★阿修羅♪ > 国際11 > 355.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
TPP、アジアに広がるか:「関税撤廃」はともかく“内政干渉”度合いが高いTPPに魅力を感じる国は限定的
http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/355.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 8 月 30 日 14:59:54: Mo7ApAlflbQ6s
 


 ISD条項に限らず、TPPは、加盟する主権国家の“内政”に広く深く関与する内容になっており、干渉する側の加盟国には利があるとしても、干渉される側の加盟国には耐えられないものである。

 それでも加盟しようとする国は、ベトナムが典型だが、激しい誘致合戦のなかでできるだけ多くの外資を導入したいからである。
 このような意味で、すでに外資の投資蓄積が高まっているタイはTPPに加盟するメリットはほとんどない。離脱する可能性もあるマレーシアも、ベトナムなどとの競争上TPPに手を挙げたが、それほど実利があるわけではない。

 中国的な緩やかな「自由貿易協定」政策のほうが新興国や後進国にとってメリットが大きいし、日本など産業資本主義先進国も中長期的に見ればそのほうが得られる経済的利益が大きい。

=================================================================================================
[経営の視点]TPP、アジアに広がるか
「仲間はずれ」のさじ加減
編集委員 太田泰彦


 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が土壇場で迷走している。7月末のハワイ閣僚会合は物別れに終わった。決着を阻んだ争点は、表面的には農業分野の乳製品の扱い。だが実際には、明日の日本経済の姿を左右する、より重大な論点が水面下に潜んでいる。

 TPPの分かれ道は交渉に参加していないタイにある。通商政策を仕切るアピラディ商業相は先週、「TPPの体制がしっかり確立するかどうか急がずに見守る」と言明。今まで検討してきたTPP加盟を保留する方針を明らかにした。ハワイ会合の失敗を受けての冷めた判断である。

 なぜタイが重要か。東南アジア諸国連合(ASEAN)の中で、バンコク一帯は日本メーカーが最も多く集積する製造業の一大拠点だからだ。日本の製造業を支える部品・材料のサプライチェーン(供給網)はタイ抜きでは回らない。

 今すぐには無理でも、タイを含めてTPP経済圏をやがて地域全体に広げたい。これが日本にとり死活的な課題である。築いてきた調達網を丸ごと仲間の輪の中に取り込まなければ、加盟国だけに与えられる貿易の優遇措置を使えない。タイがTPPに興味を失えば、困るのは日本なのだ。

 たとえば自動車産業の例を見てみよう。日本から米国に輸出する場合、完成車に組み込む部品・材料の“出身地”が問題になる。日本国内やマレーシア、ベトナムなどTPP参加国から多く調達すれば、この車は「TPP産」と認定され、関税撤廃の対象となる。

 ところが、タイや韓国、中国など「非TPP国」から調達した部品の比率が高いと、その車は「TPP産」とはみなされない。適用される米国の関税率は高いままだ。これが「原産地規則」と呼ばれる、仲間と仲間以外を区別する貿易協定の独特のルールである。

 トヨタ自動車など国内調達の比率が高いメーカーは厳しい条件でもクリアできるだろう。逆に仏ルノーとの部品共通化で、積極的に海外で調達先を多角化してきた日産自動車などは、苦しい立場に追い込まれる。

 ここに根源的なジレンマが浮上する。原産地規則によって域内調達する部品の比率を高くすべきか。それとも低くすべきか。

 高い比率を課せば、壁の内側に戻ろうとして製造業の国内回帰が進むかもしれない。他方、既にアジア全域に張りめぐらされた日系企業の調達網がTPPによって分断されかねない。どちらが長い目で見て日本の国益にかなうのか……。

 忘れてならない視点は、タイなど未加盟のアジア諸国に対し、TPPをいかに魅力的に見せるかである。タイの製造業の集積が、日系企業の競争力の源泉であるのは間違いない。加盟すれば得をする、言い換えれば、加盟しないと損をするような仕組みを築かない限り、自由貿易の仲間の輪は広がっていかない。

 有志国による戦略的な自由貿易協定とは、そもそも本質的に排他的で差別的な「意地悪な政策」なのだ。原産地規則は、タイが仲間外れを恐れ、参加を切望するようなさじ加減が望ましい。各企業はどんな要望を政府に伝えているだろうか。

(シンガポール)

[日経新聞8月24日朝刊P.9]

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年8月30日 23:07:27 : nJF6kGWndY

>内政干渉”度合いが高いTPP

貿易自由化とは、そういうものだ

既得権を潰し、トータルでの生産性を高めるものだからな

生産性と付加価値が低い産業の多い途上国ほど、過剰な自由化は雇用へのダメージが大きくなるし

一方で、社会保障が未整備で、再分配や徴税が不十分な国ほど、底辺層が特に影響を受けやすい

逆に言えば、そのような制度が整備され、産業効率が高い国ほど、その恩恵も大きくなるということだ

そして経済力が高まるほど、食料やエネルギー、資源、軍事など安全保障上のバックアップを国内に構築することも容易になる

つまり優秀で勤勉で自立的、利他的な国民と経営者が多いほど、内外からの投資が増え、賃金も増えて豊かになるが、

既得権者が経済や政治を支配し、一方で怠惰で福祉に依存する底辺層が子どもを多く産むほど、

国は劣化し、当然、そうした国家間の格差も大きくなる



2. 2015年8月31日 14:23:22 : LY52bYZiZQ
2015年8月30日(日)
TPP 撤退こそ国益

衆院農水委 斉藤氏が訴え

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-08-30/2015083004_01_1.jpg
(写真)質問する斉藤和子議員=26日、衆院農水委
 日本共産党の斉藤和子議員は26日の衆院農林水産委員会で、環太平洋連携協定(TPP)交渉について、米価低迷にあえぐ稲作農家の思いを代弁し、「交渉撤退こそが国益を守る方法だ」と訴えました。

 斉藤氏は、近年の米価推移がコメの生産費=1俵1万6000円にはるかに及ばず、「現場では『コメつくって飯くえねえ』との怒りの声が上がっている」と強調。「価格が安定すれば後継者はいる」「展望がなく息子に継げと言えない」との農家の声を突きつけ、「交渉で、なぜ毎年77万トンのミニマムアクセス米に加えて5万トンの別枠輸入まで主張するのか」と批判しました。

 斉藤氏は、甘利明TPP担当相が「(交渉が)漂流する危険がある」と言明したことを取り上げ、「日程的な見通しも立たず、来年度予算にTPP対策予算は盛り込まれないと考えるが、どうか」と質問しました。林芳正農水相はTPP対策予算について「交渉中であり答弁できない」と述べました。

 斉藤氏は、米国が「遺伝子組み換えの表示義務をなくせ」「収穫後農薬の規制緩和」などの要求を日本に繰り返すとともに、食料安全保障を軍事、エネルギーと並ぶ国家存立の柱と位置づけていることを指摘。TPP妥結は「食と食の安全を他国に丸ごと売り渡すものだ」と述べ、交渉撤退を求めました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-08-30/2015083004_01_1.html?_tptb=032


3. 2015年9月01日 12:19:19 : erZc2BNpo2
ねずみ講にはまった中堅どころ的な立ち位置だな、

売国層が管理を任されている無主権国日本。


4. 2015年9月01日 17:13:32 : C3lq0gpU9A

  力の強い準

   アメリカ国内法 > ISDの判定 > アメリカ以外の各国の憲法・法律

  さらにISDの理事は過半数をアメリカ人が占めることになっている、判定は常にアメリカ有利。

  


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 国際11掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
国際11掲示板  
次へ