医龍　亮

http://www.amazon.co.jp/Kindle%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A2-%E5%8C%BB%E9%BE%8D%E3%80%80%E4%BA%AE/s?ie=UTF8&page=1&rh=n%3A2250738051%2Cp_27%3A%E5%8C%BB%E9%BE%8D%E3%80%80%E4%BA%AE

　よく知られているように、日本のイルカ漁及び、漁法の残忍さが国際的な批判を浴
びている問題がある。それに対して日本は、ほぼ頑なといっていいほど、イルカ漁を
擁護し、国際社会の批判を非難している。

　自分は、少なくともイルカの残忍な漁法ぐらいは法規制し、国際的な要請にこたえ
るべきであると思っている。感覚的に、日本人の多数が、イルカ漁擁護派と感じる
ので、この意見はマイノリティーだと思う。
　だからといって、自分が熱烈な環境保護活動家とかだからでもなく、イルカの熱烈
なファンだからでもない。
　あくまで「国益」の観点から、少なくともイルカ漁の漁法は何らかの法規制をすべ
きだと思っているのである。というか、バランス感覚から主張しているといってもいい。

　日本のイルカ漁の擁護は大体以下のとおりである。

1. 日本のイルカ漁は日本の伝統文化であり、他国は批判すべきではない
2. 人間が生きていくためには、何らかの生き物を殺さざるをえないのであり、豚、牛
は殺生してもよくイルカはいけないなんて単なる、欧米の考え方の押し付けに過ぎ
ない、それぞれの国に固有の価値観があるのでそれを批判すべきではない

　イルカ漁擁護に対して批判する。
　1. について。確かに日本は縄文時代からイルカは食用の対象だったらしく骨が発見
されている。http://www.nihonkaigaku.org/library/lecture/i040605-t4.html　
　しかし、イルカはもちろん有史以降は、重要な食料であったことはほとんどなく、
鯨と比べるとほとんど脇役に等しい。
　そして、今生きている日本人のどのくらいがイルカを重要な食料として食べている
だろうか。和歌山や岩手の漁村のごく一部の数十人前後なのではないだろうか。圧倒
的多数、99パーセントの人間は、イルカ肉をまったく食べたことがない、または、数
回食べたことがあるぐらいだと思われる。すでに、現代日本人にとってまったく重要
性の無い食なのである。イルカ漁の漁法どころか、イルカ肉でさえ、現代日本人にと
ってほぼ価値を見出せないのである。

　2.について。確かにどの動物を食べていい、食べていけないの線引きは、厳密に不
可能かもしれない。しかし、大まかな普遍的なコンセンサスはあるように感じる。人
類に近い種である、猿、チンパンジー、ゴリラは、伝統的な部族を除いて当然のよう
に食べてはいけない。人類が長年パートナー、ペットとしてきた、犬、猫は食用にし
てはいけない。そして、猿を含め、知的な生物は食べてはいけない。これにイルカが
該当する。
　もちろん線引きは難しい。なのでここで強くは主張しない。

　何よりも擁護の意見がばかげていると思うのは、これらの事実に基づくバランス感
覚である。主張したように、もはや日本人にとってイルカ肉は、ほぼ価値が無い。仮
にイルカ漁が、全面禁止されたところで、まったくといっていいほど影響は無い。人
生で、まったくイルカを食べたことが無い人が大部分なのだから。漁師、漁業組合も
ほとんど影響が無い。ほとんどの漁師は、イルカを釣っていない。釣っている漁師も
イルカが、漁の中心を占める人なんてほとんどいない。
　ましてや、特定の漁法の禁止なんて、太地町の圧倒的にわずかな漁師たちが不利益
を受けるだけである。そんな彼らにとっても生活の糧が全面的に奪われるわけでは
ない。一部である。

　ほとんど、禁止したところで実害が無いのだ。にもかかわらず、感情的な人が、「
イルカ漁は、日本の伝統であり、他国が口出しすべきではない」と主張する。そうい
う人々の多くが、人生でまったく一度もイルカを口にしたことが無いのに伝統だと言
い張る。

　日本政府がイルカ漁の特定の漁法について法規制しないことで、日本人は「残忍だ
、野蛮だ」と国際社会に植えつけられる。すでに、国際社会で従軍慰安婦や南京の問
題がよく知れ渡ってしまっているので「やはり、日本人は残忍だ。表面的には、民主
主義体制をとり、良心的に装っているが、根は残忍なのだ」と訳のわからない、リン
クを見せるかもしれない。

　実害がほぼない、イルカ漁の特定の漁法の禁止をするだけで、そういう危険を防ぐ
ことができるのだ。

※ とりあえず、言論を表現できる場所を探していて、阿修羅はレスがつくので阿修羅に書き込みます。とにかく、１、わかりやすさ、２、独自の視点をモットーに書き込みます。経済学はそれなりに専門知識があります。

