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手軽な合法的ドーピング、カフェインに注目 五輪選手らはパフォーマンス向上のためコーヒーやカフェインを摂取 
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 7 月 27 日 18:39:06: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

手軽な合法的ドーピング、カフェインに注目
五輪選手らはパフォーマンス向上のためコーヒーやカフェインを摂取
カフェインが体にもたらす変化は広く知られているが、現状のルールではアスリートがパフォーマンス向上のためにカフェインを摂取しても問題になることはない(英語音声、英語字幕あり)Photo: Getty
By RACHEL BACHMAN
2016 年 7 月 27 日 16:20 JST

 4年前のロンドン五輪に競泳女子の米国代表として出場したエリザベス・ベイセル選手は、競技人生最大の舞台を前に少し変わった行動を取った。自らのパフォーマンスを向上させるため、レース直前にある物質に手を出したのだ。

 彼女が口にしたのはコーヒー。そしてその抜群の効果は、銀メダル1個、銅メダル1個、さらに大会で自己ベストを二度更新するという形となって現れた。

 コーヒーの効果は「身体への影響を実感できるほど」だったとベイセル選手は話す。8月に開幕するリオデジャネイロ五輪にも出場する彼女にとって、レース前のコーヒー摂取は今やルーティンとなった。その一杯が「最近はどちらかというと気持ちの面で支えになっている」という。

 カフェインが体にもたらす変化は広く知られているが、現状のルールではアスリートがパフォーマンス向上のためにカフェインを摂取しても問題になることはない。トップ選手に様々なドーピング疑惑が渦巻く昨今、カフェインは奇異な存在だと言える。

2%程度のパフォーマンス向上も

 カフェインは長年、トライアスロンやマラソンの選手たちに利用されてきた。しかしここにきて、柔術や短距離競泳、ラグビーなど、俊敏な動きが必要とされるスポーツやチーム競技の選手からも注目を集め始めている。最新の研究によると、カフェインはわずかな量の摂取 (例えばスターバックスのトールサイズのコーヒーに含まれる程度)であっても、アスリートの運動能力を向上させるだけの効果があることが判明している。

リオ五輪に米国の女子マラソン代表として参加するデシリー・リンデン選手 ENLARGE
リオ五輪に米国の女子マラソン代表として参加するデシリー・リンデン選手 PHOTO: JONATHAN MOORE/GETTY IMAGES
 「いわゆるエリート層の競技者なら大半がカフェインを摂っている」。こう話すのは、ヒューストン大学でクロスカントリー競技のコーチを務めるスティーヴ・マグネス氏。「The Science of Running(ランニングの科学)の著者でもある同氏は、効果が曖昧なサプリもある中で、カフェインは「安定的に、そして繰り返し作用する」と説明する。

 マグネス氏によると、カフェインの摂取はアスリートにとって1%から2%程度の競技力向上をもたらすことが研究によって示されている。運動嫌いの人がカフェインを摂っただけで世界レベルのアスリートになれることはもちろんない。ただ1秒以下の時間差で勝負が決まるトップレベルの世界では、その1%や2%の差は大きな違いだ。

カフェイン飲料・食品の多角化

 リオ五輪に米国の女子マラソン代表として参加するデシリー・リンデン選手は、レース中にカフェインを含むラテ味のゼリーを口にする。商品は彼女のスポンサーである米パワーバーが製造するものだ。カフェインを摂るのは「レース終盤にかけて、体をもう一回目覚めさせるような感覚」だという。

 カフェインを含むスポーツ食品の数も増えている。カリフォルニア州バークレーに拠点を置GUエナジーラボは80種類ものスポーツ飲料やスナックを販売するが、そのうちの3割にカフェインが含まれている。また英ブリストルを拠点とする新興企業、トゥルースタート・コーヒーは、アスリートへの販売を念頭に一定量のカフェインを含むフリーズドライ・コーヒーを発売。創業者のヘレナ・ヒルズ氏によると、取り扱いを始めてから同社の売上高は4カ月連続で倍増を続けている。

陸上男子800メートルで五輪に二度出場した経験を持つニック・シモンズ氏(写真は2013年の世界陸上モスクワ大会) ENLARGE
陸上男子800メートルで五輪に二度出場した経験を持つニック・シモンズ氏(写真は2013年の世界陸上モスクワ大会) PHOTO: MARK KOLBE/GETTY IMAGES
 陸上男子800メートルで五輪に二度出場した経験を持つニック・シモンズ氏は、トレーニングやレースの前に選手がかめるタイプのカフェイン商品を販売している。「卑劣な汚いやり方で欺く行為が蔓延している中で、ちゃんとルール通りにやろうというのが我々の考えだ」と話す。

禁止薬物からカフェイン除外へ

 国際的なスポーツ大会におけるカフェインの服用、特に大量の摂取は、長年禁止されてきた経緯がある。しかし世界アンチ・ドーピング機関(WADA)は2004年、禁止薬物のリストからカフェインを除外している。

