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放送法に関する最高裁判決と通説の通りだ→BPO委員長、首相らの批判に反論 政治介入に「NO」。
http://www.asyura2.com/15/senkyo196/msg/491.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 13 日 13:05:05: igsppGRN/E9PQ
 

放送法に関する最高裁判決と通説の通りだ→BPO委員長、首相らの批判に反論 政治介入に「NO」。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/c2228be13f4f7172c08986e048093ef3
2015年11月13日 Everyone says I love you !



 NHKの報道番組「クローズアップ現代」でやらせがあったとされる問題で、放送局で作る第三者機関である放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は2015年11月6日、「重大な放送倫理違反があった」とする意見書を公表しました。
http://www.bpo.gr.jp/wordpress/wp-content/themes/codex/pdf/kensyo/determination/2015/23/dec/0.pdf

 この意見書の中で、同委員会が、NHKを厳重注意した総務省と事情聴取した自民党を、


「放送法が保障する『自律』を侵害する行為」


「放送の自由とこれを支える自律に対する政権党による圧力そのものであるから、厳しく非難されるべきである」


と厳しく批判しました。


BPOが自民党に「放送の自由と自律に対する政権党による圧力そのものであるから、厳しく非難されるべき」
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/a384589f0ea9fbf92068f8b3e3671834



 これに対しては、安倍内閣と自民党の幹部が予想とおり猛反発していて、かえって、BPOとの間に「戦争」が勃発し、テレビ局への介入が強まりそうな情勢です。


 まず、自民党の谷垣禎一幹事長は11月9日、


「『報道の自由があるから、やらせに対して一切、口をつぐんでいる』というのがよいとは思わない」


と言いました。


 菅義偉官房長官も9日の記者会見で、


「BPOは放送法を誤解している」


「NHKの調査報告書に放送法に抵触する点があったので、必要な対応を行った」


「BPOは、放送法が規定する番組を編集する際の順守事項を単なる倫理規範であると解釈している」


と批判しました。



 さらに、安倍晋三首相は10日の予算委で


「単なる倫理規定ではなく法規であり、法規に違反しているのだから、担当官庁が法に則って対応するのは当然」


「NHK予算を国会で承認する責任がある国会議員が、事実をまげているかどうか議論するのは至極当然だ」


と語り、総務省や自民党の介入は正当性だと強調したのです。


 もう、これは、安倍政権が、これからテレビ局が作る第三者機関であるBPOを槍玉にあげ、さらにテレビ局にガンガン介入をしてくるのは必定ですね。




安倍首相 TBS番組への注文・テレビ局への「公正報道」通達は「言論の自由だ」と報道の自由は一顧だにせず。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/578b92d207a4fe19b28eef9c20cafc07



 そこで、朝日新聞が、BPOの川端和治放送倫理検証委員会委員長にインタビューしたグッドタイミングの記事を本日掲載しました。


BPO委員長、首相らの批判に反論 政治介入に「NO」
http://digital.asahi.com/articles/ASHCD5J3KHCDUTIL02P.html?rm=580


 ここは政府の世論形成が勝つか、市民の理性が勝つかの踏ん張りどころです。


 というわけで、私も及ばずながら援護射撃をしたいと思います。


 それは、BPOがこの意見書の中で、総務省が厳重注意の根拠とした放送法4条について、


「ここに言う『放送の不偏不党』『真実』や『自律』は、放送事業者や番組制作者に課せられた『義務』ではない。


 これらの原則を守るよう求められているのは、政府などの公権力である」


としており、この条文が、放送事業者にとっては倫理規範であって法的な義務ではないとしたことが、ややわかりにくいかなと思うからです。



やはりわたくしの感覚こそが、グローバルスタンダード(笑)。


テレビ朝日とNHKは報道機関である以上、自民党の事情聴取には応じるべきでない。他のマスコミは援護を!
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/0175d8b561854d1b93c5bd1903f09010



 放送法の該当条文は以下の通りです。


放送法第3条


 放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない


放送法第4条


 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。


一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。



元フジテレビアナウンサー長谷川豊くんに、放送法3条・4条と憲法との関係について教える 
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/4011fe683b82757bc2c97536eb56c96f


