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欧州の洪水は北半球規模の猛暑の前触れか?ベッドで熱中症 ロシア南部、ロストフ・ナ・ドゥヌーで豪雨による大洪水、死者も(写
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 7 月 03 日 18:59:38: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

欧州の洪水は北半球規模の猛暑の前触れか?
ユーラシア大陸東西の異常気象の共通点とは
吉野 正敏 :筑波大学名誉教授 2016年7月2日

大雨による増水に見舞われたセーヌ川。パリで6月2日撮影(写真: ロイター/Jacky Naegelen)
国内外での気象研究歴が長い吉野正敏・筑波大学名誉教授(88)による寄稿も後編となった。今回は、温暖化を背景として夏場の日本と欧州との異常気象が似通ってきた点を踏まえ、気象が人間の健康に与える影響を研究する学問「バイオクリマ(生気候)」の観点から見た課題などを語ってもらった。
前編 注意!猛暑最高記録「41℃越え」が迫っている
今回は欧州を中心に、世界的な異常気象の現状について紹介するとともに、バイオクリマの観点から、猛暑への心構えについて説明したい。

今年の6月はフランスの洪水のニュースから始まった。5月末以降の大雨でパリ中心部のセーヌ川を濁流がとうとうと流れる画像には驚かされた。フランス国有鉄道は運転を停止、ルーブル美術館やオルセー美術館は緊急閉鎖し、収蔵品を階上に避難させた。

パリとフランス中央部で約2万5000人が停電の被害を受け、パリ南部のヌムールでは3000人が避難。南ドイツでは洪水で道路が寸断され、街に瓦礫の山が築かれたところもあり、死者4人を出すと共に、数千世帯が停電。ドイツ南西部のネッカーウルムにあるアウディの工場も浸水して、操業を5月30日から3日間停止した。ベルギーやオーストリアでも洪水が発生した。

約100年前との違い

1910年以来の規模の大洪水だとして、パリ各地の多くの場所で、当時と同じアングルで撮影された橋と川の写真などが新聞の紙面などを飾った。8.6メートルの水位上昇の異常さを示す約100年前と今年の写真には時代を超えた迫力があったが、どの報道も触れていなかったことが1つある。

それは、「水位は確かに同じだが、1910年の場合には多数の木材・雑物がひっかかって、橋がちょうどダムの堰堤のようになっていた」ことだ。しかし、今年の写真では、橋桁の近くで水が渦をまいているだけである。上流で流木などをとるシステムが完備したのか、上流流域で森林・緑地の整備・管理がゆきとどくようになったのか、木造の建造物が少なくなったのか、理由はいろいろと考えられる。

いずれにせよ、猛暑・豪雨・洪水という現象自体は同じでも、その特徴や影響は時代によって変化する、言い換えれば、水位は同じでも下流部の状況は異なることを象徴する、非常に良い写真だ。

春の終りから夏の初めにかけての洪水は、その後に来る夏の異常気象の予告でもある。前回、日本では猛暑・残暑の厳しい夏には、晩春から高温になって盛夏には干ばつと大雨や豪雨、洪水がほぼ同じ時期に起きる傾向があると説明した。欧州の北西部でも今年、似た現象が見られ始めているようだ。

昨夏の欧州は、日本をしのぐ猛暑だった

2015年の日本の猛暑がひどかったため欧州に関する報道は目立たなかったが、実は同じく非常な猛暑だった。6月30日にまず、スペインのマドリッドの気温が40℃に上昇。独仏を含めた欧州北西部の気温も7月3日に33〜35℃に達した後、7月12日から16日まで連日、40〜41℃を記録した。イタリアのローマでも7月12日と同16〜22日は36〜38℃の暑さだった。東欧も7月16〜22日に異常な高温に見舞われ、アドリア海沿岸地方の南部からトルコにかけての地域では、同18日に40〜41℃に達した。

http://tk.ismcdn.jp/mwimgs/7/9/500/img_79b03e505a32820f9281c0eb535e36bd70685.jpg
2015年7月13日の欧州周辺の状況。
(上)最高気温(℃)の分布。
(下)気圧の配置分布。単位はヘクトパスカル(ドイツ気象台のデータを基に著者が作成)
昨年7月13日の欧州とその周辺における等温線図(気温分布図)と等圧線図(天気図)を右に示した。いずれもドイツ気象台のデータに基づいている。

この図に見られるように、40℃以上の地域がイベリア半島南部にあり、30℃の等温線は地中海の北岸地域を囲んで東西に走っている。緯度からいうと、日本で言えば青森や札幌付近に相当する。この点をまず、頭に入れていただきたい。

上下の図を重ねてみると、イギリス付近に弱い低気圧があってその中心から東西に走る前線と、等温線との関連が強いことが分かる。つまり、同じ緯度を日本付近に当てはめると、北日本が厳しい猛暑に見舞われる一方で、樺太の周辺に停滞性の前線がほぼ東西に走って異常な強雨・豪雨・雷雨などが発生している形となっている。

そして下図の左端、大西洋のアゾレス諸島付近を中心とする中緯度高気圧が、イベリア半島から地中海を覆っている。この中緯度高気圧は、日本付近では小笠原高気圧に相当する。小笠原付近に中心をもつ北太平洋高気圧だ。地球の中緯度を取り巻いて特に夏に海洋上で発達する点が非常に似ており、違いは「大西洋か太平洋か」という点だけだ。