コメント
1. 暴論有理 2015年12月05日 12:32:21 : Lhw6YrhSkkinE[120] : lzY81QZMeI : Q4iY7FcA5J8 禁止も擁護も必要ないんじゃないか。イノシシ狩りだってあるけど、豚とイルカはどちらが知的か？ 問題はイルカ漁と捕鯨を日本政府が同一視して擁護している事だ。 捕鯨は資源保護、資源管理の面で問題だから世界から叩かれる。もはや、捕獲生物の智能レベルは20年前の問題となっている。牛ぶたを欧米が大食しても批判されないのは己が生産しているからだ。知的レベルの問題なら欧米人は今でも狩猟が大好きなんだから。 日本はそのほかに、マグロとか漁業資源を乱獲して、己の首を絞めている。 整理すると、 ・漁業資源の乱獲には反対。捕鯨もクジラ資源が回復すれば管理下で捕鯨の再開もよし。ただし、日本の漁業資源の乱獲は異常。 ・イルカ漁は地域の伝統漁法なので、漁業資源の乱獲とは言えないので、規制の必要は無いし、政治が判断する項目ではない。 ただし、イルカ等，ほとんど日本人が気持ち悪くて喰えないのだから、あえて国が擁護する必要は無い。シーシェパードと太地町の問題だ。世界のイルカ擁護者の反感よりもイルカの経済的価値を漁師達が優先するならしょうがないし、漁師が電気ショックとかスマートな漁法を導入したら、また流れが変わるかもしれない。
2. 2015年12月05日 14:59:18 : HthLUjyC2U : ND2dD&dNmeY しかし少数とはいえ昔から実際に食べてる村民や町民がいるのだからな。 年がら年中捕獲してるわけでもなく頭数も微々たるもの。 オーストラリアに旅行に行った人がカンガルーのジャーキー をくれたが日本人からしたら「え〜！」となるんじゃないか？ 実態を全く知らない戯言のように聴こえる。
3. 北の吟遊詩人 2015年12月05日 16:31:45 : 3lfvZQ5gr4BHg[529] : Kpq7df7vXg : KHdXAAYoMkE いるか漁は、国際世論で悪感情を持たれるので国益のために私も禁止したほうがいいと思います。 本当は全面禁止でいいと思っていますが、とりあえずは譲歩して部分的な禁止から。 なぜ国がいるか漁に、今もなおこだわるの？かわからないです。 いるかを食料にしている人なんてほとんどいない、聞いたこともない。 その通りです。 イルカはかなり高い知能を持つと今はわかっています。 それがわからなかった昔と比べてもしょうがない。 これ以上日本が、反知性主義の国だと思われるのは嫌です。 知性と理性を持つ普通の国に。
4. 2015年12月05日 17:39:17 : YaegIPKLG2 : Fbydgb5o7yo 伝統だから何なんでしょう。 米を食わない着物を着ない、お節にローストビーフ、クリスマス、ハロウィン。 日本人が、伝統文化を大事にする人たちだなんて 外国人はもちろんですけど。日本人も思ってないでしょ。 他国から文句言われたら当てつけに大事にするんですか。 米も禁止されたら消費量増えるかな。
5. 2015年12月05日 19:18:09 : gB7gALiZ9k : jehVp05R54s まあ、イルカ漁は政治的に禁止は出来ないが、消費者運動で反対するとか社会的反対運動にはokだな。 だいたい太地町のイルカ漁が本格化したのも歴史が古い訳じゃない。 ほかにも、下手物食いはいくらでもいるけど、田亀をくっても、イルカはだめだとは絶滅危惧種ではない限り、いいづらい。
6. 2015年12月05日 19:45:28 : HthLUjyC2U : ND2dD&dNmeY >>03 >> イルカはかなり高い知能を持つと今はわかっています 知能が高いから食べては駄目で知能が低いから食べてもいい？ それはおかしいだろう（笑） ブタも其れ相応に高いんじゃなかった？ 昔からごく自然に食べていたものを欧米が捕獲してはダメと 言ったから今日から獲るな食べるなでは住民だって憤るだろう。 国益というのはそういうのを言うのかね。
7. 2015年12月05日 20:07:59 : 1laTubqZew : hlWcdAoezQk 鯨油目的でマッコウクジラを殺しまくってた連中の話なんかまともに聞く必要はないね。 欧米人相手だと、過剰忖度になるバカな日本人が本当に多いよな。
8. 2015年12月05日 23:32:25 : AUj94hxC0c : Uac&O_ELTpc イルカより多分知的な 　 　　　人 を殺しても戦争だから 対テロだからと言っている 奴らに比べれば 捕鯨やイルカ漁なんて かわいいものです。 こんなご意見のかたは、 生き物はきっと食して ないのでしょう。 簡単に人を殺せる 銃の規制も出来ず。 誰でも簡単に購入出来る 国もあるのに！なぜ イルカ漁？？？なの？
9. 2015年12月06日 08:32:00 : xqEk6mxhpE : lQRfCI6C698 国際世論に配慮してって言うが、ヒンズー教徒は聖なる牛を喰うのはタブーだし、イスラム教徒にとっては豚を喰うなんて悪魔に等しい所業だ。 西欧人は馬に思い入れがあるから馬を喰うなというし、モンゴルでは魚は神様と思われているから喰うなんて端から考えもしない。 食生活なんて典型的な「民族の文化」で宗教とも切り離せなくて、地球上に100の民族が居れば100の食習慣がある。 極論すれば食人だって、第三者には批判する権利なんて無い。
10. 2015年12月06日 17:38:18 : 0zED7mr5TE : xVWuYAk5rIA 一度ご馳走になったが、調理法が良くなかったのか匂いが気になって二度と食べまいと思ったものだ。 日本海のワニにしてもそんなに需要があるものではなかろう。 禁止すべきとは思わないが、目立たないように獲れば角も立つまい。

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