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コラム:商品高・ドル安が招く「リスクオンの円安」=亀岡裕次氏 原油安でも非OPEC諸国は増産の見通し=OPEC報告書
http://www.asyura2.com/15/hasan97/msg/122.html
投稿者 rei 日時 2015 年 5 月 28 日 19:47:28: tW6yLih8JvEfw
 

コラム:商品高・ドル安が招く「リスクオンの円安」=亀岡裕次氏
2015年 05月 28日 18:43 JST
亀岡裕次 大和証券 チーフ為替アナリスト

[東京 28日] - 商品相場とドル相場は相互に影響し合って逆相関になりやすい関係にあるが、当然、それぞれ固有の変動要因を持つ。3月以降の「商品高・ドル安」にこのところ変調の兆しが見えるが、果たして再び「商品安・ドル高」基調に戻るのだろうか。

まず、ドル高の影響によって商品安が進むか否かは別として、ドル相場以外の要因により商品相場が上昇するか下落するかを考えてみる。

3月以降の商品市況反発をリードしたのは原油などのエネルギー価格上昇(ただし、天然ガス価格は下落傾向)であり、ドル高に転じた5月中下旬も原油価格の下落は抑制されている。銀、金などの貴金属や、銅、アルミなどの産業用メタルも3月以降に反発したが、これらは5月に入り反落している。農畜産物の価格は全般的に3月に底打ちしておらず、最近にかけて小動きで推移している。

米シェールオイルの増産によって原油価格が下落したために、エネルギー企業は採算悪化で減産を余儀なくされるとの見通しが、今年に入り原油価格を押し上げた。1月末から2月にかけての原油価格反発は、オイル掘削装置の稼動数減少を受けた原油減産見通しが理由だったが、3月以降の原油価格上昇は、米国での原油生産が減り始めたことを受けたものだ。掘削装置の減少が続いていることからすると、少なくとも今後半年程度は原油の減産が続きやすく、その間は需要が減少でもしない限り原油価格は上昇傾向となりやすいだろう。

国際エネルギー機関(IEA)によれば、世界のオイル需要は季節性もあって今年4―6月にかけて減少した後に増加していき、10―12月には1日当たりで見て1年前よりも100万バレル増える見通しだ。一方で、これまで需要以上に伸びて在庫増加を招いてきたオイル供給は4―6月以降ほぼ横ばいにとどまり、供給超過幅は急速に縮小して需給均衡に近づくとの見通しである。

<商品高・ドル安は米国と新興国にプラス>

こうした需給見通しを背景に原油相場は今後も堅調に推移していく可能性が高いが、原油以外の商品はどうなのだろうか。ドル安の影響で反発し、ドル高の影響で反落している商品が多いことや、そもそも底打ちせずに小動きの商品もあることからすると、今のところは需給要因による価格変動圧力が小さいようだ。結局、最近の商品価格反落は、需給要因によるものというより、ドル高を受けたものと見られる。

最近の経済指標は世界経済の回復が鈍いことを示している。経済協力開発機構(OECD)と主要新興国を合わせた景気先行指数は長期トレンドに対して低下しており、2015年3月は2009年12月以来の低水準となった。主に先進国で構成されるOECDよりも主要新興国の景気先行指数の下落が目立つ。

先進国に比べエネルギー原単位(単位生産当たりのエネルギー消費量)の大きい新興国の景気が弱い状況では、商品市況は下落しやすくなる。商品安が資源国の輸出を減少させたほか、原油安・ドル高が米国景気を減速させたために、新興国のドル建て輸出は2015年3―4月にかけて前年比で軒並み減少した。また、2015年前半は前年同期に比べて対ドルで通貨安が進んだ国が多いため、ドル建て輸出金額の前年比が低下しやすいこともある。

しかし、新興国の通貨安による輸出競争力向上が輸出増加に結びつきやすくなるうえ、商品安・ドル高が3月に反転したことは、米国経済や新興国輸出にプラスに働くはずだ。

今後は次第に新興国の貿易・経常収支悪化と景気減速に歯止めがかかるのではないか。そうなることによって、需要面から商品価格は下がりにくい状況になるだろう。原油を中心に商品価格は上昇傾向になりやすく、それがドル安、およびリスクオンの円安に作用していく可能性が高い。

<商品安・ドル高回帰なら円高に転換も>

ただし、再び商品安・ドル高に戻ると、世界経済に逆風となりリスクオフの円高リスクが増すことになる。そこで、商品相場以外の要因によりドル相場が上昇するか下落するかを考えてみる。

昨年半ばから上昇を続けてきたドル実効為替が、今年3月以降に反落した原因は、原油価格の反発のほかには、米欧金利差の縮小にある。ドル高や原油安が米国経済にマイナスに作用する面もあり、インフレが目標に向かって上昇する見通しが強まるまでは米連邦準備理事会(FRB)が利上げを急がない姿勢を示したことが、米国の金利低下を招いたためだ。

しかし、5月中旬以降に米欧金利差が拡大に転じるとともにドル高が進み始めている。これは、インフレ率上昇などを受けて急上昇したドイツなどの長期金利がやや反落したことに加え、米国の長期金利が経済指標改善を受けて上昇したからである。

