半導体事業は南朝鮮や中華民国台湾、中国大陸が強い分野だ。日本では日立、三菱電機、NECが半導体部門を切り離し、ルネサス・テクノロジーにまとめあげた。案の定、赤字が続いている。聞くところによると黒字になりそうだと言うが、リストラ、リストラの繰り返しだ。この分野から東芝のライバルの日立、三菱電機は撤退しているのだが、東芝は三重県に大規模工場を建設して力を注いでいる。これを見て投資家は「東芝は、日立や三菱電機が撤退した分野でも、大きな利益を上げている。」と思ったのではないか。

次にパソコン事業だが、東芝はかつてワープロのルポが爆発的に売れていた。ワープロと言えば、シャープの書院も売れていたが、パソコン以降をうまく取り込めずに撤退した。そのような中でも東芝は、パソコンでうまく販売していると投資家は思っただろう。だが東芝のパソコンは、海外市場では早くから苦戦していた。

海外市場では、ブランドよりも、安くて壊れなければ売れる。日本国内の顧客と違い、新規のブランドにもチャンスがある。自動車で日本車が成功したのは、まさしくそれだし、南朝鮮の自動車も売れている。しかしパソコンは、アップル以外はどこもウィンドウズだし、日本メーカーだから売れるものではない。

こちらで家電量販店に行くと、パソコンは中華民国台湾のエイサーとかエイスースが売れているし、アメリカのHPも売れている。東芝やNECや富士通は高かった。売れないから、値引きする。メーカーから値引きの原資が来て、これで値引きする。だから家電量販店は損をしないが、メーカーは赤字になる。そんな訳で、日本メーカーのパソコンを見かけなくなってしまった。ちなみに当家のパソコンはHPです。

これはテレビジョンもそうで、今や世界市場の主役は南朝鮮のサムソン、LGから、中国大陸のTCL、ハイセンス、スカイワースに移っている。日立は、この分野でうまく立ち回っている。テレビジョン製造から撤退し、中国大陸のハイセンスに投資している。LGも含めると、日立は関連会社にテレビジョン事業を移したようなものだ。

東芝はシャープと同様に、海外でもテレビジョンの販売に注力してきた。しかし、こちらの人々は、日本メーカーと言うだけでは買わない。今じゃ南朝鮮、中国大陸の製品でも全く遜色ない。それで安いのだから、偏見を持っていない人なら買うだろう。

シャープはテレビジョンの海外販売から撤退したし、東芝も撤退した。聞くところによると、東芝のテレビジョン事業は1990年代から赤字だったらしい。しかし他の部門の黒字で埋められたので、何とかやってこられた。ところがパソコンもダメになり、遂には半導体まで。赤字の分野が増え続け、東芝は「赤字隠し」に疲れてしまったのだ。

最後に、偏見のない消費者の話をするが、日本車が世界で売れていることについてです。安くて故障が少なく、品質がいいから売れるのだと、トヨタマンは自信を持って言っていました。だけど、これは偏見のない消費者に助けてもらったと言うべきでしょう。日本は、かつての交戦国だったのです。日本軍に殺された軍人も多い。そんな敵国の自動車を買うのは、普通に考えて勇気がいりますよ。当方がかつて聞いた話でも、第二次世界大戦で日本軍と戦った退役軍人の子供が、日本車を買って大喧嘩になった例があちこちにありましたよ。

「どうして60歳まで働かないんだ。」

これの理由が分かった気がする。退職金が出るうちに辞めたんだと。

本人に迷惑がかからないように実名は出さないが、これを読んでピンと来る人は多いだろう。あの大御所だ。