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あのマンガ家たちがマンガで伝える反戦メッセージ…水木しげる、山上たつひこ、松本零士から浅野いにおまで集結(リテラ)
http://www.asyura2.com/15/senkyo190/msg/321.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 8 月 08 日 09:55:05: igsppGRN/E9PQ
 

                 「ビッグコミックオリジナル 戦後70周年増刊号」(小学館)


あのマンガ家たちがマンガで伝える反戦メッセージ…水木しげる、山上たつひこ、松本零士から浅野いにおまで集結
http://lite-ra.com/2015/08/post-1366.html
2015.08.08. リテラ


 安倍晋三首相による「戦後70年談話」発表を前にして、マンガ界から明快な“戦争NO!”の声があげられた。「ビッグコミックオリジナル 戦後70周年増刊号」(小学館)である。

 掲載されているのは、描きおろしと再掲をあわせた16作品。どれも「戦争」を題材にした粒ぞろいの名作ばかりで、第一級のマンガアンソロジーとなっている。

 執筆陣は水木しげる、松本零士、花輪和一、滝田ゆう、山上たつひこ、そして絵本作家の大家・井上洋介とそうそうたる面子。さらに、これら大御所の名前に、浅野いにお、さそうあきら、三島衛里子といった現代マンガシーンを牽引する注目作家が並置されているというのも、なかなかお目にかかれない光景だ。

 本企画の目玉はなんといっても、水木しげるの描きおろし「人間玉」だろう。

 本作は、水木自身の戦争体験を題材としたもの。舞台はラバウル島に向かう輸送船、水木二等兵をふくむ兵隊たちは「ドレイ船以下」の状態で船底に押し込まれている。ここで敵襲の号令が鳴る。甲板へ出るには、一本の縄ばしごで上がるしかない。死に物狂いで縄につかまろうとする幾百人もの若い兵。人間に人間がしがみつき、結局身動きがとれなくなって、まるで巨大な玉となってしまう。その中ほどにいる水木は応戦の前に危うく窒息死しそうになるが……。

 本作について水木は、次のようなコメントを寄せている。

〈この船に乗っている時は「死」とか「無」に向かっていくような気持ちだった。だから、誰も先のことは考えないようにしていたネ。まもなくこの演習のような、そういう「死」を迎える状態がくるんだな、と思っていた。「ストップ人間玉!」だ。〉

 しかし一方で、解説の中条省平氏も言うとおり、極限状況を描きながらもどこかユーモラスな点を残していて、その感覚がマンガとしての風格をより醸し出している。まさに天才・水木しげるの衰えない才能を感じさせる一作だ。

 それにたいして、不条理ギャグ漫画『がきデカ』で知られる山上たつひこの『光る風』は徹底的にシリアスを追求した傑作である。

 本作は1970年に描かれた著者渾身のディストピアSF。今回再掲されているのは、その一エピソードであるが、これが強烈。軍部と警察が肥大化した管理社会に、四肢切断の状態で戦場から帰還した軍国主義者がどのような末路を辿るのか……。

 正直、断片の一話なので物語の全体像は(呉智英氏の解説原稿を読まなければ)皆目わからないのだが、この圧倒的な描写に触れたら全編通して読みたくなるのは間違いない。筆者も最近復刊された愛蔵版を速攻ポチってしまった。

 作家によって「戦争」への視点は様々。なかでも現代的な感覚を糧にアプローチしている作品が多くて興味深い。

 たとえば、さそうあきら「菜々子戦記」は、現代に生きる「おバカちゃん」の女子高生が、家族の歴史を通じて戦争という過去への意識に目覚める話。聞きかじりで韓国の悪口を言っていたら、隣にいた親友が実は在日韓国人だったというくだりがなんとも示唆的である。

 また、突飛だが、実際ありえなくもなさそうなのが、あまやゆうき+吉田史朗「僕はあの歌が思い出せない」。日本がどこかの国と戦争をしている近未来、自称アーティストのオタク青年がネットに投稿した動画が、いつのまにか戦意昂揚プロパガンダに利用され、影響を受けた若者が特攻で死にまくっている。しかしつくった当の本人は自分が加担したことに無自覚なまま。日常パートと戦場パートのタッチの違いがより皮肉さを増す力作だ。

 そのほか、スマホが物語の鍵となる浅野いにお「きのこたけのこ」や、高橋しんによる『最終兵器彼女』のスピンオフ「LOVE STORY, KILLED」なども極めてアクチュアルな戦争マンガになっている。これらを比べながら一度に読めるというのもこの企画ならではの体験だろう。

 さて、このようにヴァラエティに富んだ作品群を堪能したあと、改めて気付かされるのは、戦争の悲惨にずっと立ち向かってきたマンガという文化の豊穣さだ。実は本号には、それを読者に意識させるような仕掛けがほどこされている。

 それは巻頭ピンナップ。表紙をめくると、まず目に飛び込んでくるのは画家・藤田嗣治の「アッツ島玉砕」という戦争画。無数の兵士が画面を埋めつくす凄惨な殺し合いを描いた一枚だ。

 そして、その裏面には戦争×マンガの歴史を俯瞰するようなコラージュ。『アドルフに告ぐ』、『はだしのゲン』、『気分はもう戦争』など歴史に残る名作戦争マンガのコマ・台詞がかなりポップな調子で配置されているのだ。

