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日韓合意あいまい決着が問題を再燃させる懸念ー(植草一秀氏)
http://www.asyura2.com/15/senkyo198/msg/788.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 29 日 18:35:06: igsppGRN/E9PQ
 

日韓合意あいまい決着が問題を再燃させる懸念ー(植草一秀氏)
http://www.twitlonger.com/show/n_1so41hu
29th Dec 2015  市村 悦延 · @hellotomhanks


12月28日の日韓外相会談で、旧日本軍の従軍慰安婦問題を最終決着させると合意した。

このことについて、朝日新聞は

「慰安婦問題で日韓合意 日本国内、歓迎と懸念の声が交錯」

と伝えている。

北海道新聞
「慰安婦問題合意 日韓は一層歩み寄りを」

東京新聞=中日新聞
「従軍慰安婦問題で合意 「妥結」の重さを学んだ」

と論評する一方、

産経新聞
「共同文書化できず 「最終決着」は韓国次第 財団への拠出金急ぐ必要なし」

と報じている。社説では

朝日「慰安婦問題の合意 歴史を越え日韓の前進を」

読売「慰安婦問題合意 韓国は「不可逆的解決」を守れ」

毎日「慰安婦問題 日韓の合意を歓迎する」

産経「慰安婦日韓合意、本当にこれで最終決着か 韓国側の約束履行を注視する」

日経「「慰安婦」決着弾みに日韓再構築を」

などと報じられている。


日韓両国は共同文書を発表できなかった。

外相が共同発表というかたちで合意を発表した。

その共同発表においては、

尹炳世韓国外相が、

「本日、岸田外相と全力を尽くして協議した結果、両国が受け入れ得る内容の合意に達することができた」

と発言し、

岸田文雄外相が

「日韓間の慰安婦問題については、これまで両国局長協議等において集中的に協議を行ってきた。
その結果に基づき、日本政府として以下を申し述べる。

一、慰安婦問題は当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、
かかる観点から、日本政府は責任を痛感している。安倍首相は日本国首相として、
改めて慰安婦としてあまたの苦痛を経験され、心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し、
心からおわびと反省の気持ちを表明する。

二、日本政府はこれまでも本問題に真摯(しんし)に取り組んできたところ、
その経験に立って、今般日本政府の予算により、全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置を講じる。
具体的には、韓国政府が元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し、
これに日本政府の予算で資金を一括で拠出し、日韓両政府が協力し、
全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業を行うこととする。

三、日本政府は以上を表明するとともに、以上申し上げた措置を着実に実施するとの前提で、
今回の発表によりこの問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。
併せて、日本政府は韓国政府と共に、今後、国連等国際社会において、
本問題について互いに非難、批判することを控える。

なお、先ほど申し上げた予算措置については、規模としておおむね10億円程度となった。
以上のことについては、日韓両首脳の指示に基づいて行ってきた協議の結果であり、
これをもって日韓関係が新時代に入ることを確信している。」

と述べた。


これに対して尹外相は、

「韓国政府として以下を表明する。

一、韓国政府は日本政府の表明とこのたびの発表に至るまでの取り組みを評価し、
日本政府が先に表明した措置を着実に実施されるとの前提で、このたびの発表を通じて、
日本政府と共にこの問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。
韓国政府は日本政府が実施する措置に協力する。

二、韓国政府は、日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し、
空間の安寧、威厳の維持といった観点から懸念しているという点を認知し、
韓国政府としても可能な対応方法に対し、関連団体との協議等を通じて適切に解決されるよう努力する。

三、韓国政府はこのたびの日本政府が表明した措置が着実に実施されるとの前提で、
日本政府と共に今後、国連など国際社会において本問題に対する相互非難、批判を自制する。」

と述べた。

日本政府が「心からおわびと反省の気持ちを表明」し、
「韓国政府が元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し、
これに日本政府の予算で資金を一括で拠出し、日韓両政府が協力し、
全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業を行う」ことを表明したうえで、
「予算措置については、規模としておおむね10億円程度となった」ことを言明した。

