★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK188 > 896.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
検察控訴趣意書と東芝不適切会計に共通する「偽装の構図」(郷原信郎が斬る)
http://www.asyura2.com/15/senkyo188/msg/896.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 7 月 19 日 20:50:05: igsppGRN/E9PQ
 

検察控訴趣意書と東芝不適切会計に共通する「偽装の構図」
https://nobuogohara.wordpress.com/2015/07/17/%e3%80%80%e6%a4%9c%e5%af%9f%e6%8e%a7%e8%a8%b4%e8%b6%a3%e6%84%8f%e6%9b%b8%e3%81%a8%e6%9d%b1%e8%8a%9d%e4%b8%8d%e9%81%a9%e5%88%87%e4%bc%9a%e8%a8%88%e3%81%ab%e5%85%b1%e9%80%9a%e3%81%99%e3%82%8b%e3%80%8c/
2015年7月17日 郷原信郎が斬る


今年3月5日に名古屋地方裁判所で言い渡された藤井浩人美濃加茂市長に対する無罪判決に対して、不当な控訴を行った検察が(【組織の面子にこだわり「検察史上最悪の判断」を行った大野恒太郎検事総長】http://u111u.info/mC9F)出してきた控訴趣意書に対する答弁書を、7月15日に名古屋高等裁判所に提出した。

6月18日に提出された検察の控訴趣意書は、二つの意味で「想定を超えるもの」だった。

まず、一読したところの印象は、一審の論告などと較べると、文章の質も高く、論理的で、説得力がある。読んだ者の多くが「逆転有罪の可能性がある」と思うような内容だった。検察がこれだけの内容の控訴趣意書を出してくるというのは想定していないことだった。

ところが、じっくり読んでみると、書かれていることの大部分が証拠に基づいていない。或いは、事実を歪曲している。一見して、論理的で説得力があるように見えるのは、事実や証拠を勝手に作り上げているからなのだ。検察官の控訴趣意書で、これ程までの「偽装」を行ってくるのか、それは、私の想定を遥かに超えていた。

もちろん、答弁書では、そのような控訴趣意書全体にわたる「偽装」の一つひとつを、徹底して引き剥がしていった。

美濃加茂市長事件は、もともと中林の贈賄供述が唯一の証拠であり、一審では、検察官が、中林供述の信用性を裏付けるとする証拠を提出し、弁護人は、それが信用できないものであって、意図的な虚偽供述であることを立証して争った。そして、一審は、検察官が中林供述の裏付けだとする証拠の多くを、関連性が稀薄だとして排斥し、弁護人の主張どおり、中林供述は信用できず虚偽供述の動機が存在した可能性があるとして無罪判決を言い渡した。

ところが、控訴趣意書での検察官の主張は、まず、一審判決が「本件各現金授受の事実を基礎づける証拠としては,贈賄者である中林の公判供述があるのみである。」と判示したのが間違いだと言い、「中林証言を離れて,間接証拠からどこまでの間接事実が認定でき,そこからどのような事実が推認されるのかを確定する作業や,これを踏まえて中林証言全体の信用性の検討を行うという作業を怠っている」というのである。

そして、その「間接事実」として、中林と被告人の藤井市長(当時は、市議)が知り合い、美濃加茂市への浄水プラントの導入に向けて協力するようになり、実際に、実験プラントとして導入された経緯に関して、いろいろ事実を書き並べている。

しかし、「中林証言から離れて、間接事実から事実が推認される」などということは、あり得ないことだ。被告人の藤井市長も、浄水プラントの導入が美濃加茂市民のためになると思って導入を推進してきたことを認めており、事実関係にほとんど争いはない。そんな経過が収賄の「間接事実」になるはずはないのだが、浄水プラント導入に向けての被告人(藤井市議)の動きが、中林の依頼に応じて行われたものであったかのように、巧妙な脚色が加えたれているため、その部分の記述を読むと、二人の間で「現金の授受」があったように思えてくる。

しかも、単に脚色されているだけではない。「中林証言から離れて認められる間接事実」だと言っているので、その根拠として「中林証言以外の証拠」が引用されているのだが、実際には、その証拠のどこを見ても、その間接事実に対応する内容が含まれていない。中には、証拠の中から都合の良いものだけを取り出して、「客観的事実」であるように装っているものもある。

