★阿修羅♪ > 国際11 > 316.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
米・イラン、当面は目的一致 米ユーラシアグループ社長 イアン・ブレマー氏:イラン核合意で米国軍需産業が潤う連関
http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/316.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 8 月 14 日 11:28:45: Mo7ApAlflbQ6s
 


[グローバルオピニオン]米・イラン、当面は目的一致 米ユーラシアグループ社長 イアン・ブレマー氏


 米議会で攻防が激化するとしても、最終的にはイラン核合意は承認されるだろう。

 イランは、少なくとも当面は合意条件を守るだろう。見返りがあまりに大きいからだ。経済制裁によって、イランは2010年以降、国内総生産(GDP)の20%近くを失ってきたとみられる。制裁が解除されれば、原油輸出量は来春までに日量60万バレル、16年末までには同100万バレル増やせる見通しだ。これでイランの収入は大幅に増える。

 イラン経済が復活すれば、中東の力関係は根本的に変わる。イランは新たに獲得した資金を、シリアのアサド大統領と、イスラム教シーア派武装組織ヒズボラに注ぎ込むだろう。となれば、長年のライバルであるサウジアラビアは、イランの影響力拡大に対抗するため、さらにオイルマネーを投じるにちがいない。

 他の湾岸諸国は、この2つの国の出方をにらみながら、復活したイラン経済からできるだけ多くを得ようとするだろう。イランのグローバル経済への復帰でとりわけ潤うのはアラブ首長国連邦(UAE)だ。ドバイの企業群はこれまでも長らくイランと取引してきた。UAEにはイラン出身者の大規模なコミュニティーも存在する。トルコも似たような状況だ。

 イランが過激派やテロリストを支援していることは、米国にとって頭痛の種にちがいない。だが米政府は優先順位を決定すべき時だ。

 イランはアサド大統領とヒズボラを支援するだけでなく、過激派組織「イスラム国」(IS)と戦闘中のイラクのシーア派民兵組織にも資金援助するだろう。米政府は、IS打倒が中東における最優先目標だと繰り返し発言してきた。米国民が終わりの見えない中東紛争への派兵を拒否する限り、持ち駒で何とかせざるを得ない。この場合、持ち駒とはイランである。

 米国とイランの目的は、目下のところは打倒ISという点で一致している。だが、米国とイランの本格的なデタント(緊張緩和)を近い将来に期待することはできまい。核合意に駆け引きの余地があれば、それをイランが突いてくることはまず確実である。

 そうした余地はまさに米政府が望まないところにあり、しかもいざというとき、合意に参加した他の大国がイランに対して強気で臨むとは考えにくい。とくにロシアと中国は、復活したイランがもたらす貿易やエネルギー面の恩恵に目を奪われ、イランの核開発の野望をあまり気にしていない。米国は現実を認識し、自国にできる最大限のことでよしとしなければなるまい。

 09〜10年にはイランの核開発計画がサイバー攻撃の標的になり、この攻撃でイランの計画は遅れたものの、結果的にイランが自前のサイバー攻撃能力の開発投資を決意することになった。以来イランはこの方面で大幅な進歩を遂げ、10カ国以上の主要航空会社、エネルギー企業、防衛関連企業のシステムに不正侵入したと豪語している。中国やロシアの水準にはまだ達していないものの、イランの能力が着実に強化されていることはまちがいない。

 とはいえサイバー攻撃能力へのイランの執着は、核合意とは別の問題である。今回の合意を客観的に見れば、米国にとっても、合意に参加した大国にとっても、そしてイランにとっても好ましいといってよい。中東の他国にとっても好ましいかどうかは、時が答えを出すことになろう。

Ian Bremmer 世界の政治リスク分析に定評。ユーラシア・グループは米調査会社。著書に主導国のない時代を論じた「『Gゼロ』後の世界」など。45歳。

[日経新聞8月10日朝刊P.4]

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年8月14日 19:22:10 : LY52bYZiZQ
2015年8月13日(木)
米軍元幹部ら歓迎

イラン核合意「軍事行動より効果」

 【ワシントン=島田峰隆】米統合参謀本部の高官や海兵隊の大将などを経験した米軍の退役幹部ら36人は11日、米欧などとイランが7月半ばに合意した同国の核開発をめぐる最終合意に賛同を表明し、合意に反発している連邦議会に対して合意を支持するよう呼び掛ける連名の公開書簡を発表しました。

 書簡に名を連ねたのは、統合参謀本部の副議長を務めたジェームズ・カートライト氏や空軍参謀総長を務めたメリル・マクピーク氏などです。

 書簡は、合意は信頼ではなく検証に基づき、イランが違反した場合には厳しい制裁を加える内容であることを指摘。「イランの核兵器獲得を防ぐうえでこれより良い選択肢はない。軍事行動は、この合意ほどは効果的ではない」と強調しました。

 デンプシー統合参謀本部議長は7月末、上院での公聴会で「イランと核紛争に陥る危険を外交的に取り除くことは、軍事的に取り除くことよりも優れている」と述べました。書簡は、同発言に賛意を示し、「われわれは軍事的選択肢へ進む前に外交的選択肢を使い尽くさなければならない」と指摘しました。

