（昨夜の報ステ）

〔安保法制で広がる「共同行動」　アメリカの”期待”と”懸念”〕

　安保法制の成立で、アメリカ側は自衛隊に何を求めているのか。
　ゲイリー・ホール米海軍協会常任理事（元海軍少尉）は、取材に対しこれからの自衛隊に求めるものは”南シナ海”での活動だと、はっきり認めた。
　ゲイリー・ホール「中国軍は自らの潜水艦戦力を増強すべく全力を挙げてきている。アメリカは自国だけですべてを行うことは不可能だと認識している」
　元アメリカ軍幹部が強調したのは、アメリカの”懐”事情だ。「国の予算が厳しくなっているのでアメリカが頼れる強力な同盟国が必要だ」

　われわれの取材に応じてくれたゲイリー・ホール氏は、日本の厚木基地で対潜ヘリ部隊の司令官を務めた経験があり、退役後も軍に影響力を持つ地位にある。彼が日米共同作戦の場として具体的に言及したのは、中東ではなく南シナ海だった。
　Ｑ：海上自衛隊は南シナ海で監視活動をする十分な能力を持っているのか。
　ホール「そう思う。そしてその能力をさらに強化する余地があると思う。あの地域（南シナ海）におけるより手ごわい脅威となっている国はどこか我々は理解している。自衛隊とアメリカ軍が持つ技術プロフェッショナリズム、自己犠牲の精神の前では中国軍などかなうはずない」

　南沙諸島の埋め立てを進め周辺国と対立する中国、ホール氏は、この地域で自衛隊がアメリカと共同で中国の動きを封じ込めることに期待感を示した。南シナ海での有事の祭、政府が「重要影響事態」と認定すれば、自衛隊は米軍に弾薬提供など後方支援ができる。
　ホール「政治家が自衛隊に”自衛以上の役割を果たせるよう”法整備している。自衛隊はアメリカ軍と共同作戦に参加することができるようになる」

　一方、米国側にはこんな懸念もある。アメリカが日中の軍事的な対立に巻き込まれるリスク、である。米議会調査局が二年前に作成した日本に関する調査報告書では、尖閣諸島をめぐる日中間の緊張が高まりアメリカが紛争に巻き込まれる懸念を示したいる。自衛隊の強化が緊張の高まりにつながるのか、アメリカがまず自衛隊に求めるのは地球規模での後方支援となるのか。

　立野純二「南シナ海の警戒監視に自衛隊が出張って行くということがもし実現すれば、それは米軍に代わって日本が東南アジアでの海域でにのまわり役を引き受けましょうということにほかならない。それは、尖閣をめぐって日中間にある緊張関係をアジア全域に広げようとすることになる。そうなれば、米軍と中国軍が南シナ海でにらみ合っているそのトラブルに自衛隊が巻き込まれる怖れもあるし、逆に見回っている日本が中国軍と何らかのトラブルに起こしてそこに米軍が巻き込まれてしまうという怖れもある。どんな形であれ南洋で起こり得る軍事紛争に日本が深く関わるというのは間違いない。
　問題はそんな重大な選択をしたんだという認識を日本の国民が今回の国会審議で持てたのだろうか、ということだ。ついこの間までは、周辺事態という言葉があって地理的縛りが自衛隊にはあった。それが今回の安保法制でなくなった。地球のどこであれ政府が必要だと（存立事態、重要影響事態）判断すれば、自衛隊が行くことになる。こうしたことがああいった乱暴な形で決められたことに未だに残念でならない。
　ただこれからは、政府のさまざまな動きにわれわれは細心の注意をもって監視するしかない」

