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やる気を失ったバブル入社組の恐怖 「バブル入社組、どいてくれませんか?」 “リア充”投稿イライラ
http://www.asyura2.com/15/hasan99/msg/486.html
投稿者 rei 日時 2015 年 8 月 05 日 08:30:00: tW6yLih8JvEfw
 


やる気を失ったバブル入社組の恐怖 組織を蝕む「負の連鎖」
2015年8月5日(水)佐藤 浩実


日経ビジネスは8月3日号の特集「社畜卒業宣言」で、バブル入社世代の意識を調査した(写真:(c)Bohemian Nomad Picturemakers/CORBIS/amanaimages)
「会社のキャリア支援を受けると決めてから、体調がすぐれません。私はもうすぐ退職するので、これからは休暇を消化していきます」
 関東地方が梅雨入りしてほどなく、大手電機メーカーのある部署で働く社員たちは一斉にこんなメールを受け取った。差出人はバブル前夜に入社した、50代前半の部長だ。メールでの「宣言」通り、それまで普通に働いていた部長はその日からほとんど、オフィスに姿を見せなくなった。
 どうやら数カ月前に、会社から転職支援プログラムを受けるように打診されていたようだ。「景気が良い今のうちに『次』を考えるほうが、あなたにとっても幸せだ」と、人事に諭されたらしい。会社の業績は悪くない。今決めると割増退職金の金額がかなり良いみたいだ、という噂はあっという間に部署中に広がった。
 「転職自体は個人の選択だからいいけれど…」と、この部署で働く中堅社員は言葉を濁す。問題は、引き継ぎがほとんどないままに、部長が突然いなくなってしまったことだ。バブルの絶頂期に入社した40代後半の課長たちは動揺し、その日から応接室にこもって相談ばかりしている。部下のいない担当課長まで一緒に、一体何を話しているのか。まさか、身の上話じゃないよな。「とにかく様々な業務が、遅々として進まなくなった」
中堅・若手層の忠誠心も崩壊しかねない
 細かい数字などをぼかしているが、これは最近、ある企業で本当にあった出来事だ。経営再建中の企業ではなく、黒字を出している日本の会社だ。勝手な部長だと思う反面、長年、滅私奉公して働いてきた部長の気持ちが萎えてしまったのも、わからなくはない。ただこの話を聞いているうちに、もう一つ気がかりだったことに、確信を持つようになった。登場人物たちが皆、「負の連鎖」に陥っていることだ。
 流れはこうだ。まず、若き日にバブル景気を謳歌した部長が思いがけぬ「肩たたき」に合い、会社に対する忠誠心を一気に失う。次に、先輩の切ない姿を目の当たりにした「バブル入社組(1988〜1992年入社)」の心にも不安がもたげる。そもそもの採用人数が多く、ポストと人数のギャップの大きさをすでに痛感している世代のためだ。早期退職・転職支援の対象を「45歳から」としている企業は多く、年齢的な現実味もある。
 バブル入社組の不安によって、どんよりとした空気が部署全体を覆う。管理職がそんな状況なので部署としてのパフォーマンスが下がり、中堅・若手の担当者たちはそれに苛立つ。彼らの冷たい視線が再び、バブル入社組のモチベーションを低下させる。有給休暇なのか、さぼっているだけなのか、相変わらず部長は来ない。会社にとっても、マイナスばかりだ。
 それゆえ、多くの企業の人事部では「バブル入社組(と、その少し上の世代)にやる気を持ち続けてもらうこと」に相当、神経を尖らせている。日経ビジネス8月3日号特集「社畜卒業宣言」の連動コラムでも触れたが、社員の6人に1人いるバブル入社組にやる気を維持してもらおうとするあまり、「なかなか人事制度の改革に取り組めない」という企業も、1社や2社ではなかった。
バブル入社組は裏切られたと思っている?
 ところで、多くの企業が懸念する「モチベーション」なるものを、今のバブル入社組はどのぐらい持っているのだろう。
 編集部では8月3日号の取材に際して、7月9〜17日まで日経ビジネスオンラインの読者に「仕事と会社に関するアンケート」をウェブで実施した。全世代で782人、バブル入社組では154人から有効回答を得たので、そのデータをもとに「バブル入社組のモチベーション」について考えたい。
 編集部はまず、「会社に裏切られたことはあるか?」と率直に聞いた。処遇や昇格などで、入社時に抱いていた所属企業の姿と実際の姿にギャップはあるかを問うたのだ。その結果は、バブル入社組では「ある」が59%、「ない」が41%だった。
 モチベーションはすでに落ちているのでは、と不安になるが、全体でも「ある」が56%、「ない」が44%だった。純粋な割合だけ見れば、バブル入社組で「裏切られた」と思う人は全体平均よりやや多い程度だ。ちなみに、回答してくれたバブル入社組の属性は88%が男性、12%が女性。約8割が結婚しており、約6割に子供がいる。6割超が関東圏に住んでおり、平均年収は882万円だ。

