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成長モデルの限界見つめよ 中国、繰り出される究極の弥縫策 ユーロ圏:終わりのない痛み 原油安で活況スーパータンカー市場
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投稿者 rei 日時 2015 年 7 月 22 日 04:39:14: tW6yLih8JvEfw
 

成長モデルの限界見つめよ

呉敬l 氏[中国国務院発展研究センター研究員]× 青木 昌彦 氏[米スタンフォード大学名誉教授]

  2015年7月22日(水)

 

 2015年7月15日、米スタンフォード大学名誉教授の青木昌彦氏が亡くなった。途上であった研究の後を託された同大学の同僚、星岳雄教授の寄稿によると、間質性肺疾患との2カ月半に渡る闘病の末であったという。77歳だった。

 青木氏は、ゲーム理論などミクロ経済学の最新理論を応用し、様々な制度や慣習が社会に与える影響や、経済システムが成り立つ条件などを説き明かす「比較制度分析」の世界的権威であった。また、今や世界中のビジネススクールなどで教えられている組織の情報構造を分析する理論研究においても実績を残したイノベーターだった。
 学問・実業といった分野に捉われず後進の育成にも熱心で、経済産業研究所(RIETI)をはじめ数多くの研究機関創立に力を尽くした。国内外、分野を問わず、青木氏の突然の逝去を惜しむ声が後を絶たない。本日付当サイトでは、スタンフォード大学出身で、青木氏と研究面において関係の深かった伊藤秀史・一橋大学教授の追悼寄稿も公開した。

 ところで、青木氏の国際的な貢献として、若かりし頃の中国の改革知識人の多くが青木氏の薫陶を受け、敬愛されてきたことは意外に知られていない。そこで日経ビジネスオンラインでは、日経ビジネス2005年7月18日号に掲載した、中国随一の経済学者で胡錦濤・温家宝政権(当時)のブレーンであった呉敬l氏との特別対談を、青木氏の遺した偉業をお伝えするために再録する。

(日経ビジネス2005年7月18日号より)

「反日国家」と敵視するだけでも、「13億の巨大市場」の魅力に目を奪われるだけでもない、固定観念を排した中国観が、今ほど求められている時はない。本誌は、翻訳記事を随時掲載している中国の「財経」と、北京での特別対談を企画。当代中国随一の経済学者で胡錦濤・温家宝政権のブレーンである呉敬l氏と国際経済学の第一人者である青木昌彦氏が、中国の構造問題から人民元のあるべき姿、日中関係まで語り合った。

【左】呉敬l(ウー・チンリエン)
1930年生まれ、75歳。54年上海復旦大学経済学部卒、中国社会科学院経済研究所に配属。84年中国国務院発展研究センター研究員に就任。50年代から中国の経済改革に携わり、78年以降の改革開放、市場経済化を理論面から支えてきた。経済学界の重鎮として、胡錦濤・温家宝政権の政策運営に率直な批評を加える。
【右】青木 昌彦(あおき・まさひこ)
1938年生まれ、67歳。64年東京大学大学院経済学研究科修了。67年米ミネソタ大学で経済学博士号取得。84年米スタンフォード大学教授。多様な経済システムの存立条件を解き明かす「比較制度分析」の世界的権威で、中国経済にも造詣が深い。一橋大学大学院客員教授。
(写真:佐渡 多真子、以下同)

青木:私は最近、中国が歴史的に大きな変わり目に差しかかっているのではないかという気がしてなりません。

:正鵠を射た指摘です。過去二十数年間の改革開放を通じて、中国経済は大きく発展しました。しかし私は今、経済成長のあり方や制度の変化が新たな段階を迎えていると考えています。この問題は、経済界や学術界で深く考察する必要があると思います。

途上国にしてスーパーパワー

青木:呉先生と私が初めてお会いしたのは、1994年の「京倫会議*1」でしたね。あの頃は朱鎔基・前首相(当時は経済担当副首相)の強力なリーダーシップの下、中国経済をどのような方向に改革していくべきか、原則的な点でかなり明確な意見の一致がありました。例えば財政制度や金融システムの改革、国有企業のコーポレートガバナンス(企業統治)をどうやって改革していくかといったことについてです。

*1=1994年8月、中国内外の著名な経済学者を招いて北京の京倫飯店で開催された国際会議。国有企業の再生など、中国の経済体制改革をテーマに議論が交わされた

 それから10年が過ぎました。1人当たりの国民所得という尺度で見れば、中国はまだまだ発展の余地が大きい。しかし、2003年には世界第2位の石油消費大国になり、昨年は世界第3位の貿易大国にもなりました。中国経済の動向が、世界経済に非常に大きな影響を及ぼすようになってきています。発展途上国がグローバル経済の行方を左右するスーパーパワー(超大国)になったというのは、世界史の中でも類のない、大きな変化です。

:中国は、長年の試行錯誤を経て、計画経済から市場経済に移行しました。計画経済の時代には、都市部と農村部の間で人口の移動が厳しく制限され、民間の自主的な経済活動は許されませんでした。経済発展に不可欠な労働力や天然資源は存在していたのに、活用できなかったのです。

 しかし市場経済の時代に入ると、市場メカニズムの働きで、労働力や天然資源が本来の役割を果たせるようになりました。このことが、製造業や商業の発展に大いに役立ってきました。

 ところが、経済の規模がここまで大きくなると、問題も出てきます。今までの経済成長は、いわゆる「ハロッド=ドーマーの成長理論*2」のようなモデル、要するに資本の大規模な投入に依存した成長だったと言えます。私見ですが、このような成長モデルには一定の限界があると考えます。

*2=経済成長率は、投資に必要な資本の蓄積である貯蓄率に比例するとする。英国の経済学者ロイ・ハロッドと米国のエブセイ・ドーマーがそれぞれ定式化した

 例えば、2000年以降の投資ブームでは、(エネルギー、土地、素材、輸送力など)様々な資源が一斉かつ急速に消費されたため、供給不足に陥りました。そのスケールが相当大きくなっているため、中国経済に「過熱」が生じると、世界経済にまで影響が波及するようになったのです。

 中国政府は、今までのような成長モデルを転換しようと、相当前から努力してきましたが、遅々として進んでいません。手をこまぬいていれば、中国経済の持続的な発展は不可能だと思います。中国だけでなく、世界経済の次元で考えても耐えられないでしょう。

青木:中国がグローバル経済との調和を図りながら、安定した発展を維持するにはどうすればいいのか。私は、エネルギーと環境が大きな制約になると見ています。そして、この問題をうまく解決するためには、「制度」のあり方が重要なカギになると思います。

:過去二十数年間、中国の制度は政治でも経済でも大きく変化してきました。しかし、(先進資本主義国の)現代的な市場経済の制度と比較すると、依然開きがあります。

 それは、主に2つの面に表れていると思います。まず、土地の手当てや資金の融資など、経済活動に不可欠な資源を分配する機能のかなりの部分を、今も(市場ではなく)政府が担っていることです。中央集権型の計画経済体制は打破されましたが、省や市など地方レベルの政府が依然として大きな権力を握っている。このため、政府が市場経済の制度に基づいて様々な調整を行う場合に、中立性が保証されないという矛盾が生じています。

 次に司法制度の問題です。中国では、法の執行は政府及び司法部門が担当しています。しかし「法の支配」という観点では、現代的な市場経済のあるべき水準に達しているとは言えません。

 制度が確立していないがゆえに、経済全体の効率が低く、壮大な資源のムダ遣いが繰り広げられています。契約における信義誠実の原則が守られず、詐欺なども発生しています。

地元の利益最優先で非効率に
人民元の変動は必要不可欠

青木:法治の確立は、市場経済の発展にとって極めて根本的な問題です。商人と商人の間の個人的な信用という枠組みを超えて取引が発展していくには、非人格的な契約の履行を保証するメカニズムが必要だからです。

 その役割を政府が中立的に担えるようにするためには、市民が政府をコントロールしていくという、民主的な制度が重要になります。市場経済の発展と民主的な法治は、補完し合いながらともに進化していかなければならない関係にあると思います。

 このような理論的な背景の下で、中国の制度の変化はこれからどういうふうに起こり得るのか。1つの可能性は、中立的な法の支配、つまり法治を徹底するという方向です。

 2つ目は、政府は中立的と言うよりも能動的な役割を果たす。ただし、工業化を進めるために農業から強権的に資源を移転するといった、かつてのようなやり方ではなく、むしろ経済的に遅れた農村部の振興など、政府がバランスを取る役割を担っていくという方向です。日本、韓国、台湾など東アジアの経済が、高度成長の次のステップとしてたどった道に類似しています。

 3つ目の可能性ですが、中国の公有財産を私有化する過程で、様々な不正や腐敗があり、社会的な不公平が拡大しています。そこで、市場化そのものに反対していくという考えも出てきているようですね。これを「新左派」と呼ぶ人もいますが、実際には守旧派的な考え方であると思います。

:この問題は、政府のあり方や財政にも関係してきます。我々の研究によれば、1994年以来の財政体制*3に大きな欠陥があったのではないか。すなわち政府の財源、職権、機能、責任を分散しすぎたのではないかという問題が浮かび上がりました。

*3=中国政府は1994年に大規模な税制改革を実施、地方税よりも低かった国税の税収比率を引き上げるとともに、支出面での中央と地方の役割分担を明確にしようとした

 例えば司法制度について言えば、中国では裁判所が地方ごとに設置され、地方で起きた事件は地元で裁判が行われています。巡回裁判所のような制度がないため、(全国の判例や情報が共有されず)地方の司法手続きは低いレベルのままです。

 さらに、「司法の地方主義」の問題もあります。裁判官の任命、裁判所の設置、必要な運営経費などは、すべて地方政府が指示、手配します。このため、どうしても地元の利益を最優先に守ろうとしてしまうのです。

 こうした状況を打開するためには、財源の裏づけを伴った“権力の集中化”が必要ではないでしょうか。

中台も経済は補完関係に

青木:確かに中国では、各地方の間で経済成長率を巡る激しい競争が行われてきました。この競争は驚異的な成長をもたらすと同時に、地方の保護主義的な傾向を助長した面もあります。

 農村部の貧困問題などを解決していくためには、全国的な枠組みで資本や労働が自由に動く統一市場を作っていかなければなりません。その意味で、地方主義を打ち破るため、計画経済時代とは違う文脈での中央集権化が必要であるという指摘は、逆説的ですが、非常に示唆に富んでいますね。

 次に日本と中国の経済関係についてうかがいたいと思います。

 グローバル経済に占める中国の存在感の急上昇とともに、日中関係にも様々な政治的、経済的な問題が生じてきています。日中は競争関係にあるのか、補完的なのか、見方が分かれています。エネルギー資源の確保を巡る問題などでは、「ゼロサムゲーム」を戦っているという意見もあります。

:いや、中日関係は「プラスサム」のゲームでこそあれ、決して「マイナスサム」ではありません。

 先日、台湾を訪問する機会がありました。台湾の政治家に意見を聞くと、やはり政治的な観点から、中国と台湾は競争関係にあると指摘します。ところが経済界の人々は、政治的な信条は別にして、中国と台湾が競争関係にあると考える人はいませんでした。極めて密接な補完関係にあるというのが、彼らの一致した見解でした。

 中国と台湾の(経済的な)格差は、中日間のそれと比較すればかなり小さい。一方、経済学的な考えでは、格差が大きければ大きいほど補完性は高くなります。中日が経済的な補完関係を生かして協力すれば、両国の経済活動全体を間違いなくプラスサムに導けると確信しています。

 さらに踏み込んで言えば、アジアで最大の経済力を有する中日両国は、アジア経済全体の繁栄に対して責任があると思います。

 世界経済の中で、アジアは今や重要な地位を占めています。しかし、弱点も抱えています。米ドルを唯一の基軸通貨にしているため、投資は基本的にドル建てで、外貨準備も主にドルです。ドルに大きな異変があれば、アジア全体に多大な影響が及びます。

