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首相と防衛相が魔法の呪文の様に唱える新三要件の謎。狙いは法律に対する条約の優越性を悪用した憲法破壊のNATO軍事同盟加盟
http://www.asyura2.com/15/senkyo190/msg/194.html
投稿者 新共産主義クラブ 日時 2015 年 8 月 05 日 18:23:12: w0NMVeciJ/Y..
 

 
 
 安倍内閣の安保法案は、集団的自衛権の行使不可という従来の憲法解釈の堤を、アリの一穴で一部分だけ決壊させようするレベルのものではなく、この法案は、闇夜の中で堤の全体にダイナマイトを仕掛けておいて、法案成立後に、大爆発させて堤の全面決壊を計画しているように見えます。
 
 集団的自衛権の行使に関しては、安保法案の核心は、自衛隊法第76条に記載されているように、従来の武力攻撃事態の他に、存立危機事態という事態でも、自衛隊が防衛出動できるようにすることにあります。
 
 武力攻撃事態は、従来からの日本が個別的自衛権を発動するための要件です。
 
 一方、存立危機事態とは、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態であり、日本が限定的な集団的自衛権を発動するための新たな要件とされています。
 
 安倍首相や中谷防衛大臣、岸田外務大臣がしきりに「新三要件」と言っているものの、一つ目の条件です。
 
 存立危機事態の定義の中に、単に密接な他国への攻撃があるだけでなく、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」という限定があることが、フランスやドイツのようなNATO加盟国と異なる、日本独特の集団的自衛権行使の要件であるという説明が政府からなされています。
 
 そのような、現行法での個別的自衛権の発動の用件である武力攻撃事態にあてはまらない、集団的自衛権の行使が可能な存立危機事態としては、ホルムズ海峡における停戦前の機雷掃海が必要な事態が、念頭にある唯一の事例だと、安倍首相は答弁しています。
 
 それならば、「存立危機事態」を「ホルムズ海峡危機事態」とでも言い、法案名を『ホルムズ海峡有事における機雷掃海法』とでも名付けて、その事例に限って集中的に国会で審議した方が、賛否はともあれ、安倍政権の安保法案の意図するものが、国民にも野党にもよく理解されたことでしょう。
 
 政府の政策変更によって、後方支援での核弾頭付ミサイルの輸送を可能とするような条文をこっそり盛り込むような内閣が提出した法案ならば、政府答弁の内容を政策変更によって正反対に変えてしまえるような罠が、内閣によって法案の中の至るところに仕掛けられていていると察するのが当然でしょう[文献1]。
 
 
 そのような観点から、安保法案に記載されている限定的集団的自衛権というものには、実質的な限定は存在せず、安倍内閣は「限定ツケてる詐欺」をやっているのだと考えています[文献2]。
 
 つまり、政府の安保法案の本当の目的は、これを法律化して事実上の憲法改正をおこなうことにより、日本がフランスやドイツのように、互いに互いの国を守るためにNATO加盟国の他国の領内での武力行使をおこなったり、NATO域外で武力行使をおこなったりする、アジア版NATOのようなアジアにおける新たな多国間軍事同盟、あるいはNATOそのものに加わることができるようにすることだと考えています。
 
 筆者が、安倍内閣の安全保障法案の本当の目的が、NATOへの加盟、またはアジア版NATOの構築であることを確信したのは、衆院で維新の党が提出した安全保障法案の対案に対しての自民党の岩屋毅議員(自民党・安全保障調査会長)の質問中の発言によってです[文献3]。
 
「お互いがお互いを守りあうという体制」「安全保障の大きな屋根を掛けていく」と聞いて、NATOのような広域の多国間軍事同盟を思い浮かべない人は、おそらくいないでしょう。
 
 それを可能にするような、二つの仕掛けを政府は考えていると思います。
 
 一つは、日本は一般に他国の領土・領海・領空では武力行使はできないとする制約を取り払うことです。
 
 実は、この制約は国会での政府答弁、国会への政府の答弁書の中で憲法上の制約として述べられていたものであり、しかも、あくまでも原則でしかなく、例外を設けることは憲法違反ではないとされています。
 
