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中国市場で甘い夢を見てはいけない 日中関係「改善」の兆しはビジネスの好機なのか?(JBpress)
http://www.asyura2.com/15/hasan97/msg/257.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 6 月 02 日 00:30:05: igsppGRN/E9PQ
 

中国市場で甘い夢を見てはいけない 日中関係「改善」の兆しはビジネスの好機なのか?
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43908
2015.6.2 姫田 小夏 JBpress


 日中関係の改善を促す動きが進んでいる。5月23日、北京の人民大会堂で行われた日中友好交流大会では習近平国家主席も出席し、日中関係の雪解けが近いことをうかがわせるものとなった。

 振り返れば過去数年間、両国の関係悪化によって多くの日中ビジネスが棚上げにされた。2012年の反日デモ以来、売上げが低迷する日本ブランドも多い。多くの企業が中国でビジネスをする際の政治的リスクを痛感し、「チャイナプラスワン」を唱えるようになった。

 だが、ここで空気が変われば、中国市場での巻き返しも不可能ではない。最近は訪日旅行客が急増し、彼らによる“爆買い”もある。いったんは中国市場と距離を置いていたが、これだけ訪日旅行客が日本製品を買うのだから、中国ではもっと売れるはず・・・と考える企業があっても不思議ではない。

■安売り合戦で疲弊する家電メーカー

 だが、仮に日中関係が改善したとしても、日本企業にとって中国市場の攻略がきわめて困難であることに変わりはない。

 例えばテレビ市場。世界の需要は年間で約2.5億台。そのうち中国だけでも4000万台を超える需要がある。それにもかかわらず、近年、日本の家電メーカーは相次いで中国から撤退している。表向きは「人件費の高騰」だが、それだけでは語れない要因がある。

「そもそも中国の量販店で売ってもらえなかった」と、ある日本の家電メーカーの社員は振り返る。

 中国の量販店には、見えない壁が存在する。テレビの場合、10インチから85インチまでの商品を揃えないと店頭で販売させないという暗黙の縛りがあるのだ。これでは日本勢は得意の高付加価値製品に特化できず、競争力を保てなくなる。

 背景にあるのは国産ブランドの保護だ。中国にはテレビのローカルブランドが20社近くもある。

「市場規模は縮小していませんが、ほとんど儲かりません。日本の製造業はどこも同じです。販促費をつぎ込んでも、安売り合戦で疲弊するだけ。中国の特殊な市場で、日本の製造業が十分な競争力を発揮できるとは思えません」(同)

 “独り勝ち”が続いていた日本ブランドの化粧品も勢いが落ちてきた。富裕層が求めているのは、もはや日本ブランドだけではない。

 上海の国営企業で管理職に就く男性はこう語る。「以前、妻は日本ブランドを使っていましたが、今はアメリカの『ドゥ・ラ・メール』の化粧品を愛用しています。妻が追いかけているのは、アメリカに住んでいる中国人のトレンドなんです」。

 ドゥ・ラ・メールの化粧品といえば、1アイテム数万円もする高級品だ。一方、日本ブランドの化粧品はいまや手軽に買える「ポピュラーな商品」として、主要ユーザーが地方都市在住の女性にシフトする兆しを見せている。

 ずいぶんもてはやされた日本の化粧品ブランドだが、中国では、2012年の反日デモの後遺症を引きずり、在庫圧縮のための苦しい闘いが続いている。

■結果を出せない小売業

 小売り業もなかなか結果を出せないでいる。

 高島屋は2013年から上海での本格営業を開始した。その立地はなぜか住宅街のど真ん中。「日本のたまプラーザ店をイメージした」と言うが、集客には結びついていない。

 日本からの出展商を集めてイベントを開催しても客が集まらない。出展商らは「こんなに来場客が少ないとは思わなかった。(百貨店側から)聞いていたのと話が違う」と不満を漏らす。

 「高級路線を見直し、家族連れが訪れやすい売り場にしたことで集客は伸びて来ている」(高島屋・広報)と言うが、黒字化までの道のりは遠そうだ。

 また、ユニーは昨秋、中国1号店となる総合スーパー「アピタ」を上海に開店した。日本ブランドの商品を集めた賑やかな売り場だが、地元客は定着するだろうか。

 地元客の1人は言う。「毛の太さが0.1ミリの歯間ブラシを買いに来ました。これは日本メーカーしか作っていないんです。ところが、売り場にありませんでした」

「日本製ならば何でもほしい」というわけではない。中国では手に入らないもの、中国が作れない日本製品を求めるのが中国の消費者だ。こうした細かなニーズを拾い上げることも日系小売業の課題となる。

■安定とはほど遠い中国の市場

 一時期、中国の日系スーパーで人気となった商品に青森のりんごがある。「日本の美しくて大きなりんごは大人気で、ディスプレイ用に置いたりんごは売り場のステイタスだった。客の誰もが写真を撮りたがった」と、貿易会社社長は振り返る。

 だが、福島第一原発の事故以来、中国政府が「放射能汚染の影響がある」としている12県(現在は10県)からの農産物・食品の輸入はピタリと止まったままだ。青森県のりんごは該当しないものの、いまなお正式に輸入が解禁されない状態が続いている。

「りんごの貿易など、中国政府にとっては取るに足らない小さなことだ。何をきっかけに再開されるのか、私たちにも予測できない」と前出の貿易商は語る。

 明治ホールディングス傘下の明治は、2013年、安定収益の確保が難しいことを理由に、中国での粉ミルクの販売と現地生産計画を休止した。原発事故の影響が続いて販売が減少したうえ、他の外資系ブランドとの競争も激しく、利益を得るのが難しい状況になっていた。

 粉ミルクといえば、中国政府が外資系の乳製品メーカー6社に対し、独占禁止法違反で総額6億6900万元(約106億円)の制裁金を科したことも記憶に新しい。仏ダノンは、嬰児に与える粉ミルクに採用してもらうため、産婦人科の医師や看護婦に多額の賄賂を贈っていた。

 怒涛のごとく外資製品が押し寄せる中国市場で勝ち抜くためには、手段を選んではいられない。しかも、政治の状況によって、いつ市場が一気に冷え込むかも分からない。

 日中関係は改善の兆しを見せつつある。だが、それが日本企業にとって好機となるか否かは慎重な判断が求められる。くれぐれも「巨大な中国市場」の幻に酔わされないことだ。


 

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