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大阪都構想は、マジで洒落にならん話(1) 〜賛成する学者なんて誰もいない編〜 文/京都大学大学院教授 藤井聡
http://www.asyura2.com/15/senkyo184/msg/764.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 5 月 14 日 09:40:05: igsppGRN/E9PQ
 

大阪都構想は、マジで洒落にならん話(1) 〜賛成する学者なんて誰もいない編〜文/京都大学大学院教授 藤井聡
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43312
2015年05月14日 現代ビジネス


ふじい・さとし 京都大学大学院教授、同大学レジリエンス研究ユニット長。1968年生。京都大学卒業後、イエテボリ大学心理学科客員研究員、同大学助教授等を経て現職。専門は公共政策論、国土・都市計画論.著書は「大阪都構想が日本を破壊する」「凡庸という悪魔〜21世紀の全体主義」等多数。


■「一発逆転!」への淡い期待が、都構想を支えている

大阪は「おもろい事」を大切にする街だ。それは極めて味わい深い深遠なる文化だ。どんなつらいことがあっても、悪い奴がいても、そこに笑いがあれば「救い」がある。未来への希望が開ける。だから大阪の笑いの文化は、だれにもまねのできない誇り高き貴重な日本の資産だ。

だからあらゆる所で「おもろい事」が重視されてきた。東京もんからは「お笑い百万票」などと揶揄されても、知事や市長も「おもろさ」を重視しながら選んできた。ノック知事にはじまり橋下市長に至る系譜は、まさにその流れだ。そして今回の「大阪都構想」もまた確実にその流れをくむものだ。「都構想、なんや分からんけど、おもろいやんけ」という次第だ。

しかし今回ばかりは「おもろいやんけ」では済まされない。なぜなら、都構想が実現すれば大阪の疲弊は決定的になり、「とどめ」が刺されてしまうからだ。

つまり、大阪都構想だけは「マジで、洒落にならん」話なのだ。

とはいえ、それがどれだけ「洒落にならん話」なのかを冷静に認識している大阪人は限られている。過去の世論調査が繰り返し示唆しているように、多くの大阪市民にしてみれば「都構想」など「得体のしれないもの」に過ぎないのだ。

にも拘わらず今のところ、反対の声に伍するほどの賛成の声があるのが実態だ。

何とも不思議な話ともいえるが、それには理由がある。それは、大阪には今、「ここ最近疲弊し続けている大阪をよみがえらせるには、何か一発、思い切ったことが必要だ」という気分が蔓延しているからなのだ。

そして、その気分に応えるように、「おもろい市長・橋下さん」から提案されたものが今回の「都構想」だというわけだ。

しかし繰り返すが、そして『現代ビジネス』でも繰り返し論じてきた様に都構想で大阪が豊かになるということは万に一つもない。むしろ大阪は決定的にダメになる。だから、今回だけは、文字通りの「洒落にならん話」なのだ。http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42509

本稿ではその理由を改めて行政学、財政学、政治学、経済学、社会学、都市計画、防災学といった実に様々な分野の106名の学者の言説(こちらhttp://satoshi-fujii.com/scholarviews/をご参照いただきたい)を引用しながら改めて解説するものだ。

ただしその前に、どうしても一つだけ指摘しておきたいことがある。

それは、「なぜ」、賛成する学者が、存在しているのか、という点である。

■「都構想」賛成の学者なんて、ホントはいない。

もしも一人の例外も無く全ての専門家が完璧な「ダメだし」をしてるのなら、多くの大阪市民達も、都構想が大阪を救ってくれるだろう、という薄淡い期待を持つこともなかったに違いない。

しかし「不幸」な事に、都構想さえやれば未来が開けるかのような淡い期待に対して、「大丈夫、それで正解ですよ」と甘く語りかける学者達がいたのだ。本誌にも寄稿している佐々木信夫教授、高橋洋一教授、そして、他誌で精力的に都構想賛成論を展開している上山信一教授の三人だ。この三人がいたからこそ、多くの市民が「得体の知れない都構想」を支持してもいいかも、という気分が正当化されたのである。

しかし、彼らは皆「大阪市特別顧問」であることをご存じだろうか(ただし佐々木氏は、本年3月末日まで)。いわば彼らは、自分が提案した「都構想」という作品を、世間に宣伝しているのではないかと疑われても仕方ない立場にあるわけだ。

