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大きな寝言は危険信号 レビー小体型認知症の前兆とは?〈週刊朝日〉
http://www.asyura2.com/15/health17/msg/330.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 9 月 20 日 09:12:40: igsppGRN/E9PQ
 

ぼくの話にも明るい笑顔で応援してくれた丹野さん(左)。右は朝田隆さん(撮影/木暮誠)


大きな寝言は危険信号 レビー小体型認知症の前兆とは?〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150920-00000000-sasahi-life
週刊朝日 2015年9月25日号より抜粋


 認知症であることを隠さず当事者本人が発言する機会が増えている。8月29日にあったNHKエンタープライズのフォーラム「認知症新時代 いきいきと暮らすために」では3人が登壇した。若年性アルツハイマー病の丹野智文さん、レビー小体型認知症の佐藤充博さん、それに軽度認知障害(MCI)で認知症早期治療実体験ルポ「ボケてたまるか!」筆者の山本朋史記者である。当日の様子をレポートする。

*  *  *
 午後1時からの第1部は、ぼくと丹野さんの発言機会が多い。進行役のジャーナリスト、町永俊雄さんが丹野さんに医師から病名を告げられた直後のことを聞く。

「大学病院で若年性アルツハイマー病と言われましたが、病気についての知識がなかったのでインターネットで調べました。治る可能性は少ないとか2年後には寝たきりになるといったマイナス材料ばかり。1年間はほとんど毎日泣いていました。自然と涙が出てきて止まらなかった」

 丹野さんには子どもが2人いる。症状が進んだ場合、妻と子どもの支えになってほしいと「認知症の人と家族の会」に入った。

「自分と同じように悩んでいる人と話し、活動することによってつながりが生まれました。認知症というと暴力をふるう、徘徊するといった負の側面ばかりが報道されて、心配を抱えながら診断が怖くて病院に行けない状況の人もたくさんいます。恐れなくていい、と発信していけたらと思っています」

 よどみなく語る隣の丹野さんの言葉に聞き惚れていると、町永さんが「山本さんの場合はいかがでしたか」と振ってきた。

「取材のダブルブッキングをしたり、漢字を忘れてメモを取れなくなったり。これでは仕事を続けられなくなるのではないかと不安になって、東京医科歯科大学病院精神科のもの忘れ外来に飛び込みました」

 丹野さんほどうまくはなかったけれど、何とか話すことができた。MCIという言葉も知らず、最初は軽度認知症と思い込んでいたことや、ためらいはあったが妻や職場の同僚に相談して早期治療デイケアに通う実体験ルポを週刊誌で連載し始めたこと。デイケアで同じ悩みを持つ人たちと一緒にトレーニングしてたくさんの助言や励ましをいただいたことも。

 控室で映像を見た際、岩手県岩泉町から来た佐藤充博さんが、

「みんな(人とのつながりを)探しているんだ」

 と語ったのを思い出した。たった一人では生きられない、とか言いたかったけど、うまく表現できなかった。ところで、ぼくの主治医である朝田隆さんやリハビリ専門家の作業療法士・浅野有子さんが認知症の医学的な説明をしているときに、ぼくは急に眠くなった。あくびをするわけにはいかない。筋トレの先生、本山輝幸さんの声が聞こえた。

「眠くなったら筋肉に集中して力を入れれば、眠気は防げます」

 数分間、胸筋に力を入れて動かしたり膝の上の腿の筋肉をつねったり。効果あり。眠気は飛んだ。指導者の折山もと子さんとプサルタリーを弾き、本山式筋トレに励む自分の映像が流れている間は恥ずかしくて頭に血がのぼった。冷や汗が出た。

「山本さんは音楽は嫌いだったのですか」

 町永さんの質問で我に返る。「音痴で小学校や中学時代は口パクでした」

 それが、デイケア仲間と一緒に歌を歌ったり、合奏をしたりするのが楽しくなったのである。もちろん下手の横好きだけど。この1年半の変化には自分でも驚く。何でもやってみよう、やってみることの中に発見がある。この連載でも書いたが、代償作用で新しい脳細胞が働き始めた、そんな体験もしゃべったはずだ。