 実はこの放送法4条に関しては、2004年11月25日に最高裁判決が出ています。


 この裁判は,離婚をめぐるNHKの放送で,夫の一方的な言い分だけが放送され名誉を傷つけられたとして,埼玉県の女性が訂正放送と損害賠償を求めていたものです。判決は、訂正放送は認めず、名誉毀損による損害賠償は認めました。


 NHKは1996年6月,総合テレビの番組で夫婦の離婚問題を放送したのだそうです。


 そして、この番組のなかで「結婚21年目に妻から突然離婚してほしいといわれた。離婚から4年を経過しても妻がなぜ突然離婚を要求したのか分からず,戸惑っている」という男性の話が紹介されました。


 これに対して,この男性の前の妻である女性が,自分には取材せずに前の夫の言い分だけが一方的に取り上げられ,事実と異なる放送によって精神的苦痛を受けたとして,NHKに訂正放送と損害賠償を求めて民事訴訟を起こしたという事件でした。


 では、最高裁は、なぜ名誉毀損は認めたのに、放送法4条1項3号の「報道は事実をまげないですること」に基づいて、訂正放送しろという請求は棄却したのか。



元NHKアナ池上彰氏と元フジアナ長谷川豊氏のこの違い 池上氏「放送法は政治介入を許さないのが目的」
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/d07d0df5b61715e91e2bc580af3f7f1b



 それは、最高裁判決の判決理由を見ると、放送法4条1項は、


「真実でない事項の放送がされた場合において,放送内容の真実性の保障及び他からの干渉を排除することによる表現の自由の確保の観点から,放送事業者に対し,自律的に訂正放送等を行うことを国民全体に対する公法上の義務として定めたものであって,被害者に対して訂正放送等を求める私法上の請求権を付与する趣旨の規定ではな」


く、


「放送事業者が当該放送の真実性に関する調査及び訂正放送等を行うための端緒と位置付けているもの」


にすぎず、


「私法上の請求権の根拠と解することはできない」


ということでした。



放送法逐条解説
金澤 薫 (著)
情報通信振興会
放送行政局審議官、放送行政局長などを歴任し放送行政を14年間担当した著書による詳細な放送法解説書。


 なぜならば、


「憲法21条が規定する表現の自由の保障の下において,法1条は,「放送が国民に最大限に普及されて,その効用をもたらすことを保障すること」(1号),「放送の不偏不党,真実及び自律を保障することによって,放送による表現の自由を確保すること」(2号),「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって,放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」(3号)という三つの原則に従って,放送を公共の福祉に適合するように規律し,その健全な発達を図ることを法の目的とすると規定しており,法2条以下の規定は,この三つの原則を具体化したものということができる。


 法3条は,上記の表現の自由及び放送の自律性の保障の理念を具体化し,「放送番組は,法律に定める権限に基く場合でなければ,何人からも干渉され,又は規律されることがない」として,放送番組編集の自由を規定している。


 すなわち,別に法律で定める権限に基づく場合でなければ,他からの放送番組編集への関与は許されないのである。法4条1項も,これらの規定を受けたものであって,上記の放送の自律性の保障の理念を踏まえた上で,上記の真実性の保障の理念を具体化するための規定であると解される。」


からだというのです。



 つまり、憲法21条の表現の自由や、放送の自由を定めた放送法1条や3条が大前提だということなんですね。


 ですから、放送法4条1項の各号に規定されているのは放送局が自分で判断して自分で行動する義務でしかないのであって(「放送の自律性の保障」)、原告の女性が放送局の外部から訂正を求める請求権は発生しないってことなんですね。


 外部の人間に権利がないということは、放送局には外部に対する法的義務はない。つまり、放送法4条1項の義務はあくまで倫理的な義務と言うことになるのです。


 だとすれば、ましてや、国家権力そのものである総務省に、放送内容への介入権限が発生するわけがありません。


 川端委員長がこのインタビューの中で


『2004年の最高裁判決で4条について「放送の自律性の保障の理念を踏まえた上で、真実性の保障の理念を具体化するための規定」と示されている』


としているのは、まさにその通りですし、だからこそ


「放送法が倫理規範であるということは、ほとんどの法律学者が認めている」


わけです。



 放送局の表現内容を義務付けたように一見見える放送法4条1項も、こう解釈することで、ぎりぎり憲法21条の表現の自由侵害で違憲とならずにすみます。こういう解釈技術を、憲法学では合憲限定解釈と言います。


 しっかし、判決文って、一文一文が長いでしょ?


