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Vol.329:(1)日銀がETFを買う手口 (2)大地震の確率>  
http://www.asyura2.com/15/hasan97/msg/406.html
投稿者 rei 日時 2015 年 6 月 06 日 21:27:22: tW6yLih8JvEfw
 

Vol.329:(1)日銀がETFを買う手口 (2)大地震の確率>

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     HP: http://www.cool-knowledge.com/
(過去の有料版からも抜粋し載せています)
無料版の登録/解除: http://www.mag2.com/m/0000048497.html
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     感想/連絡:yoshida@cool-knowledge.com
           Systems Research Ltd.  吉田繁治
   42796部
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

こんにちは、吉田繁治です。前号の<世界金融は2015年内に再来す
るのか>の3号のシリーズの中で、官が管理するマネーでの、株の
購入を書いています。

「4頭のクジラが、株のプールで泳いでいる」とも言われます。
4頭とは、
・最初が日銀、
・次はGPIF(公的な年金基金)、
・今後は、ゆうちょ銀行、そしてかんぽ生命保険です。

*本稿は、有料版では臨時号にしています。二重に届いた方には、
お詫びします。

▼株価への、官の巨大介入:株式市場の4頭のクジラ

日銀が、株価指数であるETF(Excange Traded Fund:上場投資信
託)を買い始めたのは、リーマン危機後、株価が下落していた
2010年でした(日経平均で1万円付近)。

当初の買い枠は1兆円でした。開始後3年経った2013年6月には、保
有額が2兆円に達していました。ETFが、ほぼ2倍に上がったためで
もあります。

2014年10月末に追加緩和を発表した日銀は、同時にETFの買い枠を、
それ以前の3倍の3兆円に増やすとしています。

本稿では、日銀が、どういったタイミングで、いくら買って来たの
かわかったことを示します。

目的は、今後、日銀、GPIF、そしてゆうちょ銀行による株ETFの買
いが、どういった形になるかを見るためです。GPIFとゆうちょ銀行
の株ETFの買いは、日銀の方法を見習うからです。

(注)日銀は、14年10月以後は、年間3兆円の枠でETFを買い続けて
いて2015年5月で、保有株の残高は6.3兆円に増えています。月間で
7兆円平均の国債の買い増しとともに、月間平均で2500億円くらい
の株ETFの買いを続けています。

・日銀の国内株の買い枠は3兆円/年、
・GPIFは、資産構成で25%としている国内株の買い枠の残りが7兆
円、
・ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険では、ほぼ10兆円の国内株の買い
枠が予想できます。
(注)ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険は、国内株の買い枠をまだ公
表していません。

200兆円の管理資金量を持つゆうちょ銀行と87兆円の資金量である
かんぽ生命保険は、2015年の秋に、株式を上場し、公開する予定で
す。かつての、民営化されたNTTのようなイメージです。

2015年は、ゆうちょ銀行までに至る、官の巨大な買いが想定できる
ため、年末の日経平均では、2万6000円水準を予想しています。
2015年6月5日の日経平均(午前中の前場)は2万400円です。

ただし、官の資金での買いは、市場による株価の形成を大きくゆが
めるものです。その買いが終わった後の、下落も予想できます。

日銀による国債の大量買いと同様、本来、こうした介入は行っては
ならない。

しかし、2014年4月に異次元緩和を開始した後の政府は、「2%のイ
ンフレ目標達成ためなら、何でもあり」になっています。

異次元緩和とこの官の資金による株の大量購入の異常さと、必ず来
る出口政策のときに生じる問題を指摘するエコノミストは、ほとん
どいません。(注)数名は存在します。

▼大地震の確率ついて

もうひとつのテーマは、巨大地震が起こる確率です。先の5月30日
に、東京から小笠原列島の海域の深いところでマグニチュード8.1
という巨大地震が起こっています。その5日前の5月25日には、関東
で震度5弱の地震がありました。

箱根山(大涌谷)では、一時より弱まったとはいえ、地中の水蒸気
の噴出が続いています。鹿児島県の口永良部島(くちのえらぶじ
ま)では、大噴火以来1週間たちました。ニュース報道は少なくな
りましたが、火山活動は強まっています。