 およそNATOのような多国間軍事同盟で、他の加盟国の領土・領海・領空で武力行使できないないような軍事同盟では意味をなさないと考えられますが、この法案での他国での武力行使の制約は、政府の見解を変更することで、容易に他の加盟国の領土・領海・領空で武力行使できるようになります。
 
 二つめの仕掛けは、法律に対する条約の優越性を悪用して、法律の条文(自衛隊法第76条)の中で、集団的自衛権行使のための要件である「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」(新三要件の一つ目)という限定を無効化することでしょう。
 
 日本がアジア版NATOを構築する際の条約や、NATOに加盟する際に改正される北大西洋条約の中に、北大西洋条約の第5条に類する条文が含まれていた場合に、法律の解釈はどう変更されるでしょうか。
 
 安保法案成立後に、日本が結ぶ新たな条約に、次のような条文が含まれているとします。
 
「ヨーロッパ又は北アメリカ又はアジアにおける一又は二以上の締結国が武力攻撃を受けて、当該締結国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、その武力攻撃を、全締約国に対する攻撃とみなすことに同意する。」
 
 このような条文を含む、多国間軍事同盟条約が締結された場合には、加盟国の何れかの国において存立危機事態に該当すると自動的に日本の存立危機事態の要件が満たされるとされ、国際法上、他国の存立危機事態は、日本の存立危機事態とみなされるようになります。
 
 
 
 国民を騙す意図を持った法案を提出した政府与党に対しては、国会は法案審議の場ではなく、内閣法制局や閣僚から供述を引き出し、法案に込められた政府与党の詐欺の犯行の証拠を突きつける法廷の場です。
 
 本件に関しては、NATO高官とオーストラリア政府高官を参考人として、日本の国会の法廷に招致して尋問することが最も効果的だと考えています。
 
 陪審員は国民であり、国民が選挙で判決を下します。
 
 
 

 
 
 *   *   *   *   *   *   *   *
 
 
【参考文献】
 
 
[1]防衛相、核兵器の運搬排除せず 実現性は強く否定
2015年08月05日12時23分 (更新 08月05日 13時10分)
西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/article/186643
 
 
[2]政府の安保法案の条文に、集団的自衛権行使の「限定」は、一切、存在しない!(新共産主義クラブ)
http://www.asyura2.com/15/senkyo189/msg/356.html
 
 
[3] 自民党・岩屋毅議員の質問中の発言
 
「やっぱり幅広く、安保協力関係を構築していって、お互いがお互いを守りあうという体制を作っていくべきだという我々は問題意識があるわけです。だから、まあ、将来はアジアにおいてもですよ、たとえば、中国、北朝鮮も含めて、どの国も排除しない、安全保障の大きな屋根を掛けていくというぐらいの、我々ビジョンをしっかり持っていないといかんと思うので。維新さんの定義を見るとですね、とにかく、それを一所懸命、限定しようとしておられるわけですね。」(岩屋毅議員)
 
(衆議院インターネット審議中継ビデオライブラリ
開会日 : 2015年7月13日 (月)
会議名 : 平和安全特別委員会
質疑者 : 岩屋毅
発言開始時刻(13時 01分)から概ね24分後)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=45125
 
 
 

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コメント
 
1. 2015年8月05日 18:30:59 : nJF6kGWndY

>法案は、闇夜の中で堤の全体にダイナマイトを仕掛けておいて、法案成立後に、大爆発させて堤の全面決壊を計画

現実に、これだけ国民の反戦意識が高い状況では無理だな

米国の占領政策による洗脳は大成功しすぎて

日本のタダ乗り派に上手く逆用されたといったところだが

今は、その反作用が来ているところだなw


http://diamond.jp/articles/-/75746【第1回】 2015年7月31日 蔭山克秀
日本はこうしてつくられた!今読み直す、米軍占領下のシナリオ

http://diamond.jp/articles/-/75751 【第2回】 2015年8月4日 蔭山克秀
64年前に日本の運命を変えた日米安保条約とは?