 判例がこうなもんで、わたしたち法律家もこういう文章を書きたがるんです。普通に言えば悪文ですよね。


 ここまで読んでくださって本当にありがとうございます。


 いかに、私の普段のブログが法律家らしくないかが良くわかっていただけたかと思います(笑)。


 さあ、ともかく、これからBPOを守ることで、テレビ局の放送の自由をも守る市民の闘いが始まります。


 そして、テレビ局には、この新聞記事で青山学院大の大石泰彦教授(メディア倫理)がコメントされているように、こう言いたいですね。


「意見書の指摘は評価できるが、表現の自由の主体であるはずのテレビ局自体が、不当な介入に対し抵抗しているのか疑問が残る。BPOという用心棒の陰に隠れてしまってはいないか。表現の自由を守る役割までBPOに外注されては困る」



抵抗するどころか、この人だけは、ま〜〜〜〜〜〜ったく理解できていないんだろうな、放送法のこと。




参考記事


是枝裕和氏(映画監督・BPO新副委員長)のブログより


「放送」と「公権力」の関係について
http://www.kore-eda.com/message/20151107.html
〜NHK総合「クローズアップ現代」“出家詐欺”報道に関するBPO(放送倫理検証委員会)の意見書公表を受けての私見〜



NHKはなぜ、反知性主義に乗っ取られたのか
上村 達男 (著)
東洋経済新報社
NHK前経営委員による最新刊。


「籾井会長は経営委員会が指名したのですから、私にも経営委員の一人としての責任があることは間違いありません。(中略)本書のような書物を出版することで、問題のありかをすべてさらけ出し、NHKの今後のあり方を検討するための素材を提供することこそが、私にできる責任の取り方と考えるほかはありませんでした。」



放送法を読みとく
鈴木 秀美 (著), 砂川 浩慶 (著), 山田 健太 (著)
商事法務
放送番組の編集は、放送事業者の「自律」(=自らにルールを課し、守る)に任されている。


この記事が、日本の言論の自由を守る武器、せめて一助になれたらいいな、と願ってます。


最高裁判決文より該当部分
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/321/052321_hanrei.pdf

「法4条は,放送事業者が真実でない事項の放送をしたという理由によって,その放送により権利の侵害を受けた本人又はその直接関係人(以下「被害者」と総称する。)から,放送のあった日から3か月以内に請求があったときは,放送事業者は,遅滞なくその放送をした事項が真実でないかどうかを調査して,その真実でないことが判明したときは,判明した日から2日以内に,その放送をした放送設備と同等の放送設備により,相当の方法で,訂正又は取消しの放送(以下「訂正放送等」と総称する。)をしなければならないとし(1項),放送事業者がその放送について真実でない事項を発見したときも,上記と同様の訂正放送等をしなければならないと定めている(2項)。そして,法56条1項は,法4条1項の規定に違反した場合の罰則を定めている。


 このように,法4条1項は,真実でない事項の放送について被害者から請求があった場合に,放送事業者に対して訂正放送等を義務付けるものであるが,この請求や義務の性質については,法の全体的な枠組みと趣旨を踏まえて解釈する必要がある。憲法21条が規定する表現の自由の保障の下において,法1条は,「放送が国民に最大限に普及されて,その効用をもたらすことを保障すること」(1号),「放送の不偏不党,真実及び自律を保障することによって,放送による表現の自由を確保すること」(2号),「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって,放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること」(3号)という三つの原則に従って,放送を公共の福祉に適合するように規律し,その健全な発達を図ることを法の目的とすると規定しており,法2条以下の規定は,この三つの原則を具体化したものということができる。