 丹野さんも合唱を始めて音楽に目覚めたという。トレーニングは楽しくないと続かない、と。同感だ。1時間半があっという間に過ぎて、休憩に入った。ぼくは丹野さんに、

「お話が上手ですね」

 と言うと、ニッコリと、

「車のディーラーをしていたので、お客様とよく話していましたから。『家族の会』でも話す場面は私が……」

 丹野さんはいつも笑顔で明るい。あのキャラがうらやましい。見習うことができればなあ。あと1時間だ。第2部では、佐藤充博さんのウィットに富む話術が笑いと拍手をとった。

 佐藤さんは幻視が出たり、手足の震えが出たりする症状が進行し、レビー小体型認知症と診断された。さまざまな症状から地域で孤立することも多かったが、やりたいこともあった。

 その一つが師範の免状も持っていた書道である。録画映像では、地域の後輩から頼まれてお品書きを書き、佐藤さんが好きな「風」と「道」の文字も筆で書いた。その書の感想を聞かれると、当のご本人が、

「なかなかいいね」

「感動した。もっと書いて展覧会もやりたい」

 トツトツとした東北なまり。ちっとも尊大じゃない。

「佐藤さんに私が教えられたことはたくさんある」

 主治医の紺野敏昭さんの弁がよくわかった。ぼくも朝田さんからレビー小体型認知症のごく初期ではないか、と言われたことがある。

 レビー小体型認知症の特徴を朝田さんが説明するのを聞いていると、幻視だけは当てはまらないが、「認知機能の変動(日によって記憶障害が大きく違う)」「手足の痺れや歩行障害」「睡眠時の異常行動(大きな寝言や奇声)」「自律神経の異常」など思い当たることはいくつかある。脳の後頭葉に血流の悪いところがあるのも心配材料だ。

 症状は今のところ進んではいない。でも、いつかは……? 不安はある。そうした中で自分ができることは何か。探し続けよう、それしかないんだ。


 

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コメント
 
1. 2015年9月25日 04:47:35 : jXbiWWJBCA
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150923-00000000-jct-soci
9時始業は「拷問のようなもの」 英睡眠専門家の提言が話題
J-CASTニュース 9月23日(水)11時30分配信

9時始業は「拷問のようなもの」 英睡眠専門家の提言が話題
ケリー氏は今の社会は「睡眠を奪われた社会」だと主張している
 「早起きは三文の徳」という古くからのことわざを覆すような主張を英国の専門家が展開し、話題を呼んでいる。

 いわゆる「9〜17時」の就業時間は、体内時計が刻む「概日リズム」とは合っておらず健康上のリスクを高めるとしており、こういった環境は「拷問のようなもの」だと説明。学校やオフィスの始業時間を10時に遅くするように求めている。

■10歳から55歳の大半の人の体内時計は早起きに不適切

 オックスフォード大学睡眠概日神経科学研究所のポール・ケリー名誉臨床研究フェローが科学フェスティバルで発言した内容を、2015年9月8日にから9日にかけて英主要メディアが相次いで報じた。BBCやデイリー・メイル紙によると、ケリー氏は10歳から55歳の大半の人の体内時計は早起きに不適切だとして

  「目覚まし時計をセットするのは、起きて仕事に行く時間に自然に目覚めないから」

と説明。強制的に起こされる様子を刑務所や病院に例えた。

  「大きな意味では、刑務所や病院にも当てはまる。こういった場所では、人々(受刑者や入院患者)を起こして食べたくもない食事をさせる。まだ目が覚めていないので従順に従うだろうが、睡眠を奪うことは拷問だ」

注意力や記憶力に悪影響、アルコールや薬物中毒にもつながる
 ケリー氏によると、今の社会は「睡眠を奪われた社会」。注意力や記憶力に悪影響を与え、アルコールや薬物中毒といった問題を引き起こすと主張している。睡眠を「奪われた」割合が最も高いのが14〜24歳で、高校までは10時、大学は11時始業にすると最も概日リズムに合うという。

 ケリー氏は、長く眠ると「成績が10%伸びる」とも主張している。ある高校で始業時刻を8時50分から10時に遅くしたところ、全国統一試験(GCSE)で高得点を取った生徒の割合が34%から50%に上昇したという。

 この仮説を実証するため、大規模な調査も予定されている。調査は14〜16歳が通う100校を4つのグループに分けて行う。1つ目のグループでは、始業時刻を10時に遅らせ、2つ目のグループでは「夜に画面を見るような活動は避ける」といった「睡眠教育」を行う。3つ目のグループでは10時始業と睡眠教育の両方を行い、4つ目のグループでは何もしない。調査は2年間にわたって行われ、2018年に結果を発表する予定だ。