 この表裏のコントラストにはとても文面では伝えきれない感動があるので、ぜひ実際にご覧いただきたいと思う。

 編集後記によると、戦後70年談話に軽くぶちあてるくらいの気持ちで始まったこの企画は、事態の進展を受けて、どんどん「緊張感をはらんだ物」になっていったそうだ。

〈漫画家はやはり自由の民です。本能的にお上の胡散臭さを嗅ぎ分けてますし、自分の生死は自分の戦場で決めたいと考えています。だからこの増刊は時代のカナリアかもしれません。〉

 マンガ評論家の南信長氏が本号への寄稿文で述べているように「今や日本が世界に誇る文化となったマンガ。その発展は、戦後70年間、まがりなりにも続いた平和のおかげにほかならない」。

 これだけは断言できる。日本が──コンテンツ立国をうたうこの国がすべきことは、平和を守り続けることであって、絶対に戦争ではないのだ。 

(松本 滋)
 

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コメント
 
1. ヒゲ-戸田 2015年8月08日 10:42:56 : Nk87MbMkz45iQ : do7B8UGCiI
◆教えてくれてありがとう!さっそく買いに行きます!

2. 2015年8月08日 11:15:04 : EQ1W5IgIXe
いずれも子供の頃に見た記憶があります。戦争へ突き進んでいく社会の状況や戦争の本当の悲惨さが描かれていました。作者はそれを知っていたのでしょう。の

3. 2015年8月08日 11:31:49 : Q1AShcAlNU
皆さん、漫画を見終わったら、回し読みをしましよう。
私も勿論買います。


4. 2015年8月08日 19:30:50 : 7YBSjtmBpA
ネトうよは漫画でも 才能 は全くない。

あの阿呆さ加減では無理もない。


5. 2015年8月09日 07:49:00 : EVsn0WDkVg
戦争で死ぬことは、どんな死に方であれ、犬死にだということ。
そして、その生に何の意味もない、たとえどんなに讃えられようと。

6. 反イルミナティー主義 2015年8月09日 08:41:56 : c/WVv5CaliQ7M : 1GD5vnBu3E
然し、小学館は似非ウヨ御用達オナニーペーパー
サピオを発行しているのはやや気がかりだ。
ビッグコミックオリジナルの漫画家の先生方の熱い反戦メッセージは読み応え
十分なだけに残念だ。まさか寸止めなんてことは
ないだろうな小学館殿。後は美味しんぼの作者雁屋哲氏と
花咲アキラ氏両氏のメッセージを載せるべきだった。

7. 2015年8月09日 09:16:27 : 10HdG9fsgw
国民が国家権力に従順である前に国家の在り方に疑問を抱き、もの申すことは民主主義に目覚め始めたことであり、国民が自立する第一歩だとしてとても素晴らしいことであります。

しかし、まだまだ若者が国家・政治について語り合う機会が少ないことで、その気運が沈下することも懸念されます。

此の度の戦争法案は多くの国民を形骸化されている民主主義に気付かせました。そして様々な人々がその持ち場で持てる才覚を発揮して社会に語りかけました。漫画家たちの行動もその一環なのでしょう。そのこともあって、若者達も不安から行動を開始しました。この若者達の行動は将来の真の民主主義国家への礎になることであります。

国民が特に若者が常に政治に関心を持ち続けることは、国民を無視した国の政策は決して認めないという国民が国政監視機関としての重要な働きを為す事であり、民主主義の基本的な重要な働きを為すものであります。

私は見ないのですが、○チャンネルとかいう掲示板も有りますが、概ね不満の捌け口の様な印象を受けました。これでは意見を主張し他の意見を聴く場所ではないように思われます。多くの若者が阿修羅を閲覧して、阿修羅に意見を投稿できるような環境を造ることが必要かと思っています。
多くの若者にもっと阿修羅を知ってもらいたい。そして参加をしてもらいたい。そして真実とは何かを考えてもらいたい。その為にも、阿修羅の掲示板を若者に広めていきたいと思っています。


8. 2015年8月09日 10:47:05 : bYUTlGq7cE
地方に住む後期高齢者です。
さっそく買いに行きます。友人にも知らせます。

9. 2015年8月10日 02:32:35 : EzapSFKdKo
すばらしい特集ですね。
マンガ雑誌はほとんど買わないのですがこの本は買いたいと思います。
今の時期は戦後70年でしかも戦争法案の影響かどうかは分かりませんが、戦争関連の番組も多いように感じます。
その中でも空爆や原爆での焼死体や戦場での兵士の遺体などかなりショッキングな映像が流されているように感じます。
しかし目を背けてはいけないのですよね。
それが戦争の現実なのですから。
そしてそのご遺体すべてに人生があり家族があり生活があったと思うと本当にやりきれないです。
そうかけがえのない人生があったのです。誰にも侵すことができない人生が。
あのご遺体を見るたびに戦争の愚かさ・惨めさ・くだらなさ・そして人間を壊す狂気を見る気がします。
15年程前のNHKの「映像で見る20世紀」という番組で
「人類は地獄を見た」という戦争を扱った企画があった。
まさに戦争は地獄である。

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