しかも、彼らの内の佐々木氏と上山氏は、顧問就任する「前」に「都構想」を批判していたのだ。

上山氏は、「図書館が府と市で二つあって無駄だとか…けち臭い話…。稼働率が高けりゃ置いとけばいいし、改善が進んでいる(府も市もあほじゃない)。」とツイートしている(2011年10月26日)。つまり、今、大阪市民が都構想に賛成する最大の論拠としている「二重行政」論を「けち臭い」とまでこきおろしたわけだ。

さらには同じく都構想を賛成する重要理由である「大阪市は無能だ論」に対して「市もあほじゃない」という形で、最大級の非難を差し向けている。これではまるで「反対派の急先鋒」だ。

そして佐々木氏に至っては、同じく顧問就任前に「都になれば成長するわけではない。東京が繁栄しているのは企業の本社機能が集まっているためで、都制という自治制度とは関係ない」とまで言い放っている(日経2011年12月11日)。

つまり、今、橋下氏がTVコマーシャルで喧伝しまくっている「都構想で大阪を豊かにする」というメッセージに対して強烈な冷や水を浴びせかけていたわけだ。さらには、同じインタビューで、都構想を成立するため(の財源捻出のため)には「現在の大阪市の行政サービスの水準を下げ」ざるを得ないとまで述べている。

これもまた、「反対派の急先鋒」とまでメディアで紹介される筆者が本誌で論じた論調そのものだ(なお、高橋氏の都構想の賛成論については、以前、当方BS11のニュース番組で1時間弱、一対一の討論をしたのだが、その際に彼の都構想を支持する各論点を批判しておいたのでここでは割愛したい。ご関心の方はネット動画等検索の上ご確認いただきたい)。

つまり特殊な立場である顧問を対象から除外するなら、都構想に熱烈な賛同を示している都構想に関する分野の学者なんて一人もいないのである(もしおられるなら是非教えていただきたい)。何と言っても佐々木氏や上山氏ですら、顧問就任以前には都構想に賛成どころか強烈な批判を差し向けていたのだから。

■「都構想」など学術界では論外中の論外な「粗悪品」

では、それ以外の学者たちは、この都構想に対して何と言っているのかといえば、圧倒的に批判的だ。

例えば筆者は4月27日、「大阪都構想」の危険性・リスクについての所見をお持ちの学者の方々を、立命館大学の森教授(財政学)と連名でインターネット等を通して広く公募したところ、わずか一週間で「128名」もの数多くの学者達からの返答があった。そして、106通もの「都構想の危険性についての寄稿文」(全文はこちらhttp://satoshi-fujii.com/scholarviews/を、概要版はこちらhttp://satoshi-fujii.com/scholarviews2/を参照されたい)をいただいた。

これだけの学者が一時に警鐘を鳴らしているわけだから、学術界における都構想に対する危機感は半端なものではないわけだ。

ここではそれらの中から、これまで原稿等(たとえば、こちらhttp://diamond.jp/articles/-/71331)で紹介しなかった声を紹介することとしたい。ただし次の一言だけは、繰り返しここでも引用しておきたいと思う。

「大阪都って言うのは本来これだけ注目されますと学会等でも取り上げられるかと思いますけれども、学会では全くですね、荒唐無稽過ぎて取り上げるに値しない。そういう代物だと言うことを是非、ご理解いただきたいと思います」(鶴田廣巳・関西大学教授・財政学)

つまり、地方政府についてまじめに研究を重ねてきた専門家集団の間では、都構想など鼻で笑われるような「粗悪品」(堀雅晴教授・立命館大学・行政学)にしか過ぎないのである。

なぜ「粗悪品」なのか――その理由を、寄せられた106名の学者達の言葉を借りながら解説していこう。

そもそも、「都構想」で実現する「特別区」なるものは、「縮小された権限と財源の下で、特別区は団体自治も住民自治も発揮することができず、特別区間での財政調整をめぐる争いと、住民間での負担増または歳出減の押し付け合いに終始する」存在だ(梅原英治・大阪経済大学教授・財政学)。

橋下維新は特別区は「中核市並み」の自治体だと説明しているが、そんなのは言語道断な単なるデマだ。おおよそまちづくりの権限も財源もない中核市が一体どこにあると言うのか。

例えば憲法学者の今井良幸氏(中京大学・准教授)によれば、特別区なるものは「憲法上の地方公共団体とは解されて」いないのであり、地方自治論の池上洋通氏(千葉大学・元非常勤講師)によれば、その存在は「憲法の『法の下の平等』原則に反する疑い」があるとすら指摘されており、「なぜ『都』になりたいのか、全く理解できない」とまで言われている。

