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急激な円安進行が日本経済にもたらすリスク(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/15/hasan97/msg/444.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 6 月 08 日 00:08:05: igsppGRN/E9PQ
 

急激な円安進行が日本経済にもたらすリスク
http://diamond.jp/articles/-/72773
2015年6月8日 真壁昭夫 [信州大学教授] ダイヤモンド・オンライン


■円安がわが国にもたらすのはプラス面ばかりではない

 米国金利の先高観などを背景に、足元で円安・ドル高が急速に進んでいる。5月下旬には、約12年半ぶりの水準となる1ドル=124円台に至った。円安傾向が続くと、自動車等のわが国の主力輸出企業の業績は一段と改善することもあり、株式市場は安定した展開が続いている。

 一方、急激に円安になると、海外から輸入する製品などの価格が上昇しやすくなる。食料品など原材料を輸入に依存する業界などでは、コストアップ要因につながることが懸念される。

 コストアップ要因を価格に転嫁できる大手企業には、それほど大きなマイナスは及ばないだろうが、製品価格を上げにくい中小企業などには大きな痛手になるはずだ。

 また一般消費者にとっても、輸入製品が急激に上がると財布のひもを締めざるを得なくなる。わが国のGDPの約6割を占める個人消費の伸び悩みが顕在化すると、ようやく回復してきた景気の腰を折ってしまうことも考えられる。

 もう一つ無視できない点は、大手企業など円安のメリットを享受できる分野と、国内市場中心の中小企業などデメリットを受けやすい分野で大きな格差が生じることだ。  

 原油価格が低位に安定している現在、円安傾向はわが国全体にとってみればプラス要因として働くものの、その恩恵を受けにくい分野が存在することは十分に頭に入れておくべきだ。

■急激な円安・ドル高の背景にはヘッジファンドのキャリートレード

 各通貨間の交換レートである為替は、短期的には金利の動向が大きく影響する。世界の投資資金は、基本的に、金利の低い通貨から金利の高い通貨に流れる。そのため、金利が上がりそうな通貨に対する需要は高まりやすくなる。

 大手投資家であるヘッジファンドなどは、相対的に金利の低い通貨で資金を調達し、それを為替市場で高金利の通貨に替えて運用することが多い。有体に言えば、金利差を取るためのオペレーションだ。“キャリートレード”と呼ばれる手法である。

 彼らは、“キャリートレード”を時に数百億円単位で行うこともある。その取引量は、年間を通して世界の為替市場の半分程度を占めると言われている。そのため、彼らのオペレーションがどうしても為替市場を動かしてしまう。

 円とドルの金利の動きを考えると、日銀の黒田総裁が頑張っている間、恐らく円の政策金利が上昇することはないだろう。一方、米国のイエレンFRB議長は、今年中に政策金利を引き上げる可能性が高いことを示唆した。ということは、円とドルの金利差は、今年中にさらに拡大する可能性が高い。

 そのビジネスチャンスを、海千山千のヘッジファンドが見逃すはずはない。今年、彼らの多くは、ユーロ売り・ドル買いのポジションで損失を被ったようで、年明け以降の成績はあまり芳しくないと言われている。

 その損失を取り戻すべく、ヘッジファンドや為替ディーラー連中は、ここへ来て一斉にドル買い・円売りに走った。その勢いはかなり迫力があり、世界の主要為替市場ではドルが買い込まれる展開になった。それに加えて、国内の輸入決済資金を手当てしなければならない、一部のメーカーなどもドルを買いに加わり、ドル上昇を加速する結果となった。

■円安でかさ上げされる企業利益 連動して株価も上昇

 円安傾向が進むことによって、海外からの旅行者が大幅に増加しており、旅行者がわが国で落としてくれるお金は、見逃すことができない景気の下支え役を果たしている。

 円安は、自動車や機械、化学、繊維などの大手企業にとっては輸出代金の手取り額が増えるなど重要なプラス要因となる。同時に、生産拠点を海外に移転したり、M&Aで海外売上比率が高まっている企業にとっても大きな福音になる。

 生産拠点などを海外に構築している企業は、円高の局面で海外投資を行った格好になっており、投資額が円安によって膨らむことになる。単純に考えれば、1ドル=70円台で投資を行った場合、1ドルにつき50円以上の差益が出ている勘定だ。

 それと同様に、海外展開を積極的に進めてきた企業は、海外での売り上げが円安によって、自動的に大きく膨らむことになる。例えば、1ドル=100円の為替レートの下では、1億ドルの売り上げは円換算で100億円だが、120円の水準まで円安になると、売り上げは単純に120億円になる。これは利益についても同じ効果がある。

 そうした効果が見込める大手企業の決算では、海外子会社との連結ベースで財務諸表を作成するため、利益がかさ上げされるケースが多い。そのため、大手企業の業績は実態以上に回復して見えることもある。

 企業業績が改善すると、それに直接反応するのは株式市場だ。株価水準は、基本的に企業の収益と連動するはずである。

 足元でわが国の株式市場が安定した展開を続けている背景には、日銀や年金資金の株式投資があることに加えて、円安メリットが重要な役割を果たしている。株価が堅調な展開になると、株式保有者を中心に資産効果のパスを通して、個人消費を刺激することも期待される。

■家計と中小企業への負の影響 地方と都市の格差も拡大

 さらに円安傾向が長期間続くかについては色々な見方がある。ただ、米国の政策金利の上昇ペースは、かなり緩やかになるとみられることを考えると、円安・ドル高は7合目、8合目まで来ていると見る。

 足元の市場動向を観察すると、ヘッジファンドなど投機筋がドルを買い上がっている兆候が見られ、彼らはどこかで利益確定の売りを仕掛けてくる可能性が高い。円売り・ドル買いのポジション巻き戻しが始まると、ドルの上値が限られると予想する。

 今回のように短期間に円安・ドル高が進むと、日米両国の経済にとって不都合な要素が顕在化する。米国から見ると、ドル高は米国の輸出企業にとってマイナスだ。また、海外売り上げのドル換算額が減価する。それらはいずれも、米国の企業業績に逆風となる。

 米国の産業界から、そろそろドル高に対する懸念が本格化するだろう。米国政府としても、それに対して何らかの方策を講じるはずだ。

 一方、わが国にとって急激な円安はプラス面ばかりではない。輸入価格が上昇すると、食料品や衣料品などの値上げを通して家計部門を直撃することも懸念される。家計の消費マインドが冷え込むと、個人消費の伸び悩みが一段と鮮明化することも考えられる。

 円安で最も大きな影響を受けるのは、海外からの原材料に依存して作った製品を、国内市場に出荷している中小企業だろう。国内市場に特化しているため円安メリットを受けにくく、原材料の上昇によるコストアップを価格転嫁できないからだ。

 地方経済を見ると、円安や株高のメリットがあまり波及しておらず、少子高齢化の影響で成長に向けてのエネルギーを見出すことが難しいケースが多い。今回の急激な円安は、そうした地方と都市圏の経済活動の格差を拡大することになる。

 わが国の産業は構造変化が進んでおり、円安で輸出が大幅に伸びる状況ではなくなっている。むしろ少し長い目で見れば、急激に円安が進んだ後の反動を、リスク要因として頭に入れておくべきだ。

 

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