陶酔感)を伴い欧州国債市場の価格形成が歪んでいた可能性がある。ECBによる量的緩和導入で、国債需給ひっ迫が永続するという思惑が、市場心理を支配したからかもしれないが、デフレを長期間経験した日本でも10年国債金利がゼロの領域まで近づいたことはなかった。

仮に、中央銀行が国債購入を永続することで10年国債金利までほぼゼロに低下するということは、ECBによる量的緩和が、経済活動やインフレ率に影響しないということだろう。「金融緩和無効論」に立つのであれば、こうしたプライシングも正当化されるかもしれない。ただ、リーマンショック後に量的緩和をいち早く積極化した米国では、時間はかかりながらも経済正常化が実現し、出口政策が検討される状況になっている。

金融緩和の効果がどのタイミングで顕在化するかの不確実性はあるし、ユーロ圏にはそもそも脆弱な通貨システムという大きな特徴がある。ただ、強力な量的緩和発動後に、その政策効果への判断について市場参加者のパーセプションギャップが広がることで、金利水準は大きく動き得る。これは、リーマンショック後の、米連邦準備理事会(FRB)や日銀の量的緩和開始後も観察されたことだった。年初に決まったECBによる量的緩和発動後にも、米国や日本と同様の事象が起こる可能性を、当社では想定していた。

また、欧州経済は量的緩和の効果もあり、景気回復が広範囲に広がる兆しがあり、ファンダメンタルズを無視した価格形成も長期化しなかったのだろう。そして、ユーフォリアから覚めて「割高過ぎる国債価格」が市場で突如認識された帰結が、最近のドイツ国債の金利上昇だと認識している。

<年内の米利上げシナリオは健在>

ドイツ国債市場での大幅な金利上昇を受けて、米国債券市場でも長期金利が上昇するなどボラタイルな展開となり、米10年国債金利は2.3%前後まで上昇した。もともと、2014年後半以降の米国長期金利の低下は、欧州金利低下と原油急落によるタームプレミアム(期間に伴う上乗せ金利)の低下がもたらした面が大きく、タームプレミアムの正常化が長期金利上昇要因になった面もあった。

ドイツ国債金利上昇と需給悪化懸念で米長期金利水準が上昇する一方で、春先以降は米国の経済指標は冴えない指標が多かった。1―3月国内総生産(GDP)のゼロ成長、その後のデータでGDPがマイナス成長に下方修正される可能性が高まり、米国経済復調への期待は一段と低下した。

欧州国債金利が落ち着きを取り戻し、米国経済への慎重な見通しが変わらず、FRBの利上げ判断の先送り期待が強まれば、米国長期金利が再び低下し始める可能性も否定はできない。ただ、筆者はその可能性は低いとみている。ドイツ金利の上昇がもたらしたタームプレミアムの正常化で底上げされた米国長期金利水準が、再び低下する余地は限定的だろう。

米国の2015年1―3月GDPがマイナス成長に陥った可能性がある点については、原油価格急落によるエネルギーセクターの投資削減や、これまで指摘されている寒波、港湾ストライキに伴う生産・貿易活動の停滞などの歪みが影響した。さらには、1―3月期のGDP成長率に無視できない統計的な下方バイアスがある可能性について、FRB内部でも見解が異なる分析が出される事態となっている。

FRBスタッフでも意見が分かれるGDP統計のバイアスへの評価は難しいが、一方で米国のGDP成長率は、雇用統計による総労働時間と密接な関係がある。経済が成長していれば、雇用者と労働時間が伸びるというシンプルな関係である。

当社米エコノミストが両者の関係を調べたところ、総労働時間が伸びる中で、GDPがマイナスとなったのは、1960年以降240のケースのうち5回と極めて稀なケースしかない。その5回のうち、2回は2011年1―3月期、2014年1―3月期と近年に起きていた。2011年、2014年も第1四半期は一過性のマイナス成長だった。

そして2015年1―3月期も、総労働時間の伸びは高かったのに、マイナス成長に陥った可能性があるということである。総労働時間が伸びているのに、GDP成長率がマイナスになる稀な状況が近年相次いでいることは、2015年1―3月のGDP成長率についても、無視できない下方バイアスを持っている可能性を示している。

FRBの政策判断は「経済指標次第」だが、GDP統計が持つバイアスに配慮したうえで、景気・インフレ判断を行う可能性もあるのではないか。4―6月の成長率が大きく加速しなくても、雇用統計、失業保険申請件数や求人数などのより安定した労働市場関連指標や、労働市場の需給改善がもたらすインフレ動向を重視して、年内に利上げ開始の判断を行う可能性がある。

イエレンFRB議長は22日の講演で、「年内のいずれかの時点でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の引き上げを開始することが適切になると予想している」と語り、足元の景気指標の下振れを認識しながらも、改めて従来と同様の見解を示した。

