たしか、
テレビに出る芸能人のお仲間の竹田さんの、お父さんの、竹田理事長だったか
彼が「東京は２５０キロ離れているから東京は安全だ」と答えたので、
皆が、福島は単に五輪招致の為のネタに使われただけなのかと、疑心暗鬼が巻き起こった。
そう、五輪招致という「カネ」の生る木が欲しいだけの、卑しい心魂だとして。
それが話題になったのを覚えている方も居ろう。
その不名誉は、皇族の名を汚すものだとも思う方も居られただろう。

その時、
この疑念が正しいならば、いずれそれは何らかの結果をもたらすだろうとみたものだ。
見よ、
新国立競技場のどんぶり勘定ぶり、オリンピックエンブレムの迷走ぶりに、
それが見事に開花しているやに見えるが。

そうした欲に応じた、佐野氏を哀れむつもりはないけれど、
彼よりも、それを選んだ方々こそ、そのご自身の恥を鑑みよと、かの尾木氏は語ったのではないかと、忖度しているが。

誤：「東京は２５０キロ離れているから東京は安全だ」
　　↓　　　　↓
訂：「福島とは２５０キロ離れている（‥から東京は安全だ）」

謹んで訂正する。

>あの発言は、福島は大丈夫じゃないけど、東京には関係ない、ということでしょう。
>私はそう受け取りました。知ったこっちゃない。
>東京の五輪だから。

なるほど。
おそらく、言わんとしたことがちゃんと伝わっていないのなら、再度指摘させていただきたい。

問題なのは、五輪招致の時に福島の震災復興と関連づけたことだ。
断っておくけれど、私は「左巻き」な思想から言うのではない。

東京都が行った招致のプレゼンが、復興だった。ここまでは良い。
ところが、結局それはネタに使っただけで、東京の独善だったのではないかと、件の「２５０キロ離れている」発言で疑念が起った。
震災復興を挙げておきながら、結局は東京のみの「お金儲け」なのかと。

これはリベラルだけでなく保守的立ち位置からも、疑念が立ち上がった。
少なくとも、国民の一部がいまだ家に帰ることが出来ず苦しんでいて、その話題を振っておきながら、その福島の原発被災には、まるで足蹴にするような話が出てきたと。

もともと、被災した福島第一は、東京の電力事情のため、つまり東京を助けるための施設だった（と皆が考えていた）ものを、その助けられていた東京が、福島を足蹴にしてよいのかと。
これでは、みんなでオリンピックをもり立てようという勢いそのものに水を差すだろう、とも。

単なる勘違いの心証かも知れぬが、福島切り捨ての裏切り感は、けっして良い結果を招かないし、
そもそも、東京のみの「お金儲け」が先行しているのだとしたら、これも決して良い結果を招かないだろうと、感じた者は多かったのではないかと。

してみると、かの新国立競技場は膨れ上がった予算が非難されて白紙撤回。
オリンピックエンブレム問題は、盗作疑惑問題が出る始末。これは、こうしたモノを選ぶ側の「お金儲け」な立ち位置が問題なのではないかと、考えた者も多かろう。
加えて、盗作疑惑以前に、こうした指弾が起るのは、そもそもこのエンブレムは「お金儲け」を象徴しているかも知れぬが、日本国民の思いは体現していないぞ‥という声なき声の表出のようにも感じている。

それでも、東京は関係ないのだとしたら、残念がる同朋がたくさん居るだろうに。

>・・そもそもこのエンブレムは「お金儲け」を象徴しているかも知れぬが、日本国民の思いは体現していないぞ‥

この括弧書きした「お金儲け」は、前の文脈を受けてのものなので、少しだけ限定された意がある。
つまり独善な「お金儲け」という意味だ。

起らないとされていた原発リスクを、不幸にも被ってしまった福島。
それは首都圏の電力事情の為と皆が知る、その負のリスクな原発施設を引き受けた福島。
経済的な補償はしてあるという議論もあるが、巻き起こった「疑念」には効きはしない。
その福島が実際に被災したことを知りつつも、切り捨てな発言をしてでも「お金儲け」を優先する。
そうした「お金儲け」の意だ。

仮に、「切り捨てな発言」は言いがかりだと言うのなら、やはり出た以上はそれなりな対処法があったとも思う。
それが、皇族に列する者から出た言葉ならなをさらに。なぜなら彼らは民の親なのだから。

大きく見れば、福島の被災が、東京人ひいては日本人の、心の浄化を求めているともとれようか。