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派遣自衛隊のリアル見よ 安保法案審議にモノ申す(Wedge)
http://www.asyura2.com/15/senkyo188/msg/696.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2015 年 7 月 16 日 13:34:27: AtMSjtXKW4rJY
 

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150716-00010000-wedge-int
Wedge 7月16日(木)12時10分配信


 「説明不足」とか「わかりにくい」といった国民世論に加え、自民党推薦の憲法学者が「法案は違憲」と指摘するなど、集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案の国会審議は迷走を続けている。

 政府・与党は、国会の会期を95日間延長することで、法案の確実な成立を目指しているが、これまでのような説明を続ける限り、国民の理解が得られるとは思えない。国会審議を聞いていても、活動の現場や法案の主人公である自衛官の姿が見えないからだ。

■法設備の欠如で高まるリスク

 国会審議は冒頭、法案に反対する野党から、法整備によって自衛隊の活動範囲が広がり、「自衛官のリスク」が高まると指摘された。これに対し中谷防衛相は「自衛隊は厳しい訓練を重ね、リスクを極小化してきた」などと答弁するにとどまっている。災害派遣でも危険な状況に直面することがあるように、活動の幅が広がれば自衛官が死傷するリスクが高まるのは当然だろう。

 しかし、政府がなすべきは、法律がないために、現場で活動する自衛官たちが、何度も危険な状況に直面してきた事実を明らかにすることだ。

 その一つは、自衛隊が初めて国連平和維持活動(PKO)に派遣されたカンボジアでの出来事だ。1993年4〜5月、民主化へのプロセスとなる総選挙が近づくにつれ、ポル・ポト派による選挙妨害が相次ぎ、日本人の国連ボランティアが殺害されたのに続き、岡山県警から派遣された文民警察官もゲリラに襲撃され死亡した。

 こうした緊迫した状況の中、日本からボランティアとして派遣されている41人の選挙監視員をどうやって守るのか─が、当時の政府の最大の懸案となった。開会中の国会では、「現地の自衛隊に守らせろ」という無責任な意見が大勢となっていた。

 なぜ無責任かと言えば、当時も今も、PKO協力法に基づく自衛隊の活動に、現地の日本人や一緒に活動する他国軍の兵士を守るという「警護」の任務は与えられていないからだ。警護は武器の使用が前提であり、憲法で禁じた武力の行使に発展するおそれがあるという判断だ。にもかかわらず、選挙監視員が犠牲となる事態を恐れた政府は、当時の防衛庁に対し、ひそかに警護手段を考えるよう要請していた。

 そもそも自分の身を守る場合(正当防衛)にしか武器の使用が認められていない隊員たちが、どうやって選挙監視員を守ることができるのか。防衛庁と陸上自衛隊が出した答えは、およそ軍事常識では考えられない『人間の盾』という作戦だった。

 本来、選挙監視員が武装ゲリラに襲撃されれば、自衛隊はその場に駆けつけ、ゲリラと交戦して監視員を救出する。ところが、そうした武器使用が認められていない隊員たちに求めたのは、自ら進んで襲撃するゲリラの前に立ちはだかり、ゲリラの標的になることで正当防衛を理由にゲリラを掃討する、つまり、隊員たちに「選挙監視員たちの盾になれ」という作戦だった。銃撃戦は必至との判断で、部隊では精鋭のレンジャー隊員ら34人をリストアップ、指名された隊員たちの多くは、妻や子、親兄弟に宛てた遺書を書き残し、“その時”に備えていたという。

 幸い、彼らが人間の盾になるような悲劇は起こらなかった。だが、94年11月には、ルワンダ難民の救援活動に派遣されていた自衛隊が、武装難民に襲われ、車両を奪われた日本の医療NGOのスタッフを救出したほか、2002年12月には、東ティモールの首都ディリで暴動が発生。緊急出動した現地の自衛隊は、孤立した国連事務所の職員ら、日本人を含む7カ国41人の民間人を救出し、自衛隊の宿営地に収容するなど、「駆けつけ警護」は海外に派遣された自衛隊がこれまで何度も直面してきた問題だ。