 同機関は薬物を禁止リストに載せるかどうかを判断するにあたり、「スポーツのパフォーマンスを向上させる可能性があるか」、「アスリートの健康に被害をもたらす懸念があるか」、「スポーツ精神にのっとっているか」といった3つの項目に照らし合わせる。WADAの広報担当者によると、カフェインは禁止薬物として認定されるのに必要な3つの要素のうち少なくとも2つに該当していない。

 WADAが2004年にこの決定を下したことで、スポーツ界は大きな変革の時期を迎えた。禁止薬物リストから除外されたことに伴い、アスリート間でのカフェインの利用が急速に拡大したのだ。カミーロ・ホセ・セラ大学(マドリード)のフアン・デル・コソ博士が率いた調査によると、2004年から2008年に国内・国際大会で採取された2万件以上の尿サンプルのうち、4人中3人の割合でレース前やレース中にカフェインを摂取した形跡が見られたという。この調査結果は2011年に学術誌「 Applied Physiology, Nutrition and Metabolism」に掲載された。

 同調査では、特にトライアスロン、自転車、そしてボートの選手から高濃度のカフェインが検出された。一方、最も低かったのは体操の選手だった(単純にコーヒーがもたらす興奮作用と平均台の上で冷静に演技をすることは相性が悪いという判断だったのかもしれない)。

カフェイン摂取へ危惧の声も

 デル・コソ博士はその後もテニスやバスケットボールといった動きに緩急のあるスポーツも調査。バレーボール選手にはスクワットや跳躍といった動きを繰り返しさせ、カフェインがどのような影響を与えるかの研究を継続した。その結果、カフェインを含む飲料を摂取したアスリートは、カフェインレスの飲料を摂取したアスリートと比べ、わずかながらより高く飛び、走るスピードも向上するという結論が出たという。

 デル・コソ博士によると、最も驚くべき結果を得られたのがサッカー選手の研究だ。カフェインを摂取した選手にGPSトラッカーを装着させて試合中の動きを追ったところ、他の選手より長い距離を走り、スプリントの回数も増加する傾向が見られた。

 米食品医薬品局(FDA)は、妊娠中の女性や心臓に持病を持つ人はカフェインの摂取を控えるか量を制限する必要があるとしている。また、多くの専門家は子供や10代の若者はカフェインの摂取を控えるべきだと指摘。カフェイン摂取が結果的にドーピングへの入り口になるのではないかと危惧する人もいる。さらにカフェインの摂取は睡眠障害、過度の不安や緊張、胃腸への負担増加といった副作用をもたらす場合もある。

 ただ、他の物質と比べてカフェインは副作用が特段強い物質ではないというのが、カナダにあるゲルフ大学のローレンス・スプリエ教授の見解だ。

スタバのトールサイズ一杯で効果

 スプリエ教授は2013年に著書「Caffeine for sports performance(スポーツ能力向上のためのカフェイン)」を出し、その後もカフェインとスポーツの研究を続ける。最新の調査結果では体重1キロあたりわずか3ミリグラムのカフェイン、つまり体重約86キロの男性でもスターバックスのトールサイズのミディアムローストを一杯飲むだけで身体能力に向上が見られると発表している。

 ただし、カフェインの摂取量が多ければいいというものでもない。デル・コソ博士の研究によると、体重1キロあたり6ミリグラム以上のカフェインを摂取してもパフォーマンスの向上に伸びが見られるわけではなく、逆に副作用の可能性が高まるという。

 また研究者らによれば、アスリートによってカフェインの効き具合にバラつきがあり、中には全く効かない体質の人もいれば平均以上に運動能力が向上する人もいるという。

8月開幕のリオ五輪に競泳女子の米国代表として出場するベイセル選手 ENLARGE
8月開幕のリオ五輪に競泳女子の米国代表として出場するベイセル選手 PHOTO: CAL SPORT MEDIA/AP IMAGES
 競泳の米国代表として五輪メダルを10個獲得したゲーリー・ホール・ジュニア氏は、現役時代の1990年代中ごろから毎日エスプレッソを複数杯飲んでいたと話す。レースがない日もそのルーティンを崩すことはなかった。ただ夕方以降に試合がある場合は、夜間の睡眠への影響を考えてコーヒーを控えていたという。

 一方、まだ現役で23歳のベイセル選手は、代表に選ばれた10代の頃はコーヒーが苦手だったと話す。ミーティングなどで先輩選手がコーヒーカップを片手にしている横で、ベイセル選手は苦手なコーヒーではなく紅茶やココアを代わりに飲んでいたと言う。

 今やコーヒー好きになり、レースの前は一杯は欠かせないものになったというベイセル選手。リオデジャネイロ五輪本番を目前にしてよりカフェインの効能を新鮮に感じられるよう、最近はコーヒーの摂取を控え気味にしようとしている。
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-PA602_CAFFEI_M_20160721164840.jpg
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