完成後破談になったミストラル級強襲揚陸艦の行き場は、軍事技術が欲しく支払い能力もある中国くらいしかないと思っていたが、エジプトへの売却というかたちで決着を見た。

　軍事クーデタで権力を掌握したシシ政権は、基本は米国に支えられているが、フランスやロシアとの濃密な関係を築いている。（今年になってロシアを二度、フランスを一度訪問しているはず）

　それでも、原油安で財政的に苦しいサウジアラビアが購入資金を用立て、揚陸艦が必要とも思えないエジプトが運用するかたちで決着を付けたのは異様である。

（フランスも金銭的損失を被るが（建前はチャラで負担なし）、今後の各種武器売却でサウジやエジプトに“値引き”を行うことで感謝をかたちに表すことになるのだろう）

　今回の武器売却の構図は、フランスの立場がロシアや中国で、エジプトの立場が反西側の軍事クーデタ政権であったら「国際メディア」はどう反応しただろうかと考えるとただならぬことでわかるはず。

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エジプト　フランスからミストラル級強襲揚陸艦を購入［スプートニク日本語］
© AFP 2015/ Jean-Sebastien Evrard
政治
2015年09月23日 21:50

フランスのオランド大統領は、エジプトのシシ大統領と会談し、ロシア向けに建造されたミストラル級強襲揚陸艦2隻の売却条件について、合意に達したと述べた。ＡＦＰが伝えた。

23日、エジプトのハイクラスの代表団が、パリで2隻のミストラル級揚陸艦入手の条件に関し討議することが明らかとなったが「双方は最終的な価格について合意できないだろう」とされていた。

先に伝えられたところでは、１隻のミストラルは紅海で、もう１席は地中海で任務につくとの事だった。

2014年からこれまでの時期に、エジプトは、小型高速艦「Gowind ｣(10億ユーロ)４隻、フリゲート艦「FREMM」(９億ユーロ)１隻、戦闘機｢ラファール｣(約30億ユーロ)24機を購入した。この他にもエジプトはフランス製武器を11億ユーロで購入している。

8月初めロシア・フランス両政府は、ロシアがフランスに注文していたミストラル級揚陸艦の契約の効力失効を決めた。なおフランスは、揚陸艦に取り付けられていたロシア製兵器を返還した後、この船を売却することができる。

http://jp.sputniknews.com/politics/20150923/943184.html

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フランス：揚陸艦、エジプトへ売却…対露輸出中止の２隻
毎日新聞　2015年09月24日　20時44分（最終更新　09月25日　02時15分）

　【パリ宮川裕章】フランス大統領府は２３日、ロシアへの売却契約が解消されたミストラル級強襲揚陸艦２隻について、エジプトへの売却で同国政府と合意したと発表した。エジプトは今年、既に仏製戦闘機やフリゲート艦も導入しており、対テロ戦などを見据えた軍事関係の強化が、さらに進んだ形だ。

　フランスは２０１１年に総額１２億ユーロ（約１６１０億円）でロシアと売却契約を交わしたが、昨年のウクライナ危機を巡り国際社会のロシア批判が高まり、今年８月に契約解消で合意した。この時フランスは、ロシアからの求めで、新たな売却がロシアの国益に反しないよう約束した。

　仏ルモンド紙などによると、今回のエジプトへの売却額は９億５０００万ユーロで、サウジアラビアがエジプトに資金援助する。エジプト、サウジ両国は近年、フランスと軍事協力関係を強めており、仏側にも、中東地域での外交上の影響力拡大と、武器輸出促進につながるメリットがある。

　２隻は全長約２００メートルの大型艦。エジプトへの売却後は地中海と紅海に配置される見通し。

http://mainichi.jp/select/news/20150925k0000m030032000c.html

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※記事のような意味のない恥ずかしい説明は、大臣なら言わず、メディアも記事にしないものだが．．．

ロシアはミストラル契約の違約金で元手を倍加させた［スプートニク日本語］
© AP Photo/ David Vincent, File
ロシア
2015年09月19日 16:36

ロシアはルーブリ安のおかげで、ミストラル契約の破綻の後、支払った倍の金額を受け取った。ロシア産業貿易省のデニス・マントゥロフ大臣が述べた。

「物理的な払戻しはとうに行われていた。利益は通貨切り下げによるものだ。ルーブル建て予算に基づいて支払ったのだが、為替により、金額は売価した。よって、ちょうどルーブル建てで2倍の金額を受け取ったのだ」

ソチで開かれたロシアとベラルーシの第二地域フォーラムでの発言。

http://jp.sputniknews.com/russia/20150919/920771.html

コメント
1. 晴れ間 2015年9月27日 19:58:07 : FhUYgDFvAt2/E : xni5yVaf3k ミストラル級というよりも、ミストラルそのものです。船種はフリゲート。 ロシア仕様になっていたのを、その部分を取り外して売却。 エジプトは大国だから、よいのでは。アメリカが引き、サウジも弱体化すれば、リーダーシップを取れるのは、エジプトしかいないわけで。世俗派政権だから、まあまともな方でしょう。 アラブ・イスラム世界のことは、当事国に任せるしかない。シリア難民もヨーロッパに押し寄せて、同胞たるべきアラブ・イスラム諸国が引き受けないのは、いかにもおかしい。 彼らが主張していた「アラブ人の統一国家」なんて、虚構でしかなかったことが証明されましたね。 フランスにとって、武器輸出は公共事業なんですよ。戦闘機もエジプトやインドに売りまくって、これで雇用創出○千人分、なんて言い方で盛り上がっています。 日本の軍需産業の垂涎の的かな？
2. 2021年5月05日 17:39:10 : KadtUESk1w : QU5lSWNGbHRlYTY=[4] 報告 ▲△▽▼ エジプト、仏戦闘機ラファール30機購入 国家安保を強化 https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%82%A8%E3%82%B8%E3%83%97%E3%83%88-%E4%BB%8F%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%AB30%E6%A9%9F%E8%B3%BC%E5%85%A5-%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E5%AE%89%E4%BF%9D%E3%82%92%E5%BC%B7%E5%8C%96/ar-BB1glP0D?ocid=msedgntp 【AFP＝時事】エジプト軍は3日、フランスの防衛大手ダッソー・アビアシオン（Dassault Aviation）に戦闘機ラファール（Rafale）30機を発注したと認めた。「国家安全保障」の強化のためと説明している。 　仏調査報道機関ディスクローズ（Disclose）は同日先に、今回の戦闘機発注について、40億ユーロ（約5200億円）規模の秘密防衛契約の一部だと報じていた。 　スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所（SIPRI）によると、エジプトはサウジアラビアとインドに次ぐ世界3位の武器輸入国。2015年にも、ラファール24機を購入している。 　同研究所が今年発表した報告書によれば、エジプトの兵器購入はここ10年で136％増加しており、調達先も多様化し、米国のみならずフランスやドイツ、ロシアから軍需品を購入している。 フロランス・パルリ（Florence Parly）仏国防相は4日、声明を出し、今回のラファール受注について「フランスとエジプトの戦略的・軍事的パートナーシップを強化する」と歓迎。 「この契約は、両国がテロとの戦いに断固たる姿勢で取り組み、地域の安定に向け尽力する中で、両国が結んでいるパートナーシップの戦略性を示す好例だ」との見方を示した。

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