つまり、検察官が控訴趣意書で「中林証言を離れて現金授受を推認させる間接事実」と言っているのは、ほとんどが、証拠に基づかず、事実を歪曲したもので、まさに「偽装」なのである。

端的な例を挙げよう。

控訴趣意書の中に、被告人と中林の癒着関係を示す事実として、「被告人は、・・・飲食代金を中林にまとめて支払ってもらっていた」「面会時の飲食代金を中林がまとめて支払ったり」などという表現が出てくる、藤井市長は、「会食の際の飲食代金は、その都度割り勘で払っていた」と述べており、中林も、割り勘分を現金で受け取っていたことを認めている。この「まとめて支払ってもらっていた」というのは、中林が、「一旦、クレジットカードで3人分の支払いをした」ということなのである。

それを「まとめて支払ってもらっていた」などと表現して、あたかも、被告人分の飲食代も含めて中林が支払っていたかのようなに見せかけようとしているのである。

そもそも、この事件は、現金の授受に関する証拠は中林の贈賄供述だけ、その信用性がすべてだ。ところが、それだけの争いになると勝ち目がないので、中林供述以外の証拠によって現金授受の間接事実が認められるように偽装しているのだ。

しかも、その偽装は、検察官の主張全体にわたっている。だから、一読すると誰もが有罪であるかのように思ってしまうのである。

外見的には鉄筋鉄骨造の建物のように見せかけているが、実は建材を張り合わせただけの「偽装建築」のようなものだ。

控訴趣意書は、一審の論告などとは異なり、名古屋地検で作成した上、名古屋高検でも検討し、今回のような事件であれば、最高検も了承しているはずだ。検察が組織として作成・提出してきたもののはずの控訴趣意書で、どうして、このような露骨な「偽装」がまかり通ってしまうのか。

そこには、検察の組織に関わる構造的な問題がある。

事件の記録や証拠に直接見て検討するのは、現場の検察官であり、上司や上級庁は、証拠に直接触れることは、原則としてない。証拠の中身がわかっているのは、現場でその事件を担当していた検察官しかいないのだ。今回の事件のように、事件を捜査し、起訴した検察官が、公判も中心となって行い、その結果無罪判決が出たという場合、その検事には、無罪になるような事件を起訴したことと、その後の公判での有罪立証に失敗したことについて責任があるはずだが、証拠の中身の詳しいことは、その検察官にしかわからない。そこで、控訴趣意書も、まずは、その担当検察官に案を作らせることになる。

その案を上司や上級庁が検討し、さらに検察の上層部の了承を得ることになるわけだが、その過程で、一審とは異なった角度から立証しようとして、「この事件は、こういう構図で立証すべきだ」という方針が示されると、現場の方では、それに対応する証拠がないと思っても、「証拠との関係で無理です。」とはなかなか言えない。

そんな立証ができるぐらいなら、一審でもやっていたであろうし、そもそも、無罪判決など出ていなかったはずだ。そういう意味では、そのような方針で立証することもともと不可能であることは、上層部も、少し考えてみればわかるはずだ。

それでも、上層部が、そういう方向に控訴趣意書の案を修正しようとしてきた場合、結局、現場の方は、そういう構成にできるよう、証拠の方を「調整」・「工夫」し、証拠からは認められない事実に歪曲していくことになる。

その「偽装の構図」は、東芝の不適切会計に関して報じられていることと共通する。

「東芝が過去の決算で不適切な処理をしていた問題で、当時社長だった佐々木則夫副会長が、予定通りの利益を上げられない部署に、会議の場やメールで『工夫しろ』と指示していた。」と報じられている(7月10日付け朝日新聞)。この「工夫しろ」という言葉それ自体は、形式上は「利益を上げたような嘘の報告をしろ」という意味ではない。しかし、実際に利益が上がっていない状況で、利益が上がるように「工夫しろ」と言われれば、担当者の方では、もはや事実に反した報告をして、利益が出ているように「偽装」するしかないということになる。

