政府は、２０２０年の東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる新しい国立競技場について、コストの抑制を図るため、施設の機能は原則としてスポーツ競技用のものに限定し、屋根は観客席の上部にだけ設ける方針を固めました。

政府は、東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる新しい国立競技場の整備計画の策定に向けて、アスリートや競技団体などから意見を聴取しています。
こうしたなか政府は、新しい国立競技場について、コストの抑制を図るため施設の機能は原則としてスポーツ競技用のものに限定し、屋根は観客席の上部だけとするとともに、大会後の運営は民間に委託する方針を固めました。

また政府は、２０２０年春までに完成させるため、今月中にも競技場の機能、コストの上限などを盛り込んだ新たな整備計画を策定し、９月はじめ頃に業者などから企画案を募ることにしています。

さらに整備事業を確実に進めるため、事業主体のＪＳＣ＝日本スポーツ振興センターによる整備の進ちょく状況を点検するとともに、専門家による審査体制も整える考えです。

政府は、整備計画の策定に向けて設置した関係閣僚会議を１４日に開き、こうした方針を盛り込んだ整備計画の「基本的考え方」を決定することにしています。

すべて出来レース。電力会社の原発立地の説明会のようなもの。

　２０２０年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場（東京都新宿区）の整備計画見直しをめぐり、政府の基本方針の概要が１１日、分かった。１４日に公表する。新競技場は設計と工事を一括発注する「デザインビルド」方式を採用し、公設民営化する。開閉式屋根は設けないとし、「サッカー、ラグビー、陸上競技の国際基準を満たし、『原則』スポーツの使用に限定する」と明記する一方で、コンサートでの利用にも道を残した。着工は早ければ来年末の予定だ。

　概要によると、当初予定していた開閉式屋根は「多額の費用と建設期間の両面から間に合わない」（首相周辺）として見送り、屋根は観客席の上部のみにとどめる。使用目的をスポーツに限定する案もあったが、コンサートなどのイベント開催の可能性も残した。観客席だけに屋根のある日産スタジアム（横浜市）でもコンサートが開かれているためで「五輪後の運営を考えた」（同）という。

　また、設計と工事を一体の事業として発注する「デザインビルド」方式の採用で工期の短縮効果を狙う。ザハ・ハディド氏による原案デザインが実際の建設にかかる工費などの視点に乏しく、総工費が２５２０億円にふくれあがった教訓も踏まえた。

　建設は五輪・パラリンピックの確実な開催を担保するため国が主体となるが、大会後は民間事業者に運営を任せ、ランニングコストの縮減を図る。五輪の開閉会式に出席する各国元首級のためのＶＩＰ席設置や、テロ対策も充実させる。

　９月上旬からやり直す国際コンペでは、建築デザイナーと施工業者がチームを組んで応募することを条件とする。ザハ氏も施工業者と組めば再応募は可能だ。

　政府は１４日、安倍晋三首相も出席して関係閣僚会議（議長・遠藤利明五輪相）を開き、基本方針を発表する。今後、国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）などと調整を進め、９月上旬にも総工費の目安などを盛り込んだ整備計画を策定。その後、１１月末ごろまでにコンペの応募を締め切り、早ければ来年１月末にも優先交渉権事業者を決定。来年末から平成２９年初頭には着工したい考えだ。

http://www.sankei.com/politics/news/150812/plt1508120003-n1.html