 第1回で見たように、米軍の占領統治下でのGHQの基本方針は「日本の弱体化」だった。そのため初期の対日政策では、軍事面・財政面・法制面などあらゆる面で日本の体力は削られ、弱体化は完成するかに思われた。
 ところが、完成しなかった。GHQの方針に、ブレが生じ始めたのだ。GHQ内部にある二つの部署の対立、いわゆる「民政局(GS)」と「参謀第二部(G2)」の対立だ。
 最初に力を持ったのは、民政局(GS)だった。GSは、マッカーサーの側近で日本国憲法の草案作成を指示したコートニー・ホイットニー准将が局長を務めていた(実際の作成担当は、彼の部下ケーディス)。彼は日本弱体化のため、かなり革新的で冒険的な実験的政策を行った。
「日本はどうやら、保守的な思想が軍国主義につながったらしい。ならその逆の“革新”を指向すれば、相当弱体化できるはず。この際、いろいろ試してみよう」
 ホイットニーはこう考え、日本国憲法をはじめ、労働組合の育成、政治犯として投獄されていた日本共産党幹部の釈放、社会党・片山哲の首相推薦と、保守派が絶対やらないような政策ばかりを実施した。
 まるで「社会主義化の実験場」だ。その様子は、無抵抗でぐったりする日本に新薬を投与し続け、事実上の去勢状態を作り出しているかのようだった。
 ところが、ここまでやっておきながら、GSはこの後、失速する。GSに集中した絶大な権力が汚職の蔓延につながり、延命を図る日本の企業や政治家連中からの賄賂が集中したとのことだった。
 この辺は事件ではなく陰謀だとする説も多分にあるが、とにかくこれが原因でGSは力を失い、ライバルの参謀第二部(G2)の台頭を許すことになる。
 新しく伸びてきたG2はGHQ内の保守派で、“対冷戦の情報機関”的な部署だった。こちらのトップはチャールズ・ウィロビー少将。強固な反共産主義者として知られていたウィロビーは、アジアにおける社会主義の台頭を脅威に感じ、トルーマン大統領に日本を「反共の砦」として利用するよう進言した。
 この方針転換がきっかけで、日本はアメリカン・ファミリーに迎えられることになり、アメリカのために役立つ駒になるべく、がっつり体力をつけ直させてもらうことになった。いわゆるGHQの“右旋回”だ。
 この方針変更を、今や没落したGS、かつてはGHQの中心に立って日本弱体化計画を進めてきたGSのナンバー2、チャールズ・L・ケーディスは怒った。
「くそG2め。せっかくマッカーサーの大将やホイットニー兄貴が、注意深く日本にパンと水しか与えてこなかったのに、いきなりテンプラやスキヤキを食わせやがって。しかも、社会主義の毒までせっせとばら撒いてきたのに、今度は社会主義と戦うだと? 何なんだ、この“回れ右”は!? これじゃ今まで弱らせてきた苦労が水の泡だ」
 彼はトルーマンに直訴しようと帰国した。だがトルーマンは、もともとガチガチの軍人であるマッカーサーを嫌っており、マッカーサーの弱体化路線の継続をケーディスがいくら訴えても聞き入れてもらえず、結局ケーディスはそのまま辞任した。
吉田茂
 GHQではこの後G2が実権を握り、それと同時にウィロビーととても「仲よく」していた吉田茂が首相になり、ここから弱体化とは逆の方向、すなわち“戦後復興”が本格的に進み始めるのだった。
 マッカーサーが弱体化路線をとっていた頃は、日本に舗装道路一本造ることすら渋っていた。そう考えると、戦後復興用にアメリカがやってくれた事柄のすべては、「主権者であるGHQ(=アメリカ)が心変わりし、日本を復興させる気になった」から実現したものばかりなのだ。
マッカーサーのご乱心とGHQの方向転換
ダグラス・マッカーサー
 GHQ内でGSとG2が激しくつばぜり合いを行っていた頃、マッカーサーのテンションは下がりに下がっていた。
