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闇が深いオオカミ議論/68頭のみの野生の70%を射殺へ。ノルウェー国会が許可、波紋を広げる
http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/638.html
投稿者 taked4700 日時 2018 年 2 月 25 日 10:10:32: 9XFNe/BiX575U dGFrZWQ0NzAw
 

野生オオカミを保護すべきと思いますが、それよりも、なぜノルウェー国会やノルウェー社会が野生オオカミ射殺を選ぶのかに人間社会の闇、それは現代アメリカにも現代日本にも共通する闇ですが、を見る思いがします。

https://news.yahoo.co.jp/byline/abumiasaki/20160921-00062411/
闇が深いオオカミ議論/68頭のみの野生の70%を射殺へ。ノルウェー国会が許可、波紋を広げる

鐙麻樹 | 北欧ノルウェー在住 ジャーナリスト&写真家
2016/9/21(水) 8:47

ノルウェー国会が下した「野生オオカミ駆除」の決定が、国内外で波紋を広げている。

ノルウェーには、国内で生息する野生オオカミは65〜68頭ほどしかおらず、加えてスウェーデンとの国境を行き来するオオカミは25頭。国会は、国内のみで生息するうちの7割にあたる、47頭の射殺を法的に許可することで合意した。しかし、これは動物の大虐殺だと、環境保護団体などは批判の声をあげている。

Guardian

Norway plans to cull more than two-thirds of its wolf population

オオカミによる死亡者はゼロ、問題はヒツジ
ノルウェーのオオカミにおける議論は、複雑だ。筆者は、最初は、オオカミ議論は、日本でいうクマや、ノルウェー北極圏に住むホッキョクグマにあたるのかと思っていたのだが、どうやら違うようだ。

ノルウェーの野生オオカミは、そもそも人の命を奪う身体的危害を加えたという事例がない。200年以上、ノルウェーでのオオカミによる死亡者はゼロ、人と遭遇することも稀だ。

オオカミの牙によって、命を奪われるのは、ヒツジ。ヒツジを家畜として放牧し、生計を立てている農民の声に押され、政治家たちはオオカミの射殺を許可する。しかし、これには矛盾がある。

2014年の時点では、国内の自然地区で生存するヒツジは195万頭にのぼる(NIBIO研究所調べ)。

ヒツジの数:195万

野生オオカミの数:65〜68

毎年、さまざまな理由で命を落とすヒツジの数は、10万頭とされる。そのうち、オオカミが原因で死ぬヒツジは、1.5〜3%。

牧場の「外」で、放し飼いにされているヒツジ
ノルウェーのヒツジにおいて、ひとつ重要なことが、「自由に放し飼い」されていることだ。牧場内で放し飼いされているのではなく、牧場の外で、放し飼いにされている。これは、他国とノルウェーとで、大きく異なる点だ。農家は、ヒツジをそこまで見張り、管理することはない。つまり、人間の目が行き届かないところで、ヒツジが岩などに上って、海に落ちて死亡したりもする。自由に歩き回っているのだから、オオカミやほかの動物に遭遇することもあるだろう。しかし、国会の判断は、動物・人間の共存の模索や、農家のヒツジの管理責任の追及ではなく、オオカミの射殺となる。かわいそうな、ヒツジと飼い主。「罪深き侵入者」は、オオカミなのだ。

オオカミに対する、「怖い」という先入観
ノルウェーでは、そもそも「野生オオカミ」に対して誤解が多く、「恐怖心」が植え付けられている人が多い。また、石油採掘前は、農業が中心だったノルウェーでは、「農家」は特別なステイタスをもつ。

「オオカミを守ろう」という声が目立ちがちな「都市」と、「駆除すべき」という農家派が増える「地方」でも、両者の距離は大きい。

学校でも、先生が避けたいテーマ
数日前、筆者が別の取材で、複数の中学校の先生方と話していたとき、物議を醸しやすい、生徒と話しにくいテーマについて教えてもらった。ノルウェーで起きた連続殺人テロなどに並んで、「野生オオカミ」がでたのだ。それほど、意見が割れやすい繊細な話題なのだ。

WWF代表イェンセン氏は「大虐殺」と非難Photo:WWF-Norway
ノルウェーでは、右翼・左翼に関係なく、大政党を中心に、主要の政党は、「オオカミ射殺派」だ。保護派は、自由党(右寄り)、緑の環境党、左派社会党(左寄り)という、環境政策を得意とする小政党のみ。

しかし、そもそも、ヒツジが死ぬ最大要因はオオカミではない。なぜ、人間と遭遇率がより高いヘラジカや、人を殺した事例があるホッキョクグマは、同じように危険視されないのだろうか?

否定的なイメージが強いオオカミ
環境保全団体WWFノルウェーのスヴェッレ・ルンデモ氏が、メールで回答してくれた。ノルウェーでは、野生オオカミは保護動物として1971年に指定され、以前は15〜35頭と、その数はわずかだったとする。

「ノルウェーでは、野生オオカミは長年、異端視されており、先入観が先行し、否定的にみられています。オオカミは人間が近づくと、すぐさま姿を消すため、人間に与える危害の確率は非常に低いのです。人は殺されたことがなく、ヘラジカと遭遇する確率のほうが高い。ほかの野生動物のほうが、ヒツジを殺しています。しかし、オオカミがヒツジを狩る時は、一度に大量のヒツジを襲います。それは大人のオオカミではなく、まだ若い、経験が少ないオオカミばかりです」。

「オオカミが、人々に好かれ、同時に憎まれる理由には、昔からの言い伝えや神話が影響しています。人間の狩猟対象である、ヘラジカなどを狩るため、人間の“競争相手”とみられやすい」