 法3条は,上記の表現の自由及び放送の自律性の保障の理念を具体化し,「放送番組は,法律に定める権限に基く場合でなければ,何人からも干渉され,又は規律されることがない」として,放送番組編集の自由を規定している。すなわち,別に法律で定める権限に基づく場合でなければ,他からの放送番組編集への関与は許されないのである。法4条1項も,これらの規定を受けたものであって,上記の放送の自律性の保障の理念を踏まえた上で,上記の真実性の保障の理念を具体化するための規定であると解される。 


 そして,このことに加え,法4条1項自体をみても,放送をした事項が真実でないことが放送事業者に判明したときに訂正放送等を行うことを義務付けているだけであって,訂正放送等に関する裁判所の関与を規定していないこと,同項所定の義務違反について罰則が定められていること等を併せ考えると,同項は,真実でない事項の放送がされた場合において,放送内容の真実性の保障及び他からの干渉を排除することによる表現の自由の確保の観点から,放送事業者に対し,自律的に訂正放送等を行うことを国民全体に対する公法上の義務として定めたものであって,被害者に対して訂正放送等を求める私法上の請求権を付与する趣旨の規定ではないと解するのが相当である。


 前記のとおり,法4条1項は被害者からの訂正放送等の請求について規定しているが,同条2項の規定内容を併せ考えると,これは,同請求を,放送事業者が当該放送の真実性に関する調査及び訂正放送等を行うための端緒と位置付けているものと解するのが相当であって,これをもって,上記の私法上の請求権の根拠と解することはできない。


 したがって,被害者は,放送事業者に対し,法4条1項の規定に基づく訂正放送等を求める私法上の権利を有しないというべきである。


 以上によれば,法4条1項に基づく訂正放送を命じた原審の前記判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,上告理由について判断するまでもなく,原判決主文第一項2は破棄を免れない。


 そして,以上に説示したところによれば,被上告人の訂正放送請求を棄却した第1審判決は結論において正当であるから,同項2に係る部分につき,被上告人の控訴を棄却すべきである。


 なお,被上告人の損害賠償請求に関する上告については,上告受理申立て理由が上告受理の決定において排除されたので,上告を棄却することとする。」



BPO委員長、首相らの批判に反論 政治介入に「NO」
http://digital.asahi.com/articles/ASHCD5J3KHCDUTIL02P.html?rm=580
星賀亨弘、佐藤美鈴 2015年11月13日03時14分 朝日新聞



http://digital.asahi.com/articles/photo/AS20151112003364.html
インタビューに答える川端和治委員長=12日、東京都港区、竹花徹朗撮影



放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会の川端和治(よしはる)委員長は12日、朝日新聞のインタビューに応じ、「放送法を根拠にした放送への政治介入は認められない」と改めて主張した。NHK「クローズアップ現代」の放送倫理違反を指摘した委員会の意見書で、政府や自民党を批判したことに対し、安倍晋三首相や高市早苗総務相らから反論が相次いでいた。


 安倍首相や高市総務相は放送法の規定は行政処分の根拠になる「法規範」だとして、BPOの意見書を批判した。一方、BPOは、放送法は放送事業者が自らを律する「倫理規範」だとして対立している。


 川端委員長は「放送法が倫理規範であるということは、ほとんどの法律学者が認めている」と説明。一方で、「元々(放送免許の許認可権を持つ)総務省、旧郵政省が行政指導をしてきたのは放送法に法規範性があるという考え方からだから、立場の違いがあることは十分承知していた」とした。


 「倫理規範」と解釈する理由について、法が成立した経緯をあげる。「戦前の日本の言論統制に対する反省から、政治権力が直接規制を加えることがあれば、表現の自由を保障する日本の憲法のもとでは問題があるという意識は皆持っていた」。1950年に放送法が国会に上程された際の趣旨説明をあげ、「『放送番組に対する検閲、監督等は一切行わない』と述べていた」と説明する。


 その後、放送法は改正されたが、基本構造は変わっていないという。2004年の最高裁判決で4条について「放送の自律性の保障の理念を踏まえた上で、真実性の保障の理念を具体化するための規定」と示されていると指摘した。


 BPOは2009年、総務省がBPOの結論を待たずにTBSの番組に厳重注意したことに対し、委員長談話で「懸念」を表明した。その後6年間は行政指導が「パタッと止まった」という。今回の行政指導に「談話を境に出なくなったのに、また出たので非常に懸念を持った。BPOに任せて見守ろうという立場に戻ってほしい」と話す。


