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オバマ政権のミサイル防衛軽視 金融政策への集中、政治的モラルハザード生む=ルービン元財務長官 
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投稿者 蟲 日時 2015 年 2 月 25 日 20:08:30: VXoEun45fU5tI
 


オバマ政権のミサイル防衛軽視

2015 年 2 月 25 日 10:31 JST

朝鮮戦争休戦60年を記念して行われた軍事パレードに登場したテポドン級ミサイル(2013年7月) Agence France-Presse/Getty Images
 オバマ大統領が2016年度の国防予算案を発表してから数日の間に、パキスタンが核弾頭搭載可能な短距離ミサイルの発射実験を実施し、ロシアは新型「RS-26」大陸間弾道弾ミサイルの実験を実施すると発表した。イランは衛星を打ち上げ、北朝鮮は日本海に5発の対艦ミサイルを撃ち込んだ。いずれの出来事も、オバマ政権がミサイル防衛計画を軽視していることを浮き彫りにするものだ。

 連邦政府の歳出総額4兆ドル(約477兆円)のうち、国防予算は6120億ドル。そのうちオバマ大統領が国防総省ミサイル防衛局の予算にあてたのは81億ドル。11年以降で初めてのプラスだった昨年の75億ドルよりは増えた。しかしトレンドは依然として下向きだ。17年度以降はまた減少に向かうことになっている。大統領就任以降、ミサイル予算は物価調整後で25%減少した。

 09年、オバマ大統領はポーランドにミサイル迎撃システムを設置する計画と、チェコに大陸間弾道ミサイルの早期警戒レーダーであるXバンド・レーダーを設置する計画を撤回した。これに代わって4段階の欧州ミサイル防衛計画を発表したが、両国にとっては寝耳に水だった。米国内ではブッシュ政権時代に44基の設置を約束していたアラスカとカリフォルニア両州に設置するミサイル迎撃システムを30基に減らす方針を発表した。

 同年、複数の弾頭を持つミサイルにも対応できるいわゆる「マルチプル・キルビークル(多弾頭迎撃体)」の開発も放棄した。空中レーザー兵器、運動エネルギー迎撃ミサイルの開発も中止した。この2つのプログラムはミサイル発射直後のスピードが遅く狙いやすいときに破壊することを目指すものだった。宇宙に配備する迎撃システムは全く日の目を見なかった。

 大統領は13年に若干の軌道修正を行った。アジアにおける防衛を強化し、09年にいったん削ったアラスカとカリフォルニア両州に設置するミサイル迎撃システムの配備計画を復活させた。だが、それと同時にポーランドへの大陸間弾道弾の迎撃ミサイルシステム設置は再び見送られることになった。また、国内では東海岸の新たな迎撃システム設置候補地を見直し始めた。議会が長年せっついていた話だ。

 01年、経験は積んだもののまだ頭角を現してはいなかったオバマ氏は、ミサイル防衛計画への不支持を表明した。ロナルド・レーガン大統領の「戦略防衛構想」以来、多くの民主党員は同じような考え方をしてきた。しかし、技術者らは銃弾を銃弾で撃ち落とせることを証明した。01年以降の81回の実験のうち65回は成功したのだ。イスラエルの防空システム「鉄のドーム」は、それを上回る成績を上げている(米国の資金援助で)。

 そのため、今では民主党もミサイル防衛を頭から否定はしない。代わりに、これを例えばロシアのプーチン大統領のような敵役との交渉のカードとして使おうとしている。 10年にプーチン氏は、ミサイル迎撃システムは「われわれの核攻撃能力を脅かす」と述べた。つまり、ミサイル迎撃システムはロシアが核兵器やミサイルを使って弱い者いじめをするのを止めさせることができるのだ。だからこそ米国はミサイル迎撃システムに投資すべきだった。しかしオバマ政権はプーチン大統領を安心させるようなことばかりやってきた。

 オバマ政権は、ロシア政府との新戦略兵器削減条約(新START)について議論を進めている最中にポーランドとチェコの配備計画撤回を発表した。

 政権の高官は当時、ワシントン・ポストに対し、新たな米国の方針によってロシアは「以前ほど脅威を感じなくなる」との見方を示した。4年後、米政府はさらに欧州のミサイル迎撃計画を縮小した。このとき別の政府高官は、国際問題に関する著作の多いデービッド・ロスコフ氏に、(ミサイル防衛計画は)ロシアとの「重要な協力関係のあらゆる局面で障害になっていた」と述べた。イラン、シリア問題を含めてだという。

 ロシアは、シリアでもウクライナでも米国への非協力を貫いている。米国の情報当局は今や北朝鮮がミサイルに核弾頭を搭載できるのではないかと懸念している。また米海軍は中国が世界で最も実戦的で多様な弾道弾ミサイル計画を持っており、米国の軍施設や都市を攻撃できる能力を持っていると語る。

 共和党主導の議会は、東海岸のミサイル迎撃施設の建設、打ち上げ直後のミサイルを狙う迎撃システムの開発を推進し、北大西洋条約機構(NATO)や日本、韓国、オーストラリアとの関係強化に努めるべきだ。世界の秩序にはほころびが広がっており、ミサイル防衛は重要性を増している。

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金融政策への集中、政治的モラルハザード生む=ルービン元財務長官 
By ROBERT E. RUBIN
原文(英語)
2015 年 2 月 25 日 14:57 JST

「金融政策にだけ注目することは、政治的モラルハザードを生む」 Getty Images/Ikon Images
 ユーロ圏、日本そして米国という三つの主要先進経済は、引き続き大きな課題を抱えている。ユーロ圏経済は低調なうえに脆弱(ぜいじゃく)性が見られ、日本は再びリセッション(景気後退)に陥っている。一方、米国ではこのところ経済指標が回復してはいるものの、過去の基準に照らせばその足取りは依然として鈍い。平均実質賃金は低迷しており、労働市場は公式の失業率が示唆するよりも軟調だ。