会社に「裏切られた」と感じているのは59%。全体平均よりやや多い。
[画像のクリックで拡大表示]
 ただ、裏切られた内容を細かく聞いていくと、いくつかの項目で他世代との違いが目立つ。
 全体平均よりバブル入社組の回答が目立つのは、「昇進・昇格が期待通りにできなかった(出世のギャップ)」「人事・賃金制度が変わり定期昇給がなくなった、あるいは給与が大幅に減った(制度変更のギャップ)」「リストラ・雇用整理の対象になった、または、なりそう(雇用のギャップ)」の3項目だ。これらの項目で、理想と現実のギャップが大きく、バブル入社組のモチベーションを押し下げていると考えられる。

出世、制度変更などに会社の裏切りを感じるバブル入社組
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/080400039/img_02.jpg
 ちなみに「出世」という観点では、取材の途中で、バブル入社組の処遇対策として部下のいない(=管理職ではない)担当部長や担当課長が増えているという話を聞いた。ウェブアンケートでも「経営者・役員級」「部長級」「課長級」だと回答したバブル入社組が62%いた一方で、「管理職だ」と答えたのは55%と7ポイントのギャップがあった。部下がいなくても重要な任務もあるため、これだけで良し悪しは判断できないが、部下なし部長・課長はそれなりに一般的のようだ。
それでも今の会社で働きたい
 59%が会社に裏切られたと感じているバブル入社組だが、それでも今の会社で働き続けようと考えているのだろうか。なぜ、そう考えるのだろうか。「裏切られた」と答えている人たちに、この点も聞いてみた。

今の会社で働き続けたい、バブル入社組
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/080400039/img_03.jpg
 今後の就労に対する意識は明確だった。「今の会社で働き続けたい」という人が圧倒的多数なのだ。なおかつ、「定年まで」「定年後も雇用延長が可能な限り」と考えている人は全体平均と比べても突出して多い。一方で、転職を考えている人は18%と、全体平均より約9ポイント少ない。
 ではなぜ、今の会社で働き続けたいと思うのだろうか。全体平均と比べて目立ったのは、「転職先を見つけることが容易ではない」「転職するよりも賃金や役職面で高待遇を維持できると考えている」という、消極的な理由だった。モチベーションなどすでになく、「しがみついている」という人は想像以上に多いのかもしれない。ただ、「これまで雇用をしてくれた恩義がある」という回答が全体より多い点にも注目したい。こうした想いを会社がうまく引き出せば、「しがみつき」ではなく、大きな戦力になってくれる可能性はあるのではないか。


転職先がないから、しがみつきたい
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/080400039/img_04.jpg
世代間の意識ギャップを理解しよう
 最後に、冒頭の事例で「負の連鎖」を引き起こした世代間のギャップについて触れたい。仕事を投げ出した格好の部長はもとより、バブル入社組の課長と担当課長が戸惑う姿を、下の世代は冷ややかな目で見ていた。本日公開の「社畜卒業宣言」でも、バブル入社組を反面教師に動き出した若手たちを紹介している。偏見もあるかもしれないが、人数が多い分だけ目立ってしまうのがバブル入社組なのである。
 ウェブアンケートでは、全員を対象に「バブル入社組に対して、仕事上でどんな印象を持っていますか」という問いを投げかけた。するとバブル入社組自身の意識と、その前後の世代でいくつかのギャップが見つかった。
 例えば、「後輩が少なく、可哀相だ」という項目。バブル入社組の21%が自らそう認識しているが、下の世代からはほとんど賛同を得られなかった。バブル入社組が主体的に感じている自分たちの会社での立場と、他の世代からの客観的な見方は同じとは限らない。