 一方、総務相の厳重注意は4月。即座に反論しなかったことについては「委員会の役割は、あくまでも具体的な放送番組について意見を述べること」と答えた。


 自民党の事情聴取について安倍首相が「(NHKの)予算を国会で承認する国会議員が事実を議論するのは当然」と反論したことには、「私がコメントする問題ではない」としつつも、「番組の内容によって予算変えるんですかね」と皮肉った。さらに、政府・自民党が介入する場合の問題点を「放送の現場の意欲をそぎ、萎縮させてしまう」と改めて主張した。


 自民党にBPOも呼ばれたらどうするのか。「実際に起きた時にならないと決められない。ただ我々は、政党にいちいち説明をして回るような機関ではないと基本的に考えている」


 BPOは、法律家、ルポライター、漫画家など専門性を持った委員が集まる。川端委員長は弁護士で企業コンプライアンスなどに詳しく、07年の放送倫理検証委員会発足以来委員長を務めてきた。「委員に共通するのは、日本の表現の自由を守ろうという思い。辛口の評論家としての意見を述べて、放送倫理を向上させる。総務省の代行をしているわけではない。政治権力からの事実上の圧力で放送局が萎縮して、国民が本当に知りたい情報が伝わらなくならないように、と考えている」と語った。


■法解釈、政府や自民と対立


 BPOが政府・自民党を批判したことについて、上智大の音好宏教授(メディア論)は「放送の自主自律を守るBPOとしては当然のこと」と話す。


 BPOと政府・自民党は放送法をどう位置づけるかで意見が対立しているが、「放送法の4条にある『報道は事実をまげないですること』などの放送番組基準は倫理規範だというのが定説」と説明する。もし放送の内容を制約する定めだとすると、表現の自由を保障する憲法21条に違反することになるからだ。


 一方で国も、放送法を根拠に行政処分ができるとの立場をとりつつ、番組内容への介入には慎重だった。1972年、当時の広瀬正雄郵政相は参院逓信委員会で番組への行政指導について「効果の少ないものであり、またいろいろ弊害を伴う」と答弁している。


 政治の介入が強まるきっかけとなったのが、93年の「椿(つばき)問題」。テレビ朝日の報道局長が非自民政権が生まれる報道をするよう指示したとされ、放送免許の不交付が検討された。以後、厳重注意など放送局への行政処分が増えていった。


 NHKと民放は2003年、政治介入を避けるため放送倫理上の問題に自主的に取り組むBPOを設立。07年には放送局への「調査権」などを付与した放送倫理検証委員会を新設し、機能を強化した。


 ただ、BPO頼みでいいのかという声もある。青山学院大の大石泰彦教授(メディア倫理)は「意見書の指摘は評価できるが、表現の自由の主体であるはずのテレビ局自体が、不当な介入に対し抵抗しているのか疑問が残る。BPOという用心棒の陰に隠れてしまってはいないか。表現の自由を守る役割までBPOに外注されては困る」と指摘する。(星賀亨弘、佐藤美鈴)


     ◇


 〈放送法〉 テレビ・ラジオ放送の事業者や番組などについて定めた法律で、1950年にできた。第1条で「不偏不党」「自律」「表現の自由」「健全な民主主義の発達に資する」という基本原則をうたう。第4条では「放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない」として、「公安及び善良な風俗を害しないこと」「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」の4点を定めている。



首相、BPO意見書に反論「法規違反に対応は当然」
http://www.asahi.com/articles/ASHCB5KPHHCBUTFK00L.html
2015年11月10日19時42分 朝日新聞


 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が6日に発表した意見書で、NHK番組「クローズアップ現代」の過剰演出問題をめぐる高市早苗総務相や自民党の対応を批判したことが、10日の衆院予算委員会で取り上げられた。


 高市氏は文書による厳重注意の根拠として、「報道は事実をまげないですること」とした放送法第4条などの規定を挙げている。この点について、意見書は「放送事業者が自らを律するための『倫理規範』であり、総務相が介入する根拠ではない」と主張。同法が保障する放送の「自律」を侵害した、としている。


