【上海＝土居倫之】中国の上海株式市場で27日、全体の値動きを示す上海総合指数が前週末に比べ8.48％安い3725に急落した。１日の下落率としては2007年２月以来、約８年５カ月ぶりの大きさとなった。中国の景気減速への懸念が一段と強まるなか、中国政府が６月半ば以降の株価急落で取ってきた対策を縮小するのではないかとの観測が浮上し、売りが膨らんだ。

　深圳市場でも、総合指数は7.00％の大幅な下落となった。

　27日の上海総合指数は朝方、前週末に比べて2.1％安で取引を開始した。前週末に発表となった製造業の景況感を示す指標が予想を下回ったところに、27日発表の６月の中国工業企業利益が前月のプラスからマイナスに転じ、中国経済の先行きに対する警戒から取引終了にかけて売りが止まらなくなった。

　中国政府がこれまで打ち出してきた株価対策を縮小するのではないかとの思惑も浮上している。上海総合指数が24日の取引時間中に4184まで上昇し、市場が政府の「目標株価」とみている4500に近づいてきたためだ。

　中国の証券21社は株価対策として1200億元（約２兆4000億円）を投じた際に「上海総合指数が4500に戻るまで、売却しない」と発表していた。また中国メディアの財経は「証券監督管理委員会が（株価対策で投じた）資金の回収を研究している」と報道した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM27H53_X20C15A7MM8000/