後輩が少なくて可哀相と思っているのは、自分たちだけ?
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/080400039/img_05.jpg
 8月3日号「社畜卒業宣言」の特集誌面では、バブル入社組に突きつけられた厳しい現実と、その上でどんな新しい働き方を模索できるかを、生々しいエピソードやアンケート結果とともに詳報した。
 だが、これはバブル入社組に限った問題ではない。人数が多いから目立つだけのこと。「ミニバブル」と言われるリーマンショック前に大量採用した世代の将来の処遇に、すでに気をもみ始めている会社もある。
 どの世代であっても、働き手のモチベーションが落ちれば、会社組織に支障をきたすし、本人も幸せではない。その解として、特集誌面では元々いた会社を飛び出して、地方やベンチャー企業で新しい働き方を見つけた「超サラ(会社に依存せずに生きる、超サラリーマン)」たちを取りあげた。働き手の間で、こうした意識は今後広がっていくだろう。
 もちろん現実には、家族や親の介護など様々な事情を抱えている人も多い。誰もが大きな一歩を踏み出せるとは限らない。であれば、少さな一歩から。まず、少しだけでも自分の意識、相手への意識を前向きに変えてみることが大切だろう。会社側だって同じだ。合理的に話せば納得できる、そんな簡単な問題ではないことだけは明らかなのだから。



記者の眼
日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/080400039


http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/073000022/080400003/
「バブル入社組、どいてくれませんか?」危機感が若手の連帯を生む
2015年8月5日(水)島津 翔


日経ビジネス8月3日号「社畜卒業宣言」
 日経ビジネス8月3日号の特集「社畜卒業宣言」では、会社に忠誠を誓う代わりに雇用を守る暗黙の「契約」を反故にし始めた企業の実態と、それによって、居場所をなくし始めたバブル入社組の姿を描き、その先にあるべき未来の雇用のあり方を探った。
 この特集の連動企画である本連載の3回目では、バブル入社組に続いて試練に直面することになる下の世代に焦点を当てる。就職氷河期に入社した富士ゼロックスの同世代の社員が、自分の担当領域という殻に閉じこもるバブル入社組を反面教師にしながら、会社の既存の仕組みから飛び出し、会社を巻き込んで新しい働き方を模索している動きを紹介する。

富士ゼロックスの若手有志社員が結成した「わるだ組」が企画した「触覚ハッカソン」の集合写真。会員は徐々に増え、3年間で400人に
 「正直に言うと、『おっさん、ちょっと邪魔なんですけど』って思っていました」。富士ゼロックスの若手社員有志である「秘密結社わるだ組」。中心メンバーである大川陽介氏(34歳)は率直にこう言う。
 2012年のことだ。大川氏は仕事がつまらなくなっていた。30歳を過ぎて、上から指示された仕事だけではなく、自分のアイデアを実際に仕事にできるようになる時期。本来であれば、モチベーションが高まってもおかしくない。
 しかしそこで、「自分が非常に狭い範囲でしか物事を見ていないことに気づいてしまった。自分の部署に与えられた範囲の中のみでアイデアを考える。それで仕事が回ってしまう。30歳を超えて、自分はこれでいいのかと考え込んでしまった」(大川氏)。
 企画を上司に通し、さらに上、さらに上へと通していく大企業にありがちの仕組みにも嫌悪感を覚えた。「今はそうは思わないけど、当時は上司や先輩たちが自分の仕事を邪魔しているように思えた。縦のラインばかり気にしているのが嫌だった」と大川氏は言う。
 同じ頃、大川氏の同期である安田勇大氏も同じような悩みを抱えていた。
 「機能分化して自分の担当領域を徹底的に考え抜く。組織の姿として間違っていないのかもしれないが、それが滑稽に見えてしまった。『それって楽しくないでしょ』って」
 2人のほかに社内の有志数人が集まり、「わるだ組」が生まれた。
3年間で70回のイベントを開催
 わるだ組がどんな組織なのかを説明するのは難しい。ある時はイベントを開催して社内外から100人以上を動員し、ある時は「社内にこんな人いませんか?」という問いに答える人材紹介所になる。また、ある時はバーベーキューで盛り上がる。営業系社員と技術系社員が本気でお互いの不平・不満をぶつけ合う公開ファイトも企画している。
 社内外にその名が知られるようになったのは、2014年夏に富士ゼロックスが主催した「触覚ハッカソン(ショッカソン)」というイベントがきっかけ。裏方として、わるだ組が企画・運営すべてを担った。「ハッカソン」とは、プログラム開発を意味する「ハック」と「マラソン」を組み合わせた造語で、クリエーターがチームを作り、ある課題に対応するソフトを決められた時間内に開発するイベントを指す。

