急増する地中海の難民遭難、危機的な6つの数字
By MATINA STEVIS
2015 年 4 月 22 日 14:22 JST
http://jp.wsj.com/articles/SB11350573174384774502804580595670757750944
地中海で難民の遭難が急増している Associated Press
　リビアから地中海を渡ってイタリアを目指す数多くの難民が海で遭難する事故が相次いでいる。ここで浮き彫りになっているのは、難民がいかに危険な航路を渡っているかだけでなく、欧州に流入する難民の数が過去最高水準に達していることだ。リビア内部やその周辺で活動する部族や民兵などの武装集団は難民の「運び屋」となることで多額の利益を上げ、集めた資金をリビア内戦の軍資金に使っている。

　以下に主な関連数字を列挙した。

【170,600人】

　これは欧州連合（EU）の欧州対外国境管理協力機関（FRONTEX）が明かした、2014年にリビアから地中海を渡ってイタリアとマルタ島に到着した難民の数だ。

【1,000ユーロ】

　ぼろぼろのボートに乗ってリビアからイタリアに渡るための費用。現在の為替レートで約12万8000円。この航海では難民が死亡する事故が多発している。

【3,200人】

　2014年にリビアからイタリアに渡ろうとした難民で、航海途中におぼれ死んだと見られる人の数。数字は国際移住機関（IOM）から取得。地中海航路は世界で最も危険な難民ルートとなった。

【1,000人】

　2014年以降、イタリアで逮捕された密航あっせん業者の数。イタリア検察当局によると、カタニアでは約100人が裁判にかけられているが、最終的な判決は出ていない。

【910万ユーロ】

　イタリアの捜索・救助活動「マーレ・ノストルム（われらの海）」にかかる1カ月分の費用。日本円では約11億6700万円となり、イタリアの納税者が負担する。この活動は現在、中断されている。

【60,000ドル】

　ニジェールとリビアで活動するトゥブ族が難民の運搬で1週間に稼ぐ金額。日本円で約720万円。ジュネーブに拠点を置く組織犯罪撲滅団体が明かした数字で、トゥブ族は西アフリカの難民をリビアまで運んでいる。

原文（英語）：Mediterranean Migrant Crisis

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