★阿修羅♪ > 経世済民98 > 784.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
米英は利上げを示唆、日銀は動けず
http://www.asyura2.com/15/hasan98/msg/784.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 7 月 16 日 16:37:00: igsppGRN/E9PQ
 

            (写真:ロイター/アフロ)


米英は利上げを示唆、日銀は動けず
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20150716-00047572/
2015年7月16日 9時57分 久保田博幸 | 金融アナリスト


イングランド銀行のカーニー総裁は7月14日、議会の財務委員会に対し、トレンドを上回る着実な成長が見られ、国内のコストが上昇しつつあり、輸入によるディスインフレを一部打消していると指摘し「経済の状況を踏まえると利上げを開始する時期が近づいている」と言明した(ロイター)。

イングランド銀行の金融政策委員会のマイルズ委員も、利上げ開始は「明らかにやって来る」とし、「悪いことではない」と語ったそうである。ちなみにマイルズ委員はハト派として知られ、来月退任の予定だとか。

ようやくギリシャの問題が解決に向かい、今度はあらためて異常な金融政策から脱却する「正常化」が焦点になる可能性が出てきた。

米国の正常化よりも前に英国が正常化に向かうとの観測が強かったものの、今年初めには原油安を背景に消費者物価指数が前年比で50年超ぶりの低水準となったことで、利上げ観測は後退した。しかし、ここにきて労働市場が活性化をみせ、賃金も上昇してきている。少し前の報道ではあるが、6月に金融政策委員会のウィール委員は、8月のMPCで利上げに賛成票を投じる可能性を示唆していた。

7月14日にはイランでのイラン核協議は最終的な合意を得られた。ギリシャ問題に続き、世界的な懸念材料が続けて払拭された格好だが、これはいずれ原油価格の下落要因ともなりうる。

イランは現在、原油の輸出を制限されているが、これが解除されると日本の消費量の五分の一以上にあたる日量100万バレルの原油がいずれ国際市場に供給されることになる(日経新聞)。

今後の原油価格が日銀の想定したような上昇をみせず、上値が抑えられて、物価が抑制される可能性もある。それでも英国は再び正常化の時期を模索しているようで、年内の早い時期での利上げの可能性が出てきた。ただし、その後の利上げは緩やかなペースになるであろうことも確かである。

9月もしくは12月のFOMCで、FRBも正常化を決定してくると予想される。15日のイエレン議長の議会証言でも、年内利上げの可能性を示唆していた。

このように今後はFRBとイングランド銀行の金融政策の正常化が市場の焦点のひとつとなってくることが予想される。利上げというかたちになる以上は、これによる米国と英国の長期金利のある程度の上昇は避けられないとみられ、米国の長期金利は3%、英国の長期金利は2.5%をいずれ視野に入れてくるのではなかろうか。

日本相互証券によると1〜6月の10年国債の業者間取引が17.2兆円と前年同期より9割増しとなり、半期として2000年以降で最大になったそうである(日経新聞)。日銀が市場から国債を吸い上げているなかで、これだけの売買高があった。この時期は欧米の長期金利が上昇基調となり、ギリシャ問題も加わって振れも大きくなった。日本国債もそれだけ海外金利の動きに敏感になってきていると思われる。

日銀は自ら設定してしまった物価目標のために動けない。政策目標をもう少し柔軟なものに変更すべきと思うが、それも容易ではなさそうである。イングランド銀行やFRBが正常化にむけて動ける環境下に、異常な金融政策を続ける日銀という構図は続く。市場はその矛盾に対してどのような反応をしてくるのか。マグマが次第に蓄積されるような環境に日本の債券市場が置かれることも十分考えられる。


久保田博幸
金融アナリスト
フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年7月16日 17:36:33 : Lkezl5vqtK
日本は3年間の暗黒時代があったからな、3年遅れといってもいい

2. 2015年7月17日 00:33:36 : 6uFgfWwteg
日銀黒田には

「これはオフレコで」発言の前科があることからもわかるように
「市場、とくに日本市場の混乱を招かないために」
あえて真意はアナウンスしないという狡猾さが透けて見える。

以前の投稿でも書いたことがるように
どうも黒田には、FRBやECB、BOCなどの外国の中銀総裁とは違って
市場との意思の疎通を十分はかることの重要性の認識にかけているように
思う。

黒田も日本の官僚や役人にありがちな、知らしむべからず、依らしむべしの
腐った信念に凝り固まっているのだろう。
国債リスクなんたらの、あのオフレコ発言の場では
どうもバーゼル新規制のことばかりではなく、今回のギリシャ債務不履行の事前情報を立場上知っていた節もある。その場にいた親しい政治家などは黒田から、そのインサイドの情報を手にいれたということもあったろう。それが青ざめた顔で国債リスクをことさら強調するような発言になったのだ。何を今さらと少し違和感を感じた。


おれは少し前に、黒田が、まだ出口戦略を論ずるには時期尚早とお茶を濁している間に、すでに事務方は出口戦略に向けて準備を整えているはずだと書いたこともある。
今週も予定されていた国債買い入れの通告がなかったため、国債市場に小さな動揺があったようだ。

日銀ことにいまの黒田のアナウンスは文字どおりにとっていては早晩ハシゴをはずされるだろう。
ここが大事なのだが、
年内利上げ確実なアメリカ、イギリスも望みとおりのインフレが達成できたわけではない。「低インフレ下」でも利上げせざるをえない理由があるのだ。
ほかでも書いたが、
合理的期待形成論ー2008年の世界的なショック以降、先進国の金融政策のもとで実験されてきたこの詐欺的な経済手法について深く理解している人は、この逆説も納得できるだろう。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民98掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民98掲示板  
次へ