 今回の安保関連法案では、PKO協力法を見直し、一緒に活動する外国部隊の兵士やボランティアなどの民間人を助ける駆けつけ警護が任務として加わり、その任務への妨害を排除するための武器使用が認められている。

 自衛隊の活動は大きく広がるが、こうした国際協力活動の現場を知れば、法律が整備されることによって、自衛官に人間の盾などという人権を無視した作戦を強いることもなく、リスクを下げることにもつながることが理解できるはずだ。決して、野党が指摘するような「活動範囲が広がればリスクが高まる」といった単純な話ではないことに気づくだろう。

■シーレーン防衛は恩恵に浴す国の債務

 一方、国民の理解が得られていない最大の焦点は、政府が集団的自衛権を行使する事例として説明してきた中東・ホルムズ海峡で機雷を除去するケースだ。しかし、これは丁寧に説明しなければ理解を得ることは難しい。

 前提として、この問題は00年代末に核開発をめぐって米欧と激しく対立するイランが、機雷を敷設して海峡を封鎖するおそれから浮上した議論だ。その後、イランは政権が代わり、米欧とも歩み寄りはじめており、現在、イランがペルシャ湾に機雷を敷設するような危機は遠のいたと言っていい。

 だが、過激派組織「イスラム国(IS)」に象徴されるように、世界は今、かつてないほど激しく動揺し、テロなど邪悪な犯罪も横行している。混沌としはじめた国際秩序の中では、海上交通路(シーレーン)の安全を脅かすいかなる事態がいつ起きても不思議ではない。

 その証拠に、ペルシャ湾やインド洋では、12年から毎年、30を超す国々の海軍が国際掃海訓練に参加し続けている。各国にとって、シーレーンの安全が何より重要だからだ。訓練内容も、機雷除去はもとより、小型船を使った自爆テロなど幅広い危機も取り上げられるようになり、しかも、訓練を主導しているのは、米英海軍と海上自衛隊だ。その日本が、危機になったとき、集団的自衛権が行使できないことを理由に、われ先にと国際協力という連携の輪から離脱するのだろうか。

 湾岸戦争(91年)で日本は、国際社会から「カネしか出さない」「一国平和主義」などと非難され、政府は海上自衛隊の掃海部隊をペルシャ湾に派遣した。自衛隊初の国際貢献活動だったが、部隊の到着を一番喜んだのは、アラブ首長国連邦のドバイやバーレーンなど中東の地で暮らす日本人だった。

 ドバイには金融機関や商社など日本の大手企業約70社、約500人の日本人が駐在していたが、湾岸戦争がはじまって以来、各国が次々と戦闘部隊や医療部隊を派遣してきたにもかかわらず、日本は「何もしない国」という不名誉なレッテルを貼られ、現地での商談は激減し、ビジネスマンだけでなく、その家族らも肩身の狭い思いをして暮らしていたからだ。

 重量ベースで輸出入の99%以上を海上輸送に依存する日本にとって、中東からインド洋を経て日本に至るシーレーンの安全は、生存のために死活的に重要だ。この事実に異を唱える人は少ないだろう。ならばこの先、機雷やテロ、紛争などによってシーレーンの安全が脅かされる事態に直面したとき、多くの国々と連携して危機に立ち向かうのは、その恩恵に浴している国の責務ではないのか。

 これまで憲法などの制約によって、安全保障をめぐる問題では常に、「日本に何ができるか」ばかりを議論してきたが、本来は「日本は何をすべきか」を考えなければならないはずだ。ホルムズ海峡における機雷掃海などシーレーンの安全を維持する活動は、集団的自衛権の行使とは少し次元の違う問題だと思うが、新たな議論の出発点とすべきテーマではないだろうか。

■法案は日本の安全高める手段

 国会審議を通じて、こうした具体的な事例や現場の状況が伝えられれば、「説明不足」とか「わかりにくい」といった批判は、少しは解消されるのではないか。ただし、今回の安保関連法案審議が迷走する最大の理由は、日本の平和と安全にとって最も優先順位の高い武力攻撃に至らない侵害、いわゆるグレーゾーン事態への対処が抜け落ちてしまったからだ。

