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中国の雇用なき成長の奇跡(JBpress)
http://www.asyura2.com/15/hasan97/msg/735.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 6 月 17 日 00:48:05: igsppGRN/E9PQ
 

             中国政府は経済成長の安定という究極の目標を達成できるか〔AFPBB News〕


中国の雇用なき成長の奇跡
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44042
2015.6.17 金刻羽 JBpress


 中国の李克強首相は最近、雇用創出が中国の「経済成長の安定という究極の目標」にとって極めて重要だと述べた。李首相の見解はこれ以上ないほど的確だ。


 実際、中国の経済発展の最も不可解な特徴の1つは、2ケタの国内総生産(GDP)成長の最中でさえ、雇用は1978年から2004年にかけて年率平均わずか1.8%しか伸びなかったことだ。


 家計は、どうやら、中国の経済発展の恩恵を概ね逃してしまったようだ。


 GDPの伸びと雇用増の不一致に対する表面的な説明は、このギャップの原因を非効率な国有企業(SOE)のリストラのせいにする。


 SOEのリストラの結果、公的部門の雇用は1995年から2004年にかけて、1億1260万人から6700万人に急減した。だが、もっと根本的な原因がある。中国の工業化に対する偏重がそれだ。


■工業化への偏重


 中国政府は長年、工業化を近代化のカギと見なしてきた。毛沢東の大躍進政策の時代には、極めて楽観的な鉄鋼生産目標を達成し、ひいては急速な工業発展に拍車をかけるために金属くずが溶解された。


 現在、中国政府は、投資を促すとともに税収を生み出すことによって中国経済が――もはや無謀ではないが――野心的な成長目標を達成できるようにする産業・インフラプロジェクトを促進している。


 問題は、製造業部門が雇用創出にほとんど貢献しないことだ。それは主として、製造業部門の比較的高い生産性の伸び――過去20年で平均して年率10%を超す――が労働力に対する需要の増加を抑制しているためだ。


 これに対し、中国のサービス部門の生産性の伸びは年間5%程度にとどまっており、それゆえ、同部門は製造業よりはるかに効果的な雇用創出エンジンとなっている。


 実際、大半の先進国ではサービス産業が雇用の大部分を担っている。だが、2012年に米国の労働者の80%がサービス産業で雇われていたのに対して、サービス産業に従事する中国の労働者はわずか36%だった。


 サービス業の雇用を拡大するために、中国政府は規制のグリップを緩め、通信のような分野への参入障壁を緩和し、労働者の移動性を促さなければならない。


 中国が工業生産に置く重点は、別の面でも問題がある。主に政府の政策がもたらした歪みのせいで、極めて資本集約的なのだ。


■政府の介入が民間企業の成長を阻害



中国政府は工業化を近代化のカギと見なしてきた〔AFPBB News〕


 金利を市場水準より低く抑えただけでなく、中国政府は自動車、機械、鉄鋼産業などに低利融資に対する優先的なアクセスや税の優遇措置、公共投資の支援を与えた。


 このような政策は企業に資本集約的な技術を導入するよう促し、労働力の本来の比較優位を覆い隠してしまった。


 同時に、政府の介入は融資へのアクセスを妨げることで民間企業の成長を制限した。SOEは労働人口全体の13%を雇用し、GDPの約30%に寄与しているだけだが、投資全体の半分を吸収している。銀行と政府は合計でSOEの投資のほぼ35%を提供しているが、民間企業の投資の10%程度しか提供していない。


 だが、民間企業はSOE――利用する資本が民間企業のほぼ4倍に上る――よりかなり労働集約的であり、それゆえ、この数十年間の中国の雇用創出の大半を担ってきた。


 公式民間セクターは雇用を年平均10.4%増加させ、1995年から2004年にかけてのSEOの人員削減の一部を補った。


 非公式部門はさらに急速な成長を遂げ、起点が低いとはいえ、年率24%の伸びを記録している。


 繁栄し、急拡大する民間部門の明らかな恩恵を考慮すると、中国政府は、そうした民間企業――特に、信用市場からあまりに頻繁に押し出されてしまっている中小企業――が事業拡大に必要な資本を確実に手に入れられるようにする方策を講じるべきだ。そうすれば必然的に、雇用創出が急増するはずだ。


■中国経済の気まずい真実


 気まずい真実は、中国の家計が国の経済成長の奇跡からあまりにわずかしか恩恵を受けていないことだ。実際、国民所得に占める家計のシェアは過去10年間で大幅に低下しており、家計のシェアが一貫して高い先進諸国と好対照を成している。


 民間企業が繁栄するのを容認し、サービス志向型経済への移行を促すことによって、中国政府は雇用の増加を支え、ひいては内需を拡大させられるだろう。


 李克強首相が理解しているように見えるように、中国市民の福祉を向上するためだけでなく、世界的な不確実性が著しい時代に経済的、社会的安定を強化するためにも、構造的リバランスが必要なのだ。



 

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コメント
 
1. 2015年6月17日 14:44:42 : jXbiWWJBCA

>家計が国の経済成長の奇跡からあまりにわずかしか恩恵を受けていない

キャッチアップ優先の国家資本主義は、極めて効率的でアジア的だが

キャッチアップしていくほど、規制緩和や自由化を進めないと成長の限界にぶつかるのは

どこの国でも共通


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