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北極の氷融解をリアルタイムで測定する技術 薄くなる北極の海氷、世界の気象パターンに影響する可能性
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 10 月 05 日 18:31:49: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

北極の氷融解をリアルタイムで測定する技術
薄くなる北極の海氷、世界の気象パターンに影響する可能性
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グリーンランド北部の上空で、調査地域を目指して飛行中の「ポーラー6」より PHOTO:ESTHER HORVATH
By
DANIELA HERNANDEZ
2016 年 10 月 5 日 12:59 JST 更新
 ドイツのアルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所(AWI)の科学者らは、高度約1000フィート(1フィート=約0.3メートル)の上空で、乗っている航空機の底部から魚雷のような形をした装置を落とし始めた。この円筒状の装置を200フィートのケーブルでつり下げ、北極圏の海氷の厚さを測定するのだ。
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AWIのトーマス・クルンペン博士が2016年8月1日のデータを処理している PHOTO: ESTHER HORVATH
 氷は地球の気候システムの重要な部分を構成する。地球温暖化と氷の融解が進むにつれ、科学者は薄くなる氷が世界の気象パターンにどう影響するかを見極めようと先を争っている。また科学者だけでなく、北極は石油掘削や運輸、観光などの産業も進出のチャンスを探るホットな場所となりつつある。
 そのため、科学者はもちろん、政策担当者や企業の間でも氷の動きを示すデータへの関心は高まる一方だ。どの程度の氷がどこに存在するかを知ることは、気候測定モデルを作成し、環境政策を立案し、ビジネス戦略を立てるために重要な意味があると地球物理学者は話す。
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航空機から電磁誘導センサー「EM-Bird」を見下ろしたところ。下は北極海 PHOTO: ESTHER HORVATH
 海氷の専門家によると、「厚さ」は極地の海洋を覆っている氷の状態や大きさを知るための最も重要な測定値の一つであり、世界中の研究者がその測定を試みている。ただ、大量の正確なデータを得るのは簡単ではない。氷の厚さを測定する技術はまだ開発途上にあることも一因だ。
 衛星からのデータも十分な精度がない。地上で観測すれば最も多くの情報量が得られるが、容易に近づける場所でしかデータを収集できない。近年、研究者が開発した中距離技術により、海氷の変化を監視するレンズが一段と向上すると期待されている。
 その一つが「EM-Bird」と呼ばれる航空機搭載型の電磁誘導センサーだ。上空およそ40フィートを何時間も連続で飛行し、センサーの組み合わせによって氷厚のデータを収集する。
‘基本的に大きな金属探知機だと思えばよい’
—トーマス・クルンペン博士(海氷物理学者)
 氷よりも効率的に電気信号を伝える水の性質を利用するもので、センサーとレーザーを使って海氷の上面と下面を計測し、その距離を海氷の厚さとして算出する。
 AWIの海氷物理学者、トーマス・クルンペン博士は「基本的に大きな金属探知機だと思えばよい」と話す。
 同チームの予備データでは、グリーンランドに近いフラム海峡付近の2300マイル(1マイル=約1.6キロメートル)に及ぶ海氷を測定した結果、今夏の標準的な厚さはおよそ3フィート半で、ここ数年に比べ35%薄くなっていた。
調査活動中の航空機「ポーラー6」の内部




EM-Birdは航空機の底部から氷の上空45フィートの高さまで下ろしていく。クルンペン博士らがリアルタイムで氷厚の測定値をモニターしているPHOTOS: ESTHER HORVATH
 クルンペン氏は「これは著しく薄い水準だ」と指摘する。彼の研究チームは最近、2012年までのデータに同様のパターンが見られたという論文を発表した。12年はこの地域の海氷面積が過去最低に落ち込んだ年だ。クルンペン氏の調査結果は他の科学者が示した結果とも一致する。
 最近の分析によると、北極圏の平均的な氷厚は10年間に約2フィートの割合で減少している。米航空宇宙局(NASA)の大規模調査プロジェクト「アイスブリッジ」に加わる科学者のネイサン・クルツ博士も「北極圏では氷が小さくなりつつある」と話す。
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グリーンランド北部の融解する氷河 PHOTO: ESTHER HORVATH
 クルツ氏のチームは、別の組み合わせのセンサーを用いる。これは特殊レーダーで表面を覆う雪と氷の上面を正確に識別できるため、より正確な厚さを測定することが可能だ。AWIの装置はまだ実現できていないが、クルンペン博士は能力改善に取り組んでいると話す。
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北極圏の海氷 PHOTO: ESTHER HORVATH
 厚さの測定方法の改良が進められる一方で、すでに確立された海氷面積の測定技術によっても北極圏全域で氷が減少する傾向が示唆されており、気候変動を加速させる可能性があるとクルツ氏は指摘する。この調査結果は数十年分の衛星データに基づいている。例えば、NASAが9月に発表したデータによると、今年は2007年と並んで夏期の海氷面積が史上2番目に小さかった。
 同氏によると、地球の表面に蓄えられた海氷は「この星の空調設備のようなもの」だといい、「氷が減ると、地球の温室効果がいっそう高まる」と指摘する。
 同氏も他の専門家も、そうなると氷の融解が一段と進む可能性があると口をそろえる。
科学観測基地・軍事基地ノード



グリーンランド北東部にある科学観測基地・軍事基地ノード。科学者チームの拠点となっている。PHOTOS: ESTHER HORVATH
 アラスカ大学フェアバンクス校の地球物理学者、アンディ・マホニー氏は、薄い氷が融解しやすくなっているかが、今この分野で「最先端の疑問の一つ」だという。マホニー氏は氷厚測定用のドローン開発に着手したばかりだ。
 この疑問に答えるために、科学者には氷の厚さや動き、融解速度に関する長年の詳細な分布図が必要だと同氏は話す。
 「現時点ではまだない」が、それらの情報は「絶対に不可欠だ」という。
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