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「ヒアリに刺されて年間100人死亡説」を検証する (死亡する率は10万分の一以下)
http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/571.html
投稿者 戦争とはこういう物 日時 2017 年 7 月 19 日 11:34:08: N0qgFY7SzZrIQ kO2RiILGgs2CsYKkgqKCpJWo
 

(回答先: ヒアリ、環境省が「年間100人以上死亡」の記述削除 (HuffPost Japan)~煽りの根拠不明?! 投稿者 戦争とはこういう物 日時 2017 年 7 月 19 日 11:15:55)

 死亡例の文献が無いからと云って、無いとは言えないが。少なくともこのひと月の報道は「10万人に1人が死亡するかもしれない」レベルのリスクとは思えない物。これで殺虫剤などの売り上げは大きく伸びたらしい。
 放射能汚染については「1000人に一人」が発がんするレベルで帰還が進められている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ここから)
2017-07-10
「ヒアリに刺されて年間100人死亡説」を検証する
科学・研究 むしマガ
http://horikawad.hatenadiary.com/entry/2017/07/10/083328

f:id:horikawad:20170707180733j:plain
*(画像)ヒアリ Solenopsis invicta. 撮影:松本吏樹郎(大阪市立自然史博物館)(CC BY 4.0)


2017年になって、神戸、名古屋、大阪、そして東京で相次いで発見されている、侵略的外来種のヒアリ(Solenopsis invicta)。ヒアリは人を刺し、確率はきわめて低いものの、ときに死に至らしめることもある。このことから、連日のように報道されるヒアリ発見のニュースは、少なくない人々を不安にさせている。


前回の記事で紹介した、日本語で書かれた唯一のヒアリ書籍『ヒアリの生物学』には、アメリカでは1年間で1400万人ほどがヒアリに刺され、そのうち100人ほどが死亡していると書かれている。*1

●ヒアリの生物学―行動生態と分子基盤
作者: 東正剛,東典子
出版社/メーカー: 海游舎
発売日: 2008/04
メディア: 単行本
(追記:Amazonで在庫切れの場合、出版社に問い合わせると入手できる可能性があるそうです。出版社のサイトはこちら。)

ヒアリに対して不安を感じる源の大きな部分は、この「ヒアリで年間100人死亡説」に依るところも大きいのではないだろうか。だが、よく調べてみると、この説は、はっきりとしたデータを元にしているわけではないことが、分かってきた。

・「100人説」はどこから
この部分は『ヒアリの生物学』の著者らによる調査が元になっているわけではなく、Taber氏により2000年に出版された別の書籍『Fire ants』を引用したものである。

●Fire Ants (Texas a&M University Agriculture Series, 3)
作者: Stephen Welton Taber
出版社/メーカー: Texas a & M Univ Pr
発売日: 2000/09/15
メディア: ハードカバー

たしかに、『Fire ants』には以下のような一文がある。

”The number of deaths per year has been estimated at one hundred but is probably underestimated because the possibility of fire ant attack is rarely investigated when the cause of death is unknown.”
(クマムシ博士による訳)
ヒアリに刺されて死亡する人数は年間100以上と推定されてきたが、死因不明の場合には、死因がヒアリの可能性かどうかが調査されることは少なく、おそらくこの数字は少なめに見積もられている。

このように、『Fire ants』にはたしかに「ヒアリで年間100人死亡」と書かれているわけだが、この部分にはどの文献も引用されていない。つまり、これは著者であるTaber氏の見解のようだ。だが、この「100人説」の根拠となるようなデータや説明は、『Fire ants』の中には見られなかった。

・文献をたどる
そこで、他にヒアリによる死亡者数のデータを示している文献がないかを探したところ、1989年に出版された、Rhoades氏らによる論文に行き着いた。

Rhoades氏らは、29,300人の医者(救急医、小児科医、アレルギー専門医、かかりつけ医など)にアンケート用紙を郵送し、過去にヒアリに刺されたことによりアナフィラキシーショックを起こした人を知っているかどうかを問い合わせた。