 この3経済が抱える課題の特徴は異なっているが、共通していることが一つある。メディアやアナリスト、投資家らが中央銀行へと続く「黄金のレンガ道」(「オズの魔法使い」で魔法使いのいるオズへと続く道)を探してばかりいることだ。欧州中央銀行(ECB)による量的緩和は大きな効果を生むのだろうか。日銀は今後どのように政策を進めるのだろうか。そして、米連邦準備制度理事会(FRB)はいつ利上げに踏み切るのだろうか、といった具合にである。

 金融政策は重要だが、万能ではない。金融政策に過剰な注目が集まると、財政や公共投資、構造問題といった、短期だけでなく長期的にも経済にとって重要な問題での政治家が犯す失敗に目が向かなくなり、これが深刻なモラルハザード(倫理観の欠如)を発生させる。同様に、中銀の政策に注意が集まることで、政治家の行動に対する国民の圧力が弱まる。また、金融政策の決定自体も、効果とリスクの間で厳格にバランスを取ることが必要となる。

 ECBのドラギ総裁による有名な、ユーロ圏を守るために「必要なことは何でもする」という約束は、時間稼ぎの手法として見事なものだった。しかし、金融政策でユーロ圏の問題は解決できない。日本と同様、ユーロ圏でも国債利回りは長い間、超低水準で推移している。リスク調整ベースで見れば、特にユーロ圏の利回りは低い。ただ、金利低下は投資や消費の決定にほとんど影響を与えないだろう。ECBの政策を受けてユーロ相場は下落しており、この傾向は今後も続きそうだが、景気に対する効果は限定的とみられ、ユーロ圏経済を活性化させるには至らないとみられる。

 政策効果の波及メカニズムが限られていることから、ユーロ圏の量的緩和(QE)がインフレ期待を大幅に押し上げる可能性は低い。ただ、何もしなければデフレ懸念が強まり、すでに政策を見越してこれを織り込んでいた市場は混乱していた恐れが大きい。

 米国では、すでに債券買い入れ自体が終了しているにもかかわらず、量的緩和第3弾(QE3)によるリスクが根強く残っている。QE3によって、FRBは買い入れを通じ債券利回りを低水準で維持することが可能であり、また、実際にそうするだろうという安心感が生まれた。このため、政府首脳らは、自分たちに行動するよう求める圧力が低下したと感じている(これは政治的モラルハザードだ)かもしれず、また、投資家のリスク資産に対する投資を米国だけでなく世界中で過剰に拡大させた可能性がある。

 米国株式市場は過去最高値付近で推移している。レバレッジド・バイアウト(LBO、買収対象企業の資産を担保とした借り入れによる買収)は、コベナンツ(特約条項)がないか、あっても最小限の状態で行われている。イタリア、スペインおよびフランスの10年物国債利回りは、米国債のそれを下回っている。こうした動きが行き過ぎだとすれば、市場はいずれ(それも恐らくはかなり)不安定になるだろう。スイス国立銀行(中央銀行)がスイスフランの対ユーロ上限を撤廃した際、市場は急激な動きを見せた。スイス中銀の場合、為替レートを上限で抑制しようとしていたのを取りやめたため、フラン高となったわけだが、この例は、中銀による通貨政策が市場を不安定化させる可能性についてのヒントになるだろう。

 さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシートが過去に例のないほど拡大していることで浮上しているのが、金融引き締めを進めるにあたって、引き締めが少なすぎても多すぎてもいけないという政策上の失敗リスクだ。一部では、保有資産を売却するのでなく、超過準備に付与する金利の引き上げやリバースレポを通じて引き締めるのであれば、リスクは最小限に抑えられるとの声もある。だが、これについて、魔法のような解決策はない。こうした代替的な政策ツールに対して市場や銀行、企業がどう反応するかはこれまで試されたことがなく、誰にも分からない。また、その力学は異なるとはいえ、景気減速やインフレに関するリスクについても事情は同様である。

 こうしたリスクが大きくなれば、景気回復を成功させるために政治家が必要な行動を取ることの重要性も高くなる。米国ではこのような課題として、財政運営の健全性が高く構造がしっかりしていること、公共投資が堅調であることに加え、移民や教育、貿易の自由化など多岐にわたる項目についての構造改革が含まれる必要がある。財政運営では、大きな雇用創出につながるインフラ支出が、歳出入に関する財政規律の確立(やや遅れているが)と並列して行われるべきだ。また、歳出の自動削減措置は解除すべきだ。

 ユーロ圏では、問題を抱えるイタリアやスペイン、フランス、そして最も喫緊の課題に直面しているギリシャといった加盟国の首脳が、構造改革を進め、銀行システムを強化し、さらに、市場や企業の信頼を得られる財政規律と成長に向けた財政措置の余地とのバランスを取ることが求められる。日本の場合、根本的に必要なのは構造改革だ。

 この主要3経済圏ではいずれも、中銀の政策に過大な注目が集まることで生じるモラルハザードに目をこらすことが必要だ。金融政策については、あらゆるリスクとメリットを踏まえた実証的分析をすべきである。「黄金のレンガ道」の先にいるはずの魔法使いを探すのではなく、われわれが選んだ政治家に対し、困難な財政や公共投資、構造改革について、現在大きな効果を上げ、長期的にも重要となる行動を起こすよう求めるべきだ。

(筆者のロバート・ルービン氏は元米財務長官で、現在は米外交問題評議会の共同理事長)
http://jp.wsj.com/
 

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