 中国を刺激するなといった圧力や、警察と自衛隊の権限争いなどがその背景として取り沙汰されている。しかし、そもそも国民の多くが、総選挙を通じて安倍政権が進める安全保障の法整備を支持し、その必要性を痛感したのは、中国が尖閣諸島の領有権をめぐって挑発を繰り返し、東シナ海上空に防空識別圏を設定、海上自衛隊の護衛艦に射撃管制レーダーを照射するなど危機をエスカレートさせているからだ。

 軍事衝突につながりかねない事態であり、日本は今、世界で最も厳しい安全保障環境に置かれているといっても過言ではない。国民にすれば、目の前の課題を議論しない国会審議を聞いていても、実感がわかないというのが本音だろう。

 とはいえ、審議中の安保関連法案の優先順位が低いかと言えば、決してそうではない。日本の平和と安全を高める手段として、極めて限定的であっても、万が一の危機に直面した際に、集団的自衛権を行使することができれば、アジア太平洋地域で圧倒的な抑止機能を果たしている米国との連携は今まで以上に強化され、中国や北朝鮮が軍事的な手段を用いて日本を挑発しようとするハードルが高くなることは間違いない。

 例えば、朝鮮半島有事で北朝鮮が弾道ミサイルを発射する場合など日本有事に直結しかねない事態において、地域の平和と安定のために汗を流す米軍をしっかりとサポートすることは、日本にとって当然だろう。さらに、他国軍に対する補給などの後方支援活動や、PKOなどの国際協力活動において駆けつけ警護が可能になれば、これまでにも増して日本がグローバルな安全保障にも貢献し、国際社会からより強固な信頼と支持が得られるだろう。

 安保関連法案は満足できる内容ではないが、成立させることが重要だ。国会審議の先には、グレーゾーン事態への対処や自衛官の身分など、まだまだ見直すべき課題は山のようにある。

勝股秀通 (日本大学総合科学研究所教授)  

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コメント
 
1. 日高見連邦共和国 2015年7月16日 13:40:06 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk

この国会で『充分に審議が尽くされている』と言う奴の顔を見てみたい!

だいたい、“安全保障関連法案”の全文、読んじゃいねーだろ?一般の国民は。

でも恥じることは無い。与党自公の“ほぼ全ての議員”が、そーだから・・・

こんな連中を国会に送り出し、こんな政権を出現させたことを、心から恥じるよ。

わたしゃ、20年以上、自民党にも共産党にも維新にも“一票”を入れたことはないが、
“連帯責任”から逃げるつもりは無い。ああ、だからこそ、この政権を一刻も早く打倒せねばならぬっ!!


2. 2015年7月16日 14:09:36 : f4EvO13rII
今回の集団的自衛権の件とどう関係あるのか不明だが、
主張してることはまともでごもっともだな。
軍隊を出すべきPKFで日本からは警察官派遣してしかも武器も携行せずにぶっ殺されるとか、
アフガンで日本からNGOボランティアが前線近くまで行ってるのに、それに対して
自衛隊は危険なところにには行かせられないと言い訳し、アフガンの地上部隊派遣要請も
前線からはるか後方の補給支援でお茶を濁すとか。
他国からみて何のために自衛隊がいるのか?と存在意義を継続して問われてる気がする。

けれどももう一度いうが、今回の今回の集団的自衛権の件とどう関係あるのか不明だ。
それとJR東海が発行してるWedgeは原発超推進側だから、読みたくもないけれども。


3. 2015年7月16日 14:25:56 : f4EvO13rII
今回の法案の実質は、このWedgeでの識者が語る通り
「現在、ただの迷彩服着た公務員化してる自衛隊員諸君に、法律で定められた
特権で腰に武器をぶら下げた『扶持』通りに働け!と尻を叩くため」とするならば、
安倍の説明はまったくトンチンカンでタカ派イメージを損ねたくないのか
色々盛りすぎで、あまりにもへたくそすぎるな(笑)

この識者に語らせたほうがうまくいくのだろう。
現状の限定されすぎた自衛隊の海外PKO活動は>2の他にも
イラク戦争でのオランダ軍が親代わりでいないと、ろくに活動できないとか
いろいろ矛盾がありすぎるのは確かなんだから。