尹外相は、「日本政府と共にこの問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と発表したが、

この言葉の前には、

「日本政府が先に表明した措置を着実に実施されるとの前提で」

の言葉が付されている。

この「前提条件」は、

「日本政府と共に今後、国連など国際社会において本問題に対する相互非難、批判を自制する」

とした文言の前にも付されている。

また、

「日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し、

空間の安寧、威厳の維持といった観点から懸念しているという点」

に関しては、この点を「認知」し、

「韓国政府としても可能な対応方法に対し、関連団体との協議等を通じて適切に解決されるよう努力する」

とした。撤去を約束しているわけではない。

つまり、合意は一定の前提に基づく基本姿勢を示したものであり、

現時点で問題が最終解決したものにはなっていないのである。

報道各社の伝え方には大きな温度差がある。

日韓関係の改善に向けて、今回の合意を基に、

問題の全面的な解決を実現するべきであるとの前向きの主張が存在する一方、

産経や読売のように、韓国側の責任だけを強調する論評も目立つ。

産経新聞は

「この問題が今後、二度と蒸し返されないという国と国との約束が守られることだ」

と表現して、韓国側の責任だけを強調する記述を示すが、

これは共同発表の文書を正確に理解していないものである。

共同発表は、

「この問題が最終的かつ不可逆的に解決される」

との表現を盛り込んだものの、これを無条件で認めたもにはなっていない。

既述した通り、

「日本政府が先に表明した措置を着実に実施されるとの前提で」

という「前提条件」が付されているのである。

また、

「在韓国日本大使館前の少女像」

についても、

「韓国政府としても可能な対応方法に対し、関連団体との協議等を通じて適切に解決されるよう努力する」

と表現されただけで、撤去を約束してはいない。

産経新聞は、

「政府間で合意した以上、指導者はこれを受け入れるよう国民を説得し、支援団体などを納得させるべきだ」

と主張するが、日韓外相の共同発表には、これを担保する記述は明記されていない。

産経新聞の主張の中心は、むしろ、安倍政権の対応に対する批判にある。

岸田外相の発表文は、

「慰安婦問題は当時の軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、

かかる観点から、日本政府は責任を痛感している」

「安倍首相は日本国首相として、改めて慰安婦としてあまたの苦痛を経験され、

心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」

と明記した。

産経新聞は、この対応を批判しているのだ。

「「軍関与」という誤解を生む表現を使う根拠はない」

との表現は、安倍政権の対応を正面から批判したものになっている。

また、

「10億円規模の新基金に政府の予算を投じることにも、日本国民の理解が得られるのか。疑問である」

として、日本政府が問題解決のために国家予算を投入することに対しても批判を展開している。

日本政府が、「心からおわびと反省の気持ちを表明」して、この問題の解決に真摯に取り組み、

日韓関係を改善させることは望ましいことである。

しかしながら、

「この問題が最終的かつ不可逆的に解決される」

ためには、

「日本政府が表明した措置を着実に実施される」

ことが前提条件とされた点を忘れてはならない。

日韓関係を真に改善しようと考えるなら、

日本政府は共同発表で確認した内容を誠実に履行することが必要不可欠なのである。

その点を不十分にしたまま、この問題が、再度「蒸し返される」ことがある場合には、

日本は韓国の対応を非難するべきではなく、日本の対応を反省する必要が生じる。

一方で、日本政府が合意を誠実に履行する場合には、韓国側は、

「最終的かつ不可逆的に解決される」

ことを遵守しなければならない。

結局のところ、こうした外交問題を真に解決するには、相互の誠実な対応が必要不可欠なのである。

相手を信頼し、尊重する。

そして、自国が採るべき対応を誠実に履行する。

両者がこのような原則を守って、初めて問題は解決するのである。

相手方を一方的に非難し、自国の理不尽な主張だけを振りかざしても、問題の解決が得られるわけがない。

歴史の真実に向き合い、反省すべき点は反省し、謝罪すべき点は謝罪する。

その上で、真の和解を実現して、良好で健全な外交関係を確立する。

これが当然のとるべき対応である。

日韓合意は日韓関係の改善に向けた第一歩になるが、

既述したように、合意には曖昧な表現が随所に存在する。

とりわけ、在韓国日本大使館前の少女像に関する合意内容には明確なものが含まれておらず、

この問題を解決するには、日本側が韓国側の十分な納得を得ることが必要不可欠になる。

この問題を残しておいて、逆にこれが今後の問題解決の大きな障害になるなら、

その責任は、曖昧な合意で決着させた日本政府の対応にあると言わざるを得ないことになる。

この部分に最大の懸念が残る。


 

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コメント
 
1. 2015年12月29日 20:06:17 : FfzzRIbxkp : 2g2OgjP8du4[79]
当時の日本軍による従軍慰安婦問題は韓国だけでなく、
中国、北朝鮮、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシアなどでも発生しています。こられの国との交渉は早々に始まるのでしょうか。

2. 2015年12月29日 21:00:21 : w9iKuDotme : S@BYVdB2dgc[96]
「軍の関与」だけで充分です。もうこれで性奴隷についての認識のズレはなくなりました。当たり前のことが、当たり前として全世界の共通認識になったのです。

これで「性奴隷は軍とは関係ない」とは、誰一人言えなくなりました。

植草氏、がんばってください。応援しております。


3. 2015年12月29日 21:05:40 : WYbSZt9f5c : PbYBqbEItYY[23]
 すぐさま中国と台湾が我らにも賠償せよー、解決せよーと迫っていますねー。 時間の問題で、旧日本軍が行ったところで賠償請求ラッシュになるかも? ドイツと違い日本は戦後処理をある意味誤魔化してきたツケかも。戦後にA級、B級の孫達や関係者が政治を行うか関る事自体、世界から見たら不思議がられるかして?

4. 2015年12月30日 02:22:05 : w9iKuDotme : S@BYVdB2dgc[99]
NYT
「More than 70 years after the end of World War II, South Korea and Japan reached a landmark agreement on Monday to resolve their dispute over Korean women who were forced to serve as sex slaves for Japan’s Imperial Army.
(第二次世界大戦から70余年、大日本帝国軍に奉仕するための性奴隷に、強制的にされた韓国人女性をめぐる論議に終止符を打つ、ハッキリとした合意が、韓国と日本のあいだでなされました。月曜日のことです)」
http://www.nytimes.com/2015/12/29/world/asia/comfort-women-south-korea-japan.html

内容に曖昧な点は残りましたが、ともかく「landmark agreement」だそうです。


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