プーチン大統領との首脳会談こそ立ち話がふさわしかった
http://new-party-9.net/archives/2739
天木直人のブログ　

　国連総会の初日である９月２８日に、ニューヨークですさまじい一般演説外交が繰り広げられた。

　すなわちシリアのアサド政権支持の是非を巡って、オバマ大統領とプーチン大統領の非難の応酬が繰り広げられた。

　その一方で習近平主席が日本の侵略に対する非難を世界の前で行い、その習近平主席とまるで示し合わせたように、朴クネ韓国大統領が慰安婦問題に言及した。

　これに対しひとり浮いているのが安倍首相だ。

　一般演説は翌日のきょう２９日に回されて出番がない。

　それよりも驚いたのは、朴クネ大統領に歩み寄って、首脳会談を楽しみにしていると立ち話したという。

　これを日本のメディアは首脳会談をしたと書く。

　いつから立ち話が当たり前のように首脳会談になったのだ。

　それよりも驚いたのはプーチン大統領との首脳会談だ。

　あたかもプーチン大統領との関係を誇示するかのごとく、北方領土問題解決のめどが全く立たないにもかかわらず。こちらは座って行う首脳会談だ。

　オバマ大統領があれほどプーチン大統領をシリア問題で非難し、それに対してプーチン大統領がやり返したというのにである。

　プーチン大統領との首脳会談こそ立ち話にとどめておくべきだった。

　それもわからないほど、安倍首相の戦後７０年の国連総会出席は、ピント外れだということだ。

　メディアは安倍首相のためにも、御用報道はもうやめたほうがいい。

　世界に恥をさらすだけである（了）

　　　　　　　　　　　　　　◇

欧州への難民流入問題の一因、シリア情勢で米ロ激しい応酬
動画⇒http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2600697.html

　国連総会では、ヨーロッパに流入する難民問題の一因となっているシリア情勢の打開策をめぐり、アメリカのオバマ大統領とロシアのプーチン大統領が激しい応酬を繰り広げました。

　国連総会の一般討論演説では、過激派組織「イスラム国」の掃討作戦を進める際のシリアのアサド政権の役割をめぐってアメリカとロシアの立場が激しくぶつかり合いました。

　「アメリカはこの紛争の解決に向けて、ロシアなどを含む全ての国と連携する準備がある」（アメリカ オバマ大統領）

　「テロと戦っているシリア政府との協力を拒否するのは、大きな間違いだ」（ロシア プーチン大統領）

　オバマ大統領はアサド大統領を「暴君」と呼び、最終的な退陣に向けて「管理された政権移行」を目指すべきだと述べたのに対し、プーチン大統領はアサド政権の正当性を主張して今後も支援を続ける考えを強調しました。

　この後、両首脳はロシアがウクライナのクリミア半島を併合して以来、およそ２年ぶりとなる首脳会談に臨みウクライナ問題とシリア情勢を中心におよそ１時間半協議しました。

　「今日の会談は非常に有益だった」（ロシア プーチン大統領）

　プーチン大統領はロシアメディアとの会見でアサド政権を支援するためには、「国際法に合えば」という条件付きで空爆への参加も排除しない考えを示しました。一方、アメリカ政府高官は「大統領はアサド政権が続くかぎり安定はないと直接伝えた」と述べるなど、アメリカとロシアの溝は埋まりませんでした。（29日10:54）

日ロ首脳会談、平和条約交渉進展見られず
動画⇒http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2600701.html

　国連総会に出席している安倍総理はロシアのプーチン大統領と会談し、平和条約締結交渉などについて意見交換しましたが、大きな進展はみられませんでいた。

　安倍総理とロシアのプーチン大統領の首脳会談は日本時間の２９日朝早く、ニューヨークの国連本部でおよそ４０分間行われました。

　「私は自由民主党の総裁として、再選を果たすことができました。これによって、さらに腰を据えて、ウラジーミル（プーチン大統領）との間で平和条約交渉に取り組むことができる素地は整ったと思う」（安倍首相）