 アジアでは、地域間の協力の必要性がより一層高まっています。仮にEU(欧州連合)のユーロのような統一通貨が実現すれば、アジアの安定と繁栄に大きな役割を果たすでしょう。

 しかし、それには大きな課題があります。日中両国がお互いに協力し合わなければ、アジア経済全体の統合は困難だからです。EUの経済統合が、ドイツとフランスの協力がなければ実現しなかったのと同じです。

アジア統一通貨の条件 

青木:日中関係はゼロサムではないということに関連して、エネルギー問題に一言触れておきたいと思います。例えば東シナ海における油田の開発の問題です。日中両国が境界線の両側で、お互い勝手に採掘することになれば、海底下では鉱脈がつながっているわけですから、資源をどんどん取り合う結果になります。

 これではゼロサムどころか、いわゆる「共有地の悲劇*4」が起きてしまいます。エネルギーに関しては、やはり国を超えた公共財ととらえて、両国が協力して開発に当たることが合理的な選択肢ではないでしょうか。

*4=共有の資源に対して、誰もが自分の利益を最大化しようと行動すると、資源が過剰に利用され枯渇すること。米国の生物学者ギャレット・ハーディンが提唱した

 アジア経済の統合に向けて、日本と中国が中心的な役割を果たさなければならないという意見は、その通りだと思います。いつも例え話で言うのですが、「楕円」は2つの焦点を持っていますね。日本と中国は離れていても、東アジア経済圏というきれいな楕円を作っていくための2つの焦点であると考えられます。

日中両国は楕円の2つの焦点
資源は協力して開発すべき

 とはいえ、ヨーロッパのように経済の発展段階がかなり類似している国々でも、通貨の統合には時間がかかりました。アジアが通貨統合の方向に進むことができるかどうかは、まだ課題が山積していると思います。

:そうですね。人民元(切り上げ)の問題も国際的に議論されています。

青木:これは経済学者の間では「マンデルの三角形*5」として知られていることですが、為替の安定化、金融政策の独立性、そして自由な資本移動、この3つを同時に達成するのは、どんな国でも不可能です。中国の場合、自由な資本移動を犠牲にして為替の安定化を図ってきました。

*5=1999年にノーベル経済学賞を受賞した米国の経済学者、ロバート・マンデルが提唱した。「国際金融のトリレンマ」とも呼ばれる

 しかし、中国経済の開放が進むにつれて、資本移動の規制は次第に中国自身の手を縛ることになるでしょう。また、世界貿易機関(WTO)加盟時の合意によって、来年からは外国銀行が中国国内でかなり自由に業務を展開できるようになります。彼らは豊富な資金力とリスク管理の高度なノウハウを持ち、サービスも洗練されています。外国銀行が中国で積極的に事業展開すれば、資本規制の自由化はおのずと課題に上ると思います。

 そうなれば、「三角形」の他の一辺を犠牲にしなければならない。為替の安定化、つまり人民元の為替レートを事実上ドルに固定している現在の仕組みを、変えざるを得ないという問題が、経済学の論理として出てきます。

 中国人民銀行(中国の中央銀行)の内部でも慎重に検討しているそうですが、元はドルだけでなく円やユーロなどにも、経済関係の重要性に応じてリンクする「バスケット制」に徐々に移行していくのが、論理的にふさわしいかもしれません。

:同感です。通貨の安定に関しては、異なる2つの考え方があります。まず国内での通貨の価値を安定させることです。インフレやデフレを防ぐことは、非常に重要な課題です。

 次に(外貨に対する)為替レートの安定です。これは、必ずしも最優先の課題ではないと思います。為替レートが極端に乱高下すれば、確かに経済が混乱します。しかし、市場の需給に応じた適切な為替変動は、資源の適正配置に必要不可欠なものです。

 98年から現在に至るまで、人民元は実質的な固定相場制を採用しています。こうした為替制度は輸出産業の経営の効率化を妨げており、中国の経済学者の大多数は94年の為替改革時の管理変動相場制*6に戻るべきだと考えています。為替レートは基本的に市場で決定し、急激な為替変動には中央銀行が介入するというやり方です。

*6=中国政府は1994年、市場の需給を基に為替レートの変動幅を一定の範囲に管理する制度を導入したが、アジア通貨危機後の98年から対ドルレートを1ドル=8.27元前後に固定している

 ただ、為替制度の改革をあまり性急に進めると、予想外の事態を招きかねません。学者の間でも様々な議論がありますが、個人的には、政府が考えている(漸進的な)方向でよいのではないかと思います。中長期的な課題としては、やはり市場メカニズムを通じて為替レートを決定する仕組みを模索し、改革の準備を進めるべきです。

青木:経済だけでなく、政治の問題にも触れたいと思います。最近の日中関係は、しばしば「政冷経熱」と言われます。政治の次元で問題が続くと、経済関係までだんだんおかしくなってしまうというニュアンスが含まれた言葉だろうと思います。

 例えば靖国神社の問題は、外国に言われたからではなく、日本人自身の手で解決すべきだと思います。こうした政治問題を解決するための努力は当然必要です。しかし、ちょっと逆説的な言い方に聞こえるかもしれませんが、私はむしろ「政経分離」でいくべきだと考えています。

 日中の間には、様々な次元で意見の相違があります。今最も必要なことは、問題を何でもかんでも政治の次元に矮小化することではなく、お互いに広い視野で相手を理解しようとする努力ではないでしょうか。例えばビジネスマン同士であるとか、学術の世界であるとか、芸術やスポーツだとか、マスメディアの間だとか、それぞれの次元のプロフェッショナル同士が、高い職業倫理や知識、スキルに基づいて、もっと深く交流すべきだと思います。

反日デモの原因は「無知」

:経済の問題を政治化すべきではないという意見に、私も賛成です。とはいえ、中には政経分離がどうしても難しいケースも出てきます。その解決には、政治的に良好な雰囲気がやはり必要です。経済問題を政治化するのは避けるべきですが、同時に、中日関係の政治的な基盤も強化していかなければなりません。

 抗日戦争の時代、私は旧日本軍の激しい爆撃を浴びた重慶に住んでいました。毎日、空襲警報が聞こえるたびにどこかへ逃げ込む生活でした。当時、私は数え年で10歳でした。日本の一部の政治家が、日本軍が行った残虐行為は作り話だとか、東京裁判での戦犯の扱いは違法であるとか発言するのを聞くと、私の世代は憤りを覚えます。

 若い世代もまた問題を抱えています。19世紀から20世紀にかけての100年間、中国は外国から侵略され続けてきました。そうした背景があるので、中国の若者は今も列強に強い反感を持っており、火をつければすぐに燃え上がるようなところがあるのです。

青木:歴史的な根深さがある、と。

:ええ。しかし、先日上海で目にした同胞の行動*7は極めて非理性的なものでした。あのような行動は無知によるものです。反日デモに参加した若者の中には、農村部から出稼ぎに来た労働者も交じっていたそうです。彼らは日本の右翼の発言や、日本人全体に占める右翼の割合も知りません。ですから後日、人民日報の取材を受けた時、私は「日本人の大部分は中国に友好的な人々である」と話しました*8

*7=今年4月16日、上海で起きた日本総領事館への投石など激しい反日デモを指す
*8=呉敬l氏は、4月21日付の人民日報の記事で「日本の少数の右翼のために、本来友人となるべき日本人を排斥すべきではない」と、過激な反日行動を批判した

 このような問題を解決するためには、先般のような非理性的な行動は間違ったやり方であると、中国政府は自国民に対して説得する責任があります。また、中日の知識人は、過去の出来事を将来の戒めとする使命感を持ち、問題の解決に向けて前向きに取り組んでいく責任があると思います。

10年来の知己である呉氏と青木氏の話題は、戦争体験にまで及んだ(北京市中心部の高層ビルで)

 中日関係を打開するため、経済、文化、政治など様々な分野の第一線のエキスパートがもっと交流すべきであるという指摘は、まさに卓見です。お互いに相手の事情を深く理解し、プロの手を通じて広く国民一般に情報が伝わっていけば、問題をより良い方向に解決していけるのではないでしょうか。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/072100037/



 

中国、繰り出される究極の弥縫策

"Contingency plan"発動か〜高まる存在感とは裏腹に〜

2015.7.22(水) 武者 陵司
拘束の人権派弁護士が「自白」、中国国営メディア

中国・北京の天安門広場に掲げられた中国の国旗(2015年3月2日撮影、資料写真)。(c)AFP/Greg BAKER〔AFPBB News

 中国をどう見るべきか。経済規模と地政学において大きな存在感を示す一方、目先は経済困難が深刻化し、究極の弥縫策(びほうさく)と見える対策が相次いでいる。"Contingency plan"(不測事態対応策)が発動されつつあると見るべきかもしれない。

 このようにねじれている中国の現実、そのどこに注目するかで、人々の対中イメージは全く異なる様相を呈すると言える。目先“マドルスルー”(maddle through:やり繰りでしのぐ)、中期警戒、長期悲観が適切な見方ではないか。

(1)圧倒的に高まった存在感

 中国は圧倒的な経済規模を見せつけている。2014年購買力平価(PPP)ベースで中国は米国を抜き世界最大の経済大国となった。また外貨準備高は3.7兆ドルと第2位の日本の1.2兆ドルのほぼ3倍と突出している(その定義が異なるので単純な比較はできず中国の対外金融力は過大評価されているのではあるが)。

 これらのデータは19世紀初頭、世界GDPの3割を占めていた清帝国のプレゼンス(アンガス・マジソン歴史統計による)が再び復活するとの長期展望を正当化するものとなっている。特に過半の欧州人は西欧・米国から中国への重心の歴史的シフトを所与のものとして受け止めつつある。

 6月、アメリカのピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)という世論調査会社が、世界40カ国の国民を対象にした、アメリカがスーパーパワーのポジションを維持できるのか、それとも中国がそれにとって代わるのかについての世論調査結果を発表した。何と、ヨーロッパの全ての国でこれから中国がスーパーパワーになり、アメリカを代替するという見方が多数派であった。

 アメリカにおいても見方は拮抗している。その中で唯一日本だけが77%と圧倒的な比率でアメリカのスーパーパワーが維持されると見ている。つまり、世界の常識は今やアメリカから中国へと世界のスーパーパワーがシフトすると見ているのである。

 この流れに沿ってか、中国は世界のルールメーカーになる野望を隠さなくなった。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設、一帯一路構想つまり海と陸のシルクロード建設、南沙諸島の岩礁の埋め立て、新パナマ(ニカラグア新運河)構想などを遂行、米国と並び世界秩序を決める側に立つことを鮮明にしている。米国がボイコットを呼びかけたAIIBにイギリス、ドイツ、フランスなど欧州の米国の同盟国が参加を決めたことも、中国が世界秩序のセッターとしての自信を強めるものとなっている。習近平主席は米国の不同意を意に介さず、米中の「新型大国関係」「太平洋は米国と中国がともに振る舞うのに十分広い」等と、米国と伍しての存在感を誇示している。

(2) 顕著な経済失速の症状

 しかし翻って足元の経済の衰弱は顕著である。鉄道貨物輸送量、発電量、粗鋼生産量、輸入数量などは軒並み前年比マイナス領域に陥っている。モノの動きの成長はもはや途絶えつつあるとの観測も大げさとは言えなくなっている。工業生産増加額(付加価値ベース、前年比)も2010年ピーク時20%増、13年10%増、14年8%増から2015年に入って以降5〜6%増に低下している。特に国有企業の生産額は前年比2%台まで鈍化している。

 成長をけん引してきた3大投資部門のうち設備投資と不動産投資は完全に失速した。特に図表9に見るように不動産部門の急悪化は顕著である。不動産開発投資は2010〜2011年に前年比30〜40%と急増したが2012年に10%増まで急減速していた。それが習近平体制発足時の景気テコ入れの柱として2013年には再び前年比20%まで押し上げられていたのであるが、以降急低下し、今ではほぼ前年比横ばいとなっている。大都市近郊には住む人のいないマンションが林立しており、主要都市の不動産価格が下落に陥るなど、さらなる投資増加は考えにくくなっている。