2014年夏に開いた触覚ハッカソンの様子
 富士ゼロックスが開発したパソコンのディスプレーに表示されたモノの凹凸感や重量感などが指先に伝わる「触覚マウス」など、自社、他社を問わず最先端の「触覚機器」を並べ、それらの最新機器にどんな活用法があるのかを競い合った。大賞に選ばれたのは、バーチャルリアリティーでアニメキャラクターの歯磨き体験ができるサービスを考案したチームだった。
 触覚ハッカソンに代表されるように、わるだ組の活動は即、会社の新規事業につながるような活動ではない。システムエンジニア経験が長い安田氏は、活動をコンピューターの基本ソフト(OS)になぞらえる。
 会社の一つひとつの事業がコンピューター上で作動するアプリケーションであるとすると、そのコンピューター自体が正常に、スムーズに機能しなければアプリケーションの動作も遅くなる。OSは人間関係であり楽しさ、社員のモチベーションに相当する。それらをボトムアップ的に向上させるのが、わるだ組の目的である。
「おっさん」もいつの間にか仲間に
 こうしたわるだ組の活動が面白いのは、若手有志だけで当初立ち上げたグループに、40歳以上の先輩社員も加わるようになってきたことだ。
 社内の眠っている技術の発掘や人材の紹介…。ハッカソンの開催で社内外100人以上の動員を重ねるうちに、社内の先輩社員が次々に協力してくれるようになったのだ。

30代後半から40代のメンバーも増えてきた
 以降、わるだ組は若手有志の組織ではなくなった。「気持ちが」若ければ誰でも参加できる。現在は社外にも開放していて、会員数は約400人まで増えた。ハウス食品など他社とのコラボレーションイベントも積極的に実施している。
 取材の最後に、大川氏に「社畜」について聞いてみた。
 「わるだ組をなんでやっているかというと、やっぱり会社が好きだから。でも、自分を社畜だとは思わない。社畜ってのは主従の関係。僕は会社をパートナーだと思っています」
 社畜からの卒業とは、会社を嫌いになることでも会社に愛想を尽かすことでもない。自分と会社との関係性を見直すことなのだ。



社畜卒業宣言
出世のためには深夜残業や休日出勤もいとわず、家庭を犠牲にして会社に滅私奉公する──。典型的な日本のサラリーマンを、作家の安土敏は会社に飼われた「社畜」と表現した。だが、会社に忠誠を誓う代わりに雇用を守る暗黙の「契約」を、会社は反故にし始めた。世界競争にもまれる中、かつて大量採用した「バブル入社組」を支えきれなくなってきたのだ。捨てられるバブル組。だがそれを「卒業」と考えれば、必ずしも不幸ではない。今こそ、自らの意思で社畜と決別しよう。そこから働き方の未来が拓く。


あなたを悩ます「めんどい人々」解析ファイル
【第7回】 2015年8月5日 宮崎智之 [フリーライター]

SNSへの“リア充”投稿に、正直イライラしませんか?

