そして維新になってから、口だけの既成政党とは違い、改革が行われ明らかに経済は改善した。

つまり衰退を食い止めるためには2重行政の無駄を省き、豊かな大阪市の既得権を大阪全体に及ぼす厳しい改革が必要であることを総論としては理解しているということだが、
それが議会にまで及ばないことは、やはり維新自体の人材不足に加え、政治家も含めた民度の低さと言わざる得ないだろう。

こうした傾向はアルゼンチンなど経済苦境に陥る世界全体でも同じように見られる。

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アルゼンチン大統領選、南米左派政権の衰退を示唆

アルゼンチン大統領選での中道右派・野党連合のマウリシオ・マクリ氏の勝利は南米のポピュリストリーダーたちの先行きのシフトを示唆 PHOTO: ASSOCIATED PRESS
By DAVID LUHNOW AND JUAN FORERO
2015 年 11 月 24 日 19:37 JST

　アルゼンチンで22日に実施された大統領選挙の決選投票で、中道右派の野党連合のマウリシオ・マクリ・ブエノスアイレス市長が勝利した。これは、ここ17年間、南米を極端に左派寄りにしたポピュリストのいわゆる「ピンクの潮流（選挙による左派の台頭）」の反転の可能性を示している。

　ボリビアのモラレス大統領など一部のポピュリストは引き続き人気があり、確実に権力を握っているが、他のポピュリストの勢いは現在、衰えつつある。南米の輸出を押し上げていた商品価格が下落し、一連の汚職事件、経済的舵取りミスなどもあり、有権者が変化を熱望していることがその原因だ。

　マクリ氏の勝利で、現職のクリスティナ・フェルナンデス大統領と夫の故ネストル・キルチネル前大統領が実現した左派政治のポピュリストブランドで12年間続いた「キルチネリスモ」が終わりを遂げる。キルチネル夫妻はともに、産業の国営化や中央銀行の独立性剥奪、歳出と助成金の拡大を進めた。こうした政策で国民の所得は一時的には押し上げられたが、投資は損なわれ、インフレが高進した。

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　ブラジルでは、元左翼ゲリラで労働党のジルマ・ルセフ大統領が支持率10％という低迷に苦戦している。同国は過去25年間で最悪の経済低迷に陥っており、国営石油大手ペトロブラスは汚職問題に見舞われて久しい。

　ベネズエラで12月6日に予定されている議会の中間選挙では、左派の扇動者だった故ウゴ・チャベス大統領の後継者、マドゥロ大統領が大敗を喫すると予想されている。世論調査では20ポイント以上の差での野党勝利が示されており、野党が議会過半数を占め、マドゥロ大統領のリコール投票を求める勢いが増す可能性が高い。

　ブラジルの元財務大臣で、現在はサンパウロのシンクタンクでパートナーを務めるマイルソン・ダ・ノブレガ氏は、「今回のアルゼンチン大統領選で起きたことは、中南米での最初の変化だ」と指摘。「ポピュリスト政府の失墜の始まりになるかもしれない。次はベネズエラだ。2018年にはブラジルがそれに続くとみている」と述べた。

　経済的低迷が、有権者が変化を望む一因と言える。ベネズエラは200年ほど前にスペインから独立して以来で最悪の景気後退を経験している。同国経済は昨年4％のマイナス成長となったが、国際通貨基金（IMF）の予想では、今年は10％のマイナス成長、来年もさらに6％のマイナス成長を見込んでいる。

　IMFはブラジルについては今年、マイナス3％の経済成長率、来年はさらに1％のマイナス成長を予想している。アルゼンチンの昨年の経済成長率は0.5％にとどまり、今年も0.4％となる見通しで、来年は0.7％のマイナス成長が予想されている。

　チリに本部を置く世論調査会社ラティノバロメトロの代表、マーサ・ラゴス氏は「お金がなければポピュリズムは存在しない」と指摘。同氏は、商品ブームの終わりによって、左派から右派まで南米の全政府が打撃を受けるが、ポピュリスト左派の政権は最も分が悪いとの見方を示した。理由としては経済政策が最悪だからだという。