欧州の中緯度高気圧は次第に勢力を東に延ばし、地中海を覆った後にロシア南部や中近東の砂漠地帯にまで達し、クウェートやドバイなどの気温を45℃超のレベルまで押し上げる。これが、2015年夏の猛暑の有り様が東アジアと欧州北西部とで似通い、北半球レベルとなったメカニズムだ。

最後に、半球規模の猛暑に対するバイオクリマの問題をまとめておこう。結論を先に言うと、「このような異常高温をのり越えるには、人間の生活や行動が時間の経過や空間の要因によってどう影響を受けるかを正確に把握して、対策や効果などを考えるべきである」ということだ。

まず、学校では生徒や学生が在校しているかどうかで、時間と空間で見た対策は非常に異なるし、病院でも入院患者の病棟(日中・夜間)か、外来患者(日中)か否かで区別して、対策を立てる必要がある。各施設が対策を立てて経費負担・予算化すべき課題と、市町村レベルか、国が予算化すべき課題かの振り分けも重要だ。

このほか、「都市空間」に関しても、高層ビル、地下街、都心部、郊外住宅地などを区別して対策を立てる必要がある。また、人間の「行動空間」として、ベッド、居室、通勤・通学路と、利用している列車、船舶、航空機など、対象の時間と空間とを整理して、個別に考えねばならない。

心理的効果は「時代」によっても左右される

これまでほとんど論じられていないのは、昼と夜の差だ。暑さ対策は日中だけに目が向きがちだ。しかし、東京などの大都会では夜間も蒸し暑い。また、人間の行動範囲などは暗いときと明るいときで著しく異なる。行動計画は、昼夜別に作る必要があるだろう。

また、高齢者、特に70歳代以上は、男女別の差が大きくなる傾向がある。家族構成や社会生活の状況が変化し、日常の生活行動のパターンが次第に変わってくるためだ。

さらに問題は、猛暑が人間の生活に及ぼす影響が生理的な面ばかりでなく、心理面にも現われる点だ。「涼しげなたたずまい」は和風建築の暑さ対処の粋で、風通しもよく、室内気温も低い。風鈴の音がすれば、それだけで微風を感じ、暑さを忘れる。特に短時間においての狭い空間では、心理的効果は大切である。

東京でも下町の路地の「打ち水」はすばらしい。路地の両側や玄関脇に植木鉢が並び、暑い夏の日の夕方、水撒きされている空間は心が安らぐ。いつまでも残したい光景だ。住んでいる人たちへの生理的・心理的効果は大きいであろう。人びとが育んできた暑さ対策の景観の遺産として、これ以上のものはないであろう。

しかし、この遺産の成立条件はよく検討しておくべきだ。すなわち、江戸時代末から明治時代にかけては、いわゆる小氷期≠フ時代で、夏の気温は比較的高くはならなかった。また、木造建築が主流だったため、都心部における猛暑の影響は今日よりも小さかったと考えられている。

気象が人間に影響を与える効果に関する研究が進み、生理的側面ばかりでなく、心理的側面が国際会議でも討議されるようになってきた。これ自体は良いことだが、温暖化に伴う猛暑に人間社会がどう取り組むか討議する際、困難にも遭遇する。その国独自の問題で他国がどうこう言えない、つまり、国際的にどうしても越えられない溝がある。それはその国独自の社会制度だ。

たとえば、インドのカースト制社会を、猛暑対策のために急にどうこうすることは不可能である。酷署期の日中の気温が40℃を越えるインドの都市で、「夜間を屋外で過ごす人々の熱中症対策を何とかせよ」と外国人は発言できない。ましてや、その人々の酷署・猛暑時における心理作用の研究などは不可能であろう。

「ベッドでの熱中症」にも注目を

また、日本ばかりでなく欧米でも、高齢者の一人暮らしが増加している。熱中症は屋外だけでなく、屋内のベッドの中でも起きる。比較的短時間に、孤独死に至る危険が、屋外よりもかえって大きいのだ。

前回、日本の熱中症被害は病院に搬送されたケースだけが対象になっていると指摘したが、高齢化の進行を背景に、屋内での熱中症対策への理解も、一段と進められなければならない。
http://toyokeizai.net/articles/-/124602


 
ロシア南部、ロストフ・ナ・ドゥヌーで豪雨による大洪水、死者も(写真・動画) © 写真: EMERCOM of Rostov Oblast
ロシア
2016年07月01日 15:35(アップデート 2016年07月01日 17:38) 短縮 URL
134011
6月30日夜、ロシア南部のロストフ・ナ・ドゥヌーで集中豪雨が発生。この結果、同市内では非常事態が発令された。

現地では犠牲者も出始めている。激しい濁流に押し流され、女性一人が車体の下に引きずりこまれ、死亡。現場には数人がいたものの、水の流れがあまりに強力で手の施しようがなかったと語っている。

また水流に飲まれた男児が水中に垂れ下がっていた電線に触れ、電気ショックを受けるなど、市民の間には災害による負傷者が増えている。

市内では交通事故の件数が増えている。激しい濁流にドライバーらは車を放棄し、店舗や地下道に避難を余儀なくされた。

気象予報では現地の天候は1日も好転せず、終日雨。

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http://jp.sputniknews.com/russia/20160701/2403675.html  

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