 産業部門の過剰設備も目を覆いたくなるものがある。自動車は50%の過剰設備と言われているが、4、5、6月と自動車販売が前年比マイナスに陥るなどギャップは埋めがたい。鉄鋼業も30%以上の過剰設備を抱えているとされるが粗鋼生産はゼロ成長である。

 国家プロジェクトとして唐山市沖の巨大埋め立て計画をはじめ、広大な工場用地はさら地のまま放置されていると伝えられる。急増したショッピングモール建設(主要50都市の商業施設面積は2年前の8割増と急増したと、6月17日の日経新聞は伝えている)とは裏腹に、小売販売は鈍化しており、テナントが埋まらないゴースト施設が目立っていると言う。ネット通販にシェアを奪われていることも影響している。

(3) 繰り出される究極の弥縫策、"Contingency plan"の発動

 インフラ投資と金融緩和、株価対策スマートフォンやドローンなどのハイテク部門での中国企業の躍進は華々しいが、それだけでは巨大な成長の穴を埋められない。よって今は、なりふり構わぬテコ入れ政策が相次いで打ち出され、かろうじて失速を免れている状況と言える。

 テコ入れの第1の柱は過大投資の上に屋上屋を重ねる高速鉄道、地下鉄、高速道路などのインフラ投資である。

 第2は金融緩和であり、預金準備率引き下げ、金利の引き下げ、住宅ローン規制の緩和、預貸比率規制(従来75%上限)の撤廃などがすでに実施されたが、加えて地方政府債務の証券化とそれの中央銀行引き受け(中国版量的金融緩和)が検討されている。不良資産化する恐れのある資産の証券化と銀行引き受け、そのために進行する金融緩和は、壮大な不良資産の国家移転(国への付け替え)となる可能性があり、財政赤字の急増を予見させる。最も必要な国有企業の改革や労働分配率引き上げによる消費主導経済への移行などは棚上げされ、経済長期展望は絶望的となっている。

 なりふりを構わぬてこ入れ策は株式市場において顕著である。先月まで1年で2.5倍という突出した株価上昇が進行し、そこから1カ月で35%の株価暴落がおこった。企業破たんや経済急減速により収益悪化が推測されており、本源的企業価値衰弱の下でのここ1年間の株価急騰は明らかにバブルであった。

 しかし、中国当局はこのバブル崩壊を容認できず、常識を超える下支え策を打ち出し、下落を食い止めた。この間のテコ入れ策をざっと挙げれば、当局の大号令に従った大手証券会社21社連合による1200億元(約2兆4千億円)規模の上場投資信託(ETF)購入、新規株式公開(IPO)の承認凍結、大量保有株主による株式売買の半年間停止、「悪意ある空売りの懲罰」などである。加えて証券情報の統制、風説の流布の禁止など市場経済システムを採用している国ではありえないものばかりである。中国政府は今後も信じがたい手を繰り出してでも株価のさらなる暴落を食い止めるだろう。

 むろん公的介入で株価が持ち直せば、帳簿上の富がある程度確保されるが、それは本源的企業価値からどんどん乖離してしまう。株価はいわば経済の体温計であるが、そのメモリを意図的に変えてしまうのであるから、それは市場原理の否定そのものであり、グローバルな尺度で見て中国株式市場の死を意味しかねない。

社会思想統制の強化

 こうした一連の動きは、中国においていよいよ本格的危機の到来を想定し、Contingency plan(不測事態封じ込め対策)がとられ始めたことを示しているのかもしれない。本格的危機となれば、民心を安定させる治安対策も重要になる。

 7月1日、戦前日本の治安維持法を想起させる幅広い社会統制権限強化を目指す「国家安全法」が成立し、早速広範な人権派弁護士の摘発が相次いでいる。その前兆は今年1月中国共産党と政府が「大学に社会主義的価値観の徹底を求める意見」を発表し、大学からの西側の価値観の排除を指示した時に現われていた。大学を「マルクス主義や中国の偉大な夢、社会主義の核心的価値観の最前線」との位置づけたのであるが、その延長線上で、いよいよ思想統制、言論統制が全社会を覆うこととなったのである。

 一転対外姿勢は融和に傾く対内統制とは逆に、対外姿勢には顕著な軟化が現われている。習近平政権は歴史問題により首脳会談を拒否するなど厳しい対日姿勢を維持してきたが、安倍首相の訪中招待、先週訪中した谷内国家安全保障局長の厚遇など手の平を返す急変が起きている。

 中国の南沙諸島岩礁埋め立てと人工島建設により米国は対中姿勢も硬化しているが、9月の習近平訪米を前に、米国に対する融和的な態度の変化も見られる。

 一見矛盾する対内統制強化と対外宥和が急に打ち出されていることも、本格的危機の到来を想定し、Contingency planが発動されているということではないか。これらに共通するのは副作用を承知の上での危機封じ込めの劇薬ということ。短期的には危機の発現は抑え込まれるだろう。

短期では"Contingency plan"が奏功、改善へ

 高まる存在感と全く逆の経済困難、そして究極の弥縫策、こうした要素の何が今後の趨勢を決めていくのだろうか。高成長が持続し世界の経済・政治において中国のプレゼンスが高まり続けるシナリオはもはやないのではないか。いずれかの時点で成長が停止し、経済危機がぼっ発するだろう。その先には共産党独裁体制に関わる体制問題が浮上する。

 対外膨張を続ける中国に対し米国も、重い腰を上げ始めた。米中新冷戦の兆しとも考えられる。危機はどう発現するか、また世界と日本に対する影響はどうか、中長期的にはとてつもない不確実性である。

 とはいえ短期では、弥縫策が功を奏するだろう。米国主導の先進国経済の成長加速による輸出改善が見込まれることもあり、経済のこれ以上の失速は免れそうである。株価対策も効いている。目先“マドルスルー”(やり繰りでしのぐ)、中期警戒、長期悲観が適切な見方ではないか。

(*)本記事は、武者リサーチのレポート「ストラテジーブレティン」より「第142号(2015年7月21日)」を転載したものです。

(*)投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、必ずご自身の判断でなさるようにお願いします。本記事の情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44354



ユーロ圏:終わりのない痛み

ギリシャ離脱を回避しても、次の惨事を早めるだけ

2015.7.22(水) The Economist

(英エコノミスト誌 2015年7月18号)

ギリシャと欧州との取り決めは、1つの惨事を回避し、次の惨事を早める。

ユーロ圏財相会合、ギリシャ問題で合意なし 22日に緊急首脳会談へ

グレグジットはひとまず回避されたが・・・〔AFPBB News

 「我々は『アグリークメント(a-Greek-ment)』に達した」。ドナルド・トゥスク欧州理事会議長は7月13日の朝、こう宣言した。

 トゥスク氏のちょっとしたジョークは、その時は無理もないように見えた。

 何しろユーロ圏の指導者たちは、徹夜で協議した後、差し迫ったギリシャのユーロ圏離脱を回避する取り決めを打ち出したからだ。

 現実はもっと厳しい。まともな取り決めなら、ギリシャを持続的成長に向かう軌道に乗せ、「グレグジット」の可能性を棚上げしたはずだ。

 代わりに欧州は、緊縮と信じ難い想定というお決まりの処方箋を仕立て上げた。国際通貨基金(IMF)は、救済策の資金供給を分担することになっているが、そのIMFでさえ、合意内容が意味をなさないと考えている。

困窮するギリシャ経済

 確かに、有益な考え方もある。820億〜860億ユーロ(900億〜940億ドル)と見積もられる救済パッケージに関する協議と引き換えに、債権団は構造改革をこれまでの2度の救済策より優先順位の高い課題に据えた。これは歓迎される動きだ。クローズドショップ制度の業界を競争にさらすことは、緊縮策より確かな成長への道のりだ。

 だが、たとえ実行されたとしても、構造改革が効果をもたらすには長い時間がかかる。その間にもギリシャ経済は、銀行の閉鎖や資本規制のために喘いでいる。救済の合意には、この「のど輪攻め」を和らげる効果がほとんどない。

 債権団は、ギリシャが7月20日の欧州中央銀行(ECB)に対してデフォルトしないように、つなぎ融資のパッケージを作った。だが、改革案がギリシャ議会を通過し(最初の部分は7月15日に通過した)、救済策の詳細が決まるまで、資金は流れてこない。

 銀行の資本を増強するためにも資金が利用できるようになるが、銀行の資本不足の程度が明らかになるのは夏以降だ。その間、ECBは緊急融資によって銀行を破綻から守ることができるが、資本規制は残る。債権団が損失を負わされる可能性を考えると、ギリシャの銀行に資金を注入するインセンティブは存在しない。

 IMFは、銀行の営業停止がわずか2週間続いた後で、ギリシャの資金需要の見込み額を250億ユーロ増やした。現在の悲惨な状態が長引けば、その穴はさらに大きくなるだろう。

バラ色の想定

 今でも、埋めなければならない巨大な資金ギャップが存在する。1つの希望は民営化だ。今回の合意では、ギリシャが資産を独立の基金に移すことが求められており、その基金が資産を売却して500億ユーロ捻出することになっている。だが、その可能性はないに等しい。過去5年間で、ギリシャ政府が資産売却で何とか捻出した資金は全部でわずか30億ユーロだ。

 また別の希望的観測も勝利を収めた。今回の取り決めが、ギリシャが間もなく民間市場で資金を借りられるようになると想定していることだ。これまでの救済策でユーロ圏の債権者への利払い負担(利払いは2020年以降に始まる)が大幅に軽減されたが、ギリシャの債務残高は現在、GDP比200%でピークに達すると予想されている。

 債務負担が持続不可能な時に、妥当な金利でギリシャに資金を貸し出すような民間の債権者はいない。唯一の選択肢――奇跡的にギリシャのアレクシス・チプラス首相とIMFを団結させたもの――は債務減免だ。だが、ユーロ圏は全面的な債務免除は一切排除しており、満期を延期するかどうかの決定を別の機会に先送りしている。

 その結果、緊縮策のスタンバイという昔からの手段が残った。

 7月15日にギリシャ議会を通過した当初の対策の1つは、ギリシャの予算目標に不足が生じた場合に「半自動的な歳出削減」につながる措置だった。

 もしこれらの削減措置が発動されるようなことがあれば、経済をさらに傷つけるだけだ。

 政治も大して変りがない。チプラス氏にとって、自身の急進左派連合(SYRIZA)の国会議員が反旗を翻している状態で救済策に対するギリシャ国内の支持を組織化することは、非常に大きな問題になる。この先何年も困難な状態が続けば、すでに極左や極右ファシストの温床になっている国をいっそう急進的にするだけだ。

 今後数日内であれ、数四半期内であれ、ギリシャが躓いて転んだら、グレグジットはすぐにまた視界に入ってくる。チプラス氏は先日、交渉における強い立場というものが、実際にどんなふうに見えるのかを理解した。短気なヴォルフガング・ショイブレ独財務相が公然と一時的なグレグジットに関する計画をちらつかせた時のことだ。

 この案は最終合意からは削除されたが、遅すぎた。単一通貨の取り消しの効かない性質に対するドイツの揺るぎないコミットメントは消え去ってしまい、それを作り直すことはできないのだ。

 ギリシャは規則に従うか、さもなければ出て行くしかない。先の首脳会議は、ギリシャのユーロ加盟が取引されるもの、かつ不確かなものであること明確にした。

これはクーデターなのか?

