辺野古承認取り消し　政府「効力停止」で対抗へ
2015/9/15 1:30

　政府は14日、沖縄県が米軍普天間基地（宜野湾市）の移設先である名護市辺野古の埋め立て承認を取り消す方針を決めたことを受け、対抗策の検討に入った。辺野古移設方針は変えず、県の承認取り消しの効力を停止して埋め立て工事を続行する。2016年夏の参院選までを見据えた政府と沖縄県の対立劇は、法廷闘争も含めて泥沼化する公算が大きくなっている。

　「躊躇（ちゅうちょ）なく取り消し手続きをはじめる」。14日夕、沖縄県の翁長雄志知事は県庁に共産、社民、沖縄社大党などの県議を集め、承認を取り消す手続きに入ると説明。「新たな歴史の一ページ」と宣言した。

　辺野古埋め立て承認は翁長氏の前任、仲井真弘多知事時代に出した。翁長氏は国の出先機関である沖縄防衛局から28日に意見を聞いたうえで、10月半ばに前知事時代の埋め立て承認を正式に取り消す。

　一方、政府は菅義偉官房長官を中心に対抗策を準備。最も有力なのは、県の承認取り消しに対する行政不服審査を、防衛省が国土交通省に申し立てる案だ。審査結果が出るまで、県の承認取り消しは効力を失うため、移設工事を予定通り進められる。

　３月に翁長氏がサンゴ礁調査のため県漁業規則に基づいて移設作業の停止を指示した際も、防衛省が不服審査を農水省に申し立てた。審査結果はいまだに出ておらず、県指示は無効化されている。

　別案も検討するが、いずれにせよ、９月中にも海底ボーリング調査を再開し、埋め立ての本体工事に入る政府方針は変えない。普天間返還は22年度が目標だ。工事が進む限り、米国との合意をほごにしたことにはならない。政府高官は「作業を止めて協議することはもうない」と断じる。

　翁長氏「言葉を尽くしても聞く耳を持たないのか、感受性がないのか、理解いただけない」

　菅氏「政府や県の様々な方が普天間の危険除去に努力したことを無視するもので残念だ」

　９月９日まで１カ月間の政府と沖縄県の集中協議は、成果を見いだせないまま決裂した。感情的な対立すら垣間見える。

　10月半ばに政府と沖縄県が激突した後も、少なくとも16年夏までは応酬が続きそうだ。世論頼みの翁長氏が見据えるのは16年前半の選挙日程だ。

　16年１月の宜野湾市長選は、辺野古移設反対派が保守系市長への対抗馬擁立を検討している。来年夏の県議選と参院選でも普天間問題を争点にする。辺野古移設の是非を問う県民投票を16年夏にぶつける考え方もある。

　沖縄県は16年夏にかけてのどこかの時点で、政府を相手取って工事差し止めの裁判にも打って出る。辺野古への移設工事を阻むのに一番効果的なタイミングを探るという。

　日本を守る安全保障政策を巡り、政府と沖縄県がぶつかり合う極めて異常な事態。収拾するめどは立っていない。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO91738330V10C15A9EA1000/?dg=1

コメント
1. 2015年9月15日 03:00:15 : YxpFguEt7k 「政府や県の様々な方が普天間の危険除去に努力したことを無視するもので残念だ」 努力していないナマケモノが言うセリフですね。中谷元氏も本土で候補地が見つかればそちらでも可能だと認めている。 探しなさいよ。努力が足りないよ。もっと働けよ、グズグズせずにさ。
2. 2015年9月15日 04:29:40 : FfzzRIbxkp 米国債に免責条項があるのを知りませんでした。 有事の際は、他国が保有する米国債を無価値にできる免責条項と言うのがあるそうです。
3. 2015年9月15日 08:28:55 : ZE9sGvJNJM 沖縄県の翁長知事ししてみれば、今度は国連の場においても、日本政府によるこのような理不尽な対応にこそ、根本的に間違っているものだということを、どんどんぶちまけてもらうしかありませんね。 それでアメリカ連邦政府にしてみれば、辺野古については、もう速やかに白紙撤回して頂くことこそが、アメリカにとってのメリットに繋がるばかりでなく、日本にとってのメリットにも繋がり、中国にとっての核心的利益にも繋がるものだということで、日本政府による、このような理不尽な対応にこそ、アメリカにとってのメリットにもならないどころか、日本にとってのメリットにもならないし、中国にとっての核心的利益をも脅かすものだということに気づきにより、この気づきを、今度は日本政府に対して、容赦なく、速やかに辺野古を諦め、悔しければ、お前らこそ、どんどん悔し涙を流しながら、黙って引っ込め、ということで、どんどん強く圧力をかけていただき、日本政府を容赦なくコケにして頂くしかございませんね。 これにより、沖縄県が、基地の無い平和な島を取り戻し、共に支え合い、助け合い、分かち合いながら、共に幸せに暮らすことが出来るような島として取り戻すことを目標に置くならば、そのための手段として、今度は中国からお金を貰い、このお金を日本政府に横流しをする見返りとして、尖閣諸島を沖縄県に払い下げて貰う事で、この尖閣諸島付近の海域を、尖閣諸島海洋自然公園として整備することで、そっと静かに安定した海域として維持管理していくことにこそ、中国にとっての核心的利益に繋がるばかりでなく、アメリカにとってのメリットにも繋がり、日本にとってのメリットにも繋がるものだということを思い知らせて頂けるのならば、これこそを、良いロールモデルとして、どんどん国境を乗り越えて示して下さい、ということで、本土に居住する日本国民全体が、誇りを持って、沖縄県に対しては、深く感謝をして、これも一つの良いロールモデルとして、どんどん取り込むことで、日本政府に対しては、涙を流しながらも深く感謝をして応えて頂ければ、もうこれだけで十分ですから、これこそを、どんどん国際社会に良いロールモデルとして見せ付けて行くことにこそ、誇りとして恩返しをして参りましょう、ということで応えていくことにすれば、もうこれだけで構わないのではないでしょうか。 [３２削除理由]：削除人：関連がない長文

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