 現地の記事のコメント欄には、

  「朝に働く人はどうなるのか」
  「本当はそうしたいが、稼ぎのためにはやらざるを得ない」

といった、主張が実情を踏まえていないといった声が多い。

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最終更新:9月24日(木)15時1分


2. 2015年9月25日 04:48:56 : jXbiWWJBCA
現代人はなぜ「不倫」をやめられないのか。毒をもって毒を制する独創的な提言の書 【書評】坂爪真吾『はじめての不倫学』/評者 河合香織
現代ビジネス 9月23日(水)6時2分配信

現代人はなぜ「不倫」をやめられないのか。毒をもって毒を制する独創的な提言の書 【書評】坂爪真吾『はじめての不倫学』/評者 河合香織
[Photo]iStock
 男性障害者に対する射精介助サービスを行う団体を主宰し、既存の価値に囚われずに新しい社会構造を生み出そうとしている著者による不倫「学」。

 基本姿勢として、不倫は誰でも感染し、防ぐ事のできない強力なウィルスであり、現行の夫婦関係を維持するためには防止する必要があるという立場を取る。

 しかし、いくら倫理を唱えようと、これまで社会から不倫がなくなることはなかった。であれば、不倫ウィルスに対抗する不倫ワクチンを開発せねばならないというのが本書の道筋だ。社会学や文化人類学、歴史を視野に入れ、不倫ワクチンのあり方を探っていく。

 毒をもって毒を制するワクチンである以上、きれい事で終わらせない。本書が提案するワクチンは、ポジティヴな婚外セックスを行うことだ。

 いわく、古代から社会には不倫を予防するワクチンが存在していた。それは「盆踊り」「歌垣」「雑魚寝」といった形での乱交だ。年に数回、一定のルールや枠組みの中で制度化された婚外セックスを行う機会があったため、日常をリセットでき、結婚を破綻させるまでの不倫に発展しなかったというのだ。

 現代にも同じように対象と回数を限定し、個人間の関係ではなくシステムの下で行う婚外セックスをする場を設けられれば、不倫を防げるのではないかと著者は論じ、デートクラブ、スワッピング、ポリアモリーと呼ばれる複数恋愛などを取材する。

 興味深いことに、これらを著者は「介護や育児の外部委託と同じ」と論を展開する。家庭を維持するために就労や家事や休息を行うために保育園やデイサービスの力を借りるのと同様に、婚外セックスについても考えられるのだという。ありきたりの論で終わらない、批判を恐れない独創的な姿勢に感嘆した。

 是非や好き嫌い、また実践するかは別として、性とは、そして人間のあり様は多様であっていいのだと感じ、心が自由になるようだ。本書自体がすでに不倫ワクチンの効果を持っているのかもしれない。

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かわい・かおり/'09年『ウスケボーイズ』で小学館ノンフィクション大賞受賞。著書に『セックスボランティア』他
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 『はじめての不倫学』
著・坂爪真吾 光文社新書/820円

 既婚者が、「不倫」の誘惑に抵抗するためにはどうすればいいか? 子どもや若者世代の貧困、ひとり親家庭や生活保護、高齢者の孤独死など社会問題の背景には、「不倫」がもたらす家庭破綻、それに伴う経済状況や健康状態の悪化が潜んでいる。にもかかわらず、「不倫」は個人の色恋沙汰、モラルの問題として捉えられてしまっているのが現状だ。本書では、既存の「結婚」に囚われない多様な在り方を実践している男女への取材をまじえながら、「不倫」を「社会の問題」として捉えなおすことによって「不倫」の予防と回避のための処方箋を提供する。本邦初の実践的不倫学! 

 さかつめ・しんご/'81年生まれ。ホワイトハンズ代表理事。社会的な切り口で現代の性問題解決に取り組む

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 『週刊現代』2015年9月26日・10月3日号より

週刊現代
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最終更新:9月23日(水)8時26分
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150923-00045428-gendaibiz-soci