4. 2015年7月16日 15:11:34 : gf4gGIfLFY
シーレーンを防衛するといとも簡単に言っているが今の自衛隊の能力でシーレーンの安全確保などできない相談だ。
海自の一番の作戦目的は有事の際に日本救援のために米国から駆けつける空母機動部隊(特に攻撃能力がある空母)を守ること。
その目的が対潜対空能力を向上することでヘリ搭載護衛艦と対空防衛のかkなめとなるイージス艦の配備。そしてP3からP1の対潜哨戒機の密度の濃い配備。
シーレーン航行中の船舶にとって護衛艦部隊の周辺海域だけが安全地帯でそれ以外はいつどこで攻撃を受けるかわからない

5. 2015年7月16日 15:15:04 : gf4gGIfLFY
必要なら憲法を改正して安保法案を創ればよい。
憲法を遵守するという立憲主義という法治国家として一番大切な点が疎かにされている。内容はともかく、違憲法案だから反対している

6. 2015年7月16日 15:21:07 : QV65D8ENc2
中国のいわゆる「海洋侵出」も、結局のところ
「シーレーンなわけで」 自分と自分の親玉のシーレーンは
安全を高め、中国のは脅威としている時点で
薄っぺらいものであることがわかる

7. 2015年7月16日 16:08:01 : 1LqIGVSvNs
5さんに同意。
丁寧に改憲論議を行う必要がある。
いまのままでは、制御の聞かない戦争が、定見を持たないまま実施されるということが危険なのである。
軍隊は必要だが、きちんと改憲して法改正すべきである。
個々の自衛官の安全のためにはジュネーブ協定およびハーグ陸戦協定を批准する必要がある。
(ConstituitionをProstitutionにしてはならない。Prostitutionは売春取締法で取り締まればよいが、戦争法はConstitutionを遵守しなければならない。)
それから、嘉手納や横田、厚木、福生、三沢は返還運動につなげなければならない。
横須賀は、浜岡核発電所に対する質草だから、浜岡核発電所を廃炉にすることがまず先で、その後、返してもらおう。岩国だけは残しておいていいんじゃんない。また長州が悪させんように。

8. 2015年7月16日 16:10:18 : 1LqIGVSvNs
防衛軍をサルの脳味噌やサメの脳味噌のおもちゃにさせてはいけない。

9. 2015年7月16日 21:14:37 : lGgpDjZSGY
よくある言葉 ていねいな説明で理解を得る。

こんな阿呆な言葉はない。
説明が説明になっていない。理解するも何も言っている者が理解していないし内容が支離滅裂なのだから理解できるはずがない。いつまでこんなバカな言葉を使っているのだ。1足す1が3だか4だと説明されても理解できるわけがない。

聞けば聞くほど説明している人間に信用がなくなる。


10. 2015年7月17日 14:40:30 : 7p6MJEl8gw
>中国が(中略)海上自衛隊の護衛艦に射撃管制レーダーを照射するなど

これにはこういう指摘もある。
泥憲和氏の著作を紹介しているブログだが
http://blog.goo.ne.jp/shirakabatakesen/e/facd5cafeed1e6697f0dce76d882c356

(以下引用)昨年、中国海軍が海上自衛隊の護衛艦に向けて射撃管制用レーダーを照射した。
  これは極めて危険な行為。次は実弾の可能性大だから。
  が、その前に、安倍首相は次の指示を出していた。
  「28km離れて監視していたこれまでのやり方を変え、中国船に3kmまで接近せよ.」と。
  3kmまで接近された中国海軍。緊張関係にある軍艦の最接近を目の前にパニック状態?
  きわめて不快なことをされた対抗として射撃管制用レーダーを照射。
  これが実態。さあ、一体どっちが挑発したのだ?(引用終わり)

中国脅威論を振りかざす人がいるが、なぜそれほど中国を毛嫌いするのだろうか。
中国人とアメリカ人を比較すると
民族ルーツ的にも文化的にも中国人の方が日本人にとっては馴染み深いもののはずなのに。
義に厚いのも中国人のほうだと思う。

それと些細なことかもしれないが
>■シーレーン防衛は恩恵に浴す国の債務
とあるが
これは「債務」ではなく「責務」の間違いでは。
一応は大企業が発行している雑誌であるならばしっかり校正はして欲しいものだ。


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