 正直彼には、もう日本でやることはなかった。孤高の最高司令官は、あまりにも高い地位に祭り上げられたため、実務面でやるべきことがなかったのだ。それらはすべて、GSとG2が奪い合っていた。
「俺、何もやることないなあ……」
 対日戦の英雄と祭り上げられた俺が、今は日本で飾り物だ。「元帥は今まで頑張ったんだから、後は若い者に任せて、庭で盆栽でもいじっててくださいよ」か……。
 いや、冗談じゃない! 俺はまだまだ若いんだ。なのに日本での占領統治も、結局俺の見せ場はパフォーマンスだけ。コーンパイプにサングラス、天皇の前でのラフな格好、もうそんな茶番はうんざりだ。
 この頃からマッカーサーは、帰国してアメリカ大統領になることを本気で考え始めていた。前にも一回出ようと思ったが、そのときはまだ戦時中だったし、諸般の事情で断念した。でも、もう戦争も終わった。しかも俺は第二次世界大戦の英雄だし、今ならタイミング的にも申し分ない。アメリカには俺にちなんで「ダグラス」という名前の子どもも多い。
 おまけに、日本での人気も高い。終戦直後からNHKラジオで『真相はかうだ』なんて番組をやらせて、今まで日本軍が隠してきた“リアルな日本軍”を流したせいか、それとも日本のマスコミが俺に取り入ろうと提灯記事ばっかり書いてくれたせいか、はたまたアメリカから送ってきた大量の小麦粉を俺のおかげと思ってくれたせいかはわからない。
 でも、間違いなく俺は今、日本では英雄どころか神様扱いだ。たまに街に出れば、みんな「マッカーサー様、マッカーサー様」ってキャーキャー手を振ってくるし、ファンレターだって何万通ももらった。俺を祀る新興宗教や、マッカーサー神社をつくる計画まである。これだけ人気があるなら、アメリカ大統領にもなれるんじゃないか?
 彼はそう考えるようになり、アメリカ向けの報告でも「日本統治は順調。日本人は従順で紳士的」と、日本を褒めまくるようになった。1948年の大統領選挙に出馬するには、それまでに占領統治を終えた上で軍を退役し(現役軍人は大統領になれないから)、アメリカに帰国して準備を始めなければならない。なら、もう日本での役割は終わったことにしないと。
 彼の占領統治には、次第に信念や情熱が感じられなくなり、GSやG2、それとトルーマンの間でブレる占領政策にも逆らわず、おおむね受け入れていった。
 しかし、1948年の大統領選に、マッカーサーの姿はなかった。彼はその前の予備選挙で惨敗し、共和党の候補にすらなれなかったのだ。彼は軍人としての人気は高かったが、その保守的でタカ派的な言動は一部の人からは熱烈に支持されても、全国民から支持されるものではなかった。
 結局、1948年の大統領選は、マッカーサーが嫌った民主党のトルーマンが再選された。マッカーサーは再び日本の占領政策に没頭し、自らが「労働の民主化」を進めた日本で、公務員から争議権を奪い団体交渉権を厳しく制限する「政令201号」の公布を指示し、労働組合活動を弾圧した。
 そんななか、1950年に朝鮮戦争は勃発した。マッカーサーは朝鮮半島におけるアメリカ軍の全指揮権を任された。
「よし、ついに俺の出番だ! やっぱり俺は、戦場で生き生きしているほうが性に合う。ここは張り切って、ソウルを取り戻すぞ」
 でも、米軍がお留守になると、今度は日本で革命騒ぎが起こるかも。よし、ならば日本に強めの警察組織をつくらせて留守を守らせよう。幸い日本はもはやアメリカに刃向ったりしなさそうだし、反共の砦にするなら軍事力も必要だ。しかも、復員兵たちの雇用確保にもちょうどいい。奴らをほっといて共産党員になられても困るしな――。
 こういう流れでマッカーサーは日本に「警察予備隊」の設置を指示し、ここに日本の再軍備は始まったのだ。これで7万5000人の雇用が生まれ、しかも米軍から朝鮮戦争用の軍需物資の注文が殺到し、特需景気も生まれた。