これまでの労働関連指標や、非製造業の景況感指数などは悪くない。3月以降、各種経済指標の下振れによって米国経済に対する見方は慎重化していたが、実際には家計の総需要は底堅く、様々なヘッドラインが伝えるほどは悪くない。米国経済に対して慎重方向に傾き過ぎた市場心理が今後、逆方向に変化するのではないか。であれば、年央以降の、緩やかな米金利上昇とドル高ユーロ安要因になるだろう。

*村上尚己氏は、米大手運用会社アライアンス・バーンスタイン(AB)のマーケット・ストラテジスト。1994年第一生命保険入社、BNPパリバ、ゴールドマン・サックス、マネックス証券などを経て、2014年5月より現職。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0OA0BJ20150525  

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コメント
 
01. 2015年5月25日 23:17:36 : jXbiWWJBCA
[FT]米FRB、利上げ保留は賢い選択(社説)
2015/5/25 16:20日本経済新聞 電子版
 来るべき米国の金利転換は、多くの景気循環期において最も報道されてきた話題かもしれない。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の努力にもかかわらず、米国の景気見通しは視界不良ではっきりしない。イエレン氏は先週、米国の2015年1〜3月期の成長率が急減速したにもかかわらず、FRBは依然、今年(恐らく9月には)金利を引き上げることになりそうだと語った。寒波の影響などあれこれ理由があり、年初から3カ月の成長率は、その年の残りの期間よりも低くなる傾向がある。14年1〜3月期の成長率は年率2.9%縮小したが、残りの3四半期は反転する結果になった。今年1〜3月期の前年同期比0.2%増という停滞が同様にミスリードであればいいのだが。

 とはいえ、まだ(利上げを)決めてかかるのは早い。15年がゼロ金利で始まったように、そのままの状態で終わる可能性はかなりある。イエレン氏が「長年経済予測を立ててきた経験からいえば、私が描いたいかなる特定の予測でも、結果的に、恐らく明らかに間違うことはあると断言できる」と表現したようにだ。

■消費より貯蓄に走る米国民

カリフォルニア州カールスバッドの建設現場で。米国の住宅着工件数は4月、7年半ぶりの水準に回復した=ロイター
カリフォルニア州カールスバッドの建設現場で。米国の住宅着工件数は4月、7年半ぶりの水準に回復した=ロイター
 もちろん、同氏の予想が上方に間違う可能性もある。FRBは米国の成長率を今後2年間で2.5%と予測している。これは、7年目に突入しようとする景気回復が始まって以来達成した過熱を伴わない水準をわずかに超えるだけの水準だ。もし失業率が年末までに5%に低下したら、賃金水準はようやく上向き始めるかもしれない。そうなれば、FRBは恐らく利上げする必要がでてくるだろう。だがその場合、リスクバランスはほかの方向にそれていく。実質的に所得が増えていない数年を経て、一般的な国民は前向きな出来事に準備ができていない。例えば驚くことに、米国の消費者は、直近の原油安で浮いた金を消費拡大に向けるよりも貯蓄にまわしている。 同様のことが企業の投資にもいえる。企業の投資意欲はがっかりするほど弱い。米国経済の成長の鍵を握るそれぞれの要因は、どれかが先に動きだすのを待っているかのようだ。投資家は投資に消極的で、消費者は支出を嫌がる。どうすればそれらの動物的衝動を呼び覚ますことができるのだろうか。

 金融政策でできることの限界についてのイエレン氏の誠実さも特筆すべき点だ。FRBは7年間ずっとアクセル全開でやってきた。それでもなお08年の金融危機以降の米成長率は、それまでの回復期をいずれも下回っている。英HSBCによると、それぞれのピークをつけてから7年間の米国の平均成長率は、1981年の後が3.5%、90年の後が3.1%、2000年の後が2.1%、そして07年からは1.1%だ。

 方向は間違えようがない。エコノミストの一部には、米国は日本型成長へ軌道を下方修正する「グレートリセット」が必要だとする声まである。それは悲観的すぎる。米国は日本が90年代に実施したよりも、より迅速にバランスシートを修復している。そして米国の人口統計の見通しは日本よりもよっぽど健全だ。また、米国は依然として経済的に世界で最も革新的な国だ。しかしながら、成長見通しは引き続き、非常に米国人らしくない、悲観という感覚をもって検証されることになる。

 仮に、期待通り米国の経済成長が今後2四半期のうちに回復すれば、イエレン氏は9月もしくはその直後に利上げをせざるを得なくなるかもしれない。米国のやっかいな就労率の低さから、イエレン氏が他の手段を使う裁量はほとんどない。だが、今回の米国の景気循環期の転換は奥行きのない、緩やかなものになりそうだ。これまでのような金利の水準に戻るには何年もかかるかもしれない。モハメド・エラリアン氏が指摘する通り、米国は「中央銀行の近代史の中で最も緩やかな引き締め」に備えているのだ。見通しの不確かな時代において、それは我々が手にするのと同じくらいの確かさなのだろう。