その結果、29,300人のうち8.6パーセントにあたる2,506人の医者から回答があった。回答により得られたケースのうち、84例が死亡したケースで、2例が重篤なケースだった。

これらの84例の報告のうち、重複しているケースを省くと、最終的には致死的なケースは32例となった。このうち少なくとも2例は最終的に回復したとされ、実際に死亡したケースは、30例と見積もられた。

ところで、科学論文やWikipedia(英語版)を含めた少なくない文献に、このRhoades氏らの論文を引用して「ヒアリによる死亡例は年間80ほど」と書かれているが、上述のようにこれは重複したケースを含むものであり、正確な引用がなされていない。おそらく、Abstract(要旨)のみの情報が拾われて記述され、拡散しているのだろう。

話を戻そう。つまり、ヒアリに刺されて死亡した例は、1989年までに、累計ではっきりと判明しているのが30例ということになる。もちろん、このアンケートに未回答のままの医者の中に、ヒアリが原因で死亡した人を知っている人がいるかもしれないし、ヒアリに刺されて死んだのに、死因が心臓発作や原因不明とされているケースもあると考えられる。この30例というのは、あくまでも「最低でもこの数字」というものだ。

また、Prahlow氏とBarnard氏は、1998年までの50年間で、ヒアリに刺されて死亡した人数を、過去の文献調査により見積もった。調査された文献には、Rhoades氏らの論文も含まれる。その結果、累計で少なくとも44人が死亡していたことが判明した。

これらの結果から、少なくとも1998年までは、ヒアリに刺されたことが原因で死亡した例は、年間で1〜2人が記録されていたことになる。これ以降で、ヒアリによる死亡数をきちんと調査した文献は、見つからなかった。

・ヒアリの危険度は
ヒアリによる正確な死亡数ははっきりと分かっていないが、同じように死に至らしめるハチなどと比べることで、その危険性を相対的に推定することはできる。

アメリカ合衆国労働省は、2003年から2010年の8年間で、労働者が作業中に昆虫やクモに刺されたことにより死亡した人数が、累計で83人、年間平均で10人程度だと発表している。この83人のうち、52人(64パーセント)はハナバチ、11人(13パーセント)はスズメバチやアシナガバチ(6パーセント)、7人はクモ、そして3人(4パーセント)はヒアリを含むアリが死亡原因としている。

この結果を見ると、ハナバチなどに比べて、ヒアリによる被害の割合が、思ったよりも低いように感じる。だが、このデータの解釈の仕方には、注意が必要だ。

このデータは労働者を対象にしたものであるため、死亡事案が発生した場所が、農場などに偏っている。つまり、このデータには、農場などの環境を好むハナバチに高頻度で遭遇した結果が反映されているかもしれない。たとえば、公園や自宅の庭が主な行動範囲の子どもの場合では、また別の結果になるかもしれないのだ。
 
・まとめ
今回の調査からは、「ヒアリに刺されて年間100人死亡説」を裏付ける文献は見つからなかった。また、1年の間にヒアリに刺されて死亡する実際の人数についても、知ることはできなかった。

しかし、だからといって、「ヒアリに刺されて年間100人死亡説」をデマとするのも早計だろう。もしかすると、アメリカ国内の専門家の中には、公表されたない何らかの情報を根拠とし、この「100人説」を支持する人が一定数いるのかもしれない。

また、「100人説」を根拠とする公開データが見つからないからといって、「安心してよい」と言うこともできないだろう。いずれにせよ、仮に「100人説」が真実だとして、ヒアリに刺されて死ぬ確率は0.001パーセント以下であり、そこまで神経質になりすぎる必要はないと思われる。