　会談では北方領土問題を含む平和条約締結交渉について、両首脳は双方が受け入れ可能な解決に向け、交渉の前進を図ることで一致しました。

　しかし、安倍総理が「建設的で静かに進めていく必要がある」と指摘したのに対し、プーチン大統領から領土問題のみに焦点を当てた発言はなかったということです。

　逆にロシア側の積極姿勢が目立ったのは経済関係の強化についてで、会談の冒頭でプーチン大統領が触れたのは経済協力につながる話のみでした。また、政府が今年中の実現に向け調整しているとしているプーチン大統領の訪日については、安倍総理は「ベストなタイミングで実現したい」と述べるにとどまり、年内の実現を危ぶむ声も出ています。（29日10:20）

コメント
1. 2015年9月29日 12:58:53 : RTWWw8j8P6 アサド政権軍以外の武装勢力は全てテロリストではないか？ そこを間違うと取り返しの付かないことになる。
2. 2015年9月29日 13:05:50 : eJ2WYLHJUQ 天木さんと思えないような投稿です。 衷心より拍手させていただきます。
3. 2015年9月29日 14:21:13 : rg6oLkZVhA レバノン大使のころから天木は反アサドだよ。 ところでシリア問題ではもうアサドを倒せ派の根拠はとっくに失われてしまっている。 大きな理由は欧州へのシリア難民の避難受け入れ。 欧州では手に負えない。だがシリアをあんなふうにしてしまった原因には欧米のアラブの春支援がある。 アメリカはイスラム国を叩きつつ、シリア政府軍も弱体化したい腹からイスラム国を本気で叩こうという気がない。 だからシリア政府軍がイスラム国と対峙する場所では、イスラム国やその他の武装勢力にシリア政府軍の動きを教え、シリア政府軍を攻撃させてきた。 そのようなことになれば住民は守れず、難民の数は増える一方である。 そんな事態になって憤ったロシアがシリア政府を直接支援するようになった。 アメリカが教えないイスラム国他武装勢力の動きを軍事衛星の情報で教えるようになった。 一方で増えに増えたシリア難民をかまわず欧州に避難させ、それを利用して欧州にシリア問題にロシアの力は不可欠と認識させるように仕向けた。 事実ドイツのメルケルはロシアの力が要ると明言している。 国連総会でのプーチンとオバマのやりとりはこうしたロシアの発言権と行動が期待されてきた流れに対する、アメリカのロシアに対する嫉妬である。 イラン問題でもアメリカはロシアに母屋を取られる形になったが、シリア問題でも同じことになるだろう。 ロシアはシリアのタルトゥースに露海軍基地を置いてある。 そしてロシアの大統領はプーチンである。 アメリカは最近ようやくその意味を嚙みしめるときがきたようだ。
4. 2015年9月29日 14:52:16 : YxpFguEt7k 高橋和夫氏 「アサドは評判の悪い人ですが、残念ながらアサドとつきあうしかチョイスはないと思っていて…」（１７分あたり） 「実際ロシア軍がアサド政権を守っていることは、これまではアメリカがアサド政権を爆撃して倒すというシナリオは常にあったが、これからアメリカがアサド政権を爆撃したらロシア人を殺すことになるわけですよね。ということは、もうできないですよ。」（２１分４０秒あたり） http://podcast.tbsradio.jp/ss954/files/20150928main.mp3 国際社会はアサド政権と共存の道を選ぶことになりそうですね。 「対テロ戦争をしているシリア」を逆手にとられました。アメリカの負け。
5. 2015年9月29日 15:06:48 : Gc6opIWbhL 残虐非道のアサド殺害排除のオバマにストップをかけたプーチィンが気に入らぬからと、立ち話でいいのか。この害無省の枠抜けきらぬ男が
6. 2015年9月29日 16:37:57 : qZ0Ol2u7yc インドネシアの”新幹線”もアウト（笑） 更迭の”冷笑”安倍将軍閣下の外交力の高さに”マンセー” 基本技術は”日本産”（泣） 重ねて”マンセー”（嘲笑）
7. 2015年9月29日 18:53:56 : qFBZAvwg0G 　プーチンは　アメリカ（イスラエル）の中東政策に　うんざりしていて 　 　イスラエルにゲンコツを食らわせる決断をしたようだ 　そもそも　世界中に戦争が起きるのは　シオニズムの強欲によるイスラエルの 　領土拡大がとまらないからだ！！ 　ＩＳＩＳは　アメリカが作って　ＩＳＩＳに武器を供給しているのは　アメリカと 　イスラエルだから　アメリカはＩＳＩＳをたたく振りをしているだけだ 　安部も　イスラエルに呼びつけられて　２０００億円くらい無心された 　 　＝＝＝ 　プーチンを怒らせた　アメリカ日本イスラエル　安部の「立ち話」なんて 　スケールの小さい話ではない 　今後の中東の安定は　一重に　プーチンの強攻策に懸かっている 　 　＝＝＝ 　そんな　中東に　安部などがでていけば「大やけど」だよ〜〜ん
8. 2015年9月29日 19:07:48 : S3eRpOiDrc ＞プーチン大統領との首脳会談こそ立ち話にとどめておくべきだった。 −−天木さんの指摘ごもっとも。素人目にもそう見えるのですから。
9. 2015年9月29日 21:34:05 : Q1AShcAlNU イスラエルはアメリカに懇願した。 [イラクはイスラエルの存立を危うくする危険きわまりない国です。どうかイラクを潰してください」 それで、アメリカは先制攻撃でサダム･フセインを殺し、イラクの国をめちゃめちゃにした。 イスラエルは、またアメリカに懇願した。 「シリアはイスラエルの存立を危くする危険きわまりない国です。シリアを潰してください」 それで、アメリカは明けても暮れてもアサドの悪口を電波に乗せて流した。 「アサドは大量の自国民を殺した危険人物！　毒ガスを使用した可能性もある」 しかし、アメリカはアサドを殺せない。それはつまり： �@シリアの背後にロシアがついて支援している �Aシリア内を占領したISISを空爆するには、アサド大統領との関係改善が必要 であるからだ。 イスラエルは３度目にアメリカに懇願した。 「イスラエルの天敵イランを潰してください。」 それで、アメリカは、イスラエルを脅威に陥れているイランの核開発を中止すべく 外交交渉を開始、締結するまで進展している。だが、米国内の保守派は イランへの武力攻撃を叫んで止まない。 ということで、中東の紛争はイスラエルの存立を確立するために、イスラエルの要望を受けて アメリカが扇動したと気がついた次第です。 安陪首相は、イスラエルとアメリカで「日本が守ります」と大タンカを切った。 なので、プーチンが怒るのは当たりまえ。北方領土返還などは二の次の次。
10. 2015年9月29日 21:39:12 : af6l4BzqCk 確かにアサドは非道だが今の悲惨な状態よりははるかにマシだろう、イラクを見ろ なんだあの悲惨な状態は、フセインも非道だったが国は安定していた カダフィの国もだ、選ぶならロシアが正しい。