コメント
1. 2015年9月23日 08:17:12 : 9z779rD8fw 現実　習近平訪米で アメリカはボーイング社の中国への工場進出を認め ビルゲイツの私邸で習近平をもてなすそうだ ヘリテージと日本売国会議に乗せられると 日本が日英同盟解除から 世界から孤立していったように 脳無し安倍の為に戦前レジュームが復活するぞ
2. 2015年9月23日 16:45:23 : IJjjrLkBu1 　自衛隊が南シナ海を監視する能力を持っている。 　　そしてその能力を「更に強化する余地」を持っている。 　　そして、米軍はその懐具合が厳しくなっている。 　　この言葉が全てを表しているだろう。 　　つまり、今増産されているか、もしくは在庫として持っている夥しい兵器という戦争用具の数を消化できる財政余力が米国議会には無くなり、ペンタゴンという武装行政機構は、米国議会の決定に沿った予算しか軍需産業界には出せない、と、こういう事である。 　　そこで、友好国に兵器購入を推奨するロビー活動を展開しているのが米軍産複合体であり、近時はそれに兵器産業地元出身議員も含め、軍産議会複合体となっているようである。 　　こうした複合体システムは自浄作用が無いことに特徴が有るのだが、そういう意味では、大政翼賛会改め護送船団を結成して早くから既得権益集団を作っている日本の方が先輩と言えるかも知れない。 　　いずれにしても、国立競技場にかかる予算が出鱈目であると同様、兵器に掛ける予算も有って無いようなものであるようだ。 　　小さな備品も含め、哨戒機に付けるドア一枚が数百万円とか、空軍機に付けるコーヒーメーカーが何十万円とか、修理に使う、大工センターで買えば千円もしない金づち一個が数万円だとか、また金づちを作る場合の技術料が幾ら、だとか、その請求額の出鱈目は驚くべきものであるようだ。 　　こういう細目が積みあがっていれば、オスプレイが一機１００億でも２００億でも不思議では無い。 　　例えばベトナム戦に使用した、中古も良いところの戦闘機をも日本政府は法外な価格で購入しているようだが、これに装填する弾丸も、一個が億単位であろう。そして、戦闘機はともかく、弾丸は消耗品であり、使えば使うほど必要となる。 　　ここに、世界各地で紛争が絶えない余地が存在するのであろう。 　　南シナ海とて、互いに威嚇で打ち合うことにより、弾丸の消費量は伸びるだろう。互いに打つ度に、億単位で経費が積みあがっていくのである。 　　だから、元米軍幹部が「日本はその能力を更に強化する余地が有る」と言っているのである。要は、「もっと買えるだろう」という意味である。 　　米国内の兵器産業構造が、既に米国内地元議員の盛衰を占う試金石となっており、とにかく有権者の雇用を守るためにも、在庫一掃は必要なのであろう。 　　だが、軍需産業が受け取る利益で多くの米国人の教育や職場が確保出来るというのも皮肉である。 　　要は、日本には、米国の懐を満足させるだけの余力が有るのか、という事である。 　　学校給食以外に栄養源が無い児童や、原発の直焚き状態、災害普及の遅れ、生活保護者の激増など、日本が租税国家としての福祉に充当する予算を全て軍事費にかけるとすれば、国民総体の合意無しには不可能である。 　　ところが政権党は「国民の幸せな生活を守るため」一辺倒である。 　　日本政府が軍事で国民の幸せが得られると言い張るのであれば、せめて軍事費の細目を公表すべきであろう。機密条項はともかくとして、一個一個のパーツが常識外の価格になっているようである。日本政府が、例えば空軍機に備えられるコーヒーメーカーに何十万円も請求されるような契約を、無数に行っている恐れが充分に有る。日本の議会はこういう事態にまずメスを入れなければならない。 　　とにかく、日米共同の軍産議会複合体による戦争ビジネスで犠牲になるのは、日中両国の納税者、一般市民であることは、間違い無いのである。
3. 2015年9月23日 17:42:46 : vwNido1fYc ２さん　更に踏み込んで、分割して国民の日常生活の中で軍産財閥の蹂躙に 　　　　いかに対応するかを適宜板にコメント続けて下さい。
4. 2015年9月23日 19:15:24 : IJjjrLkBu1 　３さん、米国内では様々な市民団体が調査、告発しているようですが、日本の場合強固な護送船団方式が長かったため、ホイッスルブロワーも孤独な袋小路に陥り、結局のところ、情報は持っていても、長いものには巻かれろの風土に埋没せざるを得なかったように思います。 　　ただ、今後一層国民の利益を侵害するようになれば、知識人、法律家を中心として調査能力の有る層が証拠を集めておく必要があるのでは無いでしょうか。 　　とにかく、まずマスコミ関係者が記者クラブから信条的に独立し、一心発起することが大事で、そこに内部からの情報が集まれば、集積は可能だと思います。 　　　米国は内部者からの進言とマスコミの連携によって、納税者と議会の意識を喚起したようです。それでも米国はこの状況ですから、部内者が内部からの進言を躊躇する日本は、もっとひどい状況に陥るのではないかと危惧します。

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