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税収が語る経済実相
http://www.asyura2.com/15/hasan99/msg/256.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 7 月 28 日 03:43:31: Mo7ApAlflbQ6s
 


[大機小機]税収が語る経済実相


 先日、2014年度の国の決算が公表された。そこで見る税収額は、経済の実相を反映した極めて興味深いものである。

 まずは決算の概要から見てみよう。税収額は54兆円と前年度の47兆円から7兆円増加した。消費税の8%への引き上げに伴う増収が4.9兆円なので、それを除く増収は2.1兆円だ。その内訳は所得税が1.3兆円、法人税が0.5兆円、消費税が0.3兆円となっている。ここからいくつか気付くことがある。

 第1に消費税率の8%への引き上げ時、「上げ潮派」と呼ばれるエコノミストを中心に「消費税率の引き上げは法人税や所得税の減収をもたらし、税収全体では増収にならない」と論陣を張った。それは全くの間違いであった。

 第2に所得税収の伸びの1.3兆円は、コーポレートガバナンス(企業統治)の強化に伴う配当の増加が主因だ。給与所得による税収の伸びは0.5兆円程度にとどまり、アベノミクスが力強い賃金増に結びついているとは言い難い。

 第3に法人税収の増加は企業業績の伸びに比べて少ない。法人税収が大きく伸びると期待する向きがあったが、そうはならなかった。原因の一つは外国子会社が日本に還流させる配当の大半を非課税とした09年度の税制改正にある。多くの日本企業は事業を海外にシフトしている。子会社配当は親会社の利益には反映されるが、直接、税収増には結びつきにくい。

 繰越欠損金が減少して法人税収が大きく伸びるという見方もあった。決算を見る限り多くの企業で欠損金解消は一段落し、これによる税収の劇的な伸びは期待できなくなっている。

 いずれにしても消費増税と経済成長を反映して税収の大幅な増加がもたらされた。大変喜ばしいことだが、今後の税収を占う際の教訓も読み取れる。

 15年度以降の税収構造は弾性値が1の消費税が所得税や法人税を抜いて最大項目になる。賃金の大幅な増加や企業の欠損金減少による法人税収の大きな伸びも期待できない。

 22日に公表された中長期財政試算(経済再生ケース)では大幅な自然増収が見込まれているが、これは確たる根拠に乏しい。税収を予測するには経済構造の変化を反映した冷静な分析が必要だ。

(ミスト)

[日経新聞7月24日朝刊P.17]

 

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コメント
 
1. 2015年7月28日 08:26:25 : NNHQF4oi2I
<<いずれにしても消費増税と経済成長を反映して税収の大幅な増加がもたらされた。大変喜ばしいことだが

産業用電力需要が減収している

 乗用車の販売が落ち込んでいる

 デパートの販売が落ち込んでいる

 東芝の粉飾決算と同じで 貧困化が 進んでいる

 消費税は 景気に悪影響を及ぼしているが 税収も粉飾で 増税を狙っている

 消費税より 人事院の廃止の方が財政再建になる


2. 2015年7月28日 09:18:49 : jXbiWWJBCA

もはや日本の「中流」は全体の3分の1
2015年7月28日(火)上野 泰也


普通の暮らしはもう、普通ではなくなった
 厚生労働省が7月2日に公表した「平成26年(2014年)国民生活基礎調査」の結果は、日本人の生活からゆとりが着実に失われてきているという大きな流れを確認する内容だった。
 今回の調査実施日は、世帯票が2014年6月5日、所得票が7月10日。結果について後述する生活意識の状況の調査は所得票に含まれているので、実施は7月10日である。
 ちなみにこの7月10日というのは、消費税率が2014年4月から8%に引き上げられた後、家計が負担増をはっきり認識するに至り、6月下旬から個人消費が変調した直後というタイミングでもある(この問題は当コラム2014年11月5日配信「ファミレスは今やセレブ向けレストラン? 最新業績動向から読み解く『6月下旬消費変調説』」で取り上げた)。
生活意識「普通」は34%
 今回の調査結果で世帯の生活意識(全世帯)を見ると、「大変苦しい」が29.7%(前年比+2.0%ポイント)、「やや苦しい」が32.7%(同+0.5%ポイント)、「普通」が34.0%(同▲1.6%ポイント)、「ややゆとりがある」が3.2%(同▲0.7%ポイント)、「大変ゆとりがある」が0.4%(同▲0.1%%ポイント)になった<図>。