11. 2015年9月29日 22:30:33 : 6FkFV9appK 岸田外相がわざわざロシアに行ってもあのざま、もう１０月であと２ヶ月したら 鬼が笑います！プーチン訪日に備え事務次官以下外交官はどんな裏交渉している？ 恐らく何もしてナイ！第一外相会議の合同記者会見で解決の糸口さえもない領土問題を声高に表明することがおかしい！ロシアは公式には四島は固有の領土とし露日間には領土問題が存在しないと言っている、米国もこの見解を黙認している。 だから岸田発言を否定し不快感を顕にした、外交とは正面切って自己主張するときは決裂かまたは裏で落とし処を合意したとき。 いまオバマ・プーチン・習がそれをやっている、激しく非難し合ってもちゃんと裏で優秀な外交官が必死に落し処を協議している。（安倍は解らずヘラヘラだけ） 日本の外務省官はその能力ない、なぜなら今迄は米国の指示通りにやっとけば自分の地位・昇進は安泰で能力なんて不要だったから。（孫崎・天木になりたくない） それこそ国際安保・金融環境の変化についていけずアタフタしてるのが外務省！。
12. 2015年9月30日 11:23:30 : rrhrFN6JLd 北方領土は二島返還からだったらとっくに日本に帰ってきてる。邪魔したのはアメポチ外務省とアメリカだろ。
13. 2015年9月30日 18:51:36 : Gu6rePY4PX 満面の笑みを浮かべて駆け寄る我が国の首相！唖然とする光景でした。日本はアメリカのしもべのみならずの、ロシアのしもべだったんですね。なさけない！！！

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