日本列島の地下深くが、何だか変だと感じられている方は多いでし
ょう。大地震の予想確率の上昇を受けて、地震保険の保険料は、昨
年に続き、今年も19%程度上がります。

政府の公式予想では、太平洋岸の南海トラフで、マグニチュード8
〜9クラスの巨大地震が起こる確率は、「30年内に70%」とされて
います。この数値は、おそらく80%以上の人は、知っています。

しかし30年内に70%という確率は、とてもイメージがしにくい。

例えば30年内には、鉄筋の建物までを吹き飛ばすような、かつてな
い超台風が、70%の確率で日本を襲うという予想があっても、30年
という長い期間のため、想像ができなくなってしまいます。

普通、人が予想の範囲に置くことができるのは、長くても5年でし
ょう。いや3年がいいところか。1年ならはっきりします。30年に
70%というこの確率は、1年では何%か、3か月では何%にあたるの
かということです。


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<Vol.329:1.日銀がETFを買う手口 2.大地震の確率>
        
         21015年6月6日:無料版

【目次】

1.「ETF」とはどういった証券か
2.日銀によるETFの買いの手口
3.市場の指値(さしね)の売り板と、買い板
4.投資家主体別の売買では、証券会社の自己売買に入っていた
5.日銀による、ETFの買いの時期と金額

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■1.「ETF」とはどういった証券か

日銀は2014年10月に、それまでは1兆円の枠としていた株ETFの買い
を、3兆円に増やすと表明しました。

2015年6月時点で、残り枠の残りが7兆円と推計されるGPIF(年金積
立金管理運用独立行政法人)の株の買いとともに、この日銀による
ETFの買い増しが、2万円を超えた日経平均の原因です。

▼株価は、他人の予想の予想で動く

株価は、「多くの人、どう予想するかを予想すること(他人の予想
の予想)」で動きます。ケインズが見事に言った美人投票論です。
美人投票の、誰が1位になるかで勝つには、「皆が誰を美人と思っ
て投票するか」を予想せねばならない。自分が美人と思う人ではな
い。他の多くの人が誰を美人と思うかという予想です。

[2つの情報]
(1)日銀がETFの買い枠を、1兆円から3兆円に増やした、
(2)GPIFが、137兆円の運用資金のうち25%(34兆円)を国内株に、
25%を海外株に振り向けることを決定した。

[他人の行動の予想]
この2つが、2014年10月末の「サプライズ」でした。この情報によ
って、日本株は。買いが増えて上がると予想する人が増えるだろう。
買いが増えれば上がる。従って、われわれは、日本株を買い増すと
いう決定をしたのが、英米系ヘッジ・ファンドです。2015年に2兆
円を買い増しています。外人買いも加わって、年初の日経平均1万
7000円は、2万円水準(15年4月末)に上がったのです。

日銀やGPIFは、個別の銘柄を買うのではなく、株価の指数である
ETF買います。ETF(Excange Traded Fund)は、わが国では2001
年に導入された、株価指数に連動する仕組みの上場投信です。

日本の東証では、証券会社によって、それぞれにグループ化した株
や金を対象に40種くらいが売られていて、株価のように日々変わる
価格がついています。

(注)Excange Tradeは市場で売買するという意味であり、ETFは
市場で売買される債券(ファンド)という意味を持ちます。

わが国でもっとも大きなものは、野村証券が作っているTOPIX(東
証株価指数)に連動するETFです。時価総額が2兆7292億円です(6
月5日)。東証1部に上場している1891社の株価の、加重平均です。
日経平均は、対象225社の株価を合計して割った単純平均ですが、
TOPIXは、時価の大きさに比例させた平均です。
http://www.nikkei.com/money/fund/etflist.aspx

ETFには、現物拠出型と、リンク債型の2種があります。

【(1)現物拠出型ETF】
現物拠出型では、ある人が、例えば1億円の「TOPIX連動型ETF」を
野村証券(指定参加者という)に申し込むと、野村証券は、その1
億円を運用会社に払い、TOPIXの構成割合で現物株を買って、1億円
分のETFを合成するよう委託します。(注)ETFも現物(株式)から
派生したデリバティブ証券と言えます。