[32削除理由]:削除人:関係が薄い長文

3. 2015年10月14日 07:06:55 : jXbiWWJBCA
【第42回】 2015年10月14日 浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
認知症の人は「知的劣化が進む病気の患者」ではない認知症ケア先進国・スコットランドの最新事情
 人口の高齢化による社会保障費の増大は世界各国の共通の課題であり、とりわけ治療薬のない認知症への取り組みは困難を極める。医療だけでは解決できない。どのような対応策が必要か。各国が課題を共有し、共に手を取り合おうと国際会議「サミット」まで開催され出した。
 その中で、先駆的地域が注目されている。英国北部のスコットランドだ。地域を挙げた多くの団体の取り組みで格好のモデルと言われている。認知症の当事者が世界で初めて自らグループを作り、発言、発信を始め、政策にまで関与している。
認知症になった作家、アイリス・マードックの名を被せた認知症研究棟。スターリング大学内で
 その活動を支えるスコットランド・アルツハイマー協会や家族介護者団体の存在が大きい。大学も認知症研究に加わり、認知症の人の住まい環境や生活用品それに人材育成に力を入れている。
 スコットランドを9月に訪れ、現地を回った。前回に引き続き、認知症ケアについて考えていきたい。
認知症の人が
暮らしやすい生活環境を研究
「写真で示せばだれにでもすぐ内容が分かるでしょう。蓄音器の写真の時は、みんなで音楽を聴く時間ですね。髪を手入れしている写真があれば美容師さんが来る時という具合にね」――。
施設のアクテビティの表示例。写真なので一目でわかる
 壁に掛かっているのは1週間のスケジュール表で、朝昼夕に分けて示されている。高齢者施設には必ずある「アクテビティ」の予定表だ。ただ違うのは文字でなく、すべてのマスにカラー写真が張り付けてあること。
 ここは、スコットランドのエジンバラから車で北西に1時間、スターリング市にあるスターリング大学。その「認知症サービス開発センター(DSDC)」である。
 認知症の人にとって暮らしやすい生活環境や住まい、家具、キッチン用品など多分野にわたって研究している。廊下に張り出されている施設のスケジュール表など実物が展示されており、担当者が案内してくれた。その先の部屋は、認知症高齢者の居室という設定だ。ベッドや収納それにキッチンとトイレ、シャワールームが備わる。
文字が大きく鮮明な日付入り時計
 日付入りの置き時計の数字と文字はくっきりと大きめ。一目で時間や曜日が確認できる。
 電話機の数字の隣には、子どもや孫などの顔写真が糊付けされている。「電話したい相手の写真のところを押せばいいだけです」。認知症の人が、電話番号や人の名前も忘れてしまうのはよくあること。でも、顔写真があれば不自由しない。「この椅子も、すぐにこうすればベッドに早変わりします」と、目の前で椅子を変形させる。
トイレの座面を赤色にしてわかりやすくした
 キッチンの食器収納はガラス張り。内部の食器が見通せる。トイレの便座の最上部だけ赤色。どこに腰を下ろしたらいいのかがよく分かる。その脇の壁から水平に伸びたつかまり棒も真っ赤。必ず必要なモノを目立たせている。ソファの座面と肘掛が違う色なのも同じように視覚効果を狙っている。
 部屋を案内される前に聞いた講義では、「床のカーペットは模様が複雑で凝ったものは避けましょう。認知症の人は、自分がどこを歩いているのかが分からなくなることがあります」と説明を受けた。
「とにかく、身近なものは、色のコントラストを明確にして、その機能がすぐに伝わるようにするといい。色彩は、暖色系よりも寒色系の方が分かりやすいのでは」
 DSDCでは、こうして実例を展示しているが、製造そのものには関わらない。「メーカーから開発中のサンプルを送って来るので、良し悪しの提言はします」と言う。
男性用トイレの表示。わかりやすいイラスト。スターリン大学で
 自宅でなく高齢者施設や共有空間での「サインボード」も研究対象だ。トイレの男女分けの表示や庭への進路表示、照明のスイッチの色彩などである。どれも、相当にシンプルだが大き目のイラストを巧みに使っている。
「認知症の人たちが普段通りの生活を不自由なく送ることができるためには、環境デザインがとても大切だと伝えています」
 そのための人材教育も手掛けている。主に施設のキーパーソン向けに6ヵ月の集中研修を実施している。「医師から掃除のスタッフまでいろいろの職種の方が来ることも」と笑う。
 認知症ケアに対して大学が本腰を入れて向かい合っている。さすがスコットランド、という印象だった。
「ケアラーズ」の役割とは