浜辺でジャンプする写真にイライラしないために


「どうでもいいね!」ボタンがあればいいのに……
?いよいよ本格的な夏がやってきた。連日の猛暑に、心身共に参ってしまっている人も多いだろう。筆者は先日、自宅周辺を歩いている時に熱中症のような症状を起こしてしまった。日陰でうずくまっていたところ、家族連れの親切な男性にビニール袋に入った氷をわけてもらい、なんとか症状が回復した。読者の皆様も、くれぐれも注意してほしい。

?ともあれ、夏といえば「リア充」である。行楽シーズンが到来し、恋人や友人と、海水浴やバーベキューに行く予定を立てている人も多いはずだ。リアルが充実していることは、本来良いことのはずである。しかし、ネット上ではリア充の評判がすこぶる悪い。

?SMBCコンシューマーファイナンスが20代のビジネスパーソンに対して実施したインターネット調査によると、オフを誰かと一緒に過ごす「リア充タイプ」は24.1%しかいなかったそうだ。一方で、自宅で一人過ごす「巣ごもりタイプ」は43.1%もいたという。

?こうした背景もあり、リア充はやっかみの対象になる。特にFacebookなどのソーシャルメディアが普及してからは、リア充アピールの投稿にイライラする人が増えている。

?これから夏本番。リア充たちは、砂浜で手をつなぎながらジャンプする写真をソーシャルメディアにこぞってアップしてくるはずだ。非リア充としては、頭が痛い限りである。

?なぜ、リア充たちはウザがられるのか。どうすれば、リア充を見てもイライラしなくてすむのか。熱中症になりそうなウンザリする暑さのなか、リア充について考えてみた。

なぜ、リア充アピールにウザさを感じるのか

?いつから、ソーシャルメディアはリア充たちの巣窟になってしまったのだろうか。インターネットとは本来、リアルが充実していなくても楽しめるものだったはずである。

?特に酷いのはFacebookだ。タイムラインを見ると、やれ海水浴だ、やれバーベキューだといった写真で溢れている。4割強もいる「巣ごもりタイプ」には肩身が狭い限りだ。

?…といった感想を持っている人も多いと思う。無理もない。筆者も、休日に仕事をしている時などは、Facebookのリア充投稿を見るたび、自分の惨めさに胸を痛めている。

?愛する家族の笑顔や、大切な誰かのために作った料理の写真。「持たざる者」にとっては、それらすべてが光り輝いて見えるだろう。そして、「いいね!」という名の同調圧力に押しつぶされそうになる。素直に「いいね!」が押せない自分のひねくれた感情に傷つき、自己嫌悪に陥っていくのである。Facebookに「どうでもいいね!」ボタンがあったら、どれだけの人が救われたことか。

「そんな投稿は無視すればいい」と思うかもしれない。しかし、そうもいかないのだ。リア充たちは、リア充アピールがネットで疎まれることをよく知っている。それでも自己顕示欲が捨てきれないのか、思わせぶりな「不発弾」を次々と投下してくるのである。

「花火大会、めっちゃキレイだった(ゝω・)vキャピ?来年も一緒に見に行きたいな」

?文面からは、「来年も一緒に見に行きたい誰か」と一緒に花火大会を見に行ったということが推察される。しかし、なぜ素直に「彼氏と」と書かないのか。これなら、包み隠さずにリア充をアピールされたほうがましである。非リア充としては、こうした投稿にイライラするのだ。心の中の「どうでもいいね!」ボタンを押して、そっとパソコンを閉じるしか術がない。

?お盆の長期休暇明けにも試練が待ち構えている。「お土産」である。楽しい思い出と共に職場や学校に持ち寄られるお土産は、非リア充にとってはプレッシャーにもなり得る。どうしても耐えられない場合は、大きめのターミナル駅やデパートに行けば各地のお土産が手に入ることもあるので、オススメしたい。むなしい気持ちになるだけだとは思うが。

リア充に対する思いをこじらせて……

?ここまでは、「リア充がうらやましい」という感情からくるイライラを取り上げてきた。しかし、リア充を批判する陣営には、もっと複雑でひねくれた感情を抱えている人たちもいる。そこがリア充、非リア充の対立構造を語るうえで、ややこしい部分でもある。