このETFが買われると、東証の株全体が1891社の時価総額の構成比
に応じて、買われたことになります。野村証券は、ETFの持ち分を
示した「受益証券」を受け取ります。受益証券は、ETFを買った人
の所有ですが、普通、証券会社に預けます。ETFは、株のようにい
つでも売買でき、配当もあります。

日経平均225社で構成したETFもあります。米国株の全体(99%)を
示すラッセルのETF(1000社、2000社、3000社)も日本で買えます。
金ETFや中国(上海)を含み、世界中のETFが買えると言っていい。
ただし、日本ではまだ、ETFの利用者は少ない。

現物拠出型のETFでは、その構成割合で、個別の株が売買されるの
で、ETFの価格は株価指数と一致します。個々の株からの配当もあ
ります。

価格が下がると、その下げの2倍が利益になるETFもあります。
(TOPIXベア2倍上場投信)

【(2)リンク債型ETF】
リンク債型ETFでは、現物株の拠出は行わず、USB(ユニオン・バン
ク・オブ・スイス)のような信用の高い金融機関が、現物株の指数
と100%連動するように保証した証券です。USBが発行する株価指数
に連動した社債と考えてもいいでしょう。現物の拠出が難しいとき、
このリンク債型ETFが作られます。

リンク債型ETFは、発行会社の信用に依存します。仮にUSBが倒産し
たちとき、USBが発行したリンク債型ETFがどうなるか定かではない。

日銀が買っているのは、現物拠出型の、国内株で構成したETFです。

【日経平均ベア2倍上場投信】
日経平均の価格が下がると、その下げの2倍が利益になるETFもあり
ます(日経平均ベア2倍上場投信)。

日経平均の価格は、傾向として上がっているので、日経平均ベア2
倍上場投信は、上がった価格の2倍下がっています。現在の価格指
数は6330でした。下がればその下落の2倍が利益になるように仕組
まれた証券は、株価が上がったときは2倍の損をします。ベアは弱
気という意味です。
http://www.nikkei.com/markets/company/index.aspx?scode=1360

【ETFの価格】
株もETFも、1週間後に上がるか下がるか、その確率は常に50%:
50%で等価です。(注)ランダム・ウォークと言う。

しかし今回のように、官の資金での買いが連続し、その金額が大き
いことが確定しているときは、過去の売りの傾向である限り、株価
は上がります。ETFも、日経平均やTOPIXと同じ分、上がります。

【4頭のクジラによる官製相場】
官製相場では、
・巨大な資金で買い続ける限りは上がり(あるいは下がらず)、
・買いを減らして止めるとき下げるという性格をもっています。

政府・日銀は、消費者物価の上昇が2%になるだろうというメドが
つくまで、官の資金による株ETFの買いを続けると明言しています。

これを考慮すると2016年のほぼ6月までとなりますが、予想PERで
22倍以上に上げすぎると、その後のバブル価格の崩壊が大きくなる
ので、日経へ金で2万5000円くらいからは、買いにブレーキがかか
ると判断しています。

■2.日銀によるETFの買いの手口

【後場で、するすると上がる】
しばらく前から、「前場(午前中)に、1%くらい下げると、後場
は、どこからともなく買いが入り、するすると上がり始める」と言
われていました。

確かに、午前12時までに日経平均が150円(1%)くらい下げ、今日
は、300円(2%)は下げるかみ知れないと思っていると、逆に150
円くらい上げることが多かったのです。この原因は、日銀のETFの
買いの発動だったのです。

【日銀の、ETFの買いのルール】
・前場の日経平均が1%下げると、後場の買いを入れる。
・買い付けの時間は、後場が始まった直後の午後1:15分。
・金額は1回約360億円。

2013年までは、前場が1%下げると、ほぼ100%の確率で、日銀が
ETFの買いを入れていました(1%ルール)。住友信託銀行に、その
指示を出していたものと思われます。官僚らしい方法です。証券会
社は、受託している住友信託銀行の、ETFの売買を注目していたの
です。

当初の1%ルール(日経平均で150円)は、2014年から0.3%(60円
くらい)下がったとき買うと、変更されています。株価の水準が2
倍に上がると、上げるのに必要な資金も2倍になるからです。