都市と地方、社会対立のシンボル
「オオカミは、社会的な抑圧からうまれた、ある種の否定的なシンボルともなっています。オオカミが地方にいるのは、“大都市の人々がそう決めたせいだ”からだと。“オオカミとの闘い=地方が大都市に対する、資源・産業・人間をかけた闘い”という構図をうんでしまいました」。農家は、ヒツジがオオカミに殺された場合、被害額が政府から支払われる。

ホッキョクグマは保護、オオカミは駆除?
「ノルウェーのスヴァールバル諸島には、ホッキョクグマがいますが、これは狩猟対象として政府に認められていません。オオカミとは反対に、人間にとって危険にもかかわらず。それでも、多くの人々が、安全な距離感を保って、ホッキョクグマを体験しようと、この地域を訪れます」。

「趣味で」狩猟を楽しむ文化
また、政府から狩猟許可が出た場合、狩人たちの間にある「独特なカルチャー」にも、別の問題が潜む。狩猟の風習が色濃く残るノルウェーで、「オオカミはステイタスが高い」狩り対象だと、筆者が話をしたノルウェーの人々は口を揃えた。「農民の生活を守るためとかではなくて、ただ、クールだから狩るのだろう」と。

現地報道のイメージ
ノルウェーで8年間生活しているが、これまで、「オオカミが○匹のヒツジを殺した」という報道を何度か目にした。大きな見出しと、赤い血に染まったヒツジの死体の写真で飾って。ノルウェーの人々は、人生で遭遇することがほぼないオオカミに対して、こうして否定的なイメージを育てていく。ヒツジやオオカミの生息数の比較、ヒツジが死ぬ他の原因などは議論されることなく。ヒツジがほかの動物に殺害されても、それは同じように大きなニュースとはならない。

「オオカミを守ろう」という、都市の人々が言いがちだとされる動物愛護精神、人間と動物の共存という議論だけでは、おさまりきらない。特別な、大事な「農民」、地方と都市の政治論争のシンボルのひとつ、ということを考えると、なぜノルウェーで、野生オオカミ議論が特殊なのかが、少し理解できてくる。ノルウェーでは、「農民」(ボンデル=農民)という言葉は、確かに強い影響力を持っているのだ。

しかし、68頭しかいない47頭を射殺して、はたしてヒツジの数や農民の生活に大きな影響がでるのだろうか。家畜が一匹も死なない世界を目指しているのだろうか。そのためには、野生動物は死んでもいいのか。

この議論の根元にあるのは、動物の数よりも、「人間」そのものだ。ヒツジの命の大切さが議論されているわけでもない。根付いているのは、人間の欲や思い込み、意地ではないだろうか。その絡まりあった紐を、1本ずつほどいていく作業が、今や困難な状況になっているのかもしれない。

環境推進派よりも、農民のほうが、この国では歴史が長い。動物は、有権者ではない。政治家が、農業や労働市場の活性化を優先するのは、当たり前なのかもしれない?

長い年月をかけて、積もり積もったのであろう、ノルウェーの野生オオカミ議論。ここ数日時間、筆者は周りの友人たちにも意見を聞いていたのだが、農民側に立つか・立たないかという視点で話す人が多かった。多くが「これ、難しい問題なんだよ」とつぶやく。

オオカミを射殺してしまったほうが、一部の人にとっては、もう楽なのかもしれない。だが、その先の未来に、野生動物はいるのだろうか。

※写真は、WWFノルウェー帰属。野生オオカミは人に近づかず、撮影が難しいため、ノルウェーにあるLangedrag Naturparkで撮影されたもの

鐙麻樹
北欧ノルウェー在住 ジャーナリスト&写真家
オスロ在住ジャーナリスト、フォトグラファー。上智大学フランス語学科08年卒業。オスロ大学でメディア学学士号、同大学大学院でメディア学修士号取得(副専攻:ジェンダー平等学)。ノルウェーの政治、社会、教育、若者の政治参加、観光、文化、暮らしなどの情報を幅広く寄稿。オーストラリア、フランスに滞在歴あり。外国語能力:英語、フランス語、ノルウェー語、デンマーク語、スウェーデン語。2015年に産業革命の推進などを支援するイノベーション・ノルウェーより「ノルウェーを突出した方法で日本に広めた優秀な大使」として表彰される。『ことりっぷ海外版 北欧』オスロ担当、「地球の歩き方 オスロ特派員ブログ」でも連載中  

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コメント
 
1. 2018年3月02日 18:57:28 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[4818]

>68頭のみの野生の70%を射殺へ。ノルウェー国会が許可

これは少し驚きだ


>ノルウェーでは、野生オオカミは長年、異端視されており、先入観が先行し、否定的にみられています
>ルウェー社会が野生オオカミ射殺を選ぶのかに人間社会の闇、それは現代アメリカにも現代日本にも共通する闇

確かにね

ノルウェー人は、もう少し、マトモだと思っていたが、やはりヒトというのは、この程度か

日本以上に格差拡大が進行しているスウェーデンもそうだが

日本人は北欧を理想化し過ぎている面があるから、学ぶべき面と、そうでない面に注意が必要だな


2. 2018年3月05日 23:20:11 : NacmDI1h1Q : D22tDjt5l8A[2]
>日本人は北欧を理想化し過ぎている面がある

それは君じゃないかw


3. 2018年3月13日 21:08:16 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[4876]

>>02

無知だな

北欧を目標に〜といった話は日本には満ちているのだよ



4. 2020年11月05日 00:03:13 : ohg67BmbTw : ZnouWmI3cE1BblE=[27] 報告
人間同士ですら殺し合いになるくらいだし食用に使わない獣や虫けらは早めに殺しておいたほうが楽そうだよな

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