 さらには公職追放も解除され、血の気が多いと見なされた戦中派の大量復帰も実現した。そのかわり、共産党員が公職から追放される「レッド・パージ」が敢行された。
 ちなみに、これを実行したマッカーサーは、朝鮮戦争後に失脚する。彼は中国国境の鴨緑江まで攻め込み、その中国に原爆を使おうと進言したが、そこまで戦争を拡大させたくないトルーマンに拒否され、更迭されたのだ。
 でも日本は、そのマッカーサーの置き土産として、経済力だけでなく軍事力も身に付けさせてもらった。アメリカの番犬になるには十分だ。
ついに念願の独立!――サンフランシスコ講和条約
 そして、マッカーサー更迭後の1951年、日本は連合国側の48ヵ国といっせいに仲直りするための条約「サンフランシスコ講和条約」を締結し、ついに独立を達成した。
 同条約の調印式には、首席全権の吉田茂(総理)、全権委員の池田勇人(蔵相)、同委員の苫米地義三(国民民主党委員長)など、超党派の6人が参加し、サンフランシスコの華やかなオペラハウスで調印した。
サンフランシスコ講和条約に調印する吉田茂
 ただしこの条約には、東の面々は参加していない。ソ連もいなければ中国もいない。こういう“社会主義国抜き”で結んだ条約を、全面講和に対して「片面講和」という。また、厳密に言うと“戦っていない”という理由で、韓国と北朝鮮も招請されなかった。
 そういう意味では、この条約は不十分というか、日本が西側陣営に受け入れられるための儀式に近い。でも日本は感無量だ。やっと独立を達成し、国際社会の仲間入りを果たすことができたのだから。
「西のみなさん、今まで日本はご迷惑をおかけしましたが、これからは心を入れ替え、西側陣営のために命を懸けて働きます。特にアメリカにはお世話になりました。これからはお役に立ちます。何なりとお申し付けください」
 額に“消毒済み”ってシールを貼っときたいくらいの変貌ぶりだ。今や日本は“戦後教育の申し子”、もはやかつての狂暴な虎だった頃の面影はない。
 そして、その「アメリカのお役に立つ」を実行すべく、その日の夜、吉田茂だけがこっそり場所を替え、「日米安全保障条約(安保条約)」に調印した。
夜中にこっそり結ばれた運命の日米安保条約
 調印場所は、当時サンフランシスコのプレシディオ国立公園内にあった「下士官クラブ」。華やかなオペラハウスとは対照的に、ここは米軍将校用の酒場だ。こんなところに吉田茂は池田勇人だけを随行させて出向き、そこで日本代表として、たった一人で条約に署名したのだ。
 なぜ吉田は、この条約にたった一人で署名したのか? アメリカ側は、ディーン・アチソン国務長官、ジョン・フォスター・ダレス国務省顧問ら4人が署名しているというのに。それはこの条約が、おそらく日本国内ではすこぶる評判の悪いものになるであろうことが、わかっていたからだ。
 だって、日本の安全保障をアメリカに委ねるかわりにアメリカに基地を提供するなんて、独立国家としてはあり得ない。僕たち日本人は、この環境にあまりにも慣れすぎたせいで、自分たちのおかしな点が見えなくなってしまっているが、もしこれと同じ関係を、例えば中国とブルネイの間で作ったら、どう見えるか想像してみてほしい。
 南シナ海に面した南国の青い空の下、自国の軍隊を捨てて得意満面で「平和国家」を宣言するブルネイ。でもそこには、「ブルネイの平和は俺たちが守ってやる」と、中国軍基地と中国人兵士がウジャウジャ……。
 それを見た人はおそらく「あーあブルネイ、中国に騙されるぞ。傍目から見ればただの属国じゃん」と思うはずだ。だが、僕らに笑う資格はない。なぜなら日米関係も、これと同じだからだ。
 そもそも、独立した主権国家の中に外国軍隊がウロウロしているなんて、本来あってはいけないのだ。でもこれが起こっている。なぜか? それは同条約が、事実上「占領政策の継続」だからだ。