■図:国民生活基礎調査 生活意識別世帯数の構成割合
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/072400006/graph.png?__scale=w:500,h:326&_sh=0d903f0b30

■=大変ゆとりがある/■=ややゆとりがある/■=普通/■=やや苦しい/■=大変苦しい
(出所)厚生労働省
[画像のクリックで拡大表示]
 1991年以降のデータを時系列で見ると、「大変苦しい」と「やや苦しい」を合計した「苦しい」という回答は増加基調。今回の調査では62.4%になり、初めて6割を超えた。
 これに対し、「普通」という回答は34.0%にとどまった。昔の日本では「1億総中流」ということがよく言われていた。70年代前半には世論調査で9割以上が自分は「中流」に属していると答えたという。そして、91年の調査では55.4%、92年には57.3%と、バブル経済が崩壊した直後に行われた調査でも「普通」と言う回答はまだ過半数だった。
 ところが、景気が定義上は拡張局面であっても庶民の側では景気の回復がいっこうに実感されない状況が長く続き、生活意識は着実に悪化。「普通」という回答は2004年の調査で40%を下回り、今回は34.0%まで減少した。分かりやすく言うと、「中流」にあたる層が全体の約3分の1まで減少してしまったということである。
 また、世帯の種類別に生活意識についての回答を見ると、高齢者世帯では「大変苦しい」「やや苦しい」の合計が58.8%になった。少なからぬ年金生活者が置かれている苦境を考えると、過半数を大きく超えたことに意外感はまったくない。
 だが、児童のいる世帯の方が大きい数字(「大変苦しい」「やや苦しい」の合計は67.4%)になったことは、政府の少子化対策がうまくいっていないことを示唆するものであり、大いに問題視されるべきだろう。
 いずれにせよ、どの世代に属しているかにかかわらず、日本人の暮らし向きは着実に悪くなる方向だというのが、この調査結果が示していることである。
 7月11日夜にオンエアされたNHKスペシャル「私たちのこれから Our Future #老後危機」は、真剣で白熱した討論を交えた、老後についての問題認識を強く喚起する内容だった。会社員が退職後に備えて必要と考えられる老後資金は平均3000万円だが、これだけの金額をすべての人が用意できるのか。
安心して暮らせる国づくりこそ必要
 老後の生活費は国の年金だけでは赤字で、夫婦2人で月に6.2万円、1人暮らしで月に4.2万円不足する計算になるが、どう穴埋めするのか。こうした具体的なデータに直面させられて、番組に参加した人々の顔つきは重苦しいものになりがちだった。
 筆者が最も印象的だったのは、「安心して暮らせない国の経済成長はない」と、番組の最後のところで銀行員出身の作家・江上剛氏が強調していたことである。日本経済が陥っている問題点の根幹部分を、ずばり指摘した発言だ。
 社会保障制度や人口動態を含む日本経済の将来像に十分な安心感があれば、老後に備えるということで個人消費が慎重化している部分が解消されるだろう。そうすれば、企業の設備投資についても伸びる部分が出てくる。内需がしっかりすれば、景気回復は安定的なものとなり、財政の再建も、現在の状況に比べればはるかに進めやすくなるだろう。
 だが、「アベノミクス」の下で現在の日銀の金融政策がやっていることは、景気の回復や成長戦略の展開よりも前に、2%の物価上昇をまず実現しようとする、実験的な手法である。物価の上昇によって実質可処分所得が減少している家計の側から見れば、「安心して暮らせる」国づくりとは逆方向のことを、日銀が強引にやろうとしているようにしか見えないだろう。
 むろん、すでに手遅れに近い状態だとも言えそうな「下向きの人口動態」や、悪化が著しい財政状況を考えると、日本という国を政府が「安心して暮らせる」国にするのは至難の技と言わざるを得ない。
 だが、多面的な人口対策の積極展開によって日本の「下向きの人口動態」を食い止めることは、政府の力によってできる。また、正しい状況認識に立った上で、誤った処方せんに基づく政策の展開を止めることは、政治の決断や政策当事者の英断によってできるはずである。



上野泰也のエコノミック・ソナー
景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。


http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/072400006 


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