 多くの人が、今回の合意をクーデターだと呼んだ。チプラス氏自身も、のど元にナイフを突きつけられたと話している。

 この言い分は、他のユーロ圏加盟18カ国の間に不信の種をまいたことについてチプラス氏自身に非があることを都合よく無視している。交渉を打ち切り、7月初めに国民投票を実施するというチプラス氏の決定が、それまでブリュッセルで辛うじて残っていた同氏の政治的資本を台無しにしてしまったのだ。

 首脳会議は、ユーロを苦しめている主権と安定性の間の緊張を高めた。ユーロが機能するためには、ユーロ圏はさらなる財政の中央集権化が必要になる。だが、ギリシャの国民投票と先日の救済合意は、国家の自決から離れて、より押し付けがましい外部支配に向かうトレードオフを露わにした。ギリシャを救うだけでも十分難しい。ユーロを守るのはそれ以上に難しいだろう。

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英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44360



原油安で活況に沸くスーパータンカー市場

2008年以来の好条件、サウジ→日本の輸送費は7年ぶりの高値

2015.7.22(水) Financial Times

(2015年7月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

スーパータンカーの運航会社が久しぶりの活況に沸いている(写真:DHTホールディングス)

 200万バレル超の原油を世界各地に運ぶことができる「スーパータンカー」の船主にとって、原油価格の急落は商売の役に立った。

 金融危機が起きた時、まさに需要が急減する最中に過剰な数のタンカーが市場に出回り始めた。

 タンカー運賃はその後5年間横ばいで推移し、船主の利益を圧迫していたが、大型原油タンカー(VLCC)の運航会社は現在、金融危機以降では初めての活況に沸いている。

 今年に入ってVLCCの運賃は50%以上上昇している。スーパータンカーのベンチマークルートである「サウジアラビアから日本まで」の原油輸送の運賃は1日当たり9万3600ドルと、この季節としては7年ぶりの高値になっている。

まさに恵みの雨

 ユーロナブ、DHTホールディングス、ティーケイ・タンカーズ、フロントライン、ノルディック・アメリカンといった大手タンカー会社にとって、2014年に始まった原油市場の急落は恵みの雨になっている。おかげで債務の削減や新しい船腹への投資、業績の優れない時期にも株を持ち続けてくれた株主たちへの恩返しなどが可能になるかもしれない。

 「船主にとっては非常に好ましい環境だ」。ニューヨーク証券取引所に上場しているDHTホールディングスのスバイン・モクスネス・ハルフィエルド共同最高経営責任者(CEO)はこう語る。「我々のような企業は今、かなりの現金収入を稼いでいる」

 タンカー市場は景気に左右されやすく、好況と不況の差も大きくなりがちな業界で、原油の需要、生産地域と消費地域の距離、そして新造船の供給という3点が業況を決める主な要因だ。現在は、これらがすべて好ましい状況にある。

 アナリストらの推計によれば、債務が少なく運航費も安い企業では、中国に向かうタンカー1隻で1日当たり4万ドルの利益が出ることもあり得るという。日量200万バレルと推計される余剰原油の引き取り手を生産者と石油トレーダーが見つけようとしているからだ。

 コストの高い生産者による原油生産は来年から鈍化すると予想されているものの、原油生産国のカルテルである石油輸出国機構(OPEC)が今週公表した予測によれば、核協議が先週まとまったイランからの供給が増えるまで、市場では少なくとも日量100万バレルの供給超過が続く見通しだという。

 出荷量の増加には、原油価格が一時の半値近くになったことも寄与している。中国やインドがこの値下がりに乗じて原油の戦略備蓄を積み増しているのだ。

 また、利益率の上昇を受けて設備をフル稼働させている精製所も多い。

 原油の過剰供給は、従来からの供給ルートにも変化をもたらしている。生産国が買い手を見つけるために、さらに遠くまで原油を運んでいるからだ。それが特にはっきり分かるのは大西洋海盆だ。ここでは、シェール革命により原油供給が増えた米国向けの出荷が減っている。

 「西アフリカの石油は、以前は米国の大西洋岸に売られていた」。ベルギーに本社を置く独立系タンカー会社の世界最大手ユーロナブのパディ・ロジャースCEOはこう話す。「5000マイルの航海だった。ところがこれが、今ではアジア太平洋地域で売られている。1万マイルの航海だ」

タンカーの建造受注残を見ても、なお有望

 スーパータンカーの供給は2008年以降激減した。2008年というのは、建造中のVLCCの隻数が世界各地で稼働しているVLCCの隻数のざっと半分に上っていた年だ。現在世界に存在するVLCCは約640隻で、現在の建造受注残は、この約15%に当たる数の新船が向こう2年間で完成する内容になっている。VLCCの寿命は約20年で、古い船が引退に備えることから毎年5%程度の船を入れ替えていく必要がある。

 「今のところ、運賃相場を押し下げるほどの数の船は発注されていない」とロジャース氏は言う。

 これには資金調達の制約も関係している。VLCCを1隻、1億ドルかけてこれから新たに建造する場合、優良な取引先でも銀行が融資するのは恐らく建造費用の60%にとどまる。10年前には、この数字は85%に達していた。

 供給を抑制する要因はこれだけではない。洋上で原油を保管するタンカーの数は、金融危機の頃より減ってはいるものの、まだ12〜14隻という水準にある。原油の積み込みと陸揚げの遅れにより、これらの船が洋上で過ごす時間も長くなっている。

 タンカー会社の株価も1年間にわたって不安定だった。多くの企業の株価は1月、2009年の洋上貯蔵の大儲けが再現されるという過大な期待から急騰した。これが実現しないと、株価急落が後に続いた。

 だが、今年3月以降、配当金が恐らく増え、新規船舶の供給が限定的だということに投資家が気づくと、大半の企業の株価は反発した。

 しかし、業界全体としてはタンカー運賃の上昇についていけていない。「タンカー運航会社は今年、株式時価総額の4分の1程度の現金を生み出し、その大半を配当金の支払いに回す見込みだ。これはまだ純資産価値に反映されていない。船価が後れを取っているからだ」。ロンドンに本拠を置くヘッジファンド、ケープビュー・キャピタルの海運投資担当者、アンドレアス・アタリデス氏はこう言う。

慎重な態度を崩さない投資家も

 一部の投資家は慎重な態度を崩さない。この業界が景気サイクルの間違ったタイミングで船舶を建造してきた実績のためだ。イランの大量のスーパータンカーの市場復帰と中国に関する継続的な不安感を巡っても、心配の種がある。

 スーパータンカーの資産価格が1日当たりの運賃についていけていないのは、造船所の生産能力が十分にあるからだ。「歴史は過剰供給が市場を殺すということを我々に教えてくれるが、向こう2年間に市場に出てくる予定の供給が限定的なことを考えると、それにはある程度の時間がかかるだろう」とハルフィエルド氏は話している。

By Neil Hume, Commodities Editor
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1. 2015年7月22日 16:18:07 : e9xeV93vFQ

日銀:議論広げる「布石」か、エネルギー除く物価グラフが月報に登場
2015/07/22 11:59 JST

  (ブルームバーグ):日銀は16日公表した7月の金融経済月報で、生鮮食品だけでなくエネルギーも除いた消費者物価指数(CPI)の推移を示すグラフを掲載した。生鮮食品だけを除いた指数よりも上昇率が高く、日銀が目指す物価上昇率により近い値となっている。

それによると、生鮮・エネルギーを除く指数の5月の上昇率は0.7%で、日銀が2%の物価目標の指標としている生鮮食品を除くベースの上昇率0.1%を大きく上回っている。エネルギーも除く指数のグラフは、日銀が年に2回公表している経済・物価情勢の展望(展望リポート)には掲載してきたが、金融経済月報への登場は初めて。
消費者物価指数をめぐっては、昨年来の原油価格の急落で上昇率にブレーキがかかり、日銀の2%の物価目標の達成時期見通しの先伸ばしにつながった。物価上昇率の効果的な測定の在り方に関心が高まる中で、日銀は来年のCPI基準改定を前に、物価指標の専門家である白塚重典氏を企画局内の審議役に抜擢する人事を今月発令した。

バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは「日銀はいずれ、鍵となる物価指標を変える可能性があり、今後振り返った時に今回の動きは最初の布石だったということになり得る」と指摘、「日銀内で一番正しい物価指標は何かということについて議論が盛り上がっているように感じる」と述べた。

物価上昇にブレーキ

日銀は安倍晋三政権とのデフレ脱却に向けた政策協定を受けて、2013年1月に2%の物価目標を導入。黒田東彦総裁は同年4月に「異次元緩和」に踏み切った。こうしたアベノミクスによる円安で輸出企業の収益は増加する一方、輸入物価を押し上げた。

その後、生鮮食品を除く消費者物価指数は原油価格の急落で上昇率が低下している。黒田総裁は15日の記者会見で「エネルギー価格下落の影響が次第に剥落し、来年度前半ごろに全くなくなることからすると、実際の物価上昇率は秋口以降かなりのテンポで上昇していく可能性」があると指摘。「16年度前半ごろに2%程度に達する可能性が高いという見通しは変わっていない」と述べた。
日銀の前田栄治調査統計局長は6月25日に内閣府で開かれた統計委員会で、消費者物価指数の2割を占める家賃について、老朽化による品質の劣化を調整すればCPI全体を最大0.2ポイント押し上げる可能性があるとの見解を示した。
日銀前副総裁の西村清彦東大教授も、CPIの家賃には計測方法に問題があるほか構造的に下押し圧力がかかっているため、物価2%を短期間に目指そうとすれば他の品目が2%よりずっと高く上がらなければならなくなり、スパイラル的な物価上昇やバブル的現象が起こる可能性があると述べている。

「かなりの公算」

モルガン・ スタンレーMUFG証券のチーフエ コノミスト、ロバート・フェルドマン氏は日銀による物価目標指数の変更について、時間がかかるかもしれないが「かなりの公算がある」とみる。「そうした重要な決定をする前には、日銀は市場に新しい指数によくなじんでもらう必要がある」とビデオリポートでコメント、指数を改善するのであれば日銀の信認には影響しないとみる。
押久保氏は「日銀はCPIが今後2、3カ月でマイナスになる可能性があることを把握しており、前もって自分たちの議論をサポートするものを見せたかったのだろう」と述べ、「日銀がこうした物価指標を見せることは、今年中の追加緩和の可能性が低下していることを指し示す」と指摘した。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 藤岡徹 tfujioka1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net 谷合謙三, 中川寛之
更新日時: 2015/07/22 11:59 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRVA8C6K50XT01.html


Financial Crisis | 2015年 07月 22日 12:27 JST

アングル:米FRB、債券流動性低下を放任へ 相場急変は自己責任


[ニューヨーク/ワシントン 21日 ロイター] - 米債券市場では、流動性が低下しているため米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切った場合に影響を吸収できないのではないか、との懸念が高まっている。しかしFRBが市場に発しているメッセージは「自分で対処しろ」だ。

プライマリーディーラーを含む銀行は過去数年、厳格化された資本規制に対応して債券保有を減らし、これが債券市場の流動性低下をもたらしてきた。

しかしFRB幹部らの発言を聞く限り、彼らは金融市場の懸念を共有していない上、流動性の低下は資本規制だけが原因ではないと考えている。つまり銀行やファンド、その他市場参加者にとって身を守るのは自己責任だと告げているわけだ。

ボストン地区連銀のローゼングレン総裁はロイターに対し「流動性低下の恐れについて懸念を口にしない市場参加者を見つけるのは難しい」とした上で「従って彼らが特定のモデルを使っていて、そのモデルの中身は何なのか、全員が横並びでそのモデルを使ったら何が起こるのか考察していないとすれば驚きだ」と突き放した。

イエレンFRB議長は先週の議会証言で、新たな資本規制が市場を不安定化させているのではないか、と迫る共和党議員に反論。「いくつかの尺度で見ると流動性は低下しているが、その他の尺度では低下していない」と述べた。