 つまり、日米安保条約は、日本が独立国家としての誇りを捨てることで、その見返りにアメリカが日本のガードマンになってくれるという契約なのだ(極東最前線に基地を得るついでに)。だから吉田は池田勇人に言った。「この条約には私一人が署名する。君は書かんでいい。君の経歴に傷がつくぞ」と。
 では吉田茂は、なぜこんな条約に署名したのだろうか? それは彼が“通商国家”としての日本をめざしていたからだ。
 通商国家で世の中を渡っていくには、できるだけ身軽なほうがいい。だから吉田は、軍隊という「高コストの組織」はアメリカに任せ、できる限り“節約”できる道を選んだのだ。対してダレスは、「我々の望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間だけ駐留させる権利」をほしがっていた。
 ここに両者の思惑は一致し、吉田一人による日米安保条約締結にいたったのだ。
その後の日本を決定づけた安保条約の大きな代償
 ではその日米安保条約とは、どんな内容だったか。ここではスペースの都合があるので、全文は以下で確認してほしい。
日米安全保障条約(旧)全文
(東京大学東洋文化研究所田中明彦研究室 データベース『世界と日本』)
 読んでみて、どうだろう。気になる箇所が3つある。まずは表現上の問題。この条約の文は、1951年初頭から半年にわたる日米交渉の中で確定したものだが、ほとんどの内容で「日本は〜を希望する」となっている。
 つまり、日本から頭を下げて米軍に「いてもらう」格好になっているわけだが、占領統治下の日本で、米軍人の犯罪件数が2万件を超えていたことを考えると、日本国民の総意として米軍に「いてもらいたがっていた」とは思えない。つまりこれは、吉田茂が「いてもらいたがっていた」と考えられる。
 そして2つ目は、米軍の権利と義務の問題。第一条を見ると、日本は「米軍の日本駐留を認める」一方で、その米軍は「外部からの武力攻撃に対し、日本の安全に寄与するために使用“することができる”」と書いてある。「することができる」とは「しなくてもいい」ということで、つまり米軍には、日本防衛義務はなかったということだ。
 日本防衛義務がないのに、日本に基地を置く――つまり日本は、単なる米軍基地の極東出張所として利用されるだけだったのだ。
 さらには3つ目の問題。第三条に「両政府間の行政協定で決定する」とある。でもそんな条件、わざわざ行政協定なんか結ばなくても、この安保条約に直接書けば済むはずだ。なのに別個に行政協定。これは一体どういうことだろうか?
 これはつまり、条約よりも行政協定のほうが批判されにくいからだ。なぜなら条約は必ず国会審議を必要とするが、行政協定なら内閣の意向だけで決められる。
 つまり、吉田首相は「米軍基地の提供範囲・日本の費用負担・犯罪者への裁判権」といった、いかにも国民から批判されそうな内容は、国会を通さず政府間で秘密裏に処理しようと考えたのだ。
 この日米行政協定は、1960年改定の「日米新安保条約」(連載第4回で詳述)では「日米地位協定」と名前だけ変え、「基地内に日本の法は適用されない」だの「米軍人犯罪者は起訴前に拘禁できない」だのと、今もキナ臭い内容をビンビン含み、日米間の基地トラブルの元となっている。
 このように日米安保条約には、いろいろと問題が多い。どこまでも自分本位なアメリカと、アメリカ本位な日本。結局、日本は独立後も吉田茂が首相の座に居座ったことで、対米追従路線はまったく変わらなかった。だが、その見返りとして、日本はアメリカから経済的繁栄が約束された。アメリカ親分に忠誠を誓えば、見返りは大きい。
 この後日本は、警察予備隊を「保安隊」に、保安隊を「自衛隊」にと着実に再軍備への道を歩んでいくことになるが、それと同時に経済は奇跡の成長を遂げる「高度経済成長期」へと突入する。