?彼らはリア充のことを、むしろ「下」だと思っている。集団で群れをなして「ウェーイwww」とハシャギながら写真を撮っているリア充たちを、馬鹿にしているのである。彼らの多くは一人でも楽しめる文化的な趣味を持っていて、「リア充=文化水準が低い奴ら」だとみなしている。彼らからすれば、「自分の方が充実している」というわけである。

?馬鹿にしているとまでは言わないが、筆者にも同じような気持ちがある。読書という地味な趣味を持っている筆者は、集団で楽しそうにしている同級生たちを眩しく思いながら育った。「うらやましい」という気持ちもあった。しかし、「うらやましい」がいつしか「僕の方が、崇高な趣味を持っている」とこじらせた感情に変わってしまったのだ。

?そうした「こじらせ系」にとっては、リア充が幅を利かせている状態が許しがたく感じる。多感な思春期にスクールカーストが低く、「虐げられてきた」という思い込みもあるため、リア充を見ると闘争心に火がついてしまう。そう、こじらせ系にとって、リア充批判は闘争だ。自分たちの優位性を証明するための闘争だ。リア充とは具体的な個人を超えた、闘争すべき仮想敵なのだ。そして、さらに「こじらせ」を深めていくのである。

?まったく関係ないが、以前、後輩の女子から「みんなで恵方巻きを食べるイベントに行った」と聞かされて、閉口してしまったことがある。恵方巻きと言えば、コンビニでバイトしている友人に押し売りされるものだという認識だったが、まさか集団で食べるイベントが開かれていたとは。その感覚の差が、リア充と非リア充を分かつ深い溝なのだろう。

リア充には受容か和平の道を模索せよ

?では、どのようにすればリア充に対してイライラしなくなるのか。

「うらやましい」と思っている人は、残念ながら自分もリア充になるしか解決策がない。リア充は、誰もが少なからず努力している。恋人になってほしい、友達になろう、今度一緒に恵方巻きを食べに行こう……。そうした熱意ある一言なしに、リア充の状態を獲得した人なんていない。

?そう思えば、Facebookのリア充アピールに「いいね!」を押すのも一種のトレーニングだ。リア充を疎ましく思う自分を戒めて自らもリア充の道を歩むため、ぜひ「いいね!」を連打してほしい。まずは、そうした些細なことから始めてみてはいかがだろうか。

?リア充と闘争を繰り広げている陣営には、和平の道をオススメしたい。そもそも「どちらが充実しているか」を競うなんてナンセンスだ。なぜなら、「充実感」は絶対的な尺度で測れるものではなく、あくまで個人の主観的な価値観によるものだからである。

?仮に孫正義氏のような成功者から、「君の充実は本質的ではない。もっとレベルの高い充実がある」と言われたとしたら、どうだろうか。余計なお世話だと思うはずだ。それと同じことをリア充に言っても、向こうとしては余計なお世話以外のなにものでもない。

?過去の禍根はあるのかもしれないが、無駄な闘争は止めて各々の充実を追求すればいい。研ぎ澄まされた自意識という名の「武器」を捨て去り、心穏やかに暮らそうではないか。リア充と一緒に笑って恵方巻きを食べられるようになる、その日が訪れるまで……。

?今年の夏は、砂浜で手をつなぎながらジャンプするのもいいかもしれない。そのジャンプは決して高くないかもしれないが、あなたにとっては大きな飛躍になるであろう。

当連載についてご意見がある方は、筆者のTwitterアカウントにご連絡いただきたい。全てに返信できないとは思うが、必ず目を通したいと思う。

http://diamond.jp/articles/-/76128
 

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コメント
 
1. 2015年8月05日 09:31:41 : mX4JiT0dcw
いまどきfacebookだってよ。もう、ないよね(笑)。
確かに、バブル入社組は社会の害悪世代。
能力よりも給与が高い。

2. 2015年8月06日 03:59:43 : bI3qUVQjVa
昨年あたりから新卒採用が急増していますが、彼らも将来は「邪魔になる」世代ですね。 彼らは何と呼ばれるのでしょうか?

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