世界は常に変化しています。失礼ながら、貴殿の米国の対北朝鮮観に関する説明は、おそらく２５年ほど前のものだと思いますよ。

　それ以上に、０２年の小泉訪朝で署名された日朝平壌宣言で日朝国交正常化は合意された事項であり、今なお日朝平壌宣言が有効であることをお忘れのようですね。

　新安保法制の大元でもある「アーミテージ−ナイレポート」にも、朝鮮半島の統一を２０２０年までにやり遂げたいと明記されています。

　むろん、貴殿が指摘のように「北朝鮮はアメリカ極東プレゼンスの重要なレゾンデトールであり、日本に何兆円ンもＭＤやイージズ艦を買わせる格好のセールスプローモーター」として利用されてきたことを認めます。

　しかし、北朝鮮と国交正常化を成し遂げたといっても、北朝鮮・中国・ロシアが「アメリカ極東プレゼンスの重要なレゾンデトールであり、日本に何兆円ンもＭＤやイージズ艦を買わせる格好のセールスプローモーター」として利用できないわけではありません。

＞小泉訪朝では、アメリカが賛成するわけもなく小泉の訪朝では直前にアメリカに通知している。

　拉致問題の解決という重要テーマはありますが、日本政府は、拉致行為を把握していながら数十年間も放置してきたのです。

　米国に逆らってでも北朝鮮との外交関係を改善しようとしたのなら、日本政府に自立の気概があると言えますが、日朝関係に限り突然そうなったと判断するのはムリがあります。

　原油の確保や貿易の拡大といったリアルな利益があるのならともかく、米国の反対を押し切ってまで北朝鮮との国交正常化交渉を始めることにどのようなメリットがあったと言われるのですか？

　２００２年年頭のブッシュ大統領一般教書演説で、北朝鮮は、イランやイラクと並んで悪の枢軸と呼ばれています。
　そのような国際政治環境のなかで、日本政府（小泉政権）は虎の尾を踏む（米国に弓を引く）外交にうって出たとお考えなのでしょうか？