2. 日高見連邦共和国 2015年8月05日 18:31:11 : ZtjAE5Qu8buIw : lt7TdFOYcQ

はいはい。寝ても覚めても『NATO、NATO、納豆』(笑)

少しだけアドバイスしとくと、文章のブロックを4つくらいに分けた方がイイぞ?
空白の行を挟んで。

ドーせ、誰も読みもしない投稿だにしたって・・・(笑)


3. 2015年8月05日 21:40:47 : ycHpi5L4AQ
憲法違反の戦争法案を出し強行採決で決める
とホザイテいるからには条項の中に爆弾を

仕掛けているだろうと考えて読むのがスジ。
疑ってかかるのは当然でしょう。


4. 2015年8月05日 23:09:36 : FfzzRIbxkp
全くの素人ですが、安保法案を読んでいると、13ページあたりまでの内容は、日本と米国とオーストラリアにおける軍事演習で、何かトラブルが発生したために改定しようとしているのでしょうか。

どんなトラブルが発生したのでしょうか。


5. 2015年8月05日 23:35:30 : FaaAqaVG3Y
おいおい、新土台人よ、おまえウヨなんそれとも国民側なん。まぎらわしい投稿すんなよ。

それと、新共産主義の定義だがまだ聞いてないぞ。答え待ってるからな。

[32削除理由]:削除人:言葉使い

6. 日高見連邦共和国 2015年8月06日 09:24:03 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk

投稿主『新共産主義クラブ』さま。

私の煽り言葉、>>02『ドーせ、誰も読みもしない投稿』 は、謝罪の上撤回させて頂きます。

だって、私以外で、すでに4つの“コメント・ゲッツ”してるんですから。おみそれいたしました。

と、いう訳で、当スレッド投稿主さまに、改めてご質問したい件がございます。

アナタ様はそーやって、しきりに『アジア版納豆』と煽りたて、本来の論点でない各論へ
議論を誘うような姿が必死に見えて仕方がない私なんですが、例えば米軍以外との防衛協力の視点で、
今国会に提出されている安倍政権の“安保関連法案”の中で無視しえない項目があるので、ご見解を聞きたい。

10本の既存法案を乱暴にも一本に束ねちゃった“改正法案”で、『道路交通法』において、
今までは『米軍』と記述されていた項目が、おしなべて『米軍等』と書きけられている点です。

ご存知の通り、『道路交通法』は、一般車両の往来する一般道のルールを定めたものです。
これはあくまでも“平時”における生活、経済活動による道路使用に対して定められるもので、
実質的に“有事”、例えば侵略軍に対する防衛戦闘の際に規定されるものでは無いと考察します。
(何故ならば、そういう“戦争状態”に至れば、当然、超法規的に“防衛戦闘”が優先されるからです)

では、何故、安倍政権は“十把ひとからげ”の既存法改正(改悪)の中でこのような改正を目論むのか?

回答はひとつしかない、と私は思うんです。

それは国際紛争状態でいえば“平時”、あるいは国際紛争勃発前の“有事直前”の“日本国内”において
『治安維持出動』による米軍、米軍以外の軍隊の“出動”を考慮したものでしか有り得ない、と指摘します。

投稿主は『アジア版NATO、味の素納豆』としきりに姦しいのだが、それは新たな軍事同盟結成という
少なからざる“敷居”の先にある、遠くてうすらとした“危惧”を殊更に強調する“ハグラカシ”にしか過ぎない。

この私の見解について、投稿主殿の、真摯な対応と回答を、心より期待させて頂きます。


7. 日高見連邦共和国 2015年8月06日 09:25:41 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk

06です。誤記訂正。

×(誤): 今までは『米軍』と記述されていた項目が、おしなべて『米軍等』と書きけられている点です。

○(正): 今までは『米軍』と記述されていた項目が、おしなべて『米軍等』と書き換えられている点です。


8. 2015年8月06日 12:17:36 : kdyOAg1CMc
衆議院の安保特別委員会は110時間も議論?したのに、国民は分からんのだよ。
政府答弁が落語の「寿限無」みたいだから仕方ない。
政府答弁:
「寿限無寿限無五劫のすり切れず---三要件---海砂利水魚の---ホルムズ海峡---水行末雲来末---後方支援は安全だ---風来末---隣が火事だ---食う寝る所に住む所---無くても国民我慢せよ---藪ら柑子ぶら柑子---アベちゃんちっとも困らない---パイポパイポパイポのシューリンガ、シューリンガーのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピ、ポンポコナ-----以下繰り返し。
「アー、くたびれた」


9. 日高見連邦共和国 2015年8月06日 12:36:35 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk

投稿主『晋狂三主義クラブ』

あのサ〜、何か言ってっ!(笑)


10. 日高見連邦共和国 2015年8月06日 13:47:26 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk

お?また冷えてきたゾ、この投稿主のスレッド。(笑)

11. 日高見連邦共和国 2015年8月06日 16:49:35 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk

はい!“冷凍スレッド”の出来あがりぃ〜!

一年後、チンして食べても、まだ新鮮!?(笑)


12. 日高見連邦共和国 2015年8月17日 09:05:08 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk

投稿主が逃げ去っちゃった当冷凍スレッド、カッチンコッチン!(笑)


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