アリババ、量子暗号通信の開発本格化 先端技術で政府に協力

【杭州（浙江省）＝小高航】中国の電子商取引（ＥＣ）最大手、アリババ集団は14日、政府系研究機関の中国科学院と共同で、次世代の暗号技術「量子暗号通信」の研究開発を本格化すると発表した。重要なデータを盗聴から守る先端技術で政府と協力。日米などとの開発競争が激しくなる。

　アリババ傘下でクラウド事業を担当する阿里雲と中国科学院は今年７月、量子暗号通信の研究所を上海市内に開設した。年内に実証実験を始める。実用化のメドは明らかにしていない。アリババはクラウドサービスの信頼性向上に役立てると説明している。

　同技術はデータの暗号化や解読に使う「鍵」を光子などでやりとりするもので、盗聴を完全に防ぐ次世代技術として各国が開発を急いでいる。日本では大学やＮＴＴ、ＩＴ（情報技術）各社などが開発を進めている。

　一方、アリババは同日、台湾・鴻海（ホンハイ）精密工業の中国子会社・富士康科技集団（フォックスコン）と共同で、クラウドを活用し起業家を支援する事業を始めると発表した。

［日経新聞１０月１５日朝刊Ｐ．１１］

コメント
1. 2015年10月22日 20:03:00 : Zr4XPbrcrA 最先端技術には、地震予知のように極めて不確かな部分が多い。そのような非効率な研究を世界の多くの国で挑戦することは、研究資源の無駄につながる。戦争的な争いのための競争にむやみに投資しないことが望ましいだろう。

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