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中台会談、80秒握手の深謀 習氏の任期延長へ布石
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投稿者 あっしら 日時 2015 年 11 月 24 日 05:12:58: Mo7ApAlflbQ6s
 

中台会談、80秒握手の深謀
習氏の任期延長へ布石

 笑顔の中国国家主席、習近平が台湾総統の馬英九に先に右手を差し出す。1949年の中台分断後、初のトップ同士の握手は80秒間続いた。11月7日のこの瞬間、習は何を思ったのか。

 「あの国共合作(国民党と共産党の協力)をにおわせる長い握手は、習(共産党)総書記の任期延長への布石になるかもしれない」

 「『中華民族の偉大な復興』に台湾統一は不可欠。その実現を名目にすれば党トップ3選さえあり得る」

 中国の内政に通じる関係者の声だ。2年後の2017年共産党大会の最高指導部人事の話ではない。7年後の22年党大会のトップ交代を占う大事件だという。


対等といえず

 国家主席の最長任期は2期10年。習は憲法を修正しない限り23年には退く。だが共産党トップの総書記の続投には制限規定がない。絶対的権力を握れば、10年を超す続投は可能だ。台湾統一は良い口実になる。

 「中国共産党と習には大きな得点だが、台湾側は与党・国民党、野党・民進党、一般民衆とも明確な利益がない。『対等な会談』は名目だけ。実際は習が台湾を威圧した。唯一、馬だけは元国民党主席の連戦に代わる対中パイプとして政治生命を保てる。得をした」

 外国籍の華人学者が分析する。習はベトナムと、会談場所のシンガポールを国事訪問し、合間に少し時間をつくり、「台湾当局」指導者に会ってやった、との形をとった。当日の中国国営テレビのニュースでも中台会談はトップではなく、習のシンガポール訪問を報じた後、登場した。

 一方の馬は習に会うためだけにシンガポール入り。“拝謁”に見える。その象徴が習と馬の握手の構図だ。外交儀典上、ホストを意味する向かって右に陣取ったのが習。左が馬。会談でも先に習が発言した。馬は客だった。中国語の「先生」は「さん」の意味だ。2人は「馬先生」「習先生」と呼び合ったが、中国の報道ではカット。習の格上感を演出する報道統制だ。

 習は1920、30年代に次ぐ第3の国共合作で台湾統一に道筋を付けたい。成し遂げれば毛沢東に迫る大指導者として名を残せる。

 2012年党大会では「『二つの百年』の奮闘目標」が示された。共産党創立百年の21年と、新中国成立百年の49年に向けて「中華民族の偉大な復興」という夢を実現する時間表だ。政治上の意味は軍事、経済両面で世界一の中国の実現である。その夢は台湾統一を含む。21年、49年は台湾統一への工程表でもある。

脱タブー

 台湾統一をにらむ中台首脳会談への布石は中国内で打たれていた。会談のわずか2週間前、日中戦争の勃発地、北京・盧溝橋の抗日戦争記念館で「台湾同胞抗日史実」と銘打つ大展示が始まった。日本支配下の台湾での抗日活動の大宣伝だ。その脇の抗日戦争勝利70年の展示では、かつてタブーだった蒋介石の大きな写真を数多く登場させた。

 先の戦争で日本に勝ったのは台湾に移った蒋介石の国民党政権だ。だが新中国は共産党軍を抗日戦争の立役者と大々的に宣伝。当然、台湾側は抗議してきた。

 今回、中国は台湾に秋波を送る。蒋介石の功績がにじむ写真と「台湾の抗日」の同時展示で新たな国共合作を狙う。盧溝橋の記念館は台湾が標的の「統一戦線工作」の道具だ。共産党が示す「歴史」は常に時の政権の政治目標を映す。

 今回、習は「任期切れ前に馬は手がない。誘いに乗る」と読んだ。馬は応じた。会談の際の馬のネクタイの色は青。国民党の青天白日旗の青だ。習は共産党の紅旗の紅。ネクタイは国共合作を象徴していた。習は会談で「抗日歴史書」の共同執筆を持ちかけた。馬も前向きで「抗日戦争は中華民国が主導した」との主張を封印した。台湾も領有権を主張する尖閣諸島も話題に。習の思惑通りだ。

 中台会談は南シナ海問題で苦しい習の援軍だった。退任後、馬が中国とのパイプ役になれば、台湾問題を利用して権力を固め、総書記3選まで視野に入れる習を助け続けることになる。

 とはいえ台湾が民主化した以上、共産党独裁政権による統一は難しい。だが習には難しいほうが好都合だ。「解決できるのは台湾問題に精通する習総書記だけ。ぜひ続投を」。22年党大会前に共産党内でこんな声を盛り上げればよい。

 17年党大会の最高指導部人事では7人のうち習と首相の李克強以外の5人が年齢問題で退くはずだ。習に3選の野心があれば若手抜てきで後継者を特定されない人事にする手がある。

 習と距離を置く勢力は「いくら習総書記でも3選は無理。ケ小平が敷いた路線は覆せない」とけん制する。しかし「反腐敗」で力を付けた習は、既に過去の慣習を次々、破っている。

 来年1月の台湾総統選では独立志向が強い民進党の蔡英文が有利とされる。今後の台湾問題と、17年、22年の共産党最高指導部人事を注視したい。

=敬称略

(編集委員 中沢克二)

[日経新聞11月22日朝刊P.13]

 

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コメント
 
1. 2015年11月24日 12:08:18 : LY52bYZiZQ
2015年11月24日(火)
台湾総統選が本格化

立候補受け付け開始 中台の関係焦点

 ⁅北京=小林拓也⁆来年1月16日投票の台湾総統選の立候補受け付けが11月23日、始まりました。27日が締め切りです。総統選の告示は12月18日ですが、事実上の選挙戦スタートとなります。総統選と同時に行われる立法委員選(定数113)の立候補受け付けも始まりました。

 台湾総統選の結果は中台関係を左右し、東アジア情勢にも影響を与えることから、国際社会の注目を集めています。今月7日にシンガポールで行われた、66年ぶりの中台トップ会談が選挙戦にどう影響するのかも注目されます。

 与党・国民党からは朱立倫主席(54)が立候補。最大野党・民進党の蔡英文主席(59)、野党・親民党の宋楚瑜主席(73)との3氏による争いになる見込みです。

 7日に行われた中国の習近平国家主席と台湾の馬英九総統との会談では、中台関係の平和発展の推進や、「一つの中国」を認め合った「92年合意」の堅持などで一致。国民党の朱氏は、8年間の馬政権で達成した中台関係発展の成果をアピールし、政権継続によるさらなる関係発展を訴えています。

 一方、独立志向が強いとされる民進党は、「一つの中国」を認めておらず、中台トップ会談を批判。ただ、中台関係に関し「現状維持」を打ち出しており、中台関係の安定を求める世論の動向によっては中台政策を修正する可能性もあります。

 台湾のテレビ局TVBSが20日に発表した世論調査結果によると、支持率は蔡氏の46%に対し、朱氏は28%、宋氏は10%。中台トップ会談後も蔡氏の圧倒的優位な情勢は変わっていません。経済運営に失敗した馬政権に批判が集まり、多くの有権者が政権交代を求めているとみられます。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-11-24/2015112407_02_1.html


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