アメリカでは、ヒアリ被害の対策や啓蒙も盛んになされており、以前よりも人々がヒアリに対して警戒するようになっている面もあるだろう。ただ、その一方で、アメリカではヒアリの生息域が拡大するだけでなく、その生息密度も増加している。アメリカの人口も増えており、ヒアリに遭遇する人が増えていない、とも言い切れない。

国際社会性昆虫学会日本地区会のウェブサイトによると、現在、この死亡者数について調査中とのことなので、そのうち、より正確な数字が出てくるかもしれない。

※本記事は有料メルマガ「クマムシ博士のむしマガ」392号「ヒアリの生物学」から抜粋したものです。

【料金(税込)】 1ヵ月864円(初回購読時、1ヶ月間無料)

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●【参考資料】
『ヒアリの生物学』東 正剛、緒方 一夫、S.D. ポーター 著 東 典子 訳

『Fire ants』Taber S.W. 著

Rhoades et al. (1989) Survey of fatal anaphylactic reactions to imported fire ant stings. J. Allergy Clin. Immunol. 84:159-62.

Prahlow and Barnard (1998) Fatal Anaphylaxis due to fire ant stings. Am J Forensic Med Pathol. 19: 137-142.

Pegula and Kato (2014) Fatal injuries and nonfatal occupational injuries and illnesses involving insects, arachnids, and mites. Beyond the Numbers 3: 1-13.

ヒアリに関するFAQ: 国際社会性昆虫学会日本地区会

Kemp et al. (2000) Expanding habitat of the imported fire ant (Solenopsis invicta): A public health concern. J. Allergy Clin. Immunol. 105:683-691.


【関連記事】


horikawad.hatenadiary.com

【追記】

1. 『ヒアリの生物学』の出版元である海游舎のサイトへのリンクを追加しました。(2017年7月14日)

*1:『ヒアリの生物学』には、年間死亡者が80人いるとする説も紹介している。この部分は、Kemp氏らの論文を引用したものだ。そして、このKemp氏らの論文では上に挙げたRhoades氏らの論文を引用したものだ。上述のように、Rhoades氏らの論文で述べている80人という数は重複したケースを含むものであり、Kemp氏は正確に引用していない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ここまで)

 

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コメント
 
1. 2017年7月28日 10:50:51 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-4924]
2017年7月22日(土)
ヒアリ対策を万全に
畑野議員ら 環境・国交両省聴取

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-22/2017072216_01_1.jpg
(写真)ヒアリ対策について環境、国土交通両省の説明を受ける(左から)岡崎ゆたか衆院南関東比例候補(神奈川ホ区重複)と畑野君枝衆院議員=20日、国会内

 強い毒を持つ外来種のヒアリが神奈川県横浜港本牧ふ頭のコンテナヤードで700個体以上確認された問題で、日本共産党の畑野君枝衆院議員は20日、環境、国土交通両省から調査状況や対策について説明を聴取し、万全の対応を求めました。岡崎ゆたか衆院南関東比例候補(神奈川13区重複)が同席しました。

 「特定外来生物」に指定されているヒアリは、刺されると、やけどのような激しい痛みが生じ、重度の即時型アレルギー反応「アナフィラキシー」を起こし、処置が遅れると死に至ることもあるとされています。18日までに、神戸港、名古屋港、大阪港、東京港、横浜港など全国8カ所で生息が確認されています。

 環境省の呼びかけで3日には財務、厚生労働、農林水産、国交の各省が、11日には総務省消防庁、文部科学省も加えて関係省庁連絡会議を開催してきました。畑野氏らに環境、国交両省は、関係自治体などの協力を得ながら、ヒアリの生息が確認された8カ所では調査や防除などを確認地点周辺2キロメートルまで拡大して実施し、さらに、全国68港湾、29空港で対策を行う予定だと説明しました。

 畑野氏らは、ヒアリが港湾から市街地に定着し、港湾関係者や周辺住民に被害が出ることがないよう、徹底した調査と防除などの対策に万全を期すよう求めました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-22/2017072216_01_1.html


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