 英国が欧州各国の中で抜きんでているひとつにケアラーズ(介護者)向けの法整備と団体活動が挙げられる。制度外の無償で介護を提供する家族や友人、知人などをケアラーズ(Carers)と呼ぶ。
 介護者を支援する全国団体、「ケアラーズUK」が設立されて以来、介護者支援の法整備が進んできた。1995年のケアラーズ法で自治体に対しケアラーへの支援を努力義務と位置付けたことに始まり、2000年の介護者と障害児法、2004年の介護者の機会均等法と積み重ね、そして2005年に施行された「メンタルキャパシティ法」では、認知症の本人の意志を尊重し、その権利を守るケアの枠組みが定められた。認知症ケアの歴史にとって画期的な法律と言われる。
 2014年の改正ケアラーズ法(Carers Act 2014)では、自治体のケアラー支援を権限(Power)から責務(Duty)に強化した。認知症の人を家族に持つ介護者が支援を受けることが「権利」となり、そのために自治体は、ケアラーへの必要な情報や支援を届けることが「義務」とされた。
 グラスゴー市の中心部にある介護者団体、「National Dementia Carers Action Network(NDCAN)」を訪ねた。裁判所や弁護士会館が並ぶ一角、ビルの入り口の左右の柱に、赤や黄色の生花が小山のように飾られている。その花束に囲まれるかのように団体名と一緒に記されている「宣言文」に目を引かれた。
グラスゴーのNDCANの入り口。「私たちのことは私たち抜きに決めないで」との宣言が書かれている
「認知症の人たちを抜きに、決して何事も実行しないでください」と書かれている。
 本人本位、本人第一にということだ。日本でも国の「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」で強調されていることである。
 NDCANは、スコットランド自治政府の議会議員や家族介護者、介護体験者などが4年前に立ち上げたという。活動内容は、介護者の悩み事や欲しいサービスなどの話をじっくり聞いて、スコットランド行政に反映させることだ。認知症の人に直接介護サービスを提供することはない。
顔写真を押せばいいだけの電話。グラスゴーのNDCANで
 活動の主な担い手は30人のボランティア。いずれも家族や友人の介護体験者だ。その一人、ジャネット・メットランドさんは、12年前に夫がレビー小体型認知症になり、8年後に亡くなるまでずっと介護をしてきた。「その間に延べ106人のヘルパーが助けてくれました」。
 認知症の本人や家族がどのような気持ちや社会的状況で日々の生活を送っているかをいろいろなところで話し、理解してもらっている。
「企業に出向くこともあります。先日は石油会社のシェルUKに招かれました。社員やそのパートナーが将来、認知症になることもあります。その時にどのような接し方をすればいいか、などについて話してきました」
 脳血管性認知症の母の介護をしてきたのはTシャツを着たローラ・ウォーカーさん。その体験からNDCANの活動テーマのひとつ、失禁の対応グループでボランティア参加している。
「地域の家庭医(GP)や失禁関係者と情報共有しながら活動し、最近、失禁を理解するブックレットを作りました」と話す。
 NDCANは、スコットランド政府と年間2回話し合いを持つ。「ケアラーたちの思いを政策としてすくい上げてもらえるように、議論を重ねています」と、代表のアイリーン・オールドファザーさん。
 当面の課題は、英国が2010年に打ち出した「認知症国家戦略」の再改定作業に加わることだと言う。13年の同戦略の改定時には積極的に意見を述べてきたが、次の改定にも関与していく。
「認知症の人の団体」の存在
当事者が取り組みの舞台に
 介護者団体よりずっと前の2002年に認知症当事者のグループがスコットランドで誕生している。世界で初めてのことだ。
 当時は、認知症ケアに関わる医療関係者でも、本人でなく家族から本人の症状などを聞き取っていた。「認知症の人に何を話しかけても無駄なこと」と誰しも考えていた。
 そこへ、認知症と診断された元銀行員のジェイムズ・マキロップさん(73歳)が「働く当事者には労働組合があり、ヘルパーにも組織がある。認知症の人にも集まりがあっていいはず」と声をあげた。認知症の人の団体、「スコットランド・認知症ワーキンググルプ(SDWG)」が旗揚げされ、マキロップさんが初代の議長に就任した。最近の登録者は約130人と言われる。
 当事者が舞台に登場することで、認知症への取り組みは劇的に変わった。「どんなことを常に感じているのか。不便なことはどんなことか。どのように接してほしいか」など本人から発せられる言葉ほど確かなものはないからだ。
