現韓国大統領の父親である朴正煕氏は、米国支配層の“黙認”（最低でも）のもと射殺されましたが、北との和解や核兵器自主開発の動きなどが米国に弓を引く姿勢と受け止められた結果だと思っています。

　さらに小沢一郎事件や鳩山由紀夫辞任を顧みれば、日本も韓国も、政治家が対米自立を目指すのは至難のワザのようです。

　政治家はともかく、国家としては独立しているわけですから、国民意識がポイントになると思っています。

　「新安保法制」問題は、政治にそこそこでも関心を持っている国民が日本という国家の内実を自己認識する大きなチャンスだったはずなのですが、低レベルの反対運動が大勢を占めたため、日米安保体制や憲法第９条の本義がテーマとして絡んでくることなく終わってしまいました。

　個別的自衛権なら認めるとする「新安保法制」反対者は、安倍政権側の人たちよりタチが悪いと思っています。

　自衛隊の存在も違憲、個別的自衛権もあるけれどは行使はしないという憲法第９条の本義に立つ勢力と憲法を改正して一定範囲の軍事力行使を国策として認める勢力との対決にしなければ日本はいつまでたっても変わらないような気がします。