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「力の限界」に直面=使命と現実のはざまで苦悩−米(戦後70年)  時事通信
http://www.asyura2.com/15/warb15/msg/444.html
投稿者 ダイナモ 日時 2015 年 4 月 15 日 18:49:21: mY9T/8MdR98ug
 

 【ワシントン時事】冷戦に勝利し唯一の超大国になったはずの米国は今、出口のないテロとの戦いを続けている。米同時テロ以降のアフガニスタン、イラクでの戦争に終わりが見えた途端、過激派組織「イスラム国」という敵が現れ、米主導の国際秩序に挑戦する。暴力の連鎖の中で聞こえてくるのは、米国にはもはや世界の自由と民主主義の擁護という「使命」を達成する力はないのではないかという憂鬱(ゆううつ)な自問だ。

 ◇「他人の戦争」

 南部バージニア州アレクサンドリアの会社員で元米兵のジョシュア・ロートンさん(32)は、戦地に赴いた経験を持たない市民の視線に、微妙な違和感を抱く。

 衛生兵として2度イラクに派遣されたロートンさんは帰国後、ジョージ・メーソン大に入学。教授から「『兵士にしては』非常によく書けている」とリポートを褒められた。「軍に入ったのなら、頭は良くないはずだと考えたんだろう」というのが、ロートンさんの見立てだ。

 「戦争に行ったことがなければ、戦争を真に理解できない。私たち(退役軍人)と彼ら(一般市民)の間には、大きな文化の違いがある」「多くの人が元兵士に喝采を送るが、自分の子供を軍務に就かせたいかと問われれば、即座にノーというはずだ」。ロートンさんは、軍をたたえる風潮の裏に潜む偽善を、鋭く嗅ぎ取る。

 「イスラム国」掃討戦については、中東を舞台にした宗派間の闘争であって、米国との直接の関わりはないと述べ、「他人の戦争だ」と断じる。戦場を知らない政治家や有権者は、アフガン、イラクを経て、自らが犯した過ちに気付き始めているはずだ−。戦争を語るロートンさんの言葉には、こうした思いがにじむ。

 ◇イラクで破綻明らかに

 ボストン大のアンドルー・ベースビッチ名誉教授(国際関係論・歴史学)は、ベトナム戦争末期の1973年にニクソン政権が徴兵制を廃止して以降、米国の安全保障政策の漂流は始まったと説く。同氏によれば、職業軍人だけで構成する、より小規模な「全志願制の軍隊」は91年の湾岸戦争で絶大な強さを発揮し、「世界で最も偉大な国家という米国の自己像の核となった」という。

 だが、一般市民にカネ以外の負担を課さない志願制度は、社会と軍との距離を広げ、軍への過信を招いた。その結果が、独裁体制を倒せば決定的勝利を得られるという期待の下で始まり、8年以上に及ぶ血みどろの闘争に引き込まれたイラク戦争という「失敗」(ベースビッチ氏)だった。

 ベースビッチ氏は「騒乱を治めるには多くの地上部隊を必要としたが、志願制に依拠するようになった米軍には十分な兵力がなかった」とイラクで露呈した軍事面の不備を指摘。その上で、以前にも増して「軍への支持を表明する全く空虚な美辞麗句」が目立つようになったとして、失敗を省みようとしない米社会に批判の矛先を向ける。

 ◇根強い「例外主義」

 調査機関ピュー・リサーチ・センターが今年2月に実施した世論調査では、「世界のテロリズムを打ち負かすには、圧倒的軍事力を行使するのが最善だ」との回答は47%で、軍事力への過度な依存は逆効果だとする答え(46%)と伯仲した。今月公表の別の調査によると、65%が「イスラム国」との戦いに当たり、何らかの形で米地上部隊を用いるべきだと考えている。

 イラク戦の教訓にもかかわらず、なぜ国民の多くは軍事介入を支持するのか。オバマ大統領は昨年、同組織壊滅に向けた包括戦略を説明する中で「欧州からアジア、アフリカ、戦火で荒廃した中東各国の首都に至るまで、自由と正義、尊厳のために戦う」と宣言した。世論を動かし、力の行使への抵抗を和らげるのは、米国には自由・民主主義・正義を守る特別な責務があるとする「例外主義」だ。

 ただ、大統領は例外主義を鼓舞しつつ、軍事力の使用には慎重な姿勢を示してきた。同組織に対する軍事作戦では、米軍の役割を空爆とイラク軍の訓練などにとどめ、大規模地上部隊の派遣を一貫して否定している。

 ベースビッチ氏は「米国の力に限界があることを大統領は理解している」と推し量った上で、次のように解説した。「あまりに多くの国民が米国の例外主義を奉じているため、大統領ですら、これを信じていなくても、信じていないとは明言できない」。 


http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2015041500595
 

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