FRBの揺るがぬ姿勢に照らせば、債券市場のボラティリティは今後高まりそうだ。

市場が急変動しやすくなったことについて、投資家は数多くの原因を挙げている。プライマリーディーラーの債券保有が減り、FRBの保有額の方がはるかに大きくなったこと。一部のブローカーで自己勘定取引が禁止されたこと。超高速取引への依存度の高まり。ファンドが顧客の解約殺到に持ちこたえられるだけの資産を保有していないのではないかとの懸念。新興国市場を中心にボラティリティが高まっており、利上げ時に急落の恐れがあること──。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのMOVE指数によると、米債券市場全体のボラティリティは2014年半ばの低水準から60%上昇している。

<乱高下>

FRBは15日、半年毎に議会に提出する金融政策報告で、米国債、米社債市場ともに重大な流動性の悪化は見られないとの認識を示した。

昨年10月15日に国債市場が乱高下した事態についてFRBと他の規制当局は先週、単一の原因は見当たらないとの報告書を公表。金融機関のリスク管理戦略を検証し、市場の流動性を監視していくと約束した。

FRBは金融機関のファンドマネジャーに対し、全員が似たようなリスクモデルを使っていると狼狽(ろうばい)売りや買い手不在といった状況が生じかねないので注意せよ、とのメッセージを送っているようだ。

ある資産運用会社の幹部は「彼らが知りたがっているのは、われわれがこのことについて考え、対策を講じているということだろう。われわれ全員が今はそうしていると私は思う」と述べた。

(Jonathan Spicer、Michael Flaherty記者)

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アングル:アップル決算「ウォッチ」好調前面、販売数なお封印 2015年 07月 22日

http://jp.reuters.com/article/2015/07/22/frb-gvd-market-idJPKCN0PW07320150722

追加利下げは選択肢、長期リスクも考慮すべき=豪中銀総裁

(2015年 ロイター/Daniel Munoz)


[シドニー 22日 ロイター] - 豪準備銀行(RBA、中央銀行)のスティーブンス総裁は22日、依然として一段の利下げが選択肢にあるとしながらも、過度な緩和は、リスクテークや過剰融資を通じて長期的リスク要因になり得る、と警戒する姿勢をみせた。

豪ドルについては、期待通り下落しており、豪経済に歓迎すべき効果をもたらしているとした。

中銀は今年に入り2度利下げを行い、政策金利は現在2.0%と歴史的低水準となっている。中銀はこれまで、インフレ見通しが落ち着いていることを踏まえると、一段の利下げもあり得るとの見解を示している。

ただ総裁は、2000年初めのような過度の借り入れなど、低金利によるリスクにも言及。短期的な成長確保のために将来の景気安定がおろそかにされるべきではないとし、双方間のバランスをみつけることが大切だと強調した。

また、鉱山部門の投資低迷と商品価格の下落による影響を緩和するために、ある程度の豪ドル安が望ましいとし、「こうした為替の調整が進んでいるようで、それによる混乱もほとんどなく、拡張的な効果をもたらしている」と述べた。

労働市場については、3─6カ月前に予想していたよりも良い状況にあり、失業率の一段の上昇を食い止めるペースで雇用が伸びていると指摘した。
http://jp.reuters.com/article/2015/07/22/reserve-bank-of-australia-idJPKCN0PW08620150722


長期の低インフレ異常でない、雇用拡大に伴い改善=米連銀
[サンフランシスコ 20日 ロイター] - 米サンフランシスコ(SF)地区連銀は20日公表した論文で、現在の低インフレは異常ではなく、雇用拡大に伴い持ち直す公算が大きいとの見解を示した。

同連銀の研究顧問、ケビン・ランシング氏の論文が最新の「エコノミック・レター」に掲載された。

同氏は「長期にわたりインフレ率が目標を下回っているが、月次のインフレ指標は常に振れが大きいことを踏まえると、統計的に目標からの著しい逸脱はまだ示唆していない」と指摘。時間とともに生産、または雇用のギャップが改善すると見込まれており、前年比のインフレ率も加速することが予想されるとした。
http://jp.reuters.com/article/2015/07/20/usa-fed-inflation-idJPKCN0PU27J20150720


ECBが過去の債券買い入れ策から学んだこと
G ENLARGE
G PHOTO: ASSOCIATED PRESS
By BRIAN BLACKSTONE
2015 年 7 月 22 日 14:11 JST

 すったもんだあってさんざん心配した末に、欧州中央銀行(ECB)は返済金を受け取った。

 ギリシャは20日、ECBが「証券市場プログラム(SMP)」の下で購入して保有していたギリシャ国債を償還し、元本42億ユーロ(約5700億円)と金利をECBに支払った。

 この支払いが滞っていれば、厳しい結果になっていただろう。ギリシャ政府がデフォルト(債務不履行)していれば、ECBがギリシャの銀行に対する緊急流動性支援(ELA)を維持することは難しくなっていたはずだ。ギリシャ政府は20日、欧州連合(EU)予算を担保とする欧州金融安定メカニズム(EFSM)から70億ユーロ超のつなぎ融資を受け取ったため、そうした大惨事を回避し、国際通貨基金(IMF)への滞納金も返済することができた。

 とはいえ、一連の成り行きを見ると、SMPの抱える多くの欠陥が浮かび上がる。SMPは2010?12年に実施され、ECBはSMPの下でギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアの国債を合計2000億ドル余り買い入れた。

 SMPの目的は、ユーロ圏の重債務国の国債利回りが上昇し過ぎてECBの金融政策が台無しになるといった事態を回避することにあった。しかし、SMPはあまり奏功せず、ユーロ存続をめぐる疑いを抑えるには至らなかった。結果、2012年半ばまでにユーロ危機はピークに達した。

 当局幹部はSMPが「限定的」で「一時的」な措置である点を繰り返し主張し、積極的な利用をためらう様子をうかがわせたため、SMPは当初からうまく機能しなかった。英米日の中銀がもっと決然とした姿勢で債券買い入れ措置を実施したのとは対照的だ。

 ドイツがSMPに反対したことも、こうした疑問に追い打ちをかけた。ドイツ連邦銀行(中央銀行)のウェーバー前総裁は2010年の導入当初からSMPを批判し、約1年後に連銀総裁を辞任した。

 同じくドイツ出身のシュタルクECB前専務理事は11年夏、ECBがSMPの買い入れ対象をスペインやイタリアの国債まで拡大する方針を発表してから数週間後に辞任を表明した。これを受け、ユーロ圏で最大の影響力を持つドイツは、ECBが導入した最も重要な危機対応策に賛成していないとの見方が広がった。

 ギリシャが12年に国債再編を実施した時点で、SMPはギリシャについても失敗に終わった。この債務再編では、民間投資家がヘアカット(元本減免)を受け入れた一方で、ECBは負担を拒否した。そもそもECBがギリシャ国債を買い集めていなければ、同国の債務は12年の時点でここまで増大していなかったはずだ。

 ECBはこれから、ギリシャ国債の支払い期日が到来するたびに同国の資金繰りを心配し、もし資金を手当てできないことが分かれば、難しい選択を迫られることとなる。すなわち、ギリシャの銀行へのELAを打ち切って銀行危機を引き起こすか、あるいは、銀行が破綻しないようELAの枠を維持し、規則に準じた機関としてのECBの評判に傷を付けるかのどちらかを選ばなければならない。

 SMPの欠陥から教訓を得たECBは12年9月、ドイツ連銀からの反対をよそに、国債を無制限で買い入れる「アウトライト・マネタリー・トランザクションズ(OMT)」の導入を発表した。ECBの資金が際限なく注ぎ込まれるというだけで、ユーロの先行きに対する疑問を抑えるには十分だった。OMTはこれまで一度も実施されていない。

 ECBは二つの教訓を学んだ。一つ目は、特にユーロ圏では、債券利回りの水準など本来は財政に関わる問題に中銀が関与すると、必ずリスクがついて回るということ。

 そして、それ以上に重要な二つ目は、たとえ不完全な政策でも、中銀がその欠点を除去して全面的に推進すれば、効果を発揮し得るということだ。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB8QqQIwAGoVChMItsSp_4HuxgIVRqiUCh3bQAH-&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10941096811911123634004581123352325272210&ei=ZSuvVfb9EcbQ0gTbgYXwDw&usg=AFQjCNHjlS4s_SYWI2l27Huusoxy9BbN3Q&bvm=bv.98197061,d.dGo

緊縮策強化、農業に暗い影=所得税、年金の負担増―ギリシャ【7/22 05:48】

【アテネ時事】欧州連合(EU)が金融支援再開の条件としてギリシャに課した財政緊縮策の強化は農業にも暗い影を落としている。今後実施される財政改革には農家に対する所得税や年金の負担増が含まれる見通しで、農家の間では廃業を余儀なくされるとの不安も広がっている。

ギリシャは温暖な気候に恵まれた農業国。主力産品のオリーブ油は世界トップクラスの生産量を誇り、ブドウやスイカ、モモといった果物の評価も高い。しかし、40年前には14%に達した国内総生産(GDP)に占める農業の割合は、現在では4%前後に落ち込み、政府は農家への課税を減免するなど支援に努めてきた。

新緊縮策には農家に対する所得税率の段階的引き上げや、年金基金への掛け金増額といった措置が含まれる見通し。アテネ郊外で野菜農場を営むヨルゴス・クテダキスさん(36)は、これらの施策が実行されれば「事業継続を断念したり、大規模農家に吸収されたりする生産者が相次ぐだろう」と表情を曇らせる。


ギリシャを2段格上げ=当面のデフォルト回避で―S&P【7/22 06:13】
【ニューヨーク時事】米格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は21日、ギリシャのデフォルト(債務不履行)が当面回避されたとして同国の長期信用格付けを「CCCプラス」に2段階引き上げた。格付け見通しも「弱含み」から「安定的」に引き上げた。

情報提供:株式会社時事通信社株式会社時事通信社

米鉱工業生産、従来発表よりも抑制−年次改訂で広く下方修正
2015/07/22 02:01 JST

  (ブルームバーグ):過去数年間の米製造業活動はこれまでの想定よりも抑制されていたことが、鉱工業生産指数の年次改訂で明らかになった。米連邦準備制度理事会(FRB)が21日に発表した。

年次改訂によると、鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象)は2014年5月にリセッション(景気後退)前のピークに戻った。これは従来発表されていたよりも7カ月遅い。鉱工業生産指数の年間伸び率は2011−2013年に2.5%弱、2014年に4.5%に加速したが、今年に入ってからは減速している。  

2012、13年の耐久財生産の伸びはほぼ半分になった。主要項目の生産指数は2012年に3.5%上昇、13年は2%上昇。従来はそれぞれ6%、5%の上昇と発表されていた。

金属製品や機械、コンピューター・電子機器の生産は「従来発表よりも伸びが大幅に下方修正された」としている。  
鉱工業の設備稼働率も従来発表から下方修正され、今年第2四半期(4−6月)は77.8%。これは1972−2014年の平均値を2ポイント以上下回る水準。 

原題:Factory Output in U.S. More Restrained Than Initially Reported(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Michelle Jamrisko mjamrisko@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net Vince Golle
更新日時: 2015/07/22 02:01 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRUHG16JIJUQ01.html


米州別雇用統計:6月は31州で雇用増加−NY州で最も伸びる
2015/07/22 00:37 JST

  (ブルームバーグ):米国の州別雇用統計によると、6月は31州で雇用者が増加し、21州で失業率が低下した。
労働省の21日発表によると、雇用が最も増えたのはニューヨーク州で2万5500人増。次いでカリフォルニア州で2万3000人増えた。
ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのシニアエコノミスト、マーク・ビトナー氏は「雇用の伸びは非常に堅調だ」とし、「ほぼ全国的に幅広く改善している」と続けた。
失業率が最も低かったのはネブラスカ州で2.6%。最も高かったのはウェストバージニア州で7.4%だった。

原題:Payrolls Rose in 31 U.S. States in June, Led by New York (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Shobhana Chandra schandra1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Carlos Torres ctorres2@bloomberg.net
更新日時: 2015/07/22 00:37 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRUG6TSYF01V01.html

