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世界経済の減速の兆し:円安のインパクト(The Economist)
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投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 6 月 09 日 00:18:25: igsppGRN/E9PQ
 

            円安のインパクトが諸外国に波及している (c) Can Stock Photo


世界経済の減速の兆し:円安のインパクト
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43977
2015.6.9 The Economist JBpress


(英エコノミスト誌 2015年6月6日号)


円安が日本以外の場所で問題を引き起こしている。


 日本の安倍晋三首相が進める経済改革、アベノミクスの効果は、活発な議論の的になっている。2012年の安倍首相就任以来、まずまずの経済成長とインフレ率の上昇が見られた時期も何度かあったが、いずれも長続きしていない。


 2015年の日本の国内総生産(GDP)の伸び率はわずか0.8%で、消費者物価指数は0.6%の上昇(コア指数はさらに低い0.3%)にとどまると予想されている。


 アベノミクスの影響で明らかに変化しているのが、円の価値だ。2012年末時点では、円は1ドル=87円で取引されていた。それが6月第1週に、1ドル=125円台まで値下がりした。30カ月で30%以上下落したことになる(次ページの図1参照)。


 この円安の原因となっているのが、新たに円を生み出して資産を買い入れる日銀の大規模な量的緩和(QE)プログラムだ。日銀は年間80兆円(6440億ドル)の紙幣を印刷している。


■円安に泣く他の輸出国


 この円安は、諸外国に2つの難問をもたらしている。第1に、日本の輸出業者の競争力が高まる結果、ライバルの輸出国が不利になるという点がある。


 特に今はタイミングが悪い。スイスの大手銀行、UBSによれば、中国と香港を除く主要新興国市場では、ここ3カ月の輸出が、2014年の同じ時期と比べて軒並み減少しているという。世界全体の輸出は5月にやや減少し、過去2年近くで初めての減少となった。


 最近の世界貿易の停滞については、中国経済の変化も一因となっている可能性がある。中国のメーカーはこれまで、他のアジア諸国から部品を輸入し、完成品を世界に輸出してきた。だが今では、自国で部品を製造するケースが多くなっている模様だ。その結果、アジア域内の輸出が減少している。


 だが、他のアジアの輸出国にすれば、そんな説明はほとんど慰めにならない。韓国の輸出額は、ドル建てで11%減少した(ただし、数量ベースの減少幅はそれよりも小さい)。フィリピンの輸出の伸び率は、2014年第4四半期には年率換算で13%だったが、その後1%に減速した。


 購買担当者景気指数(PMI)は多くの新興国で50を下回っている。これは製造業の縮小を示唆する(図2参照)。


■潜在的なデフレ効果



 円安がもたらす第2の問題は、潜在的なデフレ効果だ。


 日本製品が安くなれば、競合相手は値上げが難しくなる。コモディティー(商品)価格の下落により、世界中で消費者物価指数が低下している。


 各国の中央銀行は、それに対応して金利を引き下げている。その最近の例がインドだ。インドは6日2日、今年3度目となる金利引き下げに踏み切った。


 商品価格の下落は、消費国にとってはありがたいものだ。これには、減税に相当する需要の下支え効果がある。


 欧州では、消費者物価指数とコア指数がいずれもプラスに転じ、デフレに陥る懸念がいくぶん和らいでいる。


 だが、アジア製品の価格下落は、今後さらに大きな影響を及ぼす可能性がある。中国のGDPデフレーター(物価変動を総合的に表す指標)は、物価が下落していることを示している。中国の工場で生産される製品の価格は、すでに3年以上にわたって下落している。


 日銀と欧州中央銀行(ECB)は、いずれも量的緩和を継続する意欲を見せている。このことは、需要の低迷とデフレ懸念が続いていることを示唆する。そうした状況下では、中央銀行は自国の通貨が安くなるのを歓迎する。問題は、それにより、世界のほかの国々にデフレが「輸出」されることだ。


 だが、金融市場にとっては、量的緩和は中央銀行が新たな国債を大量に吸い上げていくことを意味する。おかげで、最近の市場の不安定さにもかかわらず、ソブリン債の利回りは低く保たれてきた。その結果、投資家はリスクの高い資産を購入するよう促され、株式市場は低調な経済指標を一蹴することができた。


 米国では、第1四半期にGDPが減少した。第2四半期についても、早期指標を見る限り、力強さはない。アトランタ地区連銀の経済見通しモデル「GDPナウ」によれば、第2四半期の年率換算の成長率は1.1%にとどまる見込みだ。


 英国の第1四半期も低調だった。ユーロ圏は回復傾向にあるものの、勢いがあるとは到底言えない。ユーロ圏では、5月に総合PMI(サービス業と製造業を合わせたもの)が下落している。


 新興国市場の弱々しいデータを合わせて見ると、世界経済が大きく減速しているように思えるかもしれない。


■投資家が不意を突かれる可能性


 だが、投資家は依然として、それが一時的なものだと確信している。バンクオブアメリカ・メリルリンチが世界のファンドマネジャーを対象に実施した5月の調査では、2015年に昨年以上の経済成長を予想する人が70%に上ったのに対し、昨年以下と予想した人はわずか11%だった。


 最近の傾向が続けば、投資家たちは大きなショックを受けるかもしれない。



 

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