 8日には米国の科学者29人もオバマ大統領宛ての公開書簡を発表。イラン核合意を「中東の平和と安全保障の大義を促進し、将来の核不拡散の合意の道しるべになるものだ」と歓迎しました。シーグフリード・ヘッカー元ロスアラモス国立研究所長など、議会やホワイトハウスの政策決定に助言してきた科学者が名を連ねています。

 核合意をめぐっては、上下両院で多数派の野党共和党がイランに大幅に譲歩した合意だとして反発しています。議会は合意を承認するかどうかの審査を始めています。下院のロイス外交委員長(共和)は4日、不承認決議案を提出しました。休会明けの9月にも可決される可能性があります。

 イスラエル系ロビー団体は連邦議員に圧力をかけたり、“イランは過去にも合意を破ってきた”として合意への反対を呼び掛けるテレビ宣伝を流したりしています。

 ケリー米国務長官は11日、ニューヨークで講演し、改めて合意を説明。「合意がなければ、イランを制限も査察もなしに核開発に向かわせ、彼らが何をやっているかも分からないままになる」と語り、支持を求めました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-08-13/2015081305_02_1.html?_tptb=089


2. 2015年8月14日 19:39:36 : jXbiWWJBCA
米政府、ドルへの脅威を強調−イラン核合意への支持取り付けで
ケリー国務長官はニューヨークで講演し、米国が制裁を復活させようとすれば「あっという間にドルは準備通貨ではなくなると述べた ENLARGE
ケリー国務長官はニューヨークで講演し、米国が制裁を復活させようとすれば「あっという間にドルは準備通貨ではなくなると述べた PHOTO: ANDREW GOMBERT/EUROPEAN PRESSPHOTO AGENCY
2015 年 8 月 14 日 13:02 JST

 【ワシントン】米政府当局者が、準備通貨としてのドルの地位が脅かされるなどとあからさまに言うことはめったにない。だが、オバマ政権はイランとの核合意を阻止しないよう議会を説得するために、ドルへの脅威を持ち出して不安をかき立てる新手の戦術をとっている。

 オバマ大統領やケリー国務長官は最近、米国が、ロシアや中国、西側諸国6カ国とともにイランとまとめた同国の核開発規制に関する合意を破棄して対イラン経済制裁を再導入すれば、金融取引を複雑にし、核合意を受け入れた諸国の米国への信頼を大きく傷付け、準備通貨としてのドルの地位を弱体化させると警告し始めている。

 制裁が成功した背景には主要国がイランの石油禁輸に協力したことがある。米国は2012年に対イラン制裁に基づき、イランが制裁逃れをするのを助けた金融機関をブラックリストに載せ、米国の金融システムから締め出すと警告し、実際に一部の外国金融機関に多額の罰金を科した。

 ケリー国務長官は11日ニューヨークで講演した際に、米国が制裁を復活させようとすれば「あっという間にドルは準備通貨ではなくなる。ドルはすでにバブルになっている」と訴えた。米国の政策立案者はドルの問題については財務長官に委ねるのが通常で、ケリー長官の発言は異例のものだった。同長官は、財務省もイラン合意を破棄した場合の経済的影響についての分析を明らかにするだろうと述べた。

 その財務省のルー長官は13日午後ニューヨーク・タイムズの電子版に寄稿し、ドルに及ぼす脅威については直接言及しなかったものの、同盟国の支持なしに対イラン制裁を復活しようとするのは極めて困難で、米国はデフォルト(債務不履行)に見舞われる恐れがあり、報復を受けるのは確実だと警鐘を鳴らした。

 ブッシュ前大統領時代の2001〜05年に財務次官(国際担当)を務めた経済学者のジョン・テイラー氏は、「対イラン制裁の再導入とドルの地位に関連があるとは思わない」と語る。同じくブッシュ前大統領時代にホワイトハウスや財務省の高官を歴任したファン・ザラート氏も、「核合意を売り込むため、リスクを誇張している」と批判し、「オバマ政権の主張は現在、世界で最も強いドルの力を削ぐ上、制裁の効果を弱めることになる」との見方を示した。

 オバマ大統領が、イランとの核合意への支持を求める演説でドルの問題を初めて取り上げたのは先週のことだった。大統領は、対イラン制裁を復活させれば、「中国などを米国の金融システムから締め出さざるを得なくなる」と指摘、「中国は米国債の最大の購入国であるため、米経済に大混乱を引き起こし、準備通貨としてのドルの役割をめぐって国際的な疑問が提起される恐れがある」と訴えた。

 ロシア政府当局者は昨年、米国が西側諸国による制裁を押し進めれば、ドルの支配的な地位は後退することになろうと警告した。ケリー長官は11日の講演で、この点について「ドルの地位低下は突然起きることはないが、反感は広まっている」との認識を示した。

 長官のこの発言は、政策手段としての経済制裁全般の有効性に疑問を投げ掛けるものだ。

 米財務省などで国際金融部門の幹部を長く務めたエドウィン・トルーマン氏は、ドルへのリスクは「まともな論点ではあるが、説得力は弱い」と述べた。また、「専門家や政府のアドバイザーなどにとっては既知の話だ」と付け加えた。 


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 国際11掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
国際11掲示板  
次へ