「インフレが目標水準に向けて加速し、米失業率も5%を下回る」セントルイス連銀ブラード総裁

〔アジア外為〕大半が下落=FRB幹部発言受け(21日)【7/21 17:41】
【シンガポール・ロイターES=時事】21日のアジア通貨は大半が下落。米セントルイス連邦銀行のブラード総裁の発言を受け、連邦準備制度理事会(FRB)が早ければ9月にも利上げを実施するとの観測が高まっている。同総裁は、インフレが目標水準に向けて加速し、米失業率も5%を下回る見通しだと指摘した。

シンガポール・ドルは序盤軟調だったが、シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)のコメントを受けて上昇に転じた。2016年のインフレ率が上向くとの見通しを示したことから、10月の会合で一段の緩和に動くとの見方が弱まった。

韓国ウォンは0.7%安の1ドル=1159.9ウォンと2年ぶり安値。同国企画財政相は4〜6月期の成長率が、1〜3月期に示した予想より「相当低くなる」と発言した。2013年6月につけた安値の1163.5ウォン付近まで下落するとアナリストはみる。

タイ・バーツは0.3%安の1ドル=34.508バーツと、6年ぶり安値水準。輸入業者のドル需要が背景。ただ、安値付近で輸出業者の決済需要の買いが入り、やや値を戻した。

インドネシアの金融市場は祝日のため休場。

0700GMT(日本時間午後4時00分)現在のアジア通貨の対米ドル相場は以下の通り。

前日は各通貨のオンショア市場引け値。ただし円とシンガポール・ドルは前日NY市場引け値。

前日比 前年末比

日本円 124.39 −0.06% −3.81%

シンガポール・ドル 1.3685 0.18% −3.11%

台湾ドル 31.200 0.46% 1.66%

韓国ウォン 1155.89 −0.33% −4.90%

タイ・バーツ 34.44 −0.07% −4.48%

フィリピン・ペソ 45.27 −0.09% −1.21%

インドネシア・ルピア 13342.00 0.00% −7.21%

インド・ルピー 63.64 0.03% −0.96%

マレーシア・リンギ 3.8060 0.01% −8.13%

中国元 6.2096 0.00% −0.09%

米社債投資、一層厳しい時代に RICHARD BARLEY
2015 年 7 月 21 日 15:44 JST
 世界金融危機以来、社債投資家は甘やかされてきた。低成長と保守的なバランスシートが社債の魅力を高め、高い投資利回りを生み出してきた。しかし、今年の社債相場はこれまでのところ以前ほど好調ではなく、見通しもパッとしない。
 バークレイズ指数によると、欧州と米国の社債相場は年初来0.8〜0.9%下落している。国債市場の急激な反転によるところもあるが、要因はそれだけではない。社債と国債との利回り差が年初から、欧州では1.15%、米国では1.48%にそれぞれ拡大しているのだ。
 確かに、それは利回りが以前より少し魅力を増したことを意味する。利回り追求姿勢が強いことやデフォルト(債務不履行)率が極端に低いことから、社債市場が近い将来に暴落する恐れはなさそうだ。
 しかし、社債市場の先行きが特に明るいというわけでもない。発行体は有利な借り入れ環境を精力的に利用しており、これが相場を圧迫している。BNPパリバによると、欧州では社債の純発行額が2010年以来初めてプラスに転じた。米国では、驚くほど低い金利で長期債を発行する企業が特に目立つ。こうした傾向は続く可能性がある。ソシエテ・ジェネラルによれば、米国では過去2週間で800億ドル(約9兆9400億円)超の投資適格社債が発行された。そして、米連邦準備制度理事会(FRB)や利上げリスクへの注目が一段と高まる前に資金を調達しようとする企業が多い中、今後も社債の発行ペースは高水準を維持する可能性がある。
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社債と国債の利回り差(青:欧州、緑:米国)
 企業のバランスシートは一層リスクにさらされているように見える。調査会社ディールロジックによると、4-6月期の世界の企業合併・買収(M&A)は1兆2900億ドルと8年ぶりの規模に達し、米国では過去最高の6400億ドルに上った。企業は積極的にM&Aの資金を借り入れで調達している。例えば、米ドラッグストアチェーン大手CVSヘルスは最近、薬剤給付サービス会社オムニケアに加え、米小売りチェーン大手ターゲットの薬局および診療所運営の両事業を買収することを発表した。こうした傾向は欧州ではまだそれほど顕著ではないが、今後加速する可能性はある。
 一方、ファンド資金は株式への選好を強めている。JPモルガンのデータによると、5、6月に欧州の投資家は高格付け債ファンドから87億ユーロの資金を引き揚げた。これは1〜4月の流入額の半分を超える規模だ。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは、全体的に見て債券は資金流出超に転じており、流出額は2013年の「テーパリングかんしゃく」のときにほぼ匹敵すると指摘している。
 また、社債市場の流動性への懸念がひときわ高まっている。相場の上昇局面では、流動性の不足によって投資収益率が上昇することもある。流通債券が少ないために価格が過度に押し上げられるからだ。だが価格が下がる場合にもこれと同じ増幅効果が働く。時間の経過と共に、社債利回りは構造的な流動性プレミアム(上乗せ利回り)を一段と織り込むはずだ。
 ギリシャと中国はもはや投資家を怖がらせる問題ではなくなったため、市場に戻りたい気持ちになる投資家もいるかもしれない。しかし、うまくいったとしても得られる収益は限られる。まして、投資家が米国の利上げを本気で考え始めたら、相場が反転しても短命に終わる可能性がある。社債の全盛時代は既に終わっているのだ。

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAAahUKEwi7rN_Dhu7GAhUDp5QKHRrOACA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10941096811911123634004581121470825932118&ei=JjCvVbuBIIPO0gSanIOAAg&usg=AFQjCNGK5yLquFGaEzXE-_y3L5M9cvOW3Q&bvm=bv.98197061,d.dGo

ETFの運用資産、初めてヘッジファンド上回る
By DAISY MAXEY
2015 年 7 月 21 日 16:03 JST

ニューヨーク証券取引所(NYSE)のトレーダー ENLARGE
ニューヨーク証券取引所(NYSE)のトレーダー PHOTO: MARK LENNIHAN/ASSOCIATED PRESS
 上場投資信託(ETF)はヘッジファンドに比べると歴史が浅いかもしれない。だが、投資顧問や他の投資家は一段と資金を投じており、運用資産が初めてヘッジファンドを上回った。

 ロンドンに本拠を置く調査会社ETFGIによると、世界で上場しているETFなどの上場投資商品(ETP)5823本の運用資産残高は、今年半ば時点で総額2兆9710億ドルとなった。

 一方、米調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)が20日公表した4-6月期の報告によれば、世界のヘッジファンドの運用資産は総額2兆9690億ドルだった。

 HFRの1-3月期報告では、世界のヘッジファンドの運用資産は期末時点で2兆9390億ドル。一方、ETFGIによると、1-3月期末のETPの運用資産は2兆9260億ドルだった。

 ETFGIの創業者兼マネジングパートナー、デボラ・フール氏は、ETF・ETP業界が今年3月で25周年を迎えた一方、ヘッジファンド業界には66年の歴史があると指摘している。

 ETF業界の運用資産が金字塔を打ち立てたことは、低コストや透明性、指数連動性の高さといった特性に加え、商品の普及を証明している。ETFは「非常に民主的で、やると言ったことをやる商品だ」とフール氏は述べている。

 その一方、ヘッジファンドは必ずしも投資家の期待に応えていないと言う。

 フール氏は「ヘッジファンドがやると言っていることは、より良い実績を提供するということだ」とし、「多額の資金を投じても、市場全体と比べて高いアルファを得られないことが多い」と指摘した。

 ただ、投資家はヘッジファンドから離れているわけではない。HFRによると、4-6月期の運用資産は11四半期連続で過去最高を記録した。HFRは20日の発表文で、中国とギリシャの経済的混乱や、予想される米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げの影響で、「投資家の不安は今年後半に入って高まった」ため、投資家は主要株価や債券市場とは連動しないリターンを求めている、と述べた。

 HFRおよびETFGIによると、今年前半は世界のヘッジファンドへの純資産流入額が397億ドル、ETFや関連商品への流入額は1523億ドルとなっている。

 HFRのケネス・ハインツ社長は、両者の資産規模に関連性はないとみている。

 「一般的に言って、ヘッジファンドとETFの投資家層は完全に異なる」とし、「ETFは個人投資家に広く開放されているが、ヘッジファンドに投資するためには適格投資家になる必要がある」と述べた。

 ハインツ氏はまた、一部のヘッジファンドがETFを運用資産に組み込んでいると指摘。近年は株式市場が高いパフォーマンスを見せているため、ETFの運用資産増加は意外ではないと言う。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=newssearch&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CBwQqQIoADAAahUKEwjuxraChO7GAhUGlJQKHb0sCO8&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10941096811911123634004581121493886468446&ei=hC2vVe70KIao0gS92aD4Dg&usg=AFQjCNHrTYgWXfON1dWUubRbaHTcInxHDg


米住宅市場、戸建て賃貸物件に過熱の兆候
サンフランシスコの賃貸住宅 ENLARGE
サンフランシスコの賃貸住宅 PHOTO: JUSTIN SULLIVAN/GETTY IMAGES
By LAURA KUSISTO
2015 年 7 月 21 日 13:43 JST

 米国では、住宅差し押さえ危機の最中とその直後に約700万世帯が持ち家を失った後、戸建て賃貸住宅市場は劇的な成長を遂げてきた。だが新たな報告によると、一部の地域で家賃が持続不可能な水準に高騰する兆しが出始めている。

 ムーディーズ・アナリティックスの報告によると、戸建て賃貸住宅が住宅ストック全体に占める割合は現在13%で、2005年の9%から拡大している。

 差し押さえやショートセール(ローン残高を下回る額での売却)といった切羽詰まった事情で数百万人が持ち家を手放した後、賃貸住宅の需要は劇的な伸びを示した。集合住宅に住みたがらない人が多かったため、投資家は差し押さえ物件を大量に買いあさり、それを賃貸に回した。

 しかし、市場が過熱し始めている兆候もある。ムーディーズによると、特に人気の高い不動産市場の一つ、カリフォルニア州サンノゼの家賃は、住宅価格と比べて19%割高になっているもようだ。現在、サンノゼの戸建て賃貸住宅の平均家賃は3121ドルだが、住宅価格に基づくと平均家賃は2632ドルが妥当な水準だという。

 同様に、コロラド州デンバーの平均家賃は1746ドルと、本来の水準(1485ドル近く)を18%も上回っている。

 戸建て住宅の家賃は、同じような住宅の毎月のローン返済額とほぼ同水準に設定されるのが一般的だ。

 ムーディーズの推計では、テキサス州ヒューストンの家賃も住宅価格に比べて8%高い。ヒューストンでは原油価格の下落で住宅市場が冷え込むのではないかと懸念されているため、これは特に憂慮すべき状況だ。

 ムーディーズのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は、家賃の高騰が大きな危機につながる可能性は低いと話す。戸建て賃貸住宅で暮らす世帯は余裕がある限り家賃を払い続けるだろうし、これらの地域の需要や雇用市場が減速すれば、家主は家賃を下げざるを得なくなる。

 同氏は、家計の改善が続き、持ち家率も上昇すれば、戸建て賃貸住宅の需要は徐々に低下していくだろうと述べた。現在、持ち家率は64%前後で推移しており、10年前の70%を下回っている。

 「持ち家に対して、それなりの繰延需要があると確信している。戸建て賃貸住宅の借主の一部は、自宅を持ちたいと考え始めるだろう」と語った。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CCEQqQIwAGoVChMI1LLdsILuxgIVSB-UCh2RxgaB&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10941096811911123634004581121302674097490&ei=zCuvVdScN8i-0ASRjZuICA&usg=AFQjCNHIt2QUUm5kf2kH9idEhkoWgjmuOQ&bvm=bv.98197061,d.dGo