 日本では、豪州の政府職員だったクリスティーン・ブライデンさんが2003年に来日して講演、認知症当事者の思いを自身の言葉で表現したのが、当事者運動の始まりだった。
 翌年、京都市で開催された第20回認知症国際会議で認知症の日本人男性が妻と共に登壇し、日々の生活を大勢の聴衆に話した。その後、主に若年認知症の人たちがテレビ取材に応じたり、本を著すなど当事者からの発信が少しずつ広がり出す。
 昨年9月に、ジェイムズ・マキロップさんの活動がNHKテレビで詳細に報じられ、それに力を得て、日本の認知症当事者が10月に「日本認知症ワーキンググループ」を設立した。同月中に厚生労働大臣に会って提言を提出した。
 スコットランドからは12年後ではあるが、当事者の声が政策に届くようになった。
認知症は
社会で力を合わせて支え合う
 スコットランドの「ワーキンググループ」の生みの親の1人はスコットランド・アルツハイマー協会の職員だったという。協会はエジンバラ市の住宅街にあった。4階建ての出窓が多いクラシックなビルだ。
 その窓には、協会名と並んで、やはりメッセージが記されていた。直訳すれば、「認知症の人には決してたった一人で向き合わないようにしましょう」、つまり「皆で社会で力を合わせて支え合いましょう」ということだろう。
 同協会は1976年に発足したというから相当の歴史を持つ。職員は、この本部内に約30人だが、スコットランド各地で活動しており全部で約1000人。関心のある人や研究者などを含む登録会員は7000人にも上る。
 2階に上がる木の階段の壁には古いポスターが10枚近く貼られている。いずれも6月1日から7日までを「認知症を知る週間」と書き込んでいる。啓蒙期としているようだ。
スコットランド・アルツハイマー協会の1998年のポスター。24時間のヘルプラインが記されている
 1998年版には「24時間のヘルプライン」を告知し、その電話番号も並ぶ。認知症の本人や家族からの電話相談を全く休むことなくいつでも引き受けているのが「ヘルプライン」。今でも続けている。
 認知症と診断された後の支援態勢には5つの基本的な柱があるという。
 @将来の生活の仕方を描く、A地域とのつながりを検討する、B認知症の仲間や支援者と一緒に活動する、C将来のケアのプランを考える、D認知症を理解し症状とうまく付き合う――。
 こうした考え方に基づき、活動は、@リンクワーカーズの養成・派遣、Aデイサービスの開催、B自宅を訪問して外出の手助け、C継続できる暮らしの支援、などがあると言う。
 リンクワーカーズとは聞きなれない言葉だが、文字通り、リンク機能の支援だ。「当事者がどのような人と社会的交流があるか、繋がっているかを見極め、必要があれば繋がる先をアドバイスする。それによって診断後の人生の進路を提案する」ことのようだ。認知症の家族会を紹介することもある。
 先述のNHKテレビによると、マキロップさんは協会職員から「バザーの出品物に私と一緒に値札を付けてくれませんか」という誘いの言葉で、「引きこもり状態」から抜け出したという。
 4人のスタッフからそれぞれ担当の活動内容を聞いたが、「社会に出て行く」ことを皆強調していた。確かに、その通りだろう。「身体や知的活動の中で、できない面を援助する」ことに支援者の目は向かいがちだが、外出だけでも新鮮な経験を味わうことができる。人として日常生活に欠かせないことだ。
 認知症の人を「知的劣化が進む病気の患者」と見てしまう世間の目があるが、そうではない。だが、このようなレベルに協会が達してきたのは昔からではないという。代表のヘンリー・サイモンさんは活動を振り返る。
「スコットランドでも2006年までは早期診断はできていなかった。私たちがスコットランド政府に強く訴えて、2007年に政府が動き出した。2010年になって医療モデルから生活モデルへ考え方が変わった。パーソンセンターモデルに転換していったのです」
 同協会がスコットランドでの認知症ケアのエンジンとなって、前進させてきたことがうかがえる。当事者団体や介護者団体を生み出したのも協会である。長年の活動実績が地域に新しい芽を育んだ。
 さらに、憶測を深めれば、1999年に英国からスコットランドに自治政府が認められ、独立への機運の高まりとも密接に関係しているようだ。イングランドと対抗するかのように、独自の生き方、手法を手探りでつかんでいこうとするエネルギーが認知症ケアにも及んでいると見ていいだろう。

http://diamond.jp/articles/-/79879



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