 安倍晋三首相は10日の予算委で「単なる倫理規定ではなく法規であり、法規に違反しているのだから、担当官庁が法に則(のっと)って対応するのは当然」とBPOに反論した。


 さらに意見書が「政権党による圧力」とした自民党情報通信戦略調査会の事情聴取についても、「NHK予算を国会で承認する責任がある国会議員が、事実をまげているかどうか議論するのは至極当然だ」と語り、正当性を強調した。


 同調査会は11日に幹部会を開き、意見書についても議論する見通しだ。



BPO意見書:谷垣・菅氏が批判に反論
http://mainichi.jp/select/news/20151110k0000m040012000c.html
毎日新聞 2015年11月09日 17時49分(最終更新 11月09日 23時27分)



自民党の谷垣禎一幹事長=森田剛史撮影



菅義偉官房長官=木葉健二撮影


 NHK報道番組「クローズアップ現代」のやらせ疑惑に関し、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が「政権党による圧力」と指摘したことに対し、自民党の谷垣禎一幹事長は9日、「『報道の自由があるから、やらせに対して一切、口をつぐんでいる』というのがよいとは思わない」と反論した。


 自民党の情報通信戦略調査会は今年4月、同番組についてNHK幹部から事情聴取した。これについてBPOの検証委は今月6日に公表した意見書で「放送の自由と自律に対する政権党による圧力そのものであり、厳しく非難されるべきだ」と批判した。


 谷垣氏は、党の事情聴取がNHKの中間報告後だったことを指摘し、「事前にこうしろ、ああしろということを申し上げたわけではない」と強調。今後、同様の事例があった場合について「(番組関係者に)来てもらい、事情を聴くことはある」と述べた。


 一方、菅義偉官房長官も9日の記者会見で、BPO検証委が高市早苗総務相によるNHKへの厳重注意を「放送法の侵害行為」と批判したことについて、「BPOは放送法を誤解している」と反論。「NHKの調査報告書に放送法に抵触する点があったので、必要な対応を行った」と強調したうえで、「BPOは、放送法が規定する番組を編集する際の順守事項を単なる倫理規範であると解釈している」と指摘した。


 これに対し、民主党の枝野幸男幹事長は9日、国会内で記者団に「問題があればBPOなどで是正されるのが報道、表現の自由の基本姿勢だ。行政や与党は、不適切と思われるような報道に対し、最も抑制的でなければならない」と批判した。【佐藤慶、高本耕太】



「訂正放送は放送局の自律的な義務」 最高裁が初の判断
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/focus/002.html

放送によって権利を侵害された人が,放送局に訂正放送を求めることができるかどうかが争われていた民事訴訟で,最高裁判所は11月25日,民事訴訟による訂正放送の請求はできないという初めての判断を示した。


この訴訟は,離婚をめぐるNHKの放送で,夫の一方的な言い分だけが放送され名誉を傷つけられたとして,埼玉県の女性(58歳)が訂正放送と損害賠償を求めていたもの。 NHKは96年6月,総合テレビの番組『生活ほっとモーニング』で「妻からの離縁状・突然の別れに戸惑う夫たち」とのテーマで夫婦の離婚問題を放送した。この番組のなかで「結婚21年目に妻から突然離婚してほしいといわれた。離婚から4年を経過しても妻がなぜ突然離婚を要求したのか分からず,戸惑っている」という男性の話が紹介された。これに対して,この男性の前の妻である女性が,自分には取材せずに前の夫の言い分だけが一方的に取り上げられ,事実と異なる放送によって精神的苦痛を受けたとして,NHKに訂正放送と損害賠償を求めて民事訴訟を起こした。


1審の東京地裁は98年11月にこの女性の請求を棄却したが,2審の東京高裁は01年7月,夫の側に家庭を顧みない部分があったにもかかわらず一方的な言い分を放送し,女性が自己中心的であるかのような印象を与えたとして,NHKに訂正放送を命じ,名誉棄損とプライバシー侵害を認めて130万円を支払うように命じていた。 最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は,NHKに訂正放送を命じた東京高裁の判決を破棄し,放送法の訂正放送規定は放送局が自律的に訂正放送を行う義務を定めたもので,真実でない放送によって権利を侵害された場合であっても侵害された本人には訂正放送を求める権利はないとの判決を言い渡した。