貧弱な自治体、それが「特別区」というものなのだから、その中で暮らす人々の生活水準もまたあらゆる側面で劣化していくことは必定だ。つまり都構想は「市民の暮らしを損なう」(早川和男・神戸大学名誉教授・環境都市計画)ものなのである。

例えば、「地域医療が後退する」(藤井えりの・岐阜経済大学専任講師・地方財政学)ばかりでなく、高齢者たちは「高齢化社会で求められる介護、医療、福祉を統合した『地域包括ケア』からは遠ざか」(澤井 勝・奈良女子大学名誉教授・財政学)ることになる。

そして、「安全、医療、福祉、生活環境の水準は低下し、公営住宅入居も一層困難」(早川和男・神戸大学名誉教授・環境都市計画)となるのみならず、「学校の条件整備はより劣化し貧弱になっていくことは明確」だとも指摘されている。つまり、大阪は「『住みづらさ』が蔓延する失望の都市に変わってしまう」(保母武彦・島根大学名誉教授・財政学/地方財政学)ほか無いのである。

■「都構想」は実務の世界で鼻で笑われている

ただし「都構想」にダメだししているのは学者だけではない。しばしば、橋下市長が「学者」とは対局に位置すると言ってはばからない「実務」に長年携わってきた専門家達もまた「都構想」にダメ出しをしている。

例えば、『都構想の罠』という書籍の中で、長年東京の都区制度を報道し続けた記者たちがまとめた専門記者たちは次のように発言している。

「都区制度の下にある特別区は......半人前の自治体です」
「東京都庁や二十三区の職員や議員には、こうした大阪の動きを冷ややかに見ている人が少なからずいます。二〇〇〇年の都区制度改革やその前後の動きに関わったことのある人なら、この不合理な統治機構が いかに胡散臭いものかをよく知っているはずです」

これらの発言は、完全に先に紹介した学者達の認識と一致している。当たり前の話だ。学者であろうが実務家であろうが、真面目に真実に向き合えば、言うことが同じになるわけだ。

そして極めつけは、次の発言だ。

「十八年間、東京の都区制度を取材し続けてきた一人として、大阪で都区制度を導入しようとする試みは、滑稽でしかなかった」

つまり、欠陥品に過ぎない「都区制度」を健気に取り入れようとする議論を繰り返す大阪の人たちは、都区制度のプロ達から嘲笑され、鼻で笑われ続けてきたわけだ。

あるいは先に紹介した佐々木氏は長い間東京都の職員として勤め上げた人物だが、彼もまたその経験も踏まえつつ、次のように発言している。

「この際、「東京市」の復活も構想すべきではないか。」(『東京都政』岩波新書・佐々木信夫著 P208)

つまり都区制度なんて一刻も早く終わらせるべき馬鹿馬鹿しいシステムなのだ、と橋下市長の信頼あつき佐々木元顧問もおっしゃっていた訳なのである。

■大阪にとどめを指す『都構想』

以上いかがだろうか。一部の「顧問」の学者達は都構想にはバラ色の未来が待っているかのように喧伝しているが、顧問以外の学者でそんな戯れ言を口にする者は少なくとも筆者が知る限りいない。一般的な学者が指摘しているのは、都構想で実現する特別区は「粗悪品」に過ぎず、医療、教育、福祉といったあらゆる側面で市民サービスは劣化していくという未来なのだ。

だから都構想は、昨今低下してきたと言われている大阪市民の生活レベルの低下に最後の「とどめ」を刺すことになってしまう。そもそも大阪市という自治体があるからこそ、その生活の苦しさは現状程度の水準で収まっているのである。地方都市に行けばもっと疲弊していることなど、奈良や和歌山に行けばすぐに分かるではないか。

だからもうそろそろふわっとした空気やノリだけで政治を進めることは、やめなければならない。今回ばかりは「おもろいやんけ」では済まされない「洒落にならん話」なのだ。

しかし、都構想が「洒落にならん」理由は、以上に述べたことだけが理由では無い。それは大阪という街と社会、そして、文化と伝統そのものをダメにしていくのだ。

そのあたりについては、都構想に警鐘を鳴らす108名の学者の声(http://satoshi-fujii.com/scholarviews/)をさらに読み解きながら、この続編でお話しすることとしよう。


 

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