過去に、ドル高・ユーロ安が始まってから米国経済指標が対市場予想比で悪化し、ユーロ圏経済指標が改善し始めるまで2カ月から3カ月かかっていることからすると、今年3月から始まったドル安・ユーロ高の効果は5月から6月に表れ始める可能性がある。今後、対市場予想比で米国経済指標の改善(あるいはユーロ圏経済指標の悪化)が進む可能性が高いので、それはドル高要因になるだろうが、強い圧力にはならないだろう。

なぜなら、ドル高が進むと、市場が予想する米国企業利益が悪化しやすく、期待インフレ率(ブレークイーブンインフレ率)が低下してFRB目標の2%から遠ざかりやすい。ドル高進行が米国経済への逆風となって利上げが遠のくということをすでに市場は認識済みであるから、今の状況では米金利上昇とドル高が本格的に進むことは考えにくい。

<ドル安を上回る円安でドル円は上昇へ>

もしドル高で予想1株当たり利益(EPS)が鈍化して株式益回り(予想EPS/株価)が低下する状況で米金利上昇が進むと、株価の割高感が強まる。すでに米10年国債利回りからS&P500株式益回りを引いたイールドスプレッドは2013年末のピークにほぼ匹敵する高い水準にあるので、米金利上昇が顕著に進むと、株価はピークアウトしやすい。

市場がリスクオフに転じて、結局は米金利上昇が進まなくなるだろう。その場合は、リスクオフのドル高を上回るリスクオフの円高となり、ドル円は上昇から下落に転じやすくなる。

しかし、米金利上昇とともにドル高が進行する可能性も、米金利上昇で株価が下落してリスクオフのドル高(それを超える円高)に転じる可能性も低い。最も可能性が高いパターンは、ある程度はドル高が進んでもドル実効為替が3月ピークを超えるほどにはならず、3月以降の原油高・ドル安基調が緩やかになりながらも維持されるというかたちだ。

米国の期待インフレ率が2%以上へと高まり、利上げ期待が高まるようになるまでは、米金利とドル相場が安定的に推移し、そのことが米国経済や世界経済の回復にプラスに働き、リスクオンに作用するのではないか。米金利が緩やかに上昇する程度では、米金利上昇のドル高効果よりもリスクオンのドル安効果が大きく、ドル実効為替が下落するケースは多い。ただし、リスクオンではドル安以上に円安になりやすく、ドル円は上昇しやすいと言える。

このように、世界景気減速が商品安を招く可能性も、米金利上昇がドル高を招く可能性も、当面は低いと考えられる。最近の商品安・ドル高が連鎖しながら続くことはなく、商品高・ドル安に戻りつつ円安が進むと予想される。もし商品安・ドル高がさらに進行して世界的に株価や長期金利が低下するようだと、円高への転換に注意が必要だ。

*亀岡裕次氏は、大和証券の金融市場調査部部長・チーフ為替アナリスト。東京工業大学大学院修士課程修了後、大和証券に入社し、大和総研や大和証券キャピタル・マーケッツを経て、2012年4月より現職。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0OD0Q920150528?sp=true


原油安でも非OPEC諸国は増産の見通し=OPEC報告書草案
2015年 05月 28日 18:35 JST
[ロンドン 28日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は今年に入って最も詳細な報告書をまとめ、その中で世界的な原油安にもかかわらず、北米のシェールオイルが予想以上に力強く持ちこたえていると指摘し、世界的な供給過剰が向こう2年は続くことを示唆した。

来週のOPEC総会に先立ち、ロイターが入手した同機構の長期的戦略に関する報告書の草案では、競合する非OPEC加盟国が少なくとも2017年までは原油供給を拡大すると予想している。

OPECは5年ごとに長期戦略報告書を発表する。前回2010年の同報告書では、シェールについては競合相手として言及されておらず、過去5年で石油市場が劇的に変化したことを物語っている。

米国のシェールオイルブームを背景にした世界的な供給過剰に加え、昨年11月にOPECが減産を見送ったことで、原油価格は2014年6月の水準から大きく落ち込んだままだ。

しかしシェールオイル生産は当初予想されたほど打撃を受けていない。報告書は「一般的に言って、すでに稼働中の非OPEC油田は、たとえ深刻な価格低迷が続いても減産に動くことはないだろう。高コストの生産者は操業コストの一部を必ずカバーしようとするからだ」と指摘した。

さらに報告書は、1990年以降、将来の非OPEC原油供給量に関する大半の予想が悲観的だったが、大抵は誤りだったと述べた。

OPECはここ数十年にわたり原油生産量を上げ下げして需要とのバランスを図ってきたため、スウィング・プロデューサー(需給調整役)としての評判が定着したが、報告書はこの役割を今後担うのはシェールオイルだとの見方を示している。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0OD0W220150528  

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コメント
 
01. 2015年5月28日 22:22:25 : sRyOlHh9Us
6月末に行われる欧米とイランの核協議が合意に達すればイランに対する経済制裁が解け世界4位の産油量のある原油が輸出されることになる。

それを見越しての今年に入っての原油安が、安倍の円安によるインフレ政策を食いこめてくれている。

何とか合意に達して日本国民の生活を守って欲しいものだが、万が一にも合意できない時は一斉に原油高となり、円安と合わせて安倍が望む本格的な物価高が起きることになる。


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