訂正放送については放送法第4条に,権利の侵害を受けた本人あるいは直接の関係者から3か月以内に請求があった場合には,放送事業者は放送した事項が真実かどうかを遅滞なく調査し,真実でないことが判明したときには,2日以内に訂正か取り消しの放送をしなければならないと定められている。


最高裁第1小法廷は,放送法は表現の自由の下で放送の自律性を保障し,健全な発達を目指すものであるとし,番組への他からの関与を排除することで表現の自由を確保することが放送法の理念であるとした。そして,第4条の規定は法の全体的な枠組みと趣旨をふまえて解釈する必要があり,他からの関与を排除して表現の自由を保障する放送法の理念からして,訂正放送規定は放送局が自律的に訂正放送を行うことを義務づけたものであり,被害者が裁判で訂正放送を求める権利を認めてはいないと判断した。


東京高裁判決が放送による名誉棄損とプライバシーの侵害を認めて原告の女性に130万円の支払いを命じた部分についてはNHKの敗訴が確定した。 この判決を受けてNHKは,26日の『生活ほっとモーニング』の時間に自主的に訂正放送を行った。訂正放送は,当時の夫の言い分を否定するかたちで女性の言い分を放送し,夫側からだけの取材による放送内容であったことを認めて謝罪した。


奥田良胤


 

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コメント
 
1. 2015年11月13日 14:11:46 : Ns4lmygKjc
 民意を無視し憲法を蔑ろにしている政府には「法」を語る資格はない。

2. 2015年11月13日 17:02:23 : FnlFDEpNcF
NHKは安部チャンネル、それでもまだ気にいらない安部自民党政権、理想は平壌中央テレビ。

3. 2015年11月13日 19:11:42 : OtUeAykcYA
> 菅義偉官房長官も9日の記者会見で 「BPOは放送法を誤解している」

「BPOは放送法を誤解している」と云うよりは、恐らくBPOは頭が悪くて理解できていない。

> それは、BPOがこの意見書の中で、総務省が厳重注意の根拠とした放送法4条について、
「ここに言う『放送の不偏不党』『真実』や『自律』は、放送事業者や番組制作者に課せられた『義務』ではない。
 これらの原則を守るよう求められているのは、政府などの公権力である」
 
この主張が正しければ、政府などの公権力は『放送の不偏不党』『真実』や『自律』を実現するための『義務』があることになる。
つまり、政府などの公権力はNHKに対して『放送の不偏不党』『真実』や『自律』を実現するよう命じる義務があることになる。

> 放送法第3条
 放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない

つまり、総務省は法律に定める権限に基づく場合は、放送番組に干渉し、又は規律することが出来る。

> 実はこの放送法4条に関しては、2004年11月25日に最高裁判決が出ています。
> では、最高裁は、なぜ名誉毀損は認めたのに、放送法4条1項3号の「報道は事実をまげないですること」に基づいて、訂正放送しろという請求は棄却したのか。

この事件での問題点は
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること

であり、
三  報道は事実をまげないですること。

ではない。
今回のNHKの問題はこの「三  報道は事実をまげないですること。」に関することであり、それに対して上の最高裁判決を根拠にするのは、問題の歪曲・こじつけである。
つまり、本稿の主張

 それは、最高裁判決の判決理由を見ると、放送法4条1項は、
「真実でない事項の放送がされた場合において,放送内容の真実性の保障及び他からの干渉を排除することによる表現の自由の確保の観点から,放送事業者に対し,自律的に訂正放送等を行うことを国民全体に対する公法上の義務として定めたものであって,被害者に対して訂正放送等を求める私法上の請求権を付与する趣旨の規定ではな」く