この筋で言えば、2014年10月末に、日銀がETFの買い枠を3兆円と3
倍にした理由がわかります。

株価が、日経平均で言うと2012年まので8000円から2万円に近くな
って、同じ額で上げるのに、2倍や2.5倍の資金投入が必要になった
からです。
http://www.skam.co.jp/files/topics/15951_ext_02_0.pdf

▼買うのは官と外人、売るのは個人

東証の売買額は、多い日で3兆円、少ない日は2兆円です。

売買の2兆円は、買いが1兆円、売りが1兆円です。この売買額の約
70%(7000億円+7000億円)は、外人投資家(英米系のヘッジファ
ンド)による売買です。

日銀が参加しないとき、均衡している売買(売買額の一致)が、午
後に360億円の余分な買いが入るとどうなるか? ETFの買いは、そ
の中の構成比での、現物株の買いです。

「売り板」に出ている指値(さしね)の、高いほうに価格がつきま
す。

■3.市場の指値(さしね)の売り板と、買い板

株式市場では、売り板と買い板で、一致した価格で売買が成立して
その売買の価格が、刻々と変化する株価になっています。

[単純化した売り板と買い板]
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[売り板のオファー] 1万5000円  1000枚
           1万4950円  1000枚
           1万4900円  1000枚
[買い板のオファー]   
           1万4850円  1000枚
           1万4800円  1000枚
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(注)価格幅を持たせない「成り行き価格」での買いは、売りの指
値がいくら高くても成立します。成り行きの売りは、買いの指値が
いくら安くても整理します。

以上の状況のとき、売りがない1万4850円では、買いが成立しませ
ん。1万4900円での買いをオファーすれば売りに出ている1000枚を
買うことができます。このとき、そのETFの価格は、1万4850円から
1万4900円に上がります。

更に高い1万4950円の指値をすれば、あと1000枚を買うことができ
ます。相場は1万4950円に上がります。

こうしたものが、日銀のETFの、金額を決めた買いです。前場で1%
下がったとき、売りの高い指値のものを買う目的で、360億円の買
いを入れていたのです。

国家・地方公務員の年金基金と、国民年金・厚生年金の基金(保険
料のストック)を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政
法人)の株の買いは、信託会社を通じるものです。

東証が、毎週公表している「投資家主体別売買」で、信託銀行(信
託銀と表示)の買い超が増えた週は、年金基金からの、相場支えと
上げのための買いが入ったと判断できました。

■4.投資家主体別の売買では、証券会社の自己売買に入っていた

投資家主体別売買は、安藤証券が、毎週のものを、見やすく集計し
ています。
http://www.ando-sec.co.jp/market/movement.html


▼証券会社の自己売買への疑問

投資家主体別売買で、当方がわからなかったのが、証券会社の、大
きくなった自己売買が、誰による売買かということでした。(たぶ
ん日銀と推量はしていましたが・・・)

証券会社が、自己資金や、銀行からの借金で買ったものは、ほぼ3
か月内に売り、売買額は均衡するはずです。

ところが2014年、2015年と、証券会社の自己売買での買い超が、
4000〜5000億円規模に超過する週が増えています。この原因がわか
らなかった。

【住友信託銀行を経由して、証券会社の自己売買になっている】
調べると、案の定、日銀のETFの買いが反映したものでした。日銀
は、ETFを買うときは、住友信託銀行に注文を出しています。住友
信託は、日銀によるETFの構成比での現物株の買いを、証券会社に
委託します。証券会社は、ETFで日銀が買った分、現物株を買うこ
とになります。

それが投資家主体別売買では、証券会社の自己売買に含まれていた
のです。

証券会社は、売買の主体を秘密としています。特に、情報をもつ証
券会社の、インサイダーが絡む恐れが高い自己売買は、「奥の院」
です。

なお、インサイダーと見分けがつかない証券会社の自己売買は、コ
ンピュータプログラムでミリ秒単位の取引をする超高速取引(HFT
:High Frequency Trading)とともに、市場の価格形成をゆがめる
ので、禁止すべきと考えます。

ところが、東京証券取引所は、取引が大きくなれば手数料が増える
ので歓迎しているのです。

【直近の、証券会社の自己売買】
日経平均が2万円を超えて上がった、2015年5月の、証券会社の自己
売買を見ると、
・1週 487億円の売り超
・2週1486億円の買い超
・3週2827億円の買い超
・4週 855億円の買い超です。