　中道へのシフトは中南米地域に憂慮すべき結果を招きかねず、そうなれば政治的に一段とプラグマティック（実用主義的）なブランドに門戸が開かれる。だが、貧困層が恩恵を受けられなければ、不安定化のリスクが高まることになろう。商品相場低迷の中で支払いに苦戦する諸国は、外国投資や貿易に一段と積極的になる可能性がある。また、米国との関係も改善する公算が大きい。

　マクリ氏はすでに、ベネズエラに対して強硬路線を強める意図を示唆している。ベネズエラは中南米で米国にとって最大の対抗国だ。ベネズエラ政府はここ数年、国民の自由を大幅に縮小しており、野党指導者のレオポルド・ロペス氏といった反対派を投獄している。

　アルゼンチンは今まで、ベネズエラの無条件の同盟国の中で、南米で最も影響力のある国だった。しかし、マクリ氏は先週、南米の関税同盟である南部共同市場（メルコスル）の一員としてアルゼンチンはベネズエラに対し、「反対勢力の迫害と言論の自由に関する虐待」を理由に、いわゆる国内条項への違反によってメルコスルからの除名を求めると述べた。

　中国の景気減速ならびに商品相場の下落に圧迫され、アルゼンチンといった諸国が貿易や外国投資に一段と積極的になる可能性がある。

　「ピンクの潮流」は1998年後半にチャベス氏がベネズエラの大統領選で当選したときに始まった。当時から2008年までの間に、南米では、大国のブラジルから比較的富裕なアルゼンチン、貧困に苦しむボリビアまで、他に7人の中道左派のリーダーたちが政権についた。合計すると、2000年代後半には南米の約3億6500万人の人口のうち、約3億人は左派指導者が統治する国に暮らしていた計算になる。

　05年にはアルゼンチンとベネズエラ、ブラジルが団結してジョージ・W・ブッシュ米大統領（当時）の自由貿易協定構想に反対した。

　左派政権がすべてポピュリストというわけではない。例えばチリとウルグアイ政府は社会福祉制度を強化する一方で自由市場政策を追求してきた。

　しかし、アルゼンチンとベネズエラは外国企業の国営化を推進し、貧困層向け対策のために紙幣を増刷した。こうした政策を受けてインフレが高進した一方、選挙で数百万人の国民の忠誠を取り付けた。

　今日、ブラジルとアルゼンチン、ベネズエラの3国は全て、インフレと財政赤字に苦しんでいる。ブラジルの対外債務利払いを含む財政赤字額は現在、対国内総生産（GDP）比9.3％に達している（政府統計による）。IMFはアルゼンチンの財政赤字は対GDP比2.5％、ベネズエラは同21.3％との概算を示している。

　また、ベネズエラは米州で最も腐敗した国とみなされている。世界の汚職・腐敗に対する市民の認識を調査する国際非営利団体（NGO）のトランスぺアレンシー・インターナショナルによると、ベネズエラは2014年の腐敗リストの174カ国中ほぼ最下位だった。ベネズエラはシリアやギニアビサウ、ジンバブエ以上に汚職が広がっているとみなされている。

　ラティノバロメトロのラゴス氏は、「こうした新リーダーたちは社会運動のアイコンだった。かれらは伝統的政治家とは違うはずだった。しかし、新リーダーたちは伝統的政治家と全く同じように振舞うか、それ以下であることを実証した」と指摘した。

　ブラジリアの政治アナリスト、ティアゴ・デアラギャンロ氏は、南米の貧困層の所得が上昇したことで、政治家の実績への要求が高まっており、インターネット情報へのアクセスが高まっていることで、有権者は他の国との比較が一層容易になったと話す。

　同氏は「詰まるところ、政府の実行力が全てだ」とし、「故チャベス大統領が中南米のポピュリズム理論抹殺の責任を最も負っていると確信している。チャベス氏は発言ばかりで実行が伴わなかったことが明白だった」と語った。

　さらに同氏は、中南米はやっと、左派と右派のイデオロギー上の古い相違を離れ、機能することに焦点を絞ることになる公算が大きいと指摘。「イデオロギーは包装紙に過ぎず、本当に重要なのは中身だ」と述べた。

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