の主張は間違いである。


4. 2015年11月13日 23:11:56 : 5Y6XGnLFhQ
BPOの指摘が正しい。それ以上それ以下でもない。菅官房長官の反論は的を射ていない。

5. 2015年11月14日 03:23:59 : dyCqp8xHk6
長谷豊はあのネトウヨ・フジでさえ持て余したクズ。とにかく権威に媚びまくって地に落ちた己れをアピールしたい権勢欲の塊。ただ中身がないから、権力に楯突いてそうな意見の逆張りをして、いずれは安部の広報番組「言って委員会」などのMCでも狙っているんだろ。
今や安部自民政権が目指すのは、戦前回帰というより中国共産党や朝鮮労働党のような独裁全体主義国家。
安部やお仲間のネトウヨが中共や朝鮮を口汚く罵るのは「近親憎悪」なるがゆえなのだと言うのが良く分かる。同じ穴のムジナ。
カルト宗教がらみなのがより悪質。

6. 2015年11月14日 08:16:53 : GeJxReSyqM
>>3
アホかいな。

>この主張が正しければ、政府などの公権力は『放送の不偏不党』『真実』や『自律』を実現するための『義務』があることになる。

あるわけない。
公権力が唱える「事実」や「主張」に事業者は拘束されてはならないという意味であろう。
だいたい 公権力に「義務」があるのになぜ「自律」なのだ?
これは明白に矛盾する。


7. 2015年11月14日 12:09:37 : tHIVKuZsdo
>>6
私はBPOより頭がイイってな御主張がなさりたかったんでしょうよ。


ぃゃぁ。然しなかなか良い記事でした。
途中トイレに行ったり飯喰ったり一寸睡魔に襲われたりしながら、
そんなこんな随分時間掛かっちゃいましたけど、齧り付きで読み切りましたよ。
高く評価します


8. 2015年11月14日 12:21:03 : BozG8Nwpgs
非常識を常識と考えるのが自民党、自分たちのために民がいるというのが自民党

自民の、自民による、自民のための政治がスローガン。


9. 2015年11月14日 12:46:27 : qbs9ZgP6x2
BPOって形骸化した天下り組織かと思ってたが、そうでもなかった。正直見直した。
川端和治委員長は骨のある人物のようだ。

これからも安倍政権はこういうこと(見せしめ)をしては放送局を萎縮させ、自己規制に走らせようとするだろう
今までも気に入らない放送局や新聞社には国税を入れたりと嫌がらせをしてきた前科がある。

一部のOBや言論人のみが抵抗し、抗議の声を上げている現状では流されてしまう。
BPOにはがんばっていただきたい。


10. 2015年11月14日 15:39:13 : oLYPlmPKz6

 1000人くらいのアンケートで安倍晋三の支持率が上昇したと言っているが

 こんなもの世論調査にはならない。たったの1000人くらいで1万、10万、

 100万、1000万、1億人の国民を騙して欺くやり方は、姑息すぎる。

 これは、世論調査ではなく、世論誘導である。

 この自民党政府の人間たちとマスゴミの人間たちには、『正義感』という

 言葉は無いのだろうか?


11. 2015年11月14日 21:12:10 : LY52bYZiZQ
015年11月14日(土)
言論・教育統制はね返す

戦争法・秘密法廃止へ 出版労連集会

畑野・大平・田村議員参加

 日本出版労働組合連合会(出版労連)は13日、国会内で「秘密保護法と戦争法廃止、言論・出版・表現の自由と教科書問題院内集会」を開きました。約70人が参加。集会後、国会議員に要請をしました。

 要請書は、▽国民の知る権利、言論・出版・表現の自由を守るため、戦争法と秘密保護法を廃止する▽すべての教科用図書の価格について原価計算を行い、適正化を図る▽教育予算を増額する―ことなどを求めています。

 大谷充委員長があいさつし、秘密保護法、戦争法、言論の統制が一体で進められていることについて、「息苦しい状況にある。継続して粘り強くたたかっていきたい」と訴えました。

 木村広書記長は、政府与党による言論への介入が強まっていることや、教科書が低い価格(小学校平均価格で393円)にとどめられていることが子どもたちの教育が保障されないことにつながると指摘しました。

 全国私立学校教職員組合連合の山口直之書記長と日本マスコミ文化情報労組会議の是村高市副議長が連帯のあいさつ。「教育への統制をはね返していくことは共通する目標。ともにがんばりたい」などと話しました。

 日本共産党の畑野君枝、大平喜信の両衆院議員、田村智子参院議員が参加し、あいさつしました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-11-14/2015111414_01_1.html


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