これが、日銀のETFの買い超に相当しています。

この5月の3週には外人投資家が4260億円を、4週には3964億円を買
い越しているのです。日経平均が2万円を超える中で売っているの
は、700万人の個人投資家です。5月の3週は5849兆円の売り超で、
4週も4643億円の売り超です。

【売買のパターン】
売買のパターンは2010年以降、同じです。
・株価が上げるとき=自己売買、または外人の買い超→個人は売り

・株価が下げるとき=外人投資家の売り超

(注)外人投資家は、ほぼすべて、世界に50ヶ所のタックス・ヘ
イブン(租税回避地)からの売買です。その主体は、投資家からの
預託を受けて、ポートフォリオ運用するヘッジ・ファンドです。ヘ
ッジ・ファンドは、金融機関と富裕者を対象にした私募の投資信託
と言ってもいいものです。

日本の個人投資家(約700万人:口座数は4000万)は、
・2012年1.9兆円、
・2013年8.7兆円、
・2014年3.6兆円、
・2015年(1月〜5月)4.1兆円と、
この3年半で18.3兆円も売り越しています。

個人投資家は、外人投資家の次に売買額のシェアが大きな主体です。
これが1か月平均で4400億円、週平均で1000億円も売り越しを続け
ています。買い越したのは、2015年1月の3522億円だけです。株価
が上げると逆張りで売ることを続けています。

【金融機関も売り超】
日本の金融機関(銀行・生保)も、売り超を続けている点で個人と
同じです。銀行と生保は、1990年代まで、株式所有シェアがもっと
も大きかった。保有の最大シェアは外人投資家に振り替わっていま
す。

個別株で言うと、外人持ち株比率は。ほぼ30%付近ですが、50%を
超えたところも多い。例えばソニーは57%です。

繰り返せば、買い超の主体は、
(1)ETFを買う日銀、
(2)公務員年金の基金、
(3)公的年年金の基金(GPIF)、
(4)そして外人投資家です。

買って上げているのは、外人投資家と官のマネーです。
売って下げるのは、個人投資家と、金融機関(銀行、生保)です。

この単純な売買の構造が、2年半前から株価を2.5倍に上げたわが国
の株式市場です(日経平均8000円→2万円水準)。

■5.日銀による、ETFの買いの時期と金額

日銀がETFの買いを開始したのは2010年12月の142億円でした。その
時から現在で、ETFの買いを、週単位で公開しています。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_etf.htm

2013年度以降の、買いを月別に示します。2014年10月までは年間購
入が1兆円枠(1か月平均833億円)で、2014年11月以降はその3倍の
3兆円枠(1か月2500億円)です。

日銀のETF買いは、売りがなく、買いの一方です。このため、日銀
がもつ株ETFは、2015年5月末で6.4兆円に膨らんでいます。

▼日銀のETFの買い:2013年〜2015年5月実績

     2013年  2014年    2015年
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1月   227億円  1104億円   3443億円
2月   238億円   866億円   1322億円
3月   574億円   949億円   2464億円
4月   1266億円   696億円   2555億円
5月   752億円   476億円   2166億円
6月   990億円   390億円 (毎月2500億円平均)
7月   744億円   720億円     ↓
8月   1664億円  1276億円     ↓
9月   1056億円   438億円
10月   917億円  1323億円
11月   485億円  1900億円
12月  1456億円  2244億円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    9617億円  1兆2382億円  1兆9950億

【2013年の方法】
2013年は年間ペースで1兆円の枠で、月平均800億円くらい買ってい
ます。1回の買いが150〜200億円くらいでした。少ない月で2回から
3回、多い月は5回から7回くらい買っています。2014年10月までは、
以上のような買いのペースでした。

日経平均で、前場に1%(約150円)下がると、後場の1時15分ころ
から、「どこからともなく買いが入って、するする上がる」という
動きになっていました。日銀が1回当たり150億円から200億円の買
いを入れていたからです。

2013年は、外人投資家(ヘッジ・ファンド)が、年間で15.1兆円
(月平均1.26兆円)の日本株を買い越し、日経平均をほぼ2倍の1万
6000円に上げた年でした。この2013年でも、日銀は、下がる日には、
ETFの買いを入れていたのです。