(2015年5月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

(c) The Financial Times Limited 2015. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO87241820V20C15A5000000/


02. 2015年5月25日 23:39:55 : jXbiWWJBCA

トレンド追随か利食い売りか
<ポイント>
◆先週金曜は、米コア CPI の予想比上振れに市場が強く反応し、ドルが全面高となったのが特徴的だ
った。ドル/円は一時 121.57 円へ上昇し年初来高値(122.03 円)に迫った。
◆本日は、米国休場で材料も少ない中で、ドル高のトレンド追随の動きとドル利食いの動きとが交錯し
そうだ。
昨日までの世界:米インフレ率の予想比小幅上振れに強く反応
ドル/円は、東京時間は日銀決定会合で(市場予想通りではあったが)景気判断が若干上方修正され、
追加緩和が行われず、黒田総裁の定例記者会見でも当面追加緩和が必要ないとの姿勢が示されたこ
とから、121 円丁度近辺から欧州時間にかけて一時 120.65 円へ軟化した。その後 NY 時間にかけて
120 円丁度程度へ小反発した後、米 4 月コア CPI が前年比+1.8%と、鈍化の市場予想に反して伸び率
が高まったことから、米中長期債利回りの上昇と共にドルが急上昇し、一時 121.57 円と 20 日の直近高
値を更新し 3 月 10 日の年初来高値である 122.03 円に迫る水準となった。
その後の Yellen 議長発言(東京時間午前 2:00 以降)では、年内利上げ開始の可能性を示唆し、利上
げ開始は来年以降にずれ込むとの一部の市場の見方に修正を迫るものではあったが、現時点の市場
の中心的シナリオとみられる 9 月前後の利上げ開始シナリオからは違和感のないものであったためか、
市場の反応は限定的だった。
ユーロ/ドルは、ドイツ Ifo 景況感指数が 108.5 と市場予想ほどに悪化しなかったためか(前月 108.6、市
場予想 108.3)、1.11 ドル丁度近辺から一時 1.1208 ドルへ上昇していたが、その後の米コア CPI の予想
比上振れを受けて急落、一時 1.1002 ドルの安値をつけた。
ユーロ/円もユーロ/ドルとほぼ同様の動きとなり、134円台半ばから一時135.34円の高値をつけたあと、
133.73 円へ急反落した。米コア CPI を受けたドル高が、対円よりも対ユーロの方が大きかったためだ。
豪ドル/米ドルは、0.79 ドル丁度前後で推移した後、米コア CPI の予想比上振れを受けた米ドル高によ
り、0.7811 ドルへ下落した。この間、鉄鉱石価格は 2 日連続で持ち直したが、豪ドル下支え効果はあま
りなかったようだ。
豪ドル/円も、95 円台後半で推移したあと、欧州時間入りから下落し始め、一時 94.95 円へ下落した。
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きょうの高慢な偏見:トレンド追随か利食い売りか
今週の見通しはこちら(5 月 22 日付 FX 戦略ウィークリー)
今週の経済指標カレンダーはこちら
ドル/円は、米国休場で材料が少ない中で、トレンド追随の動きから先週金曜日のドル上昇が続くか、
あるいはドル利食い売りが優勢となるかが注目される。確かに米国のコア CPI の上振れは、FOMC の
利上げ開始の可能性を高めるという点でドル下支え要因だが、先週金曜日に見られたほどのドル高材
料かは微妙だ。なお、本日唯一の重要経済指標発表として本邦 4 月通関貿易収支があり、こちらは前
月の大幅改善・黒字化(+2274 億円、季節調整前)から再び赤字に転じる予想(-3511 億円)となってい
るが、円安や海外景気の回復基調を前提とすれば、今後も貿易収支は改善が続く可能性が高い中で、
どちらかというと予想比改善リスクに注意する必要があり、若干の円高リスクとなる。
ユーロ/ドルは、ドイツ 10年債利回り動向が最大の注目だが、5 月末の 25億ユーロ相当の年金や公務
員給与支払いを控えギリシャ支援関連ニュースにも注意が必要だ。先週ギリシャ政府報道官は 10 日
以内に債権者側と合意に達し 6 月の債務支払いも行うと宣言していたが、週末には Voutsis 内務相が、
債権者側との合意がなければ 6 月の年金・公務員給与支払いや 16 億ユーロの対 IMF 債務の返済も
不可能だと述べ、お決まりの瀬戸際戦術もとり続けている。
豪ドルは、鉄鉱石価格の反落基調から上値の重い状況が続きそうだが、先週金曜の米ドル高の反動
がみられると、豪ドルはやや底堅く推移しそうだ。
http://www.monex.co.jp/Etc/00000000/guest/G903/senryaku/index.htm#report1
kie.nu/2zFV

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