景気判断据え置き=生産は下方修正―7月の月例報告【7/21 17:26】
甘利明経済財政担当相は21日、7月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。国内景気の基調判断は、個人消費や設備投資に持ち直しの動きが続いているとして「緩やかな回復基調が続いている」に据え置いた。ただ、生産と倒産件数の判断は下方修正した。

先行きについては「緩やかに回復していくことが期待される」との判断を維持する一方、リスク要因として中国経済の減速を明示した。

生産は「一部に弱さがみられるものの、持ち直している」から「横ばいとなっている」へと2カ月ぶりに引き下げた。自動車やスマートフォン用部品の生産が落ちた。米国向けの自動車輸出の低迷などが影響したとみられる。

財投運用、7年ぶり低水準=14年度【7/21 15:54】
財務省は21日、国から政府系金融機関などに対する貸し出し実績を示す財政投融資の運用結果を発表した。2014年度の新規運用額は前年度比14.4%減の12兆9775億円となり、4年ぶりに減少。東日本大震災など危機対応向けの融資が減少したのが主因で、07年度以来7年ぶりの低水準となった。

情報提供:株式会社時事通信社株式会社時事通信社

消費税10%見送りはマイナス=日本国債格付けで―フィッチ責任者【7/21 15:42】
大手格付け会社フィッチ・レーティングスの日本国債格付け責任者アンドリュー・カフーン氏は21日、東京都内で記者会見し、2017年4月に予定される消費税率10%(現行8%)への引き上げが政治的理由で見送られた場合、「日本国債の格付けのマイナス要因になる」と述べた。

政府が経済財政運営の基本指針「骨太の方針」で決めた財政健全化計画については、財政赤字削減への「十分な具体策を示すものではない」と指摘、今後の取り組みを注視する姿勢を示した。

日本の対中投資16%減=成長鈍化響く―上半期【7/21 15:41】
【北京時事】中国商務省が21日発表した2015年上半期(1〜6月)の日本からの対中直接投資(実行額ベース)は、前年同期比16.3%減の20億1000万ドル(約2500億円)となった。円安や中国国内の人件費上昇、経済成長鈍化を背景に、企業が対中投資に及び腰になっているとみられる。

14年の中国成長率は7.4%と、24年ぶりの低い伸びにとどまった。しかし、労働力不足から人件費の上昇が続き、製造業を中心に企業の重い負担となっている。今年上半期は米国からの投資も大きく落ち込み、37.6%減となった。


東京貴金属〕金と白金、急落=先ぎりがそれぞれ安値更新(21日)【7/21 15:41】
金は暴落。終値は中心限月2016年6月先ぎりが前営業日比155円(3.4%)安の4400円、他限月は152〜156円安。先ぎりが一時4385円を付けて継続足で14年12月以来、7カ月ぶりに4400円を割り込んだほか、期中以降がそれぞれ一代の安値を更新した。

日中立ち会いは、20日のニューヨーク相場が米国の利上げ観測を背景とする売りに急落した地合いを引き継ぎ、大幅安で始まった。その後は現在のNY金が若干、下げ幅を縮めているのを眺めて小戻した。

東京ゴールドスポット100の終値は154円安の4407円。

銀は80銭〜2円40銭安と下落。10月きりは約定されなかった。

白金はNY安を反映し、4営業日続落。先ぎりが一時3891円を付けて年初来安値を更新し、全限月が一代の安値を塗り替えた。終値は128〜133円安。

パラジウムは71〜87円安。先ぎりが年初来安値を、期先3限月と10月きりが一代の安値をそれぞれ更新した。(了)


BRICS銀を歓迎=世銀総裁【7/21 12:26】
【ワシントン時事】世界銀行のキム総裁は、中国など新興5カ国(BRICS)による新開発銀行が21日に業務を始めたことについて歓迎の意を表明した。キム氏は、新興国や途上国のインフラ資金需要は年間1兆ドル(約125兆円)から1兆5000億ドル規模になると指摘し、新開発銀のほか、中国主導で設立に向かうアジアインフラ投資銀行(AIIB)と緊密に連携していく方針を示した。


[時事通信社]


ユーロを使うキャリー取引、復活しても秋口までか
どこかへ運ばれるユーロの看板 PHOTO: MARTIN LEISSL/BLOOMBERG NEWS
By
CHIARA ALBANESE
2015 年 7 月 22 日 12:47 JST
 ユーロ圏の低金利を利用したキャリー取引の人気が復活しようとしているが、夏の流行によくあるように、秋までには過去のものとなりそうだ。
 世に言うキャリー取引とは、低金利国の弱い通貨で資金を借り入れて、投資収益の高い国で投資する戦略だ。取引の対象となる通貨の変動率が比較的低水準にあれば、失敗する可能性が低いので、この取引には好都合だ。
 一部のストラテジストは、ギリシャ協議がとりあえずまとまったので、ユーロで資金調達するキャリー取引を増やす完璧な条件がそろおうとしていると考えている。
 米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週発表する先物建玉状況の最新資料によると、3月から7月の間でユーロの総売り持ち高は40%減少した。
 ある市場関係者は、「投資家がユーロで資金調達するキャリー取引を再検討し始めている。当面、グレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)に至る公算が小さいという事実が、投資家に夏の静かな相場の中でもう少しリスクを取るよう検討を促すだろう」と話した。
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米商品先物取引委員会(CFTC)の先物建玉統計によると、3月から7月の間にユーロの総売り持ち高は40%減少した
 ギリシャ問題の中でここ数週間、ユーロが直感に反するような動きをみせたのも、キャリー取引で説明できる。協議が進展したかに思えるとユーロが下落し、悪材料が出ると上昇した。なぜならば、ギリシャ関連の材料が良ければ、リスク許容度が増し、投資家は低金利のユーロで資金を借り入れて海外に投資し、結果としてユーロ安になったのだ。協議が行き詰まるとリスク許容度が低下し、資金が欧州に戻ってきてユーロ高につながった。
 だが、ユーロを使うキャリー取引の人気は続かないだろう。ギリシャ危機の一時的な解決を受け、この取引には妙味があるように思われるが、ユーロも高利回り通貨もともに比較的落ち着いていてリスク許容度が高まる中で、収益機会は限定されている。
 キャリー取引の投資対象として理想的な高金利通貨のある新興国でも、米国の利上げ期待を織り込み始めるだろうし、投資家が利回りを求めて米国資産に回帰するにつれて新興国通貨は売られ始めると思われるためだ。そうなるとキャリー取引の計算が損なわれる。
 シティグループのストラテジスト、ジョシュ・オバイン氏は、「市場心理の回復はキャリー取引にとって朗報だ」としながらも、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げする可能性が迫りつつあることに触れ、「(投資)機会のある対象には、そのもの自体の障害があるものだ」と語った。
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https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAAahUKEwjpybzngu7GAhWCGZQKHaSKADo&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10941096811911123634004581123233775448012&ei=PyyvVamuK4Kz0ASklYLQAw&usg=AFQjCNGo5eqma2WKan-lrOlcUA0OUn0Mzw&bvm=bv.98197061,d.dGo

米住宅市場、戸建て賃貸物件に過熱の兆候
サンフランシスコの賃貸住宅 ENLARGE
サンフランシスコの賃貸住宅 PHOTO: JUSTIN SULLIVAN/GETTY IMAGES
By LAURA KUSISTO
2015 年 7 月 21 日 13:43 JST

 米国では、住宅差し押さえ危機の最中とその直後に約700万世帯が持ち家を失った後、戸建て賃貸住宅市場は劇的な成長を遂げてきた。だが新たな報告によると、一部の地域で家賃が持続不可能な水準に高騰する兆しが出始めている。

 ムーディーズ・アナリティックスの報告によると、戸建て賃貸住宅が住宅ストック全体に占める割合は現在13%で、2005年の9%から拡大している。

 差し押さえやショートセール(ローン残高を下回る額での売却)といった切羽詰まった事情で数百万人が持ち家を手放した後、賃貸住宅の需要は劇的な伸びを示した。集合住宅に住みたがらない人が多かったため、投資家は差し押さえ物件を大量に買いあさり、それを賃貸に回した。

 しかし、市場が過熱し始めている兆候もある。ムーディーズによると、特に人気の高い不動産市場の一つ、カリフォルニア州サンノゼの家賃は、住宅価格と比べて19%割高になっているもようだ。現在、サンノゼの戸建て賃貸住宅の平均家賃は3121ドルだが、住宅価格に基づくと平均家賃は2632ドルが妥当な水準だという。

 同様に、コロラド州デンバーの平均家賃は1746ドルと、本来の水準(1485ドル近く)を18%も上回っている。

 戸建て住宅の家賃は、同じような住宅の毎月のローン返済額とほぼ同水準に設定されるのが一般的だ。

 ムーディーズの推計では、テキサス州ヒューストンの家賃も住宅価格に比べて8%高い。ヒューストンでは原油価格の下落で住宅市場が冷え込むのではないかと懸念されているため、これは特に憂慮すべき状況だ。

 ムーディーズのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は、家賃の高騰が大きな危機につながる可能性は低いと話す。戸建て賃貸住宅で暮らす世帯は余裕がある限り家賃を払い続けるだろうし、これらの地域の需要や雇用市場が減速すれば、家主は家賃を下げざるを得なくなる。

 同氏は、家計の改善が続き、持ち家率も上昇すれば、戸建て賃貸住宅の需要は徐々に低下していくだろうと述べた。現在、持ち家率は64%前後で推移しており、10年前の70%を下回っている。

 「持ち家に対して、それなりの繰延需要があると確信している。戸建て賃貸住宅の借主の一部は、自宅を持ちたいと考え始めるだろう」と語った。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CCEQqQIwAGoVChMI1LLdsILuxgIVSB-UCh2RxgaB&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10941096811911123634004581121302674097490&ei=zCuvVdScN8i-0ASRjZuICA&usg=AFQjCNHIt2QUUm5kf2kH9idEhkoWgjmuOQ&bvm=bv.98197061,d.dGo

PIMCO:日本の長期国債は買い、リフレ基調でも「金融抑圧」続く
2015/07/22 07:29 JST

  (ブルームバーグ):世界有数の債券ファンドを運用する米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、日本銀行による追加緩和の可能性が高く、長期の国債が引き続き魅力的だとみている。

ピムコジャパンのポートフォリオマネジメント責任者、正直知哉氏は、日本の物価動向について、「基調自体は相変わらず弱いまま」で、インフレ率が「2016年に2%近くに上昇する可能性は低い」と指摘。異次元緩和の現状維持が「短期的には最も蓋然(がいぜん)性の高いシナリオ」だが、株安 ・円高や原油安など「デフレのショックが発生し、インフレ予想にリスクが差し迫った場合」には「追加緩和の可能性が高まる」と読む。

正直氏は22日にウェブサイトで公表した見通しで、「日銀が物価安定の義務を果たすという黒田東彦総裁のコミットメントは依然として揺らいでいない」と指摘。経済成長を重視した財政健全化との整合性や海外経済の減速基調を受け、金融政策は中期的に緩和的となる可能性が高いとみる。「財政難を踏まえれば、リフレシナリオが順調でも、日銀は金融抑圧を継続する」との見方も示した。

全国消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI )の上昇率は原油安を背景に5月が前年同月比0.1%と、日銀が見込む来年度前半ごろの2%の物価目標からかけ離れている。黒田総裁は先週の記者会見で「秋口以降、かなりのテンポで上昇していく可能性がある」が、さらなる原油安が「物価上昇率や物価上昇期待に大きな影響を与え、物価の基調に変化を来す」場合には「当然、必要に応じて政策を調整する」とも述べた。

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記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net;東京 Chikako Mogi
cmogi@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 崎浜秀磨, 山中英典
更新日時: 2015/07/22 07:29 JST