【年初を下回っていた株価:2014年】
2014年1月の年初の日経平均は1万6147円でした。5月末は1万4632円、
8月末は1万5454円、9月末は1万5708円と、年初を下回っていました。

【外人投資家の買い増しの停止があった】
原因は、前年に15.1兆円も買い越した外人投資家が、2014年1月か
ら10月までは、6037億円の売り越しに転じたからです。

【公務員年金による買いの出動:2014年5月〜】
このため、2014年5月からは、公務員共済年金、私学共済年金、
GPIFが、信託銀行を通じて1か月に6000億円くらいを買い越して、
株価を上げていたのです(投資主体別売買)。

実際、2014年1月以降、日経平均で1万4000円を割ろうとしていた時、
買い支えて1万5000〜1万6000円に保ったのは、公務員共済年金によ
る買い増しでした。

(注)2014年5月から12月までで、信託銀行を通じた買い越しは2兆
7000億円になっています。月間平均で3400億円の買い越しだったの
です。

【2014年10月末の、日銀の決定】
2014年10月末には、日銀は「国債を1年に80兆円買い増す追加緩
和」ともに、ETFの年間の買い枠を、3倍の3兆円に増やす発表をし
ています。

理由は、2014年の株価の上昇が、はかばかしくなかったからです。
買い枠1兆円/年では、株価を上げるに足りないと見て、3兆円の枠
に増やしたのです。1か月平均で2500億円、1回では360億円の買い
です。日銀は売ることがないので、買い一方です。

上表を見ると、2014年11月から、月2500億円をメドとしたETFの買
いになっているのがわかります。

現在のルールは、
・前場で0.3%(60円)くらい下げると、
・後場の13:15分から360億円のETFの買いを入れて、株価の下げを
止める。または上げることです。
(注)8000円の時期に比べて、株価は2.5倍に上がっているため、
買い支えや上げるにも、2.5倍の資金が必要です。

【日銀の買いに、GPIFも加わった】
日銀のETF買いに、14年11月以降、GPIFによる買いが、加わってい
ます。残った枠は7兆円です。

1年で使うには大きすぎる枠ですが、これからの1年で使うとすれば、
毎月5800億円の買いになります。日銀2500億円と合わせると、
8300億円/月です。

向こう12か月のペースでは〔8300億円×12か月≒9.96兆円〕
ほぼ10兆円/年です。今後、年間10兆円ものETFの買いがあると、日
経平均は、現在の2万円水準が、少なくとも2万4000円には上がるで
しょう。

【更に、ゆうちょ銀行の、想定枠が10兆円】
200兆円の資金を運用しているゆうちょ銀行も、日銀に国債を売っ
て入ったマネーで、国内株の買い10兆円、米国株の買い10兆円とい
う枠をつくる感じです。

こうした官の資金の投入は、「消費者物価の上昇目標2%を達成す
るための金融政策」の一環とされています。日銀と財務省は、是が
非でも、消費者物価が2%上がるマイルドなインフレ経済にもって
ゆく。このための株式の購入とされているのです。

ゆうちょの銀行の想定枠10兆円の買いが、
・日銀のETFの買い(月間2500億円平均:決定分)と、
・GPIFの買い(5800億円想定分)に加わると、
株価の上げは一層大きくなって、2015年末には2万6000円に上がる
感じがしています。

官の公的資金での、株の買いを停止するとき、あるいは停止の発表
をするとき、株価の大きな下落が予想されます。それが、いつか?
 

そこまでは、政府と日銀は考えていないでしょう。株価を上げ、イ
ンフレ目標2%を達成するまでの想定しかないのです。日銀のもっ
と新しい予想では、物価目標2%の達成のメドがつくのは、2016年
会計年度の初旬(2016年5月ころ)とされています。 

日銀の予想に基づけば、来年の2016年5月までは、異次元緩和と、
株価への介入を続けることになります。波乱要因は、FRBの利上げ
の時期です。2015年9月説、12月説、2016年春という3つの説があり
ます。

大地震の確率については、紙幅がなくなりましたので、次号としま
す。
http://archive.mag2.com/0000048497/index.html  

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