それと同様に、美濃加茂市長事件での控訴が、組織の面子だけのための控訴だということは、検察内部では認識しているはずだ(【組織の面子にこだわり「検察史上最悪の判断」を行った大野恒太郎検事総長】http://u111u.info/mC9F)。そういう状況で、上層部が、「中林証言を離れて現金授受を推認できるような間接事実」を中心にするように控訴趣意書を修正してきたら、暗黙のうちに、それに合うように証拠上の体裁を取り繕えという指示だと受け止めてしまうだろう。それが、「偽装」につながっていく。

日本の刑事司法の正義を独占してきた検察、日本を代表する伝統企業の東芝、二つの組織に共通するのは、「上層部の無理な指示を現場が受け入れざるを得ない組織の危うさ」である。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年7月20日 03:28:25 : 1ioo7h1uY6
■これじゃ〜なんぼでも

 冤罪作れるわな!

 なんせ証拠なんかなくとも

 作文で犯罪人に出来るみたい!

 オイ 立件した警察か・検察かしらんが

 中林とか言う詐欺師の言い種

 嘘発見器にかけて

 信憑性のかけらでも調べたんか!

 ま〜調べたりせんわな〜

 嘘つきストーリーの張本人は検察なんだから!

 それにしても税金ムダずかいすんな!

 いい加減にしろ!



2. SHIGE 2015年7月20日 19:09:47 : ogeQ.02YohmD. : w9lCcGRyC2
郷原さんにとってはまた一段高いハードルだ。
しかし、彼は自信ありげだ。
検察や東芝幹部の共通する、思考の欺瞞性を知り尽くしているからだろう。
我ら、サラリーマンであったものは、直接経験しなくても彼らの共通のやり口、あるいはいやが上にも陥ってしまう、組織というもののドツボを目の当たりにする思いだ。
ほんとうに、郷原氏の戦いの様、否、仕事ぶりには感心させられ目を離せない。
敵にとってはこんな難敵はいないだろう。

3. 2015年7月20日 23:27:16 : mp6fw9MOwA
検察には裁判所がついており、登石のように公訴事由になく・証拠もない収賄を冒頭陳述に潜り込ませてあるとの理由で推認で収賄があったとし、罪のないものを悪質性のある記載ずれと称して執行猶予付きの有罪との微罪に嵩上げする判事もいる。
このような微罪を出すことが検察の組織を守る以外の目的がなく、冤罪であると認めていると知恵ある人は気付く内容の違法判決だ。
美濃加茂事件でもマスコミが国民を誤誘導するネタを検察が組織を守るために出したものと考えられる。
安倍政権の憲法違反の施策が国民に知れ渡っている現状で検察も明らかな偽装工作をし裁判所が追認すると、どのような流れになるか興味が湧く。
小沢事件は検察が犯した国家転覆罪であることがより鮮明になり、衆参議員選挙での違法な集計も表てに出てくる切っ掛けとなると日本の将来は明るい。
検察・裁判所がつるんで冤罪つくりに励んで出現した安倍政権は風前の灯である。

4. 2015年7月21日 22:22:01 : mp6fw9MOwA
東芝の歴代3人の社長が責任を感じて辞任した。
検察が組織的な偽装で冤罪事件を確定するよう画策したことが裁判で明らかになったらだれがどのような責任を取るのだろうか。
偽装での冤罪つくりは東芝の事件より極めて悪質である。
検察の首脳は偽装による冤罪つくりがものすごいリスクを負うことを理解しているのだろうか。
極めて悪質な犯罪であっても裁判で負けることはあると開き直れると思っているのだろうか。
新国立競技場の白紙撤回でだれも責任を取らないのと同じ程度の犯罪と思っているのだろうか。
検察には莫大な権限があるので偽装工作が露見すると組織解体につながる大犯罪であることを肝に銘じるべきだ。

5. 2015年7月21日 23:38:56 : FfzzRIbxkp
東芝の粉飾決算の冤罪を行う検察を相手の裁判ですか?


6. 2015年7月21日 23:43:58 : FfzzRIbxkp

まちがえた。東芝の粉飾決算を偽装する検察相手の裁判ですか?

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK188掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
政治・選挙・NHK188掲示板  
次へ