ロイター企業調査:国内販売実績3割弱が「計画下振れ」、中国など先行き懸念
http://jp.reuters.com/article/2015/07/21/corp-survey-idJPKCN0PV2GF20150721?sp=true

 7月22日、7月ロイター企業調査によると、4月以降の国内販売が計画を下回っている企業が3割近くになることがわかった。都内で21日撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 22日 ロイター] - 7月ロイター企業調査によると、4月以降の国内販売が計画を下回っている企業が3割近くになることがわかった。海外事業でも2割強が計画を下回り、上振れ企業の倍以上となっている。一方、今年度の設備投資を前年より増やす企業は4割にのぼり、需要の増加をその背景とする企業が3割を占めた。

足元では、中国や欧州ビジネスについて先行き懸念が膨らんでおり、前向きな設備投資計画に水を差す懸念もある。

この調査はロイター短観と同じ期間・対象企業で実施。資本金10億円以上の中堅・大企業が対象。7月1日─15日に400社を対象に行い、回答社数は280社程度。

4月以降の国内販売実績は計画通りが59%。計画を下回った企業が27%を占めた。計画を上回った企業は13%で、計画を下回った企業の半分以下にとどまった。

海外事業でも68%が計画通りだが、23%が計画を下回っており、上回った企業(9%)の2倍以上となっている。

輸出では、円安による増収効果も期待されるなかで、計画通りとの回答が79%と比較的順調だった。ただ、計画を上振れた企業は8%にとどまり、下振れた企業は13%。一部の企業では、円安にもかかわらず、数量ベースの停滞が影響したもようだ。

先行きの事業見通しを尋ねたところ、販売計画自体を修正する企業は1桁と少ないが、調査期間中にギリシャの債務問題が山場を迎えていたことや中国株の下落もあり、海外事業については不安の声も目立った。

「足元はしっかりしているが、ギリシャ問題や中国株乱高下等にみられる景況感など、先行きの見通しは極めて不透明」(化学)などの声がある。「下期に向けて半導体関連ビジネスに不透明感がある」 (ゴム)など、見通し下方修正の可能性をにじませる企業も目立つ。

販売見通しに不透明感がある中でも、4割程度の企業は今年度、設備投資の増額を計画している。

中でもこれまで停滞してきた国内投資について39%が増加を予定。背景として「設備老朽化」の39%と並び「需要の増加」を挙げる企業が35%を占めた。この結果、国内での投資内容は「能力増強」中心と回答した企業が3割となっている。

ただ、内外ともに販売実績が下振れ気味となる中で、投資の積極姿勢が持続するかは、見極めていく必要がありそうだ。

(中川泉 梶本哲史 編集:石田仁志)

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ギリシアが欧州の「ナマポ受給者」になった理由とは?[橘玲の日々刻々]

?ギリシアの国民投票で、EUの緊縮財政策に「NO」の民意が示されました。ただ、これによってEUとの交渉でギリシア側が有利になるとも思えず、状況はますます混迷の度合いを深めそうです。

?歴史にifはなく、過去を振り返っても空しいだけですが、そもそもギリシアがユーロを導入したこと自体が間違いでした。ギリシアはユーロ建ての国債発行が可能になり、2004年のアテネオリンピックでにわか景気に沸きましたが、あとに残されたのは借金の山でした。

?2009年10月、政権交代で旧政権時代の国家的な粉飾が暴かれると、世界金融危機の直後ということもあって、金融市場ははげしく動揺しました。ギリシア国債を大量に保有する大手銀行が連鎖的に破綻するのではないかとの不安から、経済危機はたちまちヨーロッパ全体に拡大します。

?いまにして思えば、ギリシアにはこのときデフォルトを宣言する選択もあったかもしれません。高利回りのギリシア国債を争って買ったのは民間銀行で、彼らは「金融のプロ」のはずです。金融の世界では、返済のできない融資は貸し手の自己責任です。

?ギリシアがデフォルトすれば、EU諸国やECB(ヨーロッパ中央銀行)は金融危機を防ぐために大手銀行に大規模な資本注入を余儀なくされたでしょう。しかし実際はこの荒療治を避け、民間が保有するギリシア国債を公的部門が肩代わりする道を選びました。これによってギリシアの債権者は民間から政府に変わりました。

?債権者が民間金融機関なら、規模は大きくてもたんなる経済問題です。ところがEU諸国がギリシア国債を保有したことで、国家対国家の政治問題になってしまいました。ギリシアに投入される資金はEU諸国の税金が原資なのですから、支援国の国民からすれば、これは社会福祉制度と同じです。ギリシアはデフォルトを回避したことで、ヨーロッパにおける「ナマポ受給者」になってしまったのです。

?ギリシアへの支援をナマポと考えれば、年金制度が支援国より優遇されていることが許されるはずはありません。失業率の高いギリシアでは、壮年層が50代で退職して年金生活に入ることで若者の職をつくろうとしてきました。ところがその間に、ドイツをはじめとする「北のヨーロッパ」は年金受給年齢を67歳まで引き上げ、「生涯現役社会」になっていたのです。

?年金制度改革は支援国にとっては当然でも、ギリシア人からすれば家計を崩壊させる暴挙です。この感情的な反発を背にチプラス首相の急進左派連合は政権を獲得し、「瀬戸際外交」に打って出ました。

?ところが、ギリシア政府が瀬戸際で強い交渉力を持っていたのは、世界じゅうがデフォルトを恐れていた2010年のユーロ危機のときでした。いまは債権が公的部門に移っているため、チプラス政権にはEUを脅すための材料がほとんどありません。これが国民投票を強行した理由でしょうが、ここでEU側が譲歩すれば、イタリアやスペイン、ポルトガルなどで同様の国民投票を求める声を抑えられなくなってしまいます。

?マルクスがいうように、歴史は一度目は深刻でも、二度目は茶番として繰り返すのかもしれません。もっとも、その茶番によって生活を奪われるひともたくさんいるのですが……。

『週刊プレイボーイ』2015年7月13日発売号に掲載

橘 玲(たちばな あきら)

作家。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部の大ベストセラーに。著書に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』(ダイヤモンド社)など。中国人の考え方、反日、政治体制、経済、不動産バブルなど「中国という大問題」に切り込んだ最新刊 『橘玲の中国私論』が絶賛発売中。
●DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)にて
橘玲『世の中の仕組みと人生のデザイン』を毎週木曜日に配信中!(20日間無料体験中)
http://diamond.jp/articles/-/75348


2. 2015年7月23日 18:54:06 : xEBOc6ttRg
英小売売上高指数:6月は0.2%低下、予想外−食料や家具不調
2015/07/23 18:00 JST
  (ブルームバーグ):英国の6月の小売売上高 はエコノミスト予想に反して減少した。食料品や家具、スポーツ用品、宝飾品など幅広い分野で売り上げが減った。
英政府統計局(ONS)が23日発表した6月の小売売上高指数(自動車燃料含む)は前月比0.2%低下。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は0.4%上昇だった。前年同月比では4%上昇。
発表によれば、食料品は前月比0.3%減、家具などを含む家庭用品は0.9%減った。
原題:U.K. Retail Sales Unexpectedly Fall as Food, Furniture Decline(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Jillian Ward jward98@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Fergal O’Brien fobrien@bloomberg.net; Jennifer Ryan jryan13@bloomberg.net
更新日時: 2015/07/23 18:00 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRXN3M6KLVR801.html

旅先ナンバーワンに選ばれた国で観光客が減少、その理由は
2015/07/23 18:18 JST

  (ブルームバーグ):旅行ガイド本「ロンリープラネット」が2015年の目的地ナンバーワンの国に選んだシンガポールが、観光客減少に見舞われている。
カジノを備えたシンガポール最大のリゾートホテル「マリーナベイサンズ」の平均宿泊料は2012年末以降で最も安くなり、同国の観光客見通しは悪化するとの懸念が強まっている。
シンガポールを訪れた人の数 は今年5月までの15カ月のうち、14カ月で前年割れ。ホテル宿泊料 は10カ月連続で下がった。その間、シンガポール・ドルは日本やタイ、マレーシア、インドネシアといった観光で競合する国々の通貨に対して上昇。このため、旅先としてシンガポールの割高感が増している。
メイバンク・キム・エン・セキュリティーズ(クアラルンプール)のアナリスト、サミュエル・イン氏は「全体的に観光客の流れは芳しくない。シンガポールの強くなった通貨が恐らく一部観光客の足を止めたのだろう」と述べた。
原題:It’s Lonely Planet’s No. 1 Destination. Where Are the Tourists?(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Jonathan Burgos jburgos4@bloomberg.net;シンガポール Raphael Lim rlimyeokkian@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Linus Chua lchua@bloomberg.net; Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net Rina Chandran
更新日時: 2015/07/23 18:18 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRXM9ESYF01V01.html

中国株:上海総合指数、6日続伸−ボラティリティが低下
2015/07/23 17:39 JST

  (ブルームバーグ):23日の中国株式市場で、上海総合指数は6営業日続伸。素材株や金融株を中心に値上がりし、5月以来最も長い上昇局面となった。相場を支えるため政府が異例の規模の介入を行う中、ボラティリティ(変動性)が低下した。
上海総合指数 は前日比2.4%高の4123.92で終了。本土の証券取引所では上場銘柄全体の18%に相当する531銘柄が売買停止となった。ボラティリティを示す指数(10日物)が1カ月ぶり低水準となる中、上海総合指数は今月8日に底打ちして以来、18%上昇している。CSI300指数は前日比2.3%高で引けた。   
中信証券(CITIC証券、600030 CH)や海通証券(600837 CH)などの証券銘柄が金融株の上げをけん引。中国2位の保険会社、中国平安保険(601318 CH)は4.2%高。1−6月(上期)の純利益が62%増となったもようだとの発表が好感された。
24日の製造業指標の発表を前に素材株も高い。スズ製品を手掛ける雲南錫業(000960 CH)は10%の値幅制限いっぱい上昇。セメントメーカーの安徽海螺水泥(600585 CH)は4.7%高。
IGアジアのストラテジスト、バーナード・アー氏(シンガポール在勤)は「ボラティリティは確かに大きく低下しており、安定化の持続的兆しが示されている」と指摘した。 
香港市場ではハンセン中国企業株(H株 )指数が前日比0.9%高、ハンセン指数は同0.5%高で取引を終えた。
原題:China’s Stocks Advance in Longest Winning Streak in Two Months、Hong Kong Stocks Rise as Macau Casinos Surge; Ping An Climbs(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:香港 Kyoungwha Kim kkim19@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Richard Frost rfrost4@bloomberg.net 野崎ひとみ
更新日時: 2015/07/23 17:39 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRXD5N6TTDS901.html


新興市場株:MSCI指数、下落−テクノロジー株安い
2015/07/23 16:47 JST
  (ブルームバーグ):23日の新興市場株は下落。このままいけば2週間ぶり安値となりそうだ。テクノロジー株が安い。
電子ビーム製品を手掛ける漢民微測科技 (ヘルメス・マイクロビジョン)は台北市場で9.9%安。台湾の加権指数は昨年10月以来の安値で引けた。ソウル市場ではソーラーパネルに使われるポリシリコンを製造するOCIが上場以来の大幅な値下がり。利益が予想を下回ったことが響いた。
上海総合指数は上昇。中国の一連の支援策で株式相場が安定化したとの見方が広がった。
韓国ウォンは対ドルで0.9%下落し、3年ぶり安値を付けた。タイ・バーツは9営業日続落。
MSCI新興市場指数 は香港時間午後1時48分(日本時間同2時48分)現在、前日比0.4%安の927.33。    
原題:Emerging Stocks Fall Before U.S. Data as Technology Shares Drop(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ジャカルタ Harry Suhartono hsuhartono@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Richard Frost rfrost4@bloomberg.net Chan Tien Hin, Phani Varahabhotla
更新日時: 2